NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
時間があるとき見ていただければと思います。
疑問質問等があれば、感想欄にてお願いします。
雲隠れの3人の案内人兼監視役を任されているオレは、彼ら3人の入国審査(正確には入里審査か?)を終え、無事に木ノ葉隠れの里に入った。
ちなみにというか、完全なる蛇足となってしまうと思うが、サムイとマブイにエロい視線を向けていたムッツリスケベなエビスには精神的な制裁を科させてもらった。
その内容?写輪眼を使った幻術で、世界レベルのボディービルダー系ガチムチマッチョマンが複数人で絡みあっていて最終的に「やらないか?」と誘ってくる・・・という腐っている人種には堪らない。しかしノーマルな性的嗜好の持ち主には全身鳥肌以上の拒絶反応を示すだろうものだったのが、なにか問題でもあったか?
ムッツリーニ・エビスにはいいお灸になるだろう。
それはさて置き。まず無事木ノ葉隠れの里に到着を報告するためと四代目火影・自来也へ雲隠れから来た3人の挨拶も含めて火影の執務室へとやってきていた。
「雲隠れのサムイと申します。それから私の隣からマブイ、ダルイです。これから1年間、留学という形でお世話になります。よろしくお願い致します」
「おォー!顔を上げて楽にしてくれい。遠路はるばるよく来てくれた!ワシが妙木山蝦蟇の精霊仙素道人の通称ガマ」
「あ、この人が火影です。では次行きましょう」
サムイが3人を代表して挨拶して、自来也の見栄切りの途中だったが、オレは構わず遮ってマブイとサムイの背中を押しながら退出しようとした。
それを見て自来也は思わずオレの肩を掴みながら止めに入る。
「お、おい!カルタ!ワシの見栄切りを邪魔するたァどういう了見だのォォ」
そう叫んでキレてくる自来也を万華鏡写輪眼で睨みつける。
オレは呆れを通り越して怒りになって、それまた通り越して一周回って呆れてしまった。
いや、どういう了見もなにも。
見栄切りの間、ずっとサムイかマブイの発達途中なのにもかかわらず既にたわわに実っている豊乳を鼻の下を伸ばしながら見つめてたからな!
それに手を前に出しながら何もない空間をずっとモミモミしていたからな!
エビスといい、自来也といい。
木ノ葉にはろくな人種がいないと思われてしまうではないか。
特に自来也は酷い。
里のトップなのにも関わらず、いつも通りのオープンスケベをアクセル全開でやってのけるとは。
ほら。雲の3人の顔を見てみろ。
唖然として呆然としているだろう。
「自来也さん。お客さんが来たときくらいはちゃんとしてください」
あとで綱手さんに報告しますからね。と、言って雲の3人とともに退出したオレだったが。
その際にちらりと見た自来也の顔は絶望の色に染まりきっていた。
いや。そんなに綱手にバレるのが嫌なら最初からやらなきゃいいのに・・・。
自来也の魔の手からサムイとマブイを逃したオレは、彼ら3人が留学中の1年間過ごしてもらう予定のアパートへと案内をする。
とは言うものの里の中心部にある火影ハウスからアパートがある場所までは意外と離れている。
オレはアパートに着くまでの道中は、里にある施設の説明などで時間を有効に活用する。
「あそこに見えるのが
そう
「そんな非合理的な・・・」
「ということはもしや、授業で自分の性質変化も調べたりはしないのですか?」
「ないですね。木ノ葉は忍びの名家が多いので座学や基礎知識、チームワークなどを
木ノ葉の
やはり、このままじゃ戦力の底上げができない。教育改革が必要だと。
次の解散総選挙では、これを
・・・いや。政治家になるつもりはないから半分冗談だが。でも、上忍会議のときに議題に挙げようとは本気で思う。
そして、話題は他にも。
「そこの花屋さんは山中一族の方が経営してまして、昔から評判がいいお店ですよ。何かのお祝い事とかで花が必要なときはぼくもいつもお世話になってます」
とか。
「薬といったら、奈良家が代々商いをしている薬屋さんでしょう。鹿の角を使った秘薬は値段は高いですけど効果は抜群です」
とか。
「あの大きい建物が木ノ葉病院です。病気や怪我の際は忍びも一般の民間人もみんなお世話になります。火の国一の医療設備が整っている総合病院といっても過言ではないでしょう。平時である今は任務で外に出ている医療忍者以外全ての医療忍者がここの医師や看護師として登録されています」
などなど。
木ノ葉に住んでいたら少なからずお世話になるだろう場所の紹介も欠かさずにする。
それから木ノ葉を紹介し案内するのに絶対に忘れてはいけないところが。
「ここが木ノ葉が世界に誇る名店『一楽』です。ぼくのおすすめは味噌系ラーメンですね。もちろん塩系や醤油ベースも格別に美味しいのですが、やはり味噌が一番です。そういえば皆さんお昼ご飯まだですよね?入りませんか?いえ、入りましょう。おやっさーん」
オレは雲の3人が返事をする前に暖簾をくぐる。
「いらっしゃい!って、おぉ!カルタじゃねーか!いつもと違ってお客さん連れか。カルタはいつものでいいか?」
「お願いします。それからこの3人には味噌のスタンダードで!・・・で、いいですよね?」
「「「あ、はい」」」
オレはその返事に満足して、そこで思考を停止させてしまった。だから気付かなかったのだ。
雲の3人がオレのラーメンに対する情熱に気圧されていることに。
そしてオレはそのことに気付かぬまま、いつもと通りに鮫肌を隣に座らせた。ちなみに案内をするときに背負っているのは邪魔だろうと思い、今わざわざ《口寄せ・雷光剣化》で呼び出した。
その様子を見ていたサムイたちは当然疑問に思っただろうが、その疑問が晴れて、疑問から驚愕に変わるのはラーメンが来てからになる。
「あと、そうそう。皆さんに住んでもらうことになるアパートの近くには小さな雑貨屋さんがありまして。そこは木ノ葉唯一の24時間営業なんです。売り場面積の規模はそんなに大きくないのにも関わらず食品から忍具まで幅広いラインナップが有名なんですよ。そういえばこの間ぼくが行った時に『愛』も売ってるのを見ました」
29.8両で。
こうして注文したラーメンが来るまでの間。木ノ葉で暮らす上で必要な基礎知識をオレは3人に教え続けたのだった。
1両あたり日本円にして10円計算。