音楽家系の俺が同人ゲームを作ることになった件について 作:通りすがりの猫。
放課後になって俺は安芸先輩のいる教室に向かった。中から声がきこえたので俺は入っていくことにした。
「失礼しま~す、安芸先輩いますか?」
「お?来てくれたか!」
中にいたのは安芸先輩の他に三人の女性がいた。一人は安芸先輩と話していた金髪ツインテールでとあるところがない(どこがとは言わない)人でもう一人の方は黒髪ロングでとあるところがある(どこがとはry)人、最後に存在感が薄い女性がいた。
「えっと~...安芸先輩、この人達は?」
「紹介するよ!この金髪が澤村・スペンサー・英々梨っていって俺と同じ同級生。それでこっちの黒髪ロングの人が俺の先輩で三年生の霞ヶ丘 詩羽先輩。最後に印象が薄いのが俺と同じクラスの加藤 恵!よろしくな!」
「いや、なんで呼ばれたかまったくわからないんですがよろしくお願いします」
「そうよ!いきなり何の前触れもなく放課後に呼び出されたと思ったら、こんな表紙だけの企画書見せられて、意味不明な演説聞かされて、ついでに理解不能なサークル勧誘されて、あげくのはてには素人を連れてきて、そりゃブチ切れたくもなるわよ」
「いや英々梨、真希は素人なんかじゃない!こいつの苗字は榊原だ。それだけ言えばお前ならわかるよな?」
「...っ!?榊原ってあの!?」
いや、どの榊原さんなんでしょうか...。
「けど、だからといってその息子に才能があるなんて思えないんですけど?それにあんたね、今までみたいに消費型オタでいるうちはまだ見逃せてたけど、なんの取り柄もないくせにいきなりゲーム作ろうとか世間舐めてんの?」
あ、この人達はゲーム作るんですね。初めて知ったんですけど...。ってことは俺はBGM担当になるのかな?最近趣味で始めたバンドに悪影響を及ばさないといいんだけどな...。
そんなことを考えていたら隣に霞ヶ丘先輩が隣にきて話しかけてきた。
「榊原君?貴方、私と昔どこかで会ったことがあったかしら?その顔どこかで見た気がして...」
「それならたぶん父のことじゃないですかね?テレビにもちょくちょく出ているようですし。」
「なるほどそうだったのね、ありがとう」
「いえいえ。霞ヶ丘先輩も安芸先輩に呼ばれて来たんですか?」
「そうよ。とりあえずあの二人をどうにかしないと...」
霞ヶ丘先輩が見ていた先にはまだ安芸先輩と澤村先輩が口論をしている姿があった。
「二人とも落ち着きなさいよ」
「っ...」
「せ、先輩...!」
「まぁ今回のことは、残念ながら私も澤村さんの意見に賛成だけどね」
「せ、先輩ぃ~」
そうして霞ヶ丘先輩と安芸先輩は二人の世界に入っていった。割り込む余地がなかったので俺は澤村先輩に話を聞きにいった。
「澤村先輩」
「ん?なによ?」
「安芸先輩の企画書はそんなに酷いんですか?」
「あんたもみればわかるわよ、はいこれ」
そう言って澤村先輩は俺に安芸先輩が作った企画書をみた。そこに書いてあったのは『名前、日付、同人ギャルゲー企画(仮)』の三点のみだった。
「ゲームの企画書なんですよねこれ?」
「あいつ曰くそうらしいわ、貴方がそう思うのも無理はないわ。」
確かに企画書なんてどう頑張ってもこれはいえない。こんなんで大丈夫なのかなと思っていたら、
「ねぇ!それより貴方のお父さんがあの榊原
「そ、そうですよ...」
「琥珀色のコンチェルトよかったです!って伝えておいてほしいんだけど...」
「わかりました、父に伝えておきますね」
「ありがとう!...あの二人こっちのこと忘れてるわね、私ちょっと行ってくる!」
そう言って澤村先輩は霞ヶ丘先輩と安芸先輩の二人のやりとりに横から入っていった。
このままでほんとに大丈夫なのかな...。ん?誰か忘れてるような...気のせいか!
明日はアクマゲームです