NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
言い訳はあとがきでします。とりあえず、つづきをどうぞ。
いつもより全然思うように動かない発熱している身体に鞭を打ち、岩隠れが秘密裏に作っていると思われるアジトの捜索に励むオレ。
ありそうなポイントを虱潰しに探すのだが、一向に見つからない。
森の奥深くまで探し、山の洞窟内部まで探し、湖の底にまで行って探しても何一つ見つからない。
どれくらい見つからないかと言うと、太平洋に一円玉を落としてしまい探しているような感じだ。
それはもう、なかなかなかなかなかなかなかなか大変だ。もう「な」「か」のゲシュタルト崩壊を起こしそうな勢いだ。
「ったく。どこだよ・・・」
『まあまあ、そう苛立つでないわ。もっと心を落ち着かせてじゃな。心の眼で見れば意外や意外なところに案外、転がっておるやもしれぬじゃろ』
「あのなぁ、そんなんで見つかってたら苦労しないよ」
雨隠れの里の領内に侵入してから早1日ほどが経った現在でも、木ノ葉上層部に上がってきたという情報。岩隠れの里が火の国領内への急襲侵攻を計画しており、そのための拠点づくりを雨隠れの里領内で行っているというもの。
その情報源が誰なのか、どこから得たものなのか。オレは知らないが・・・。
この情報、本当に合っているのか?
そんな疑問も浮かび上がってくるほど、痕跡らしきものすら欠片も見つけることができないオレは又旅の言うように多少は苛立っていた。
「はぁ・・・つかれた。とりあえず、休憩といきますか」
タバコでもあったら吸いたい気分だ。あ゛ぁ~・・・一服してぇ・・・。
まぁ、タバコを吸ったことなど前世現世合わせて一度もないが。
そんな生産性のないことを考えつつ、とりあえず目の前にある周りと比較して大きめの木に寄りかかるようにして一息ついた。
日陰に吹くそよ風が頬をなでる。
「心地いいなぁ。具合悪いのも忘れそうだ」
『いいのう。おまえ様は』
「え?もしかして、重明と
『いや、昨日一日中
「はぁ・・・でも、つかれたわ」
『さっきからそればかりじゃな。ため息をつくと幸せが逃げていくというじゃろう。今この現状が今以上、更に酷くなったら困るのはおまえ様じゃろうに』
「・・・わかったよ、気を付けるよ・・・はぁ」
わかったって言った直後に!!とか、なんとか。
又旅が騒ぐのを放置して、むしろ子守唄にしてオレはいつの間にか眠りに落ちていったのだった・・・
それに気がついたのは、野生の「勘」とでもいうべきか。
それとも寝ながらにして「悪意」に気が付いたとでも言うべきか。
もしくは寝ながらにして「気配」を察知したとでも言っておくべきか。
『おまえ様!起きろっ!!』
なんてことはなく、そんなエスパーな能力を持っていたわけでもなく、突然潜在能力が覚醒したということもなく、ただ普通に、通常通りに、単に又旅に叩き起こされただけだった。
「っ!・・・ここはだれ?オレはどこ?」
『なにアホなこと言っておるんじゃ!何者かは知らんが、数人集団でこちらに近づいて来ておる。早う準備せんか!!』
怒られた。キレられた。むしろ、叱られたと言ったほうが正しいかもしれない状況でもあった。
だって、悪いのはどう見てもオレだものな。
そして言われた通りにオレは周囲に意識を向けてみる。すると、たしかに東側。
つまり、木ノ葉の里がある方角から4人小隊がいくつかやって来るのがわかる。もっとも写輪眼を持ってはいるが、もともと感知タイプではないオレにはそれぐらいの情報を得るだけで精一杯だったのだが。
「ほんとだ。でもさ、この方角からじゃあ、うちの里から前線部隊への増援だろ?なにもそんなに慌てなくても・・・」
『何をのんきなことを言っておるんじゃ、このバカ者めが』
「ば、ばかものって・・・」
『バカ者はバカ者じゃ!おまえ様がのんきにそんなところで油売っていたら、サボって寝ておったら、おまえ様の評価が下がってしまうではないか!』
・・・。
「なんだよ。お前、そんなこと心配してくれてたのか?」
『なんだとはなんじゃ!人間は他人の評価や出世を気にする生き物じゃろうに!おまえ様の出世を気にしてやった妾がバカじゃったわッ!もう、知らん!!』
そう言って精神世界の深いところへ行って隠れてしまった又旅に、「ごめんって」と何度か謝ったのだが、全く応答がなかった。
これはしばらく捻くれて出てこないやつだな、うん。
まぁ、落ち着くまで放置しておくか。またひょっこり出てくるだろう。出てきたときにもう一度謝っておこう。
もしかしたら、その時にはもうすでにこのことなど忘れてしまっているかもしれないが。
なんて、自分のことを心配してくれた恩人に対して(人、というよりは猫か。)失礼なことも考えつつ。
「日もガッツリ暮れちまったなぁ。木ノ葉の増援にでも挨拶くらいしてくる・・・か?」
先程よりもうんと近づいて来ている木ノ葉からの集団を写輪眼で見つめる。
ぼやっとチャクラの集団が見える。
そのなかでも目立つ者がひとり。
「この、嫌な感じは・・・」
木ノ葉の闇の代名詞。
火影様から無期限謹慎処分を受けているはずのその男。
志村ダンゾウ。
その人だった。
お待ちいただいていました皆様へ。
新名蝦夷守です。
更新が遅くなってしまいごめんなさい。
仕事の都合、それから私事の都合により遅くなってしましました。
もしかしたらGW中に1回も更新できないかもしれません。
その後も今までのように毎日更新とはいかないかもしれません。
ただ、最後まで書ききりたいと思っていますので、読んでいただける方は気長に待っていただけるとありがたいです。
マイページすらも開けない日もあるので、評価や感想、活動報告で行っているアンケートをすぐに見れないことも多々ありますが、頂けるとモティベーションがぐいぐい上がるのでいただけたら幸いです。
今後ともよろしくおねがいします。