話の中でスパロボメンバーも出ています。
※今回は活動報告にアンケートを出しています。
リディアンの食堂
翌日。
三人はリディアンの食堂で昼ご飯を食べていた。
ちなみにリディアンの昼食はビュッフェ形式で食堂には数多くの料理が並んでいる。 ただ、学食は毎日やってるわけではなく、お休みの日もある為お弁当を作って食事を取る事もある。
そんな中未来は携帯で何かニュースを見ていた。
「何を見てるんだ未来?」
「ノイズの出現したニュースを読んでるの。でも、ニュースの中で多いのは昨日のあれみたい」
「例の宇宙にオーロラが出現、もう一つの地球が現れたってやつか」
響がご飯をモクモクと食べている中、勇也は隣に居る未来が携帯で何を見ているのか問い掛けた。
未来はノイズの出現のニュースを読んでいたと答えるが、今日のニュースで多いのは宇宙にオーロラが出現、そしてもう一つの地球が現れるという現象が起きた。
世界各国の政府は宇宙に発生した、ただの幻覚と発表。専門家や研究者は我々の地球の未来の姿を写した現象、オーロラについては宇宙の理が変化したと答えた。
だが、勇也はこの現象について思い当たる事があった。
(宇宙にオーロラ、もう一つの地球の出現。この現象……スパロボZシリーズの現象とそっくりだ。まさかこの世界に来るバアルは…)
「勇也?」
勇也がこの世界で起きた現象に考え込んでいるとご飯を食べていた響が声を掛けてきた。
「ん?どうした?」
「なんか勇也が深く考え込んでるから、どうしたんだろうって思って」
「ああ。ちょっと、この世界で起きた現象について考えてただけだ」
「ねぇ、風鳴翼よ!それにその横にいるのはそのお付きの風鳴静音だわ!」
「二人ともすごいオーラね、風鳴翼は最早一流の芸能人、風鳴静音に至っては大赦の重鎮の家柄…畏れ多い存在だわ!」
勇也が深く考えてる事に気にしている響に、勇也は現象について考えてたと答えた。
すると、突如食堂内が騒がしくなるのが聞こえた。 見知らぬ二人の名に、勇也は未来に訊く。
「誰だ?その…風鳴翼と風鳴静音って人は?」
「風鳴翼さんは元『ツヴァイウィング』のツインボーカルユニットなんだけど、二年前に会場に現れたノイズに相方の『天羽奏』さんが亡くなって、今はソロアーティスト。風鳴静音さんは大赦の重鎮の家柄で翼さんのマネージャーをしてるの」
「ふ〜ん。で、大赦って?」
未来はある程度の事、風鳴翼と風鳴静音について話した。勇也は理解はしたがまた『大赦』と言う聞き慣れない言葉が出てきて再び未来に訊く。訊かれた未来は思わずため息をして勇也に呆れてしまう。
すると、響は静音と翼が現れたのか反応し椅子を後ろに引いて立ち上がった。そして響のすぐ真横に静音と翼が通りかかった。
「あっ!」
「「……」」
距離はわずか数十センチ。
あまりにも近い位置であった為か響は緊張のあまり黙ってしまう。
そんな中、勇也は静音と翼の顔をチラッと見た。
(この人達が風鳴静音さんと風鳴翼さんか…。あんまり知らないが、確かに間近で見ると一流の芸能人と大赦って言う重鎮の家柄のオーラが感じるな)
「あ、あ…あの…」
「右頬……」
「ふぇ?」
(ん?)
勇也は未来の話を聞いた通り、強い存在感を感じて顔を戻して食事を続ける。
そんな中、響は静音と翼に何か話そうと言葉を紡ごうとするが緊張で中々言葉が出ない。
すると翼の左隣にいた静音が自身の頬を指さし響に呟いた。
響と勇也は一瞬何の事かと思い、勇也は響の顔を見て、響は自分の頬に手を当てると…、
(あ、ご飯粒)
「ぁ…」
「静音!行くわよ…」
「分かってるわ……」
其処にご飯粒が付いているのに気が付く勇也。響もそれに気付き顔を赤くするのだった。
翼に呼ばれた静音は勇也達の席から離れて行った。
そして、放課後。
リディアンの教室
「死のウィルスから結界を作り出したのが『神樹様』、そして、その神樹様を奉ってるのが『大赦』。あってるか未来?」
「うん。これである程度の知識は分かった?」
「ああ、ありがとな未来」
「ああ~もう駄目だぁ…。翼さんと静音さんに完璧可笑しな子だと思われた……」
勇也は今教室で、今居る世界の知識を未来に教わっていた。
そんな中、響は昼休みの事ですっかり落ち込んでいた。
「お前ははなっから可笑しいだろ?」
「間違ってないんだから良いんじゃない?」
「二人共ヒドイよ!?」
「それよりCD買いに行く前に部活見てくんでしょ?そんなに落ち込んでないで、早くして!」
「うぅ、はぐらかされた気分…」
勇也と未来のイジりを受けながらも気遣いながら早く部活を見に行こうと誘う未来。 はぐらかされて複雑な気分の響であった。
「でも部活かぁ…中学の時はあたし、帰宅部だったんだよねぇ…。未来はやっぱり陸上部か何か?」
「さすがにリディアンに来てまで陸上やろうなんて思わないわよ。やっぱり音楽関係の部活が良いかな。リディアンは部活もそういったのに力を入れてるし」
「そっか~、勇也は?」
「俺も響と同じ帰宅部だった。特にこれ!って入りたい部活は無かったな」
「勇也もあたしも同じなんだ…人助けとか趣味な人が入れる部活とかあったらいいのになぁ…」
「さすがにそんな都合のいい部活…あるわけ……」
「ところが、あるんだよね~♪」
三人が部活で何に入ろうかと話し合ってると突如横から声を掛けられ勇也と響と未来が立ち止まる。
声のした方向には薄い茶髪の髪を双又に分けた三回生だろうか、一人の少女がチラシの束を抱えて立っていた。
「人助けが趣味というあなたに!ピッタリの部活があるわ!」
「は?」
「ふぇ!?」
「え!?」
突然の言葉に勇也も響も未来も目を丸くする。
「人助けが趣味というあなたに!ピッタリの部活があるわ!」
「なぜ二回!?」
「そりゃあ大事な事だから」
「そんなお決まりみたいに…」
「言われてもな…」
その少女の言葉に勇也も響も未来も困惑している。
するとその少女はもっていたチラシを一枚勇也と響と未来に差し出した。
「勇者部入部希望者募集中…勇者部?」
そこには勇者部入部希望者募集中と大きく書かれ、部活の活動内容が詳細に記されていた。
勇也と響と未来は聞きなれない部活動の名前に首を傾げる。
「私たち勇者部には現在八人の部員がいるわ!活動内容はそれに書かれた通り、世の為人の為になることを勇んで行う…と、まあ簡単に言ったらボランティア活動専門の部活動ってところね」
「世の為人の為……それってすっごく素敵ですね!!」
「ええ!?」
「響!?」
「おお!気に入ってくれたかい?新入生!」
「もっちろんですよ!!世の為人の為…なんてすばらしい響きの言葉…決めました!私この部活に入ります!!」
「ちょっと響!そんな急に…」
「だって未来~世の為人の為になることを勇んで行うって部活だよ?こんな私の為にあるかのような部活、入らない手なんてないっしょ!!」
「そりゃあ、響が人助けが趣味だってことは知ってるけど……」
未来は飽くまで常識的に響の言葉に対応する。
そんな中、勇也は一人ある考え込んだ。
(響があれ程の反応して、勇者部って部活に八人……って事はあの人を抜いて響みたいな性格が七人居る可能性が…)
と、勇也は勇者部に響が七人居ると想像をする。
(((((((勇也〜)))))))
(やべぇ…想像したら頭痛がしてきた…!)
「勇也!今、失礼な事を考えてなかった!?」
想像をして頭痛をし、手で頭を押える勇也にその様子に響がツッコミを入れてきた。
それに対し勇也は、
「いや、俺は響が七人居たら大変だな〜と思ってら頭痛がしただけだ」
ハッキリ響に失礼な事を言った。
「私が七人!?…っていうかハッキリ言った!?」
響も思わずツッコミを入れた。
勇也の中では響=バカと思ってるらしい。
まぁ、産まれた時から響はバカだけど(笑)
「私は産まれた時からバカじゃないですよ!!」
地の文にツッコミを入れるなバカひよこ。
「だからバカじゃないですよ!!後、ひよこってどう言う事!?」
「響、誰にツッコんでるの?」
「え?あ、ごめん。勇也以外に失礼な事を言われた気がして」
「まぁ、取り敢えず部活動の様子、見に来なよ。入るかどうかはそれからでもいいから」
こうして、勇也と響と未来はチラシを配っていた少女に連れられ、一同ある教室の前までやって来た。
教室の前には音楽準備室と書かれたボードの上に勇者部部室と書かれたボードが掲げてある。
「此処が、あたし達勇者部の拠点となる部室よ。さぁさぁ、入って入って!」
「えっ!?あの…」
「たっだいま~入部希望者三人。連れて来たわよ~」
そう言って少女は快活な感じで響と未来の背中を押しながら部室内へと入って行く。
部室の中では部員であろうか、六人の少女達がそれぞれ部活の仕事を行っていた。
「おい、あれって…」
「静音さん!?」
「えっ!?本当だ!」
そして、その中に居たある人物を見つけ響と未来は驚いた。其処には昼休みの時偶然出くわした風鳴静音の姿があった。
「あら、あなたはお昼の時の…」
「し…静音さんも此処の部員だったんですか!?」
「へぇ~静音にはもう会ってたんだ。そうよ、ちなみに我が校で知る者は居ないトップアーティスト、風鳴翼もこの部の部員よ!今日は居ないけど…」
それを知り、響は自分は場違いな所に入部しようとしているのではと、一抹の不安に駆られた。
未来もその少女の言葉を聞いて同じく困惑しているが、勇也はだけは静音の事を余り知らない為、困惑はしなかった。
「風、その子達が新しい入部希望者?」
「まぁね、どうやら人助けが趣味だって事らしいのよ」
「へぇ、今時珍しいわね」
「えっ!?何でそんなにお二人は普通に会話してるんですか!?」
あの風鳴静音と普通に話している少女の姿にますます驚く響。
「何でって…まあ中学からの付き合いだしね、世間じゃあ大赦の重鎮の家柄だの…風鳴翼のお付きだのって言われてるけど… あたし等にとっちゃあ、普通の友達だしね」
「私も、そう普通に接してくれた方が嬉しいしね。こういう時まで堅苦しいのはさすがにごめんだもの」
そう響が困惑していると、自分達を連れてきた少女、犬吠埼風は部室の中に居る部員を集め順番に紹介を始めた。
「それじゃあうちの部員、紹介するね。まずはこの子、結城友奈!」
「結城友奈です!只今2回生、よろしくね」
風に促され友奈と言った少女は元気に挨拶をした。
「それとこっちは……」
「東郷美森と言います。友奈ちゃんの親友で同じく2回生よ、東郷と呼んでください」
「あっ…これはこれはご丁寧にどうも」
その美森と言った少女の丁寧な自己紹介に響も思わず挨拶を返す。
「で、こっちの生意気なデコッぱちは、にぼっしー!」
「ちゃんと紹介しろ!後にぼっしー言うな!!三好夏凜よ。よろしく」
風の紹介の仕方に不満を漏らしながら夏凛と言った少女も勇也達に挨拶をする。
「で、あっちで鼻ちょうちん作って昼寝してるのは、乃木園子……」
「スヤ~~~~~」
「もうそのっちったら……」
「は…はぁ……」
風が紹介した園子と言う少女は座ったまま、鼻ちょうちんを作って昼寝していた。
その姿に勇也と響と未来も思わず苦笑いを浮かべる。
「で、こっちに居るのは…」
「ん?君は…!」
「えっ!?樹ちゃん!?」
「あっ!本当!」
「えっ!?もしかして立花さんと、小日向さんと日比野さん!?」
「えっ!?もしかして四人とも知り合い!?」
部室内にいた樹の姿に勇也と響と未来の三人は驚き声を上げた。
実は勇也と響と未来と樹の四人は同じ1回生でそれも一緒のクラスだった。
おまけに初日に響が教科書を貸した相手でもある。
「なる程、樹さんのお姉さんの部活だったのか」
「何かそれを聞いたら安心したね。静音さんが居るから一体どんな部活なのか不安だったんだけど」
「なによ樹~?知り合いだったらそう言えばいいのに」
「知り合いって言っても、同じクラスで、偶々教科書貸してもらったってだけだったから…」
「あたしは樹の姉で部長の犬吠埼風!でこっちは知る人ぞ知る風鳴静音ね!一応副部長務めてもらってる」
「あっ!お昼の時は…その……」
「ふふ、何も気にしてないわよ?なんか面白そうな子が居るなとは思ったけど」
「あうぅ…やっぱり変な子だって見られてたぁ……」
「変な子は間違ってないだろ?」
「だからハッキリ言わないでよ!?」
「響!そんな事より挨拶してもらったんだから私達もしないと!」
未来にそう言われて響も気を取り直し自己紹介を始めた。
「私は立花響!15歳!好きなものはご飯&ご飯!彼氏居ない歴は「僕は日比野勇也と言います。三人と同じく1回生、どうぞよろしくお願いします」って勇也!私まだ自己紹介の途中なんだけど!?」
響が自己紹介をしている途中に勇也が自己紹介をしてきて、それに対し響は勇也に文句を言った。
「あんな長い自己紹介いらないし、後半の所はどうでもいいし。そもそも自分の秘密をバラして恥ずかしくないのか?」
「もう響~!そんな事まで紹介しなくていいから!」
勇也は響の自己紹介に呆れ、未来は恥ずかしくなった。
「私は小日向未来です。響の親友で、勇也と樹ちゃんと同じクラスの1回生です」
だがすぐに気を取り直し、未来も勇者部の皆に自己紹介をした。
それから程無く、勇也達三人は勇者部の活動を見る為、勇者部の皆と一緒に吹奏楽部の部室に来ていた。
中では既に勇者部の皆が吹奏楽部の生徒達と共に備品整理を手伝っている。
「ほぇ~、それじゃあ皆さんは中学時代からのお知合いなんですね」
「まぁね、皆四国の讃州中学の出身で、其処でもあたし等は讃州中学勇者部として、皆と一緒に活動してたのよ」
「へぇ~」
勇者部の皆が皆同じ中学の、それもあの四国の出身と聞き響と未来の二人は再度驚く。
そりゃあ皆仲が良いはずだと感心もした。
そんな中勇也は、友奈が一人で重そうな備品を運ぼうとする姿を見て手伝おうとした。
「手伝いますよ」
「あ、大丈夫だよ。この位一人でいけるから」
「でも、それ重たそうですし二人の方が効率が良いと思いますよ?」
「う〜ん、分かった!じゃあ勇也君はそっちを持て、私はこっちを持つから」
「分かりました」
友奈に許可を貰った勇也は指示に従い、備品の反対を持つ。
「じゃあ、いくよ」
「はい」
「「せーの!」」
二人は声を合わせ備品を持ち上げた。
……………友奈ごと。
「え?」
(あれ?以外に軽い?)
「わわ!お、下ろして、勇也く〜ん!?」
「えっ!?」
勇也が備品が以外に軽いと疑問に思うと備品と一緒に持ち上げられている友奈が足をジタバタしながら言い、勇也は友奈ごと備品を持ち上げた事に驚く。
「勇也?何してるの!?」
「友奈ちゃん!?」
その様子を見た響と美森は急いで勇也と友奈の元に向かい、備品を下ろすの手伝った。その後はなんとか無事に備品整理が終わった。
「いやー、無事に終わったわ!まぁ、ちょっとしたトラブルがあったけど…」
「すみません。力加減を間違えて…」
「ううん、別に気にしてないよ」
風がチラッと勇也と友奈の方を見ながら言い、当の二人は勇也は先程の件について友奈に謝るが友奈はその事についてはもう気にしていなかった。
(だけど、どうして俺はあの重そうな備品を一人で持ち上げられる事が出来たんだ?前まではそんな事は出来なかったのに…)
だが、勇也は自身の身体能力が上がってる事に疑問を思った。前までは重い備品を持ち上げられる力は無かった、しかしこの世界に転生してからは先程の通り持ち上げれる事が出来る様になった。
どうして自身の身体能力が上がったのか考えるが、答えは出なかった。
「それでどう?勇者部の活動を見ての感想は?」
「なんか、良いですね」
「うん!ますます気に入りました!」
「こういう部活も良いな」
「それじゃあ…」
「はい!もう決めました!入部させてください!」
「私も、入部を希望します」
「俺もです」
勇者部の活動を見ていた三人は風にそう伝えた。
新たな部員の誕生に風も嬉しそうに勇也達に微笑む。
「それじゃあ、これからよろしくね勇也、響、未来!」
「「「はい!」」」
そうしていると響の眼はふと吹奏楽部の部室にある時計に目をやった。
すでに時刻は18:00を回っていた。
「えぇー!?もうこんな時間!?CD売り切れちゃう!!」
「えっ!?CD!?」
「今日翼さんのCDの発売日なんです!!毎回初回の奴買ってるんで…早くいかないと売り切れちゃいます!!」
そう響は言うとそそくさと鞄を手にその場を後にしようとする。
「ちょっと響!行くなら皆に挨拶してから…ってもう!!」
未来が気付いた時には既に響は猛ダッシュで飛び出して行った後だった。
「たっはー。あの子もなかなか慌てんぼうだね~♪」
「……すみません…」
「良いって良いって、うちの部員も、結構似たようなのばっかだし。こりゃあこれから楽しくなりそうだわ」
響の様子に風はこれから楽しくなるだろうと期待を膨らませている。
一方未来は親友のそそっかしさに顔を赤くしていた。
すると勇也が何か落ちてる物を拾った。
「何だこれ?」
勇也が拾ったのはひよこの形をした財布だった。
それを見た未来は目開いた。
「それ…響の財布」
「何?」
それを聞いた勇也は片眉を上げて驚いた。
「慌てて落としたのか?」
「それだと、あの子翼のCDが買えないわね」
「……はぁ、仕方ない。俺が届けに行ってくる。未来は寮で待っててくれ」
「うん…気を付けてね」
勇也は未来にそう言い、鞄を持ち部活を後にした。
すると、風が…
「寮で待っててくれ?」
「お姉ちゃん…?」
「未来、一つ訊くけど勇也は何処の寮に住んでるのかな〜?」
「え?それは私と響と同じ寮に………あ」
風の質問に未来は答えるが、答えた内容に気付くが既に遅かった。
それを聞いた風は顔青ざめた。
「み、みみみ未来!響と一緒に勇也ともうそんな関係を!?」
「え?えええええええ!?」
「ち…違います!今年の新入生が多いから急遽一緒の寮になっただけです!」
誤解をされた未来は風に一緒になった理由を話した。
「あ~あ、なる程。って!そんなで納得するか!」
「えぇ!?」
「入学して二日!まだ互いに見知ったばかりなのに同性はまだしも、男子である勇也と親しい仲なの!?二日間の間に何があった!?一体どうして其処までの関係になった!さぁ、理由を言いなさい!さぁさぁさぁ!!」
「何やってるのよ風…」
「お姉ちゃん…」
それでも納得いかない風は勇也との関係を問い出さそうと未来に訊いてくる。
その様子に勇者部の部員は苦笑いや呆れる者が居た、風の威圧に押されどう答えようと考える未来自身は…、
(もう勇也〜!最後に余計な事を言って〜!!)
勇也に対し、心の中で怒声を上げた。
「うおぉ!?…………何だ、今の寒気…?」
その頃、リディアン周辺の街中の公園である少年と少女がベンチに座って誰かを待っていた。しかし、少年少女の服装は神世紀の服装とは少し変わっていた。
「ティファ。疲れたか?」
「いいえ、私は平気。ガロードは?」
「俺も平気だよ。でも此処の日本は俺達が持ってたお金が使えないしな、どうすかな〜?」
そんな会話をしているティファとガロードと言う少女と少年。すると他の少年と少女がベンチに座っていたガロードとティファに近付いた。
「ガロード…」
「どうだったバナージ?」
「やっぱり此処は日本だけど…『宇宙世紀』、『A.G.』、『P.D.』…『新西暦』の日本とは違うみたいだ」
「神世紀と神樹様、どれも私達の聞いた事がない言葉でした」
「新連邦やコロニーが無いって事は……此処は別世界なのか?」
「それに…あの時起きた、次元震…『超時空修復』はされたのにどうして…」
と、ガロードとバナージと言う少年、そしてもう一人の少女はこの今居る世界と日本、そして聞き慣れない単語について話し合っていた。
まるで自分達が『この世界の住人ではない』という感じだった。
すると、街中にサイレンが鳴り響く。
「な、何だ!?」
「おーい!」
突然のサイレンに驚くガロード、するとバナージと少女が来た所からまた別の少女が走って来た。
「パーラ!どうしたんだ?」
「大変だよ!今朝遭遇したアメーバみたいな化けモンが街中に現れたんだよ!」
「なんだって!?」
「俺達が今朝遭遇した、あの怪物に似てるのか!?」
「ああ!瓜二つだよ!ノイズって奴等らしい、手当たり次第人を襲ってやがる!」
少女『パーラ』がガロード達に伝えた内容は今朝、ガロード達はノイズと遭遇し戦闘、撃退しガロード達はこの街に来た。そのノイズがこの街に現れた内容だった。
それを聞いたガロード達は驚くしかなかった。
「住民の避難はどうなっていますか?」
と、少女がパーラに街に居る住民の避難の状況を訊いた。
「避難勧告は出てるけど、街中の色んな所から現れてるよ」
「でも、あの怪物が警察や自衛隊が対応出来るとは思えない」
パーラは避難勧告は出ているが、街中の至る所にノイズが居ると言う。
自分達は倒す事は出来たが、この世界の警察や自衛隊がノイズに対応出来ないとバナージは言った。
するとガロードは…、
「だったらやるしかねぇ…!」
「ガロード?」
「別の世界だったら騒ぎ起こしたくないけど…あんな化け物を野放しする訳にはいかねぇ…!」
「ガロード…」
「パーラさんは別ルートに行った『レントン』達を伝え行って下さい」
「分かった!」
「バナージ、ティファの事を頼んで良いか?」
「ガロードは?」
「俺は先に行って、化け物の相手してくる」
「え?一人で!?危険だ!」
一人でノイズの相手をするとガロードは言うが、バナージは今朝遭遇したばっかりに一人では危険だと感じていた。
「心配すんな、アイツ等を足止めするたけだ」
「だけど…」
「バナージさん、ガロードを信じて」
「ティファ。………分かった」
「ティファの事を頼んだぜ!」
「ガロードも気を付けて…!」
ガロードはあくままで足止めをすると言う、ティファもガロードを信じてほしいとバナージに言う。二人の言葉を聞いてバナージは頷く。
ガロードはバナージ達にティファを頼むと、ズボンのポケットからダークグリーンのクリスタルを取り出し…、
「いくぜ!『ダブルエックス』!」
自分の相棒の名を叫んだ。
数十分前…
「しまった……響の電話番号聞くのを忘れたな」
と、そう思いながら街中を歩く勇也。
響の財布を届けに行ったのはいいが、響が中々見つからなかった。電話で何処に居るのかと響に訊こうとするが、電話番号を聞くのを忘れていた為聞き出せなかった。
「仕方ない、こうなったら手当たり探すしか……」
と言い掛けた時、勇也の目の前を黒い…炭のようなものが横切った。
「ん?」
ちらりと曲がり角に目をやる。
そこは何時もの活気はなく、ただ黒い炭素の塊があるだけ。
しかもそれは道路だけでなく、周囲の建物の中にも数多く点在していた。
その光景に勇也はすべてを悟った。
「まさか…ノイズ!?……響が危ない!!」
勇也は辺りに人が居ないか確認をし、赤色のクリスタルを取り出し、
「俺の元に現れ、纏え!!」
と、勇也が叫ぶと昨日纏ったヒュッケバインの姿になった。スラスターを全開にし空中へと飛ぶ、響を探す為に。
その頃、リディアンの地下深くとある司令室。
其処はノイズが発生した状況を把握し、司令室内は慌ただしい光景が広がっていた。
「状況を教えて下さい!」
すると、司令室内に制服姿のままの翼、静音、友奈達が駆け込んで来た。
「現在、反応を絞り込み位置の特定を最優先としています」
「っ…!」
「急いで下さい!既に何人か犠牲になっているハズです!」
静音の言葉にオペレーター達も急いで位置の特定に掛かる。
静音と翼、友奈達はそれを歯痒い気持ちで見守っていた。
一方勇也は向かう先にノイズと出くわし、両手に武器を投影させ次々倒していく。遠くに居るノイズは無視をし、響を見付ける事を優先させていた。
「クソっ!何処に居るんだ響…!」
と、辺りを見るが響の姿は無く勇也は次の場所に向かう。
すると、突如勇也の頭の中で何か閃光の様なものが走った。勇也は動きを止め、向かおうとした方向とは違う場所に向きを変えた。
「この感じ……彼処に居るのか、響?」
勇也は念動力で響が居る場所を感じ取り、スラスターを吹かして響が居る場所へと向かう。
暫くして工場のビルの所の付近まで来た勇也。すると彼の耳元から、
♪Balwisyall Nescell gungnir tron…
突如響の歌声が聞こえた。
「歌?それに今の歌声って…」
勇也が言い掛けたその時、謎の光が現れ空まで上っていた。
「何だあれは!?」
驚いた勇也だが、直ぐ様光がでた所に向かった。
しかし、謎の光を見たのは勇也だけではなかった。
「何だあれ?」
周辺のノイズを合流した仲間達と共に倒し終えたガロード達もその光を見た。
それは…数秒前の出来事。響は少女と共にビルの屋上に逃げたが、夥しい量のノイズの群れが待ち構えていた。
もはや逃げ場もなく、少女と響はその場に蹲る。
だが響はそれでも諦めてなどいなかった。
(私に出来る事…出来る事がきっとあるはずだっ!)
「生きるのを諦めないで!!」
すると響の中に突如…、
♪Balwisyall Nescell gungnir tron…
歌が聞こえてきて、響は無意識のままその歌を口ずさんだ。
すると…、突如として響の胸元、2年前に追った怪我の傷跡から眩いばかりの光があふれ出す。
ノイズも一体何が起きたのかと一瞬その動きを止めた。
そしてその光は見る見るうちに大きくなり、天を貫いた。
その様子は直ぐ様リディアンの地下深くある司令室でも確認する事が出来た。
「反応、絞り込めました!位置特定!」
「ノイズとは異なる高質量のエネルギーを検知!」
「波形を照合…急いで!!」
ノイズとは異なる高質量のエネルギーを検知した事に、司令室内は一気に慌ただしくなる。
「まさかこれって…アウフヴァッヘン波形!?」
その正体にアップに纏めたロングヘアーの女性は驚く。
『アウフヴァッヘン波形』
それは静音と翼が持つある物が起動する際に放たれる波動、使用する際にも放たれる物だ。
そしてモニターに放たれる波動のコード、照合が判明し映された。しかし、この場に居る全員が驚愕した。
『Code:GUNGNIR』
モニターにはそう映されたのだ。
「ガングニールだとっ!?」
「ガングニールって…」
「そんな!だってアレは奏と一緒に消えたはずじゃ!?」
「どういう事よ!?」
「……っ!」
この事に屈強な感じの男性と友奈、夏凜、風は思わず声を上げる。静音も拳を握りしめていた。
そのコード『ガングニール』はかつて、静音や友奈達が共に戦い命を燃やした仲間が持っていた物、そして何より…、
(そんな…だってそれは…奏の!)
誰よりも驚愕したのは、その相棒の風鳴翼であった。
この日、一人の少女が新たに覚醒した。
しかし、それは新たな物語の始まりであり、二つの世界を巻き込んだ大戦の始まりの瞬間でもあった。
中断メッセージ
『ストレス発散? 1』
BGM 『禁断のレジスタンス』
響「アンジュさん何してるんですか?」
アンジュ「ノイズに今まで溜まってたストレスを発散してるの」
響「す、ストレス発散!?」
アンジュ「そうよ。ストレスを溜めると体に悪いでしょ?」
アンジュ「だから、ノイズで今まで溜まったストレスをぶつけてるの。以外にもスッキリするわ」
響「は、はぁ…」
アンジュ「なんなら響もやってみたら?」
響「わ、私も!?」
アンジュ「アンタの性格上、バカが付く程の優しさがあるからかなり溜まってるのが見えるのよ」
アンジュ「だから、アンタも一回優しさを捨ててストレス発散させたらどう?大丈夫ノイズなら問題ないわ」←例のゲスい笑顔
響「………」
響「わ、私遠慮しますっ!」←何処かへ走り去って行く
アンジュ「あ~あ、行っちゃった」
アンジュ「皆も響みたいにストレスを溜めないようにね」
アンジュ「じゃないとエンブリヲの駒になったサリアみたいになるからね。気を付けなさい」
サリア「どう言う事よ!アンジュゥゥゥ!!」
『次回予告』
突如謎の姿になった響、其処へ勇也と響と同じ変わった姿をしている静音、翼、風が駆けつける。
ノイズを撃退するが突如、謎の人型ロボットと次元震から現れた獣により窮地に立たされる。
しかし…彼等の窮地に鋼の戦士達が現れる。
次回『異世界者達の遭遇』
用語設定集
もう一つの地球
次元震によって現れた地球。
世界各国の政府と専門家、研究者は色々な意見述べているが勇也はこの現象がスパロボZシリーズの『時獄戦役』と『天獄戦争』の間で起きた現象とそっくりと思っている。
この次元震によって宇宙にオーロラが発生、何故この現象が起きたかは不明のままである。