音楽家系の俺が同人ゲームを作ることになった件について 作:通りすがりの猫。
昨日の弾き語りの反響がよかった俺はウキウキで職員室へ向かったが
「視聴覚室の鍵?ほかの人が借りていったぞ、使いたいならそいつに交渉しな」
「わかりました」
知らない人がいるなら別にいいかなとは思いつつも足は視聴覚室へと向かっていた、そしたらどこかせきいたことがある声がきこえてきた。
「や~ごめんごめん、教室出たところで勝ち気なクラス委員長に『こら待て掃除当番~!』って追いかけられちゃってさ~」
「・・・なにやってるんですか倫也先輩」
「え?なんでこんなとこいるんだ真希?」
「音楽室が使えなくて視聴覚室で弾こうと思ったんですよ」
「お!まじか!よかったらきかせてくれないか?」
「・・・いや、俺は別に大丈夫ですけどそこにいる人はほっといていいんですか?」
「あ・・・」
「もう鍵閉めっちゃったから今日のサークル活動はこれでおしまいってことでいいよね?」
「・・・ほんとごめん」
「えっと、加藤先輩でしたっけ?とりあえず視聴覚室使うんで貰ってもいいですか?」
「あ、うん大丈夫だよ。安芸君どうする?この子の演奏きくの?」
「そうだな、せっかくこうしてメンバー全員集まったんだし、今後の進め方とかもうちょと話していかないか?」
「全員ってのがちょっと詭弁にきこえるけど・・・そだねちょうどいいしね」
「ところで安芸君、後輩君は?」
「・・・もう中入っていったな」
だれが先輩二人のイチャラブ(?)の会話をきいていなきゃいけないんだよ・・・。
「調整終わるまで少し待っててください」
「おう、わかったよ」
「それで安芸君、今後の進め方ってなにか思いついたの?ほかのメンバーの心当たりは?」
「・・・さて、夢も希望も打ち砕かれ万策尽きた週末金曜日、皆様いかがお過ごしでしょうか~」
「まだ一つしか策を弄してないと思うんだけど?」
さて、調整お終わったし弾き始めるか。
「一事が万事ということを考えれば、一策が万策といえなくもない」
一曲目はGo〇 〇nows でいいかな。
「理屈っぽいこといってるようで全然辻津あってなくないそれ?」
確か最初の入りはFmaj7からだったっけか、やるか。
「まあとにかくもうちょっと粘り強く・・・ってこれは!?」
「倫也先輩わかるんですか?」
「わかるもくそも涼〇ハル〇の憂鬱の代表曲じゃないか!」
「へぇ~安芸君、それって有名なの?」
「名作中の名作だぞ!
「渇いた心で駆け抜ける~ 」
「真希君だっけ?上手だね」
「・・・確かにうまいんだけどこの声どこかで・・・」
「どっかできいたことあるの?」
「そのはずなんだけどな~・・・」
そろそろサビか、G、 Em、 Am、 Dmっと
「思い出した!この声MIKASAか!」
「MIKASA・・・?誰なの?」
「MIKASAはとある動画掲載コンテンツで弾き語りの動画を出していてここ最近で一気に伸びてきた人だよ。それにプライベートがTwittterですら完全に非公開で素性が未だにわかっていなかったんだよ、わかっていたのは男性であるというただそれだけで声も若干ほかの男性よりも高いせいで一部からは女性なんじゃないかって言われてんだ。それなのにその正体がまさか真希だったなんて・・・。いつもきいています!これからも頑張ってください!」
なんかちょっと照れくさいけど一応否定くらいしておくか。
「倫也先輩、俺はそのMIKASAって人じゃないですよ」
そういいながら手元ではちゃんと弾いているので沈黙にはならない。
「・・・なんだ、そうなのか」
あれ?あっさり信じちゃったよこの人。もしかして案外チョロい先輩なのかもしれないな、なんて考えてたら
「安芸君、MIKASAって並び替えたらMASAKIになるよ?」
「・・・ごめんなさい、嘘つきました」
今後、加藤先輩の前で嘘を吐くのはやめよう、見破られる気しかしない。ってかこんな簡単なアナグラムにするんじゃなかったな・・・