NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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遅くなりました・・・。

では、つづきをどうぞ。


056.五尾争奪戦 其の弐

 土の国北東部に存在する古い祠。

 

 その祠が一体いつから存在するのか。

 

 ある者が言う言い伝えによると、大昔にこの地域に災害をもたらした悪神の使徒を山の中に封印したそうだ。

 だが、使徒を封印されたことに怒りを覚えて報復されることを恐れた住民たちが悪神の怒りを鎮めるために使徒を封印した山の麓にある洞窟に悪神のための祠を作った。

 そこには今でこそ生け贄は山で狩った動物を捧げているらしいが、その昔は近所の村の若い女を持ち回りで数年に一度、生け贄として捧げていたらしい。

 

 どうやら、その祠がある洞窟かその周辺に岩隠れの人柱力は匿われているらしいな。

 

 さっき話しを聞いたおじいちゃんがポロリと漏らしたのだ。

 

 「お役人さんじゃダメだ。誰でもいいからさっさとあの化け物を退治してくれないかねぇ」と。

 

 そしてその祠にはいつから五尾や人柱力を封ずる場所となったのか。

 

 悪神の使徒とは五尾のことなのか。

 

 言い伝えが正しい歴史とは限らない。

 

 悪神がいたから祠を作ったのか。それとも、祠があったから悪神を祀ることにしたのか。

 

 悪神の使徒を封印したのが山だったのか。それとも、悪神の使徒を封印したから山になったのか。

 

 そんな「鶏が先か、卵が先か」みたいな議論はひとまず置いといて・・・。

 

 確実に言えることは、そこに今現在、五尾の人柱力がいるらしいってことだけだ。

 

 

 

 それから山道に入り歩くこと1時間弱。

 

 オレは洞窟を視認できる距離までやってきた。

 

「やっとお出ましか」

 

 人柱力という国と里の秘密兵器を守るにはザルとしか言えない警備だったが、ようやく敵の索敵にオレが引っかかったらしい。

 

 岩隠れの暗部1小隊が侵入者であるオレを襲撃してくる。

 

 油断をしているつもりはないが、わざわざ相手をしてやる必要もない。

 

《火遁・白虎の術》

 

 印を結び、オレの口から噴き出した炎が虎を模して意志を持ち、自律して敵を逆に襲う。

 その大きさは5m。

 しかし巨体でありながらも鈍重さは欠片もない。

 

 炎の虎が召喚されたと同時に狩る者と狩られる者の立場が逆転する。

 

 白虎が動くと同時に1人目を切り裂き、次いで2人目を噛み砕く。

 

 そして3人目、4人目も瞬く間に平らげた白虎は何事もなかったかのように消え去った。

 

 まさかこれで敵勢力全員だとは思わないが・・・。

 

 それにしてもあまりにもあっけなかったな。

 

 もしかしたら、岩隠れは人柱力の守りにそんなに力を入れていないのかもしれない。

 

 それが元々そういう方針なのか、それとも戦況が後方に力を入れている場合ではないからなのかは知らないが。

 

「まぁ、邪魔が少ないに越したことはないけど・・・なんか、胸騒ぎがするんだよなぁ」

 

 その胸騒ぎ、予感は的中する。

 

 その後、洞窟に足を踏み入れて数十メートル。突如として起こる爆発と洞窟の崩壊。

 

 こんなことになるなら写輪眼発動させておくべきだった。

 

 無数の岩が降り注ぐ洞窟の中。オレはそんなことを思いながら閉じ込められていった・・・。

 

 

 

「・・・やったか?」

 

 その様子を外から眺める7人の集団。そのうちのひとりが独り言のようにつぶやく。

 

「いや・・・」

 

 洞窟が崩壊したときよりも大きな地震が起こる。

 

「今回の任務は失敗だ。ずらかるぞ」

 

 もしかしたら、俺たちは藪をつついて蛇どころか龍を出しちまったかもしれねぇなァ。

 

 リーダー格の男が心中でそうつぶやく。

 

 そして7人が飛び去ると同時に崩れた洞窟自体が爆散した・・・。

 

 

 

「あぁー・・・息苦しかった」

 

 チャクラを全身から一気に放出させることで洞窟自体を爆散させて脱出したオレは新鮮な空気を目一杯吸い込む。

 

「ったく。派手に爆発させやがって」

 

 それ以上の爆発を起こした張本人が言うセリフではない。

 

 (トラップ)での奇襲を受けたオレは写輪眼を発動させ、更なる追撃に備える。

 

 が、近くには敵勢力らしき反応はなかった。

 

 その代わりに、洞窟が崩落した影響を全く受けていないように見える祠を発見する。

 それをよく見ると、周りには特殊なチャクラが常に流れておりそれが結界の役割を果たしているらしい。

 

「あー。あそこが例の祠ってやつだな」

『主様よ。あの結界、我らと同じチャクラの質であるぞ』

『そうじゃのぅ・・・このニオイの感じは五尾のじゃな』

 

 暇だったのか、もしくは急激にチャクラを放出させたからなのか。呼ばれてもないのにジャンジャジャーンと言わんばかりに首を突っ込んでくる七尾重明と二尾又旅。

 

「まぁ、そんな気はしてたけどな。永久に流れ続けるチャクラの原動力とした結界なんて普通の代物じゃない」

『ふむふむ。おまえ様よ、あの祠の下に地下空間的な空洞が存在するようじゃの。五尾はそこにいるようじゃ』

「あぁ。正確には五尾の人柱力な」

 

 そんな会話をしながら祠へと近づく。

 

「それで?この結界はどうやったら外せるんだ?」

『そんなこと知らんわ。おまえ様なら何とかできるじゃろ』

 

 その絶対的な信頼よりも助言なり、知識なりが欲しい。

 

「重明と悟空は?」

『主様なら何とかなりそうなものだが・・・』

『カルタなら力尽くで結界ぐらいいくらでも壊せるだろ?』

 

 なんとも頼りにならない連中だった。

 

「まぁ、仕方ない。祠と結界ぶっ壊して下に降りるか」

 

 結局それか!というツッコミも聞こえてきそうだが。

 今できることはそれしかないので仕方がない。

 

 チェストォォ!!という叫び声と共に繰り出されたすごいパンチによって結界ごと祠が消し飛んだ。

 

 そして祠の後ろにあったどっしりとした500メートル級の山ひとつも消し飛んだ。余波で。

 

『アホ!やりすぎじゃ!!』

「あっれ~?力加減間違えたわ」

『間違えたわじゃないわっ!!このアホーっ!!』

 

 又旅の叫び声だけが響き渡った・・・。脳内だけに。

 

 

 




こんにちは。新名蝦夷守です。

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次回、まだ書けておりません!!というわけで、近々!!

ではでは。

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