ハイスクールD×D〜七星王伝説〜   作:ゼパル・ガルベスク

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今回はオリキャラが3人出てきます。

イローーーンナ伏線が混ざってます。

それでは、どうぞ!



第3話:破壊者と駒王町

「グアァァァァァァァ!!?」

 

一人の男が悲鳴を上げ、体を燃え上がらせながら倒れる。少しずつ灰になって行くその様は、もう助からないと誰が見ても分かるものだ。

 

「ば、化け物が!そいつらは我ら姫島家の汚点、消さなければ我らの歴史に泥が付く……!」

 

ジャ「そんなんで付く歴史なら、ラフレシアの方がまだマシだな。ガキ相手に妖刀なんて振り回しやがって、頭のネジがだいぶ外れてると見た」

 

手足が朽ちて、もはや首しか残っておらず、今にも生き絶える寸前の男の目の前にはジャッカルが両手に炎を纏って立っていた。彼は幸せな人生を歩んでいた女性と堕天使のハーフの娘の命を奪おうとした男達が許せなくて、男達に攻撃を仕掛けたのだ。

 

「呪ってやるぞ…例えこの肉体が滅びようと、必ず蘇り姫島の汚点であるそいつらを抹殺し、貴様に復讐してやる!!この姫島家当主、姫島(ひめじま)朱蓮(しゅれん)がな!!!」

 

ジャ「害悪となる妖怪から守る奴が言うセリフじゃねぇな。まぁ、妖刀を持ち出してる時点で貴様は相応しくないと言うわけだがな……取り敢えず死ねや、『デリートハンド』」

 

ジャッカルは右手に紫色のオーラを纏い、それを朱蓮に向けて振り降ろすと《ガオンッ》と音がして頭部が完全に消え去った。朱蓮の命が尽きると炎も役目を果たしたと言わんばかりに消えた。

 

女性「あ、あの…なんとお礼を言えば…」

 

娘「あ、ありがとうございます!!」

 

ジャ「別に…ただムカついただけだ、あんたらが人の命を平気で奪うゲスだったらあんたらにも同じ事してたし。あのカスが善人だったら味方してた、ただそれだけだ」

 

ジャッカルはツンとした態度で礼を断ると、機械の様な翼を出して宙に浮かんだ。だが、女性ソックリな娘が母親から離れるとジャッカルを見上げながら聴いた。

 

娘「あの!また会えますか!!」

 

ジャ「・・・縁があればな…」

 

ジャッカルはそう言うと街の方へと姿を消した。

 

 

〜数時間後〜

朱里「と、言う事が…」

 

「そうか、そんな事が…」

 

姫島朱里と話している男の名はバラキエル、『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部の一人で『雷光』の二つ名を持っている愛ゆえに堕天した神話の存在だ。

 

バラキエル「ここ数年、姿を見せなかったが…まさか娘を助けられるとはな…本当に何者なんだ?」

 

朱里「あなた…彼からは呪いの様な力と聖なる力の二つを感じたけど、人間の様な気配もあったわ」

 

バラキエル「あぁ、アザゼルも昔に手に入れた奴の皮膚を調べた事があるが人間の様な体の作りに機械の様な細胞組織、オマケに色んな力が混ざり合っていたそうだ。その後、奴に襲撃されて全治一ヶ月の重傷を負ってサンプルも取られたらしいがね」

 

朱里「彼は…たぶん誰かに、大きくて理不尽な悪に酷い目に会わされたんだわ…じゃなきゃあんな悲しそうな目…出来ないもの」

 

バラキエル「そうだな、敵対するもの同士で手を取り合って戦った時も勝ったら戦争を止めろと言ってきた。何百年も生きている我々が赤子の様な気分になったよ…また出てきたと言う事は…今度は駒王町で何かが起こると言う事なのでは無いだろうか…」

 

朱里「・・・あなた、平和条約の方を進めなくてはならないのでは?」

 

バラキエル「あぁ…だがな、もう少しお前らと居ようと思う。もう、失うのは嫌だからな」

 

朱里「・・・・・ありがとう」

 

 

 

姫島朱里とバラキエルの娘、姫島朱乃の未来が変わった。コレがどうなるのかは、今現在では誰も予測出来ない。

 

 

 

***

時は更に進み、ジャッカルは『兵藤』と書かれた表札の前に立っていた。だが、姿はいつものジャッカルとはまるで違うものだった。髪は白銀のままだが、額に緑色の水晶が付いていて、細マッチョという言葉が似合う男性の姿をしていた。

 

ジャ「(あの家族が心配だからと言って、いつまでも隠れ続けるのは不可能だ。しかし、人間の姿になるのは随分と懐かしいな…一体何年振りだろうか。さてと、昔を懐かしむのも大概にして挨拶をするか)すみませーん、誰か居ますか?」

 

《ピンポーン》と呼び鈴を鳴らして家主を呼ぶと、ジャージ姿で『一騎当千』と書かれた黒いシャツを着こなし、鉢巻を付けた若いワイルドな黒髪の男性がドアを開けて出てきた。

 

「おや?どなたですか?」

 

ジャ「初めまして、隣に引っ越してきた銀城羅刹と申します。あ、これつまらないものですが…饅頭です」

 

「おぉ!どうもすみません。俺は兵藤平助、一応漫画家です。こんなだらしない服装ですみません…実は赤ん坊が産まれまして」

 

ジャ「へぇ、そうなんですか。少し顔を拝見してもよろしいですか?」

 

平助「どうぞどうぞ!遠慮なく見てください!」

 

平助の許可を貰い、リビングに入るとウェーブのかかった茶髪の低身長の女性が赤ん坊を抱いているところだった。

 

「あら?あなた、その人は?」

 

平助「近所に引っ越してきたお隣さんだ。紹介しますよ銀城さん、俺の妻の明日香です! 美人でしょぼっ!?」

 

平助は女性、明日香が投げつけたであろうテレビのリモコンらしきものを顎にクリティカルヒットされて、ひっくり返った。明日香は顔を真っ赤に染めている。

 

明日香「急に変な事言わないでよ!すいません、騒がしくしちゃって…そこのチャランポランな男の妻の兵藤明日香と申します」

 

ジャ「え、えぇ…よろしく…」

 

その光景にかかあ天下と言うワードを頭を過らせながら引きつった笑いをする。すると、騒ぎに反応してか抱かれて居た赤ん坊が目を覚ました。

 

「むぅ、んん〜〜」

 

平助「やべ、起きちまったか?」

 

ジャ「あぁ、さっき話に出てた…ところで名前は?なんて言う名前ですか?」

 

明日香「一誠と言うんです。一番、誠実に生きて欲しいと思いましてそう名付けたんです」

 

ジャ「一誠ですか…良い名前ですね。漫画だったら主人公ポジだったでしょうね」

 

平助「まぁ、元々俺が一番初めに描いた漫画の主人公だったんですよ。売れてる今だからこそ伝説扱いになってる漫画ですが、元々あまり人気の無い作品だったんですよね…」

 

明日香「でも、私はあの漫画が大好きですよ?だって、初めて読ませて貰った作品ですも…の…うぅ!?」

 

すると、突然明日香が膝をついて苦しみだした。汗を沢山流し、腹部を抑えている。

 

 

ジャ「えぇ!?ちょ、どうしたんですか!?」

 

平助「ふ、二人目だ!実は赤ん坊がもう一人出来たんすよ!!」

 

ジャ「ちょっと前に産まれたばかりなのに!?いくら何でも早すぎるでしょう!!!?」

 

平助「いや〜嬉しくてつい…」

 

ジャ「ついじゃなくて!!」

 

明日香「そんな事より…救急車…」

 

平助「ああああ!!そうだった!」

 

 

その後、ジャッカルと平助が荷物に引っかかって転んだり、同時にドアを通ろうとして詰まったりしたが何とか無事に救急車に乗せることができた。

 

 

 

 

***

そして、ジャッカルは一誠と共にお留守番中。

 

ジャ「何か、ハッスルした人だな…悪い人じゃ無さそうだけど…なぁ?」

 

一誠「あーぶぅ!!」

 

ジャッカルの呟きに応じる様に一誠が声を出す。まだ喋れはしないが、目はちゃんと開いているし、体には以上は無さそうだ。しかし、ジャッカルはある事に気が付いてしまった。

 

 

原作を知っているものなら知っているだろう事実、それは彼がか現代の『赤龍帝』だと言う事だ。

 

ドラゴンは、その強さ上に人を惹きつける特徴がある。その力でハーレムを築いた者もいるが、中には永遠のライバルと言える『白龍皇』と闘い、命を落とした者もいる。

 

中には白龍皇に会う前に命を落とす事だってあるのだ、闘いを避ける方法はない。あるとしたら神器(セイクリッド・ギア)である『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を取り除くしかない。

 

が、神器はその者の魂も同然。抜き取られた時点でその者は死んでしまう、どちらにしろ闘いからは逃れられないのだ。

 

ジャ「・・・一誠、お前は良い奴だ。恐らくこの世で最もカッコよく、優しい人間になるだろう」

 

一誠「ぶぅ?」

 

ジャ「だからな、お前を守るよ。白龍皇からも、悪魔からも、堕天使からも教会からも、今度こそ…もうだれも失わせたりはしない。だから、幸せになれよ?」

 

一誠「う……?あい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まさか、あいつが俺の近くにいるとはな…にしても、あんな風に笑えたのか。神を超える力を持っていても所詮生き物か…幸せそうに笑いやがって』

 

 

神器の中から外の様子を見ている赤龍帝、ドライグが見たものは…元の姿になりながらも一誠を抱いて幸せそうに微笑んでいるジャッカルであった。

 

 




因みに、オリキャラの声はこんな感じです。

○姫島朱蓮
声優:江川央生

○兵藤平助
声優:大塚芳忠

○兵藤明日香
声優:井上喜久子

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