NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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約束通り更新できました・・・。

お気に入り登録、評価。ありがとうございます。

あまり執筆に時間を取れないのですが、とても励みになります。


では、つづきをどうぞ・・・。


058.五尾争奪戦 其の肆

 爆風に吹き飛ばされたオレは運良く、その後の地下空間の崩壊には巻き込まれずに済んだ。

 

「恐らく人柱力が死んだことによって、五尾が解放されたからあんなこと(チャクラの暴発)になったんだと思うが・・・」

 

 あれじゃあ五尾。生き埋めじゃね?

 

 そんなことを思っていると又旅が口を開く。

 

『まぁ彼奴も尾獣。生き埋めくらいじゃ死なんじゃろうて』

「なんだよ。地下に入ってからはずっとだんまり決め込んできた癖に。地上に戻ってきたら早速おしゃべりか」

『妾らはずっとおまえ様に話しかけておったわ。おまえ様が妾らの声に耳を傾けなかっただけじゃろうに』

「え、そうだったの?」

『「なんて惨いことしやがる・・・岩隠れッ!!」と、おまえ様が勝手にひとりで盛り上がっていたからの。まぁ元々何かに熱中したら他のことは視界から消え去ってしまうおまえ様のことじゃから仕方がないことじゃがの』

 

 わざわざ最初のセリフは声真似までしていただいて・・・。

 

 恥ずかしいからやめてくれ。

 

『主様。そんなことより第一段階の人柱力保護が失敗した以上、第二段階の五尾確保に向けて動いたほうがいいのではないだろうか』

『お?なんだなんだ?五尾の野郎とマジで()り合うってならこの俺、水簾洞の美猴王、六道仙人より孫の法号を与えられし仙猿の王、孫悟空斉天大聖を・・・』

「うるせーよ、悟空。カカロットって呼ばれたくなきゃその長台詞やめろ。そして今は出てくんな」

 

 オレがそう言うと、悟空はウキキィと鳴いて(もしかしたら泣いてかもしれないが)、そこから黙った。

 

 いや、それにしてもそんなにカカロットは嫌か。

 

『それにしても尾獣と()り合うのは、八尾牛鬼、四尾悟空(バカザル)に続いて3度目じゃな』

『敵地であるし、口寄せの儀式でもない故、今度は我らも加勢してもよいな。主様よ』

『いいや。むしろ妾らだけで良かろう。たまにはおまえ様も休んで高みの見物をしてるがよいぞ』

 

 オレを除け者にして。

 

 戦術がああだこうだ。ああでもないこうでもないと盛り上がっている又旅と重明。

 

 普段は大人しいが、やっぱ血気盛んなところをみると尾獣なんだなと感じる。

 

『五尾の躰は大き過ぎる。我ら尾獣のなかでもトップクラス。又旅、お主には無理だ。我の支援に徹しろ』

『何、寝ぼけたことを言っておるんじゃ。だからこそ小回りの利く妾がひとりで()ると言っておろうに』

「あのなぁ」

『そもそも重明。お主はわがままが過ぎるんじゃ』

『又旅。その言葉、そっくりそのまま返そう』

 

 だめだこいつら。はやく何とかしないと・・・。

 

「よし。お前らちょっと黙ってろ。今回は悟空にやらせることにする」

 

 いい加減、身内で仲間割れを起こしているこいつらにお灸を据えようとそう言い放ったのだが。

 

『『んなっ!!』』

 

 予想以上に効果抜群、効果覿面だった。

 というか、この世の終わりみたいな感じになっている。

 

『えぇぇッ!!マジでいいのか!?俺で!!』

「え、あ、うん。いいよ」

 

 なんか、嘘とはいいにくいほどに悟空が食いついてしまった。ついさっきまで大人しく黙っていたのに。すでにテンションが天元を突破してしまっている。

 

 それを見た又旅と重明が更に絶望に浸っている。

 

 ・・・。

 

 まぁ、いっか。

 

「それじゃあ」

 

 悟空よろしく。と言って影分身を1体作ろうとしたそのとき。

 

 ドドドドドドドドドッ・・・と、大きな揺れが起こり、それに伴い大きな土煙も発生する。

 そして、地面が爆発したように岩が飛び散ったのち、それが姿を現した。

 

 悲鳴とも、叫びとも、咆哮とも取れる音を発して。

 

 その白い巨躯を現した。

 

「あれが五尾か・・・」

 

 オレが見上げる視線の先にいるのは、イルカと馬を掛け合わせたような、というしか形容のしようがないある意味特徴的な容姿を持ち、尾は九尾のそれらに似る。

 五つの尾を持つ魔獣であり、妖魔であり、尾獣。

 

 その尾獣。五尾は姿を現したと同時に暴れていた。暴れまくっていた。

 

 いままでの鬱憤を晴らすかのように。

 

 いままでの怒りを表すかのように。

 

 さっき、人柱力の中から見ていたであろうオレには目もくれずに、視界にも入らずに、尾獣玉を作っては放ち、作っては放ち。

 

 それを繰り返して、辺り一面を壊しに壊しまくっている。

 

 規模こそ次元は違うが、その様子は癇癪を起した幼い子どもにも思える。

 

 きっとあの様子だと話しかけても聞く耳は持つまい。

 

 ここは一発殴って、目を覚まさせてから話をするとしよう。

 

《影分身の術》

 

 ボフンッと煙を立てて現れるのはもう一人の自分。

 

「じゃあ、悟空。行ってきていいぞ。ただその代わりその身体は影分身だからな。一撃喰らったらオレの中に戻ってくるからな」

『了解だ!カルタッ!!』

 

 オレの影分身体が尾獣化をする。

 

 ウキキィィィ!!!と叫びながら。

 

 ただ、尾獣化する前からオレの身体で猿の鳴き声をするのはやめてもらっていいかな。オレが猿になってるみたいで・・・見てて気持ち悪いんだ。

 

 それはさておき。

 

 突然現れた同胞、四尾孫悟空にいままで感情に身を任せるがままに暴れまわっていた五尾も流石に動きを止める。

 

穆王(こくおう)ォォォ!!覚悟ォォォォォ!!!」

 

 自慢の運動能力の高さを遺憾なく発揮し、上空へとジャンプをする悟空。

 

 五尾が言葉を発する前に、行動を起こす前に、先手必勝と言わんばかりに熔遁を纏った拳を五尾の頭上に振り下ろした。

 

 

 ドゴォォォォォォンンン!!!!!

 

 

 何の回避行動も取れなかった五尾は、何の回避行動をも取らせなかった悟空のマグマの拳によって地面へと叩きつけられた。

 

 土埃、土煙で何も見えないが、あの威力の攻撃をもろに喰らったであろう五尾は地面にめり込んでいるだろう。

 

『ふん。不意打ちなど尾獣の風上にも置けんわ』

『全く。我もその意見には同感するぞ』

 

 ったく。まだ拗ねてやがるこいつらは。

 

 ウキキィィィ!!と、勝利の雄叫びを上げているらしい悟空のことをそう評する又旅と重明。

 

 ウホッウホッと、両手で胸を叩いてますます猿・・・というかゴリラみたいになっている孫悟空に「油断してると一発もらうぞーっ」と注意をするオレ。

 

 そんな注意も虚しく。

 

 今度は悟空が地面にめり込む番となってしまった。

 

 

 

「ウィィィィィィィィィィィ!!」

 

 

 

 突如として悟空と五尾の頭上に現れた八尾によって・・・。

 

 

 




こんにちは。新名蝦夷守です。

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次回は戦闘突入しますかね。まだ書いてないのでわかりませんが・・・笑

なるべく早めに更新出来たらなと思っています。

では、また次回もよろしくお願いします。

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