NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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029.口寄せの術 忍猿紹介

 

 口寄せの術。

 

 口寄せとは、文字通り口を寄せ合う行為のことである。日本語的に言うと「接吻」。英語的に言うと「Kiss」。可愛く擬音的に言うと「ちゅー」のことである。

 つまり、口寄せの術とは、その接吻、Kiss、ちゅーをする(すべ)。もしくはその方法ということである。

 

 ・・・という冗談はさて置き。

 

 口寄せの術とは、ある生物との血の契約である。西洋風に言うと「使い魔」のような存在である。

 使い魔とは、伝承や幻想文学(ファンタジー)において、もっぱら魔法使いや魔女が使役する絶対的な主従関係で成り立つ魔物、精霊、動物などのことである。

 強力な術者の場合は使い魔を異世界から召喚したり、竜の牙など触媒から産み出す、護符や宝石に封じておいた魔物を解放するなどの手段を取る場合もあるが、いずれの場合も使い魔が術者以上の力を発揮する描写はあまり見られない。使い魔の名前の通り、術者自ら行うまでもない些細な用事を代行する。代表的な用途としては伝言、届け物、留守番、偵察、戦闘等がある。

 

 魔女においては悪魔からくだされた黒猫やカラスといった動物が使い魔として用いられ、術者はそれらの動物と感覚を共有するとされた。英語ではFamiliar(ファミリアー)(「親しい」等の意)と呼ばれることが多い。

 

 ・・・という雑学もさて置き。(※ Wikipedia参照)

 

 

 

 口寄せの術とは、血の契約を交わした生物を好きな時・好きな場所に呼び出すことができる一種の時空間忍術であり、会得難易度はCランク、つまり中忍レベルの忍術だ。

 

 通常は印を結び、契約者の血をつけた手をかざすことで術式が展開され、契約した生物が呼び出される。

 それは地上でも、空中でも使用可能で、多くの場合親指を噛んで血を流し術を発動させる。

 そのときできた指の傷は術発動後に治癒する。

 

 また、契約者でなくとも、契約者の血液と巻物などに記された口寄せの術式さえあれば、契約者以外の他者でも術を発動できる。そういうものだ。

 

 オレがなぜ長々と口寄せの術の説明をしたかというと、もちろんそれには理由がある。

 上忍に任命された際、火影様の執務室で簡単な任命式が行われたのだが、それが終わった後の雑談で口寄せ動物の話になったのだ・・・

 

 

 

 

 

「羽衣カルタの上忍任命式をこれにて終了いたします」

 

 オレの名前が呼ばれ、火影様にこの日より木ノ葉の上忍とする。みたいなことを言われ、もう一言、精進せよ的な長い励ましの言葉を承り、簡易的な上忍任命式が終わった。

 この日は午前に中忍選抜試験の筆記があり、午後には実技があった。別に特別疲れていたわけではないが、これで家に帰れると思ったら執務室からさっさと出ようと足が勝手に動き出していた。

 

「ところでカルタよ」

 

 部屋を出るドアに手をかけようとしたときだった。

 火影様に呼び止められた。

 さっさと帰ろうと思ったのに。という感情は胸の奥深くに押し込めて、そんなことはおくびにも出さずクルッとターンを華麗に決め、笑顔ばっちり。愛想ばっちりで。

 

「はい、なんでしょう」

 

 そう言い放ったのだった。

 

 オレは。

 

 この演技力を認めてアカデミー賞の主演男優賞でも頂きたい。この場合のアカデミーは忍者学校(アカデミー)ではないぞ?

 

「あぁ、呼び止めてすまんな。なに、お主がいくら上忍になったとはいえ年齢も身体もまだまだ子ども。なにか困っていることとか、悩んでいることなど無いかと。ふと気にかかってな」

 

 ということだった。いやぁ、お心遣いありがとうございます。ただ今は早く帰りたかった。

 

「お心遣いありがとうございます。火影様。そうですね、できればもっと休みが欲しいですけど・・・。それは大戦が終わったあとにでも少しだけ融通していただければうれしいです」

「そうか・・・。うむ、それは前向きに検討しておこう。他にはないのか?任務中でのことだったり、戦地でのことであったりだとかの」

 

 任務中か・・・。戦地で、だと・・・

 

 女!女だぁぁ!オレは女に飢えているんだー!!!

 

 ・・・なんてことはなく。5歳の身体じゃあ、なんとも思わん。

 

()いて言うなら、パートナーがいないことですかね。いや、ぼくの中には尾獣もいますし、なんなら影分身で自分とタッグを組むこともできますけど。やっぱり口寄せ動物がいないのはやりずらさを感じることもあります」

 

 いつでもどこでも又旅と重明を出していいということにはならないしな。

 

「なので、口寄せ動物との契約書を持っている方に紹介していただけないかなーと」

「ふむふむ。我が猿飛一族の忍猿を紹介してやろうかの」

「え、いいんですか?」

「まぁそれでお主と契約を結んでくれるかどうかは知らんがの」

「それでもいいので是非!紹介してください!!」

 

 こうして後日、猿飛一族に代々受け継がれている忍猿の口寄せ契約の取り次ぎを行ってくれるという約束を三代目火影・猿飛ヒルゼンとの間に交わしてその日は無事帰宅した。

 

 まさかこのことが後にあんなことを引き起こす引き金になるだなんて、このときはオレも火影様も含めて誰も知る由もなかった・・・

 

 

 

 いや、意味深に言ってみたけど、本当に知らないよ?

 

 

 


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