NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
なんだかんだ、今日も投稿できました。
霧隠れの里と林の国連合が対木ノ葉のために構築した前線基地は、巨大な雷が同時多発的に落ちたことによって壊滅した。
木ノ葉の奇襲部隊が奇襲をする前に、すべてが消し飛ばされたのだ。
超巨大積乱雲。通称、スーパーセルから落ちるただの落雷によって。
「なかなか合図が来ねぇから死んだと思ったぞ。カルタ」
「まさか、お前ひとりで全部やっちまうとは思ってもみなかったがな」
「いや、まさかあそこまでの威力になるとは思ってもみなくて。皆さんを巻き込んでしまわなくって本当に良かったです」
「全くだよ。あんなの喰らったら生きてなんかいられねぇよ。消し炭ですらいいほうだ」
「だよなぁ。あれ恐らくだが、相当な数が肉片すら残らないほどに消し飛ばされてるぞ。お前ホントに人間か?」
大事なことだから、もう一回言う。
オレだってまさかあんな威力になるとは思ってもみなかったんだ。
話は少し遡るが、敵前線基地近くに到着したのが作戦開始時刻(オレの合図が無くても作戦開始の時間という意味だ)の本当に直前。
作戦ではオレが敵の内部に忍び込むなり、一般の子どものふりをして保護してもらうなりで基地内に潜入し、機会を見計らって敵内で混乱を起こす(どのような方法をとるかは任されていた)。その後、木ノ葉奇襲部隊に錯乱の成功と奇襲開始の合図を出して(これもどのような方法をとるかは任されていた)、オレは速やかに撤退・・・だった。
が、時間がなさ過ぎて、オレの奇襲攻撃で混乱と錯乱を図り、且つそれを奇襲部隊への合図として考えたのだ。
そしてオレが奇襲の狼煙として使おうと思っていたのが『麒麟』だ。
原作では、うちはサスケが兄イタチと死闘した際に使用したあの術だ。原理としては、積乱雲から落ちるただの落雷であり、それを雷遁の術で対象に誘導する純然たる自然現象であるため、威力は性質変化で作り出す通常の雷遁を遥かに上回り、巨大な建造物を一発で吹き飛ばしてしまうほどの威力を発揮する。が、自然現象がゆえに1度使ったら積乱雲もエネルギーを放出し終わったら霧散してしまうため、1回しか使えないという欠点があったのだ。
あったはずだったのだ。
それがどうしてこうなった。
敵の前線基地、陣地一帯が数多の巨大雷によって消し飛ばされることになった。
全部、
「なぁ、あれってどういう原理なんだ?」
「そんなこと教えられませんよ。今後は羽衣一族の禁術に指定させていただくので」
あんな危なっかしい
「それに色々と準備や条件が必要なんです」
これで通常の麒麟より規模の大きい麒麟の原理を聞いてくる上忍を黙らせた。
「その歳でもう下忍なのが既に驚愕なんだけど、でもそれ以上に術の威力だったり、思考回路だったり、っていうのを鑑みたら下忍なのが驚愕っていう謎のインフレ?いだッ!!」
ずっと喋ってるこの上忍。奈良シカクに叩かれてようやく今度こそ本当に黙った。
「第1班はここで敵の被害を検証する。念のため負傷者も探そう。いたらいたで情報を聞き出そう。奇襲部隊の第2班から第7班まではこのまま進撃。第8班と第9班は前線基地へ一時退却だ」
そしてシカクが、散ッ!と号令をかけると一斉に動き出した。ちなみにオレはどの班にも配属されていない。
「シカクさん。ぼくはこのあとどうすれば良いのでしょうか」
「あぁ。カルタ、お前には親父から
ってことは、このまま林の国の首都に殴り込みすればいいんだな。普通の奴だったらチャクラ枯渇して死ぬほどの酷使のされ方だな。オイ。
「わかりました。次の任務が終わりましたら、直接木ノ葉の里に帰らせていただきます」
「あぁ、わかった。そのように親父にも伝えておく。カルタ、お前なら大丈夫だろうとは思うが、気をつけてな」
「はい。ありがとうございます」
任務達成までの期限は決められてはいないんだ。そこまで急ぐ必要はないだろう。
オレは雷遁も纏わず、瞬身の術も使わず、もちろん八門遁甲の何れも開かずに一人ぼっちの行軍を開始する。
林の国の首都はここから北方向に進んだ先にある。霜の国や湯の国との国境にほど近いところに首都
忍五大国に次いで中規模の国である林の国は、領土・経済規模ともに中規模の中では上位になる国だ。
・・・そんなところに木ノ葉の保有する人柱力、つまりはオレ。ようするに尾獣を暴れさせて大丈夫なのだろうか。
後々問題にならないのだろうか。火の国以外の他四大国が同盟を結んで攻めてくるとか。
いや、でも二尾は木ノ葉が保有していることは公にはなっていないのか。きっと、雲隠れのほうも忍界の核兵器たる尾獣をまさか何者かわからない輩に盗られたとは言えないだろう。
ん?ということは、林の国首都の馬連で急に二尾が現れて暴れたとしたら、何も事情を知らない人から見ると核兵器たる尾獣を雲隠れが林の国に対して突然使用したように見えるって寸法か。
ふむふむ。『にゃるほどにゃ~ん』という、又旅のふざけた声が聞こえてくる気がする。
そして二尾に首都を攻撃されて弱っているところに、降伏を促す文書でも送って木ノ葉にとても有利な条件でこの対林の国との戦争を終わらせるつもりなのだろう。
ダンゾウのやつ。えぐいなっ!
じゃあ、一応別人に変化していきますか。いざ、馬連へ。
1週間後、林の国の首都である馬連を突如襲った尾獣・二尾。
この事件によって、林の国は未曾有の被害を被り第3次忍界大戦から脱落を余儀なくされた。
林の国が戦争していた火の国・木ノ葉隠れの里との間に結ばれた終戦条約によって、林の国は解体され、火の国の東側領土の一部となった。
これにより、林の国という名は今後の歴史から消え去ることとなった。