NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
押忍!オラ悟空!・・・じゃなくて、カルタだ。羽衣カルタだ。
誰もが聞いたことあるこのセリフ。実は本編じゃ一度も言われたことのないセリフだって知ってたか?
オレ、初めて知ったときは思わずショックを隠せなかったぜー。
とまぁ、それは置いといておこう。
オレたちオビト班は結成から半年が経ち、この4人で行う最後の任務を受けるためにいつもの部屋へと出向いていた。
「ふむふむ・・・Dランク任務57回、Cランク任務64回。新人下忍としては、いや、下忍の班としても驚異的な任務達成回数じゃな。わずか半年でここまでの任務をこなす者たちはみたことがないわい」
「では!」
「うむ。では、お主達オビト班に任務を命ずる。林の国内で交戦中の部隊に支援物資を輸送する任務を命ずる。これはBランク任務として行ってもらう。今までの任務と違い戦争の前線近くまで行く必要がある。もしかすると敵国の忍びとの戦闘も起こるやもしれん。心してかかるように」
「「「「はっ!!」」」」
Bランク任務。このランクの任務からは他国との忍びと戦闘行為が予測される領域になってくる。主に受ける忍びは中忍になってから。まだ下忍のオレたちに回ってくることを能力が認められて誇りと思うべきなのか、もしくは下忍登録のオレらをBランク任務に就かざるを得ないこの戦時という状況を嘆くべきなのかは難しいところだ。オビトは数回経験しているらしいが(といっても片手で数えることのできる範囲だろう)、オレたち下忍の3人は当然初めてのことだ。Bランクで尚且つ戦時中。ヤバい予感しかしない。死亡フラグがビンビンに立っていることだろう。そんなことを考えながらオレは里内にある忍具店を数店舗周り、自分の持っていく忍具の最終チェックをしていた。
「出発は明日、午前1時じゃ」
今回の任務を言い渡してきたご老人の言葉を思い出す。
「朝1時に正門前は流石に早い・・・」
朝早いとかいうレベルじゃない。夜だ。真夜中もいいところだ。それならもう今日中に出たい。
まず林の国とはなんぞや。どこぞやというところから始まる。
オレの知ってる知識が正しければ林の国とは、火の国に隣接する国で東側にある。林の国を中心に地理を考えると西から南にかけて火の国と国境を接し、東側には海を挟んで雷の国や渦の国があり、北側の国境を接しているのがオレが昔いた霜の国となっている。自信はないがこれで正しいはずだ。
林の国には有名な暗部部隊『般若衆』がある。忍びの里自体はそれほどの規模ではないが、ひとりひとりの質は高いとの噂だ。
また、水の国・霧隠れの里とは第2次忍界大戦前から同盟関係を続けていて、今回の戦争でも度々林の国の忍びと霧隠れの忍びが共同戦線を張っている戦場も見受けられるらしい。ちなみに支援物資を輸送する
そもそも第3次忍界大戦開戦の発端が五大国のうち、火の国以外の4か国がまわりの戦争に巻き込まれれば後世に名前も残らないような小国や実質大国同士の緩衝地帯となっている霜の国などの中規模の国へと侵攻したのがきっかけなのだ。
他国からの侵攻を受けた複数の小国と同盟(とはいうが半属国扱い)を結んでいた火の国は第3次忍界大戦に参戦を宣言。敵対する各国に宣戦布告をし戦争となった。
「やばくなったら逃げよう。死にたくないし。人、殺したくないし」
そんな情けないことをつぶやきながら(情けないとか言うなよ。こちとら心は純日本人なんだコラ)、クナイの手入れを終えて、次は兵糧丸や増血丸といった丸薬の確認を行う。
「まぁでも生き延びる
すっかり忘れてた。忘れてたって酷いと思うけど、初めての忍びとの
まず、ジュウは大丈夫だろ。
だってあいつ、オレよりも主人公らしいもの。あいつこそ神様転生チートとかもらってそう。・・・てか、貰ってないよな?ホントはあいつがこの物語の主人公で、なんかバグとしてオレが混ざってるみたいな。
・・・ありそうで怖い。
まぁ、とりあえずはいいや。あいつは絶対自分でなんとかする。他作品の技とかを術にして開発してピンチとか「なにそれおいしいの?」とか言いながら嬉々として逆に突っ込んでいきそうだ。
問題は残る二人。オビトとラクサだ。
オビトはこの班唯一の中忍ではあるが、きっと戦闘力的にはジュウとオレには足元にも及ばないだろう(今現在だと、という注意書きはつくけど)。
ラクサは良くも悪くも下忍って感じだ。
戦時中の治安悪化で賊の討伐任務とかで忍び以外との戦闘は以前受けたCランク任務でこなせていたけど、やっぱ忍びとの戦闘となると生きては帰れまい。どうにかして逃がさないとな・・・
そんなこんなで翌日1時を迎えるわけだ。
※雷遁瞬身とは
正式名称:雷遁・瞬身の術
術考案者:羽衣一族
忍体術でも使用される雷遁での身体活性と瞬身の術で一時的に身体活性されることに着目し、その相乗効果で通常の瞬身の術ではありえない速度で移動できる術。