NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
先日の初顔合わせから1週間ほど経ったころ。オビト班(仮)は、「オイ、これ忍びじゃなくたってできるだろっ!」と、ツッコミを入れたくなるような
今までやってきた任務の例を挙げると、迷子ペットの所在調査や農家さんの収穫の手伝い、それから子守りetc.etc...
もう一度言おう。「それ、忍びじゃなくたってできるだろっ!!」てか逆にその道のプロに任せたほうがいいよ!!
迷子ペットは探偵。農家さんの手伝いは農業ヘルパー。子守りはベビーシッターへ直行してほしい。いや、してくださいお願いします。
ちょっと熱くなりすぎたかもしれないけど、まぁ、端的に言うとそれぐらいDランク任務は嫌だったのだ、嫌気がさしていたのだ、オレたちは。その中でも特に五遁の内、4つの性質変化を持ち木ノ葉の秘伝忍術を数種類も扱うことができる天才児・
「ねぇ、オビトせんせ。いつまで僕たちにこんな任務させるつもり。今は戦時中でしょ、僕みたいに能力のある者はそれ相応の任務に就いたほうがいいと思うんだけどッ!」
ジュウはそれはもう怒り心頭といった具合で、ぷんぷんしちゃってる。
「そういうなってジュウ。これもチームワークを養うためだってば。そんなに焦らなくても嫌でも戦場に行かされる時期が来るからさ、今はこれで我慢しとけよ」
「そうよーオビト先輩の言う通りじゃんねー」
「ぼくらチームワークいいから朝に2件受けても午前中だけでいつも終わるから、午後からは自由時間でしょ。その分、自分の修行の時間に充てれてラッキーだよ」
オレら3人に言い包められ、ぬぬぬ・・・と唸っているジュウは「ウガーッ!!」と叫びながら帰っていった。
というのが昨日の任務を終えた後に起こった出来事であった。
そして今日。いつもの場所でオビト班は集合し、任務を受けるために任務受注室(正式名称は知らん)へと行った。そこでジュウが暴挙に出たのだ。
「木ノ葉の里内でできるDランク任務ぜ~んぶ頂戴!」
里内限定のDランク任務を班員に一切相談もせず、全て請け負ったのだ。その数なんと50件弱。いやいや、任務の依頼書を管理してる人よ、普通に了承してんじゃないよ。却下しろよ却下。
「「「アホかっ!」」」
思わず3人同時に突っ込んでしまったが、受注してしまったものは仕方ない。ということで、期限の近いものから先に、無期限のものはとりあえず後回しにして手分けして行っていくように話を持っていくか。そう思ってオレはいつものように4歳児のフリをして、というか可愛い子ぶって(?)話を進める。心持ちとしては蘭ちゃんに対して可愛い子ぶる猫なで声のコナン君の気分だ(いや、他作品で例を挙げるのは今後はなるべく控えよう。つーか、説明してて気持ち悪くなった)。
「じゃあ、手分けして終わらそう。先生とジュウくん。ぼくとラクサちゃんの2対2に分かれて
「いや、いい。僕ひとりでやる」
キリッと、いや、ギロッとのほうが正確かもしれない。そんな目でオレらのことを睨みながらそう宣言するジュウ。
いやいや、それは流石に・・・と、オレもオビトもラクサも引き留めようとするが、そんなことにお構いなくジュウはひとつの印を結んだ。
《多重影分身の術》
バババババッと(効果音が正しいかはわからないが)ジュウのチャクラが具現化し、実体を持った分身が恐らく50体弱現れた。予想するに『受けた任務の数=本体のジュウ+出てきた影分身の数』だろう。
これにはオレらオビト班の班員もそれ以外の同じ場にいた人たちも驚いている。というかざわついている。騒然となっている。そりゃあそうだろう。ついこの間、下忍になったばかりの新人下忍が影分身を使っただけでなく、一応禁術指定されている『多重影分身』を十全に使いこなしてるし、しかもそれを言っちゃ悪いがたかだかDランク任務をこなす為だけに使ったのだから。
ちょっと周りの声に耳を傾けるだけでも「オイオイまじかよ・・・」とか「アイツ影分身つかってやがるぜ・・・」とか「つーかなんちゅう数だよ・・・」とか。もちろんそれ以前に絶句して何も発せていない者もいる。あ、驚きすぎて顎外れてる人もいる。
その後、オビトやオレらが呼び止める間もなくジュウは瞬身の術を使ってその場から立ち去った。
取り残されたオビト班のメンバーはこの場に残っていても仕方がないということで、とりあえず立ち去ったジュウを各自追っかけて任務を手伝おうということになった。
まったく・・・やれやれだぜい。
後日談的なエピソード。
ちなみにこの事件が起こったことにより、木ノ葉の里では里内で完結するDランク任務は戦時中に限り