NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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では、本編をどうぞ・・・


039.雨に蠢く闇の住人 其の陸

 雨隠れの里領内。

 

 その中でも火の国の領土との国境に広がる森。

 

 つまり、1時間ほど前にオレがダンゾウを見つけた地点(ポイント)に舞い戻ってきた。

 

「へぇ・・・便利な術じゃない」

「ありがとうございます。大蛇丸さん。でも、この術はぼくがチャクラで身体を護らないと時空間移動中に身体が崩壊してしまうのが難点なので、他の方には使えないんですよね」

「まぁ、どんな術にだってメリット・デメリットはあるものねぇ」

 

 大蛇丸だけでなく、他の4人もこの距離を一瞬にして移動したことに驚きの表情を浮かべていた。

 自来也にとっては逆口寄せの術で時空間移動をしたこともあるだろうに、周りと同じ反応を示していた。

 

 それはさておき。

 

 ここで原作からの知識を影分身からの情報と情報源を偽って皆に話すことにする。

 

「皆さん、今ぼくの影分身からの情報が入りました。現在ダンゾウが接触しようとしている相手は雨隠れの里長・山椒魚の半蔵です」

 

 オレが出したビックネームに一同がそれぞれの反応をする。特に反応したのが大蛇丸と自来也の2人だ。

 自来也は苦虫を嚙み潰したような渋い表情を浮かべ、大蛇丸は獲物を見つけた蛇ような表情を浮かべている。

 

 彼らが「木ノ葉の三忍」と呼ばれるきっかけとなった敗戦。

 その際に戦った相手が雨隠れの里長・山椒魚の半蔵だったのだ。しかも、最後には彼に情けをかけられ、「三忍」の名付け親とまでなっている。

 

 彼らの半蔵に対する心情は並大抵の言葉じゃ言い表すことはできないのだろう。

 

「山椒魚の半蔵は、雨隠れの里内で最近できた戦争の平和的解決を目指す組織『暁』が勢力を急激に伸ばしていることに危機感を感じていたようです。そこを突いたダンゾウが半蔵に接触をし、手を組んで『暁』を騙し討ちする算段をつけているようです」

 

 そして、とオレは話を続ける。

 

「『暁』のリーダーの特徴はオレンジ色の髪を持つ青年で名前はヤヒコ」

 

 この名前が出始めたころから、自来也の顔色が変わり始める。

 

「その側近を務めているのが青髪の女性、コナン。そして赤髪で長髪の青年、ナガト。これは未確認情報ではありますが、最後のナガトという男は伝説上の眼である輪廻眼を開眼しているという情報も入ってきています。ぼくの影分身も確認を試みたのですが、なんせ長髪で瞳が隠れてしまっているので遠目からだと確認できなかったようです」

 

 黙りこくっている自来也を訝しげに見る大蛇丸。「もしかしてその子たち、自来也。アナタが昔忍術の手ほどきをした孤児じゃないの」と小声で聞いているようだが、自来也は頷きもしない。

 

「火影様から受けた命は現在無期限謹慎処分中の志村ダンゾウによる独断専行軍事行動の阻止。その方法は目標(ターゲット)の生死を問わずとのことです。班は大蛇丸さんの班がコロウさん、カカシさん。自来也さんの班が天間さん、そしてぼく。『暁』への襲撃は雨隠れの里内で、半蔵とダンゾウが『暁』との会談を口実に呼び出したところで行われる模様です。時間的な猶予はもう残り少ないかもしれません。急ぎましょう」

 

 オレたちはオレの発したその言葉を機にその場から走り始めた。

 

 

 

 

 

 雨隠れの領内を中に進むにつれて雲が濃くなり、天気も悪くなってくる。

 

「その、自来也さん。さっき気になってはいたんですけど、もしかしてその『暁』の構成員に心当たりでも?」

 

 木と木の間を縫うようにして移動している中。いままで口を開いていなかった千手天間が自来也に尋ねる。

 

「まあのォ。ちっとの間だけ見ておったワシの弟子たちってところかのォ・・・」

「そうだったんですね。では、もしかしてその輪廻眼っていうのも本当だったりしますか?」

「あぁ・・・カルタが言っとった長門っていうのが輪廻眼を持っていての。ワシはあの子こそが予言の子だと、そう信じている」

 

 予言の子とは何なのか。天間はそのことにも疑問を持ったようだったが、それを聞く前に敵が現れ襲ってくる。

 

 だがそれを各々、螺旋丸や天泣、千鳥鋭刀で切り捨てる。

 

「その、敵は3人ということは偵察部隊ですかね」

「そうかもしれませんね。もしかしたら会談場所が近いのかもしれません」

 

 ここは一回、空から見てみるとするか。

 

 そう思って、精神世界にいる重明に話しかけてみる。

 

『おーい。重明生きてるか?六枚翅貸してくれ』

 

 ・・・。

 

 返事がない。ただの屍のようだ。

 

『なんじゃ?おまえ様。重明に何か用でもあるのかの』

 

 そういって出てきたのは又旅だった。さっきまであんなに機嫌悪かったのにもうケロっとしている。

 

『あぁ、又旅か。(はね)を貸してもらいたかったんだけど、もしかしてまだ寝込んでる?』

『重明も孫悟空も死んだように眠っておるわ。まだ当分使い物にはならんじゃろうな』

『そうか。わかった、ありがとう』

 

 そして意識を精神世界から現実に戻す寸前。

 

『ちなみに妾も具合はよくないんじゃからな。戦闘(ドンパチ)するならしても良いが、妾の助太刀を期待せんようにな』

 

 という忠告を頂いた。

 

 たしかに最近は頼ってばかりだったからな。具合悪いときくらい大人しく休ませてやるべきだろう。もっとも、インフルエンザにかかっている主人であるオレの症状を肩代わりしてくれているらしいから、大人しく休ませてやるべきだろう。なんて上から目線の言葉を言う資格はないのだが。

 

「あ、大人数のチャクラの反応がありました!その、会談場所かと思われます!」

 

 感知タイプでもあった天間の言葉に従って、オレたちは目的地へと向けスピードをぐんと上げた。

 

 木ノ葉の闇と山椒魚と暁と、オレたちが交わる(とき)はもう目の前だった。

 

 

 




新名蝦夷守です。こんにちは。

まさか昨日の今日で最新話を投稿できるとは、、、(笑)


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