音楽家系の俺が同人ゲームを作ることになった件について 作:通りすがりの猫。
どうやら加藤先輩は『18歳以上ですか?』のボタンで『ハイ』を押したらしい。つまりどういうことかわかるな?ここでは加藤先輩の名誉にかけてわざとではないとだけ言っとくぞ。
「あ、あ、あへっ・・・さ、澤村さん、これはっ」
ちょうど俺の座ってる位置からは画面がみえないのでどのような画像が映っているかは読者の皆様のご想像にお任せするとしよう。・・・俺はさっきから誰に説明してるんだ?
「そういうことはいちいち聞かないのがマナーってものじゃないのかしら加藤さん?」
さて、興味がない俺は倫也先輩に許可を借りて少し弾こうかと思ったが持ってきていないことを思い出し立ち上がってまた座るという奇妙な行為をした。その時に、
「なんで立ちあがったのよ」
「いや、楽器持ってきてないの思い出して・・・」
なんてやり取りがあったのは内緒だ。どうやら話をきいてると澤村先輩のサークルはとても人気があるということがわかった、けれど運営をしているのはお父さんらしい。まあ確かに未成年が18禁サイトを運営するのはあまりよくないな、にしても両親がオタクで金があるってもうチートだよな。それに容姿はいいし・・・。あれ?もしかして澤村先輩ってオタク視点からみても人気なんじゃないか?なんてどうでもいいこと考えてたら倫也先輩と澤村先輩の論争はまだ続いていた・・・仲良しすぎかよ。
「情熱がなきゃやってやれられないだろ!」
「続けられるわよ?」
「せっかく熱く語ってるんだからちっとは怯めよ!」
「むしろそういう商売っ気全開の作家さんこそコンスタントにたくさんのイベントに出て稼ぐわよ?よく隣り合わせになる某サークルなんかもう・・・」
「やめてやめて消費型オタの夢を壊すのやめて!」
「いや、倫也先輩も消費型オタから搾取する生産側にまわるんじゃ・・・?」
「榊原の言う通りよ倫也、そんな甘っちょろい夢を抱えたままじゃやっていけないわよ?」
「違うもん俺は商売じゃないもん表現の自由だもん!」
・・・?なんか矛盾してないか?
「倫也先輩、お言葉を返すようですがそれって
「・・・真希、お前なにちゃっかりそっち側《英梨々サイド》にまわってんだよ・・・」
「二人の意見をきいていたら俺が賛同できたのは澤村先輩だったので、それに女の子の味方はするものでしょ?なんで男子二人で女の子を論破しなきゃいけないんですか大人げない」
「う、裏切りもの~!」
「あ、あの、三人とも喧嘩は・・・」
「あなたは黙ってなさい」
「加藤、今は口を挟まないでおとなしくゲームの続きやっててくれ、な?」
まだ加藤先輩クリアしてなかったんですね・・・。
「とりあえず酷くなったら俺がちゃんと仲裁するんで加藤先輩は安心しててください」
「えっと、私なんでここに呼ばれたの・・・?」
「・・・大丈夫です加藤先輩、それは俺もですから」
さてここからの論争は正直俺が入るにはあまりにも戦力が低かったのでへたに入るよりかはひたすらききに徹していた。詳しく知りたい人は『冴えない
さて結局加藤先輩がしていたゲームに見入った二人の先輩はクライマックスに入り終わった後には泣いていたらしい。というのも俺は途中で寝てしまったからだ、なにせ二人の論争はあの後数時間に渡ったのだ。眠くなるなというほうが無理だろう。
さて現在の時刻であるが・・・
「あ、外が明るくなってる」
この加藤先輩の一言で想像してほしい・・・。俺は倫也先輩に起こされた、本日が日曜であることに感謝しかない。月曜だと考えただけでゾッとする。