NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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では、お待たせいたしました。つづきをどうぞ~


040.雨に蠢く闇の住人 其の漆

 天間が大人数のチャクラの反応を感知したときとほぼ同じ頃。

 雨隠れの領内ではもうすでに大粒の雨が降っていた。

 

 そして、雨隠れの里長である山椒魚の半蔵と『暁』という組織のリーダー弥彦との会談が行われるはずだったその場所には、半蔵の直属の部下である者たちと木ノ葉の闇ダンゾウ子飼いの暗部衆が『暁』をここで滅ぼそうと待ち伏せをしていたのだった。

 

「俺にとって『暁』という組織は邪魔以外の何物でもない。弥彦とやら、『暁』のリーダーであるお前にはここで死んでもらう」

 

 そう言って、青髪の少女を人質に取りその首にクナイを当てながら続ける。

 

「抵抗すればこの女の命はない・・・そこの赤髪のお前」

 

 青髪の少女の首に当てていたクナイを半蔵が投げ、赤髪の青年の足元に刺さる。

 

「それで弥彦を殺せ。そうすればこの女とお前のことは助けてやる」

 

 半蔵のその言葉に青髪の少女。小南は、自分のことは良いから2人とも逃げて。と叫ぶ。

 オレンジ色の髪を持つ青年『暁』のリーダー弥彦は、長門ッ!俺を()れッ!と叫ぶ。

 この光景に渦中の人となっている赤髪に輪廻眼を持つ青年、長門は思考がぐるぐるとまわり完全に動きが止まり、固まってしまっていた。

 

「早くしろッ!この女がどうなってもいいのかッ!?」

 

 半蔵から放たれる威圧感と恫喝。

 

 それによって反射的にだろうか。長門は足元に刺さっているクナイを手に持った。

 

 手に、してしまったのだ。

 

 自らが犠牲になれば親友2人の命は助かる。

 その言葉を半蔵の口から聞いた弥彦は考えるまでもなく走った。親友長門が持つクナイの先端を目掛けて。

 

 パシッッ!

 

「ッ!?」

「全く・・・お前らという奴は手を焼かせるのォ」

 

 長門の手を掴み、クナイを地面に落とさせる、自来也。

 

「お前か・・・大蛇丸」

「今回、貴方とはどうやら敵みたいですねェ。ダンゾウさん?」

 

 その身に蛇を纏い、草薙の剣を抜刀した状態でダンゾウの背後に立ち動きを牽制する、大蛇丸。

 

何奴(なにやつ)だ?」

「完全な不意打ちだったのに流石だな。山椒魚の半蔵」

 

 千鳥の風遁版。千鳥は雷遁のチャクラを限界まで性質変化を極めた術。この術は風遁のチャクラで限界まで性質変化を極めた術。

 千鳥を発動した際に放たれる千羽の鳥が鳴くような轟音は皆無。

 隠密性に優れながらも風遁の貫通力を最大限に発揮することができる術。

 

 その名も圧切(へしきり)

 

 オレの元いた世界では第六天魔王を自称したとされる織田信長が所有していた名刀の名を頂いた。

 その名刀が持つ逸話に負けない術となったのだが、今回は不発と終わった。

 

「まぁ、でも人質は返してもらったけどな」

 

 そう言ってオレは小南の手を素早く掴み、瞬身の術で弥彦、長門、自来也がいる場所にまで下がる。

 

 人質にされていた小南はオレが半蔵に奇襲をかけた際に、半蔵は反射的に単身で回避してしまったため拘束が解かれていたのだ。

 

 それを第一目標としての奇襲だったことに気がついた半蔵はシュノーケルの中でさぞ苦い表情を浮かべていることだろう。

 

「小南、大丈夫だったか?」

「う、うん。ごめん、捕まっちゃって」

 

 などと弥彦と小南が感動の再会的な会話を交わしている間も現場の緊張感は増す一方だった。

 

「ちなみに聞くけどこのまま引くつもりは?」

 

 写輪眼を発動させ、自分的には威圧感を出して尋ねてみるが、結果は案の定、尻尾を巻いて逃げかえるなんてことはなく。

 オレたちのいる地面が急に捲りあがる。巻き付こうを意志を持った蛇のような動きの正体は、地面に仕掛けられていた(トラップ)。無数の起爆札だった。

 無駄なことだと。そう思いつつも尋ねたオレがバカだった。

 

 オレは起爆札が身体に纏わりつく前に見切れたため跳躍して空中に逃れる。

 

 自来也は《忍法・針地蔵》で、自身と『暁』の3人を防護する。

 

 ボゴンッッッ!!!という半蔵が起爆札を爆発させたことが開戦の合図となった。

 

 大蛇丸がダンゾウに斬りかかると、ダンゾウ子飼いの暗部衆が己の身体を犠牲にしてまで主人であるダンゾウを護る。ダンゾウと数人の暗部以外はそれまでいた崖を一気に飛び降り、『暁』の殲滅に乗り出す。

 

 自来也は自身の周りの煙が立ち消える前に半蔵目掛けて飛び出した。それを真正面から受け止めた半蔵との一騎打ちの様相を呈している。

 

 カカシ、天間、コロウの3人は半蔵が連れてきた雨隠れの忍びと交戦に入り、他の『暁』VS雨隠れの忍びとダンゾウ子飼いの暗部との戦闘は序盤からすでに乱戦と化している。

 

 さてと、オレも参戦するとしますか。

 

 拳を握りしめ、「ハァァァッ!!」という気合と共に、八門遁甲の第四傷門までを開き、チャクラを一気に全身へと行き渡らせる。

 そこから全身に行き渡ったチャクラを雷遁のチャクラへと変化させる。

 そして通常の(まとい)から弐式へとギアを上げる。

 

 まだ、行けそうだな・・・。

 

 今までのオレならこの次は第六景門まで八門遁甲を開かなければできなかったのに。

 自分の成長をこんなときにもかかわらず嬉しく思う。

 

 雷遁のチャクラを更に質が高く、濃密なものへと変換させる。

 

《雷遁・纏 参式》

 

 バリバリバリ!!と、蒼白い稲妻が全身を迸り、これで戦闘準備は完了だ。

 

 とりあえず木ノ葉と。それに雨の平和のためにも、両里にとっての癌となっている半蔵とダンゾウはここで確実に仕留めなきゃなんねぇな・・・。

 

「弥彦さん、長門さん、小南さん3人は自来也さんのサポートに回ってください」

 

 その言葉に頷く3人。

 

 さぁ、やってやろうじゃねぇか。反撃開始だッ!

 

 




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以上、新名蝦夷守でしたー。では、次回まで・・・

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