いつもの奉仕部。
長机の窓に近いところに雪ノ下と由比ヶ浜が座り、俺は廊下側に腰掛ける。
雪ノ下が淹れた紅茶で喉を湿らせつつ、それぞれが好き勝手に読書だのメールだので時間を潰し、やがて由比ヶ浜と雪ノ下が談笑を始める。そこから俺に暴言の流れ弾が飛んできて、うっかり反撃して完膚なきまでに叩き潰されるまでがワンセット。これが奉仕部の日常だ。
そこに一色いろはの姿がごく自然に混ざりこむようになってから結構な時間が過ぎた。そろそろこの状態を『いつもの』と呼んでもおかしくはないかもしれない。
そんな一色の口から、不意に普段聞き慣れない言葉が飛び出した。
「ラグビー部?」
「はい」
問い返した俺に、我が総武校の誇る一年生生徒会長は頷いた。
一色は紅茶の香りが立ち上る紙コップをテーブルに置き、お茶請けに手を伸ばしながら後を続ける。
「で、ラグビー部がどうしたって?」
「だからぁ、今度練習試合するらしいんですよ。その手続きが生徒会に回ってきちゃいまして」
「一色さん、そろそろ仕事が出来る度に比企谷くんを駆り出すのは止めた方が良いと思うのだけど」
そうだそうだ!もっと言ってやれ雪ノ下!
ことある毎に生徒会、と言うか一色に濃き使われてややげんなりしていた俺は、心の中で雪ノ下に声援を送る。
「いつまでもそんなことではあなたのためにならなわ。それに比企谷くんは奉仕部の備品なのだから。彼の使用権、及び生殺与奪の権利は私たちにあるのよ?」
「あ、あはははは……」
ちげーよ。
雪ノ下のいつも通りの態度にげんなりと息を吐く。由比ヶ浜の乾いた愛想笑いが僅かな救いだった。
一色はそんな俺たちを気にすることもなく、雪ノ下の
「あー、違いますよー。そこらへんのことはちゃんと副会長に押し付……引き継いで来たんで、今回は先輩に手伝ってもらおうとかはないですよー」
副会長……。
下手したら俺以上に苦労を背負こんでるかもしれない優男を思い、ホロリと涙がこぼれそうになる。まあ気のせいだったが。
当然、一色含め他のメンバーも副会長に思いを馳せることはなく、そのまま話を続ける。
「ただ、それでラグビー部が合宿したいとか言い出してきたんですよねー」
「合宿?練習試合にか?」
「そうなんですよー」と一色はため息混じりに答えた。
「ウチの学校って部活にはあんまり力入れてないっていうか、ぶっちゃけ弱小じゃないですかー。ウチの運動部でマシなのって葉山先輩くらいでしょう?」
頬杖を着きながらポリポリと雪ノ下お手製のクッキーをかじり、他人事のように一色はぼやく。つうか葉山単体じゃなくてサッカー部って言ってやれよ。相変わらず良い性格してんなコイツ。
「相手の硝子山高校って結構強いらしいんですけど、ハッキリ言ってウチが戦えるようなトコじゃないんですよねー」
「硝子山高校……確かラグビー部の強豪だったわね。ただ、最近練習試合で負けてからは低迷が続いているみたいだけれど」
「みたいですねー」
一色は紙コップを口元に運び、そのまま雪ノ下の方に差し出す。どうやら空になったらしい。
「硝子山って粗暴でプライド変に高くて、ぶっちゃけイヤな奴らでして。今までは練習試合なんてこっちからお願いしても断られてたらしいんですよー。それが今回は向こうから言ってきたんですよねー」
雪ノ下は一色の紙コップに紅茶を注ぎながら考える素振りを見せる。
「……つまり、スランプで連敗の続いていた硝子山はなんとかして勝ち星が欲しかった。それで弱小の総武に目を着けた、ということ?」
「そういうことみたいですねー」
「ふーん」
気の無い返事を返しつつ湯呑みを口に運ぶ。少しぬるくなっていた紅茶を飲み干して机に置くと、雪ノ下が殆ど間を置かずに御代わりを淹れてくれた。
「そういう狙いってやっぱ分かるじゃないですかー?ウチのラグビー部もさすがに頭にきちゃったみたいで。それで勝てないまでもどうにか一矢報いたいって」
「それで合宿か」
「どうせなら勝つつもりでやれないのかしら。比企谷くん並みに志が低いわね」
「なあ、いちいち俺を一刺しすんのやめてくんない?」
湯呑みを受け取りながら雪ノ下を一睨みする。当然だが防御力が下がったりはせず、逆に睨み返されてこちらが目を背ける始末。俺弱すぎ。
俺は誤魔化すように一色に話を振る。
「じゃあ今回はラグビー部を鍛えて欲しいとかか?雪ノ下に任せると試合前に潰される怖れもあるんだが」
「あなたこそ私をなんだと思っているのかしら……?」
いやだって前例があるだろ。戸塚の時に。なんで練習メニューの各項目にことごとく『倒れるまで』とか着いてんだよ。
そんなことは知らない一色は、パタパタと手を振って俺の言葉を否定した。
「違いますよー。ていうかなんで私が面倒事持ってきた前提で話してるんですかー」
「あれ、違うの?」
「いやそれ酷くないですか?こんなことがあったって話しただけなのにー」
そう言って一色はあざとくほっぺたを膨らませた。が、無論のことハイスペックぼっちにして至高のシスコンである俺には、所詮は劣化小町でしかない一色のポーズなど効かない。ただし年下女子である一色の怒りには無条件でお兄ちゃんスキルが発動してしまい、ふと気が付くとご機嫌取りにクッキーをつまんで餌付けを図っていたりもする。なにこれ超効いてる。
一色は手鏡を取り出して覗き込み、角度を変えたり表情を変えたり色々やりだした。どうやら俺が(表面上は)態度を変えなかったのが気に入らなかったらしい。
「それでそのラグビー部なんですけどぉ、合宿行ってから行方不明なんですよねー」
「ふーん」
百面相しながら話を続けてきた一色に気の無い返事を返す。
「って、は?」
そして通常まず耳にすることのない言葉に遅れて反応した。
「いやちょっと待て。なんだ行方不明って?」
「そのまんまですよー。合宿行ってから連絡取れなくなっちゃったんです。行き先も判らないし、部員のクラメイトに電話掛けてもらったんですけど全部繋がらなくて」
「合宿先の施設は?電話してねーの?」
「それが宿とってないみたいなんですよ。なんかテントとか用意してましたし」
「普通に事件じゃねえか。警察に連絡しろよマジで」
上目遣いの練習してる場合じゃねーよ。いやホントシャレになってねえぞそれ。少なくとも高校の部活動に任せるような案件じゃねえだろ。
しかし一色は事態を理解しているのかいないのか、ちょいちょいと化粧を整えながら緊張感のない返事をするばかり。
「大丈夫ですよー。連絡取れないって言ってもまだ二日目ですし、葉山先輩も問題無いって言ってましたからー」
「もう二日だろ。つうか葉山関係ねーだろ」
「いえ、合宿の手配してくれたの葉山先輩なんですよ」
「はぁ?」
なんで葉山がラグビー部の合宿を?全然意味が分からんぞ。
「なんかラグビー部の部長がトレーナーを雇いたいとか言い出したんですよねー。でもそんな予算無いじゃないですかー。スポーツ関連だと先輩を引っ張るのは難しいかなと思って葉山先輩に相談したんですけど、そしたら心当たりがあるって」
一色の方から巻き込んだのか。つうか元は俺に来るつもりだったの?
俺は痛む頭を押さえて尚も続ける。
「どっちにしろ問題だろ。さっさと確認しろよ。いや、葉山に確認取らせろ」
「ヤですよ。それじゃ私が葉山先輩を疑ってるみたいじゃないですか」
どうやら一色の中では『自分に対する葉山の印象』≧『ラグビー部員の安全(生命に関わる可能性有り)』らしい。
俺はため息を一つ吐いて立ち上がった。
「ちっと葉山に話聞いてくるわ。まだ部活やってんだろ」
「珍しいわね、自分から働こうなんて。どういう風の吹き回しかしら?」
「いや、これほっといたらマジで大惨事になりかねねえだろ。知らなかったならともかく、話聞いた上で見逃したら寝覚め悪いにも程があんだろ」
「確かにそうね。……私も行こうかしら」
「無理しなくて良いぞ。顔会わせ辛いだろ?」
「……お願いするわ」
そんなわけで1人グラウンドに向かう。雪ノ下は……まあ、仕方ないよな。あんなことがあったんだし。顔会わせ辛いのは葉山も同じだろうしな。
この二人に何があったかについては……語るのはやめておいてやろう。俺はあの辛さをよく知っている。傷を抉るような真似はできん。もっとも、俺が語るまでもなく知ってる奴もいるかもしれんが。
グラウンドにたどり着き、練習中の戸部に声を掛けるとウェイウェイ言いながら葉山を呼んでくれた。なんだかんだで良い奴だよな。ウザいけど。
葉山は戸部に呼び止められて俺の方へ駆け寄ってくる。少し離れたところで固まっているサッカー部のマネージャーらしき数人の女子たちから、葉山へと黄色い声が、俺へと舌打ちが飛んできた。……端の眼鏡の娘だけは鼻息が荒くなってるけど、多分具合が悪いのだろう。
葉山はそんな彼女らには気付かないのか、はたまた気付かない振りをしているのか、俺に向かって汗と笑顔を爽やかに撒き散らした。
「やあ、珍しいな比企谷。何かあったのか?」
「何かあったじゃねーよ。ラグビー部、どうなってんだ」
「いろはから聞いたのか。どうって?」
「合宿行ってから消息不明らしいじゃねえか。お前どこに招待したんだよ」
「うーん……どこって言うか、知り合いを紹介しただけなんだけど」
「知り合い?」
「ああ。最近できた他の学校の友達でね、相談してみたら経験があるって言うから頼んでみたんだ。なんでも弱小だった自分の学校のラグビー部を鍛え直して強豪校に勝たせたことがあるらしいよ」
そりゃまたえらいピンポイントな……。信用できるのかと問いかけると、葉山は軽く笑ってみせた。
「大して付き合いが長いわけじゃないけど信用してるよ。そんなつまらない嘘を吐く奴じゃない」
「まあお前がそこまで言うんなら信用できるんだろうが、一度連絡だけ入れさせろよ。問題になんぞ」
「分かった。明日からの土日に俺も参加する予定だからその時に電話するよ」
「あん?なんでお前がラグビーの合宿に?」
「体力作りの基礎トレがメインみたいだからね。それに頼むだけ頼んで投げっぱなしってのもアレだろ?」
「……物好きなこった。好きにしろよ」
俺が言い捨てて背を向けると、葉山も練習に戻っていく。
一年生に向けたものらしい、柔らかくも力強い葉山の激を聞きながら、俺はグラウンドを後にした。
「オラ一年!チンタラ走ってんじゃねえぞボケカス!」
放課後のグラウンドに葉山の怒声が響く。
「いいか!貴様らはゴミだ!ウジ虫だ!だが安心しろ!貴様らのような犬のクソにも劣るチ●カス共でも俺は見捨てずに鍛えてやる!感謝しろ!分かったかクソ虫共!分かったなら血ヘド吐くまで走り続けろ!」
聞くに堪えない罵詈雑言に、俺たちはただ唖然としていた。
その間にも訓練とも呼べないしごきは続き、サッカー部員たちは泣きながら走り続けている。え、なにこれ?どうなってんの?
半泣きの一色が奉仕部に助けを求めに来たのは週明けの放課後だった。なんでも練習が始まると同時にいきなり葉山が豹変したらしい。
教室での葉山は特に変わったこともなかったため、俺は半信半疑だった。由比ヶ浜も同様だ。それがしぶしぶグラウンドに来たらこの有り様だったわけだ。
一色の話でも練習が開始されるまでは本当に普通だったらしく、突然の変化にどうして良いか分からなくなって思わず俺たちのところに来てしまったそうだ。
尚、マネージャーの女子たちは固まって泣いていたが、単にビビってしまっただけで何かされたということは無いようだ。
葉山の罵声は絶え間なく続いている。よくぞこれだけ思い付くものだと感心するほどバリエーションが豊富だ。
俺は嫌々ながら葉山に声をかけた。本当に嫌だったが女子にやらせるわけにもいかん。特に一色なんかもうほとんど泣いてるし。
葉山は俺たちに気付くと、戸部に励まされてなんとか走っているサッカー部員たちに怒鳴りつけた。
「俺は一旦抜ける!だが貴様らに休憩などという上等なシロモノは必要ない!サボったら貴様らのその粗末なモノを引っこ抜いて犬に食わすからそのつもりでいろ!」
葉山はそう言って俺たちの方へ走ってきた。
「やあ、何か用かな?」
そう爽やかに笑う葉山隼人は、教室でも見たいつもの葉山だった。とてもさっきまで悪口雑言を撒き散らしていた人間と同一人物とは思えん。普通すぎて怖え。
「いや、なんつうか、どうしたんだお前……?」
「どうって?」
葉山はきょとんと首をかしげる。俺が何を言ってるか理解していないらしい。その額には汗が滲み、息も乱れて肩が上下している。見た限りでは本人は練習に参加していなかったようだが、あれだけ叫び続ければ当然だろう。
その普段通りの爽やかイケメンに内心で戦々恐々としつつ、どうすれば刺激せずに済むかおどおどと、しかし結局は普通に話しかける。
「どうって、って……。おかしいだろ普通に。なんで練習いきなりこんな厳しくなってんだ?」
「え、厳しいか?」
自覚ねえの!?
後ろ頭をポリポリと掻く葉山にはすっとぼけている様子はない。少なくとも俺には本心から言っているようにしか見えなかった。
葉山はさらに変わらぬ調子で続ける。
「土日に参加したラグビー部の合宿の影響かな?あっちの訓練がこんな調子だったから感覚が狂ったか?」
いやいやいやいや、どんだけ猛特訓してんだよラグビー部。え、たった二日でこんなんなるとか本家はもう死んでるんじゃねえのか?
「まあ少し練習の質を上げたいと思ってたところだったし、丁度良かったかもな。ラグビー部も脱落者はいなかったし大丈夫だろ」
大丈夫じゃねえよ。単に逃げられないだけなんじゃねえのかそれ。
「そうだ。ラグビー部の練習試合だけど、俺も助っ人として参加することになったんだ。良かったら見に来てくれよ」
葉山はそれだけ言い残して戻っていった。
「クソ共!練習は楽しいか!?楽しいだろう!?なら特別サービスで追加メニューをくれてやる!良いか!貴様ら
グラウンドに再び葉山の暴言が響き渡る。
うずくまって吐いていた一年を、戸部が肩を貸して立ち上がらせていた。見る限り、戸部が部員たちの精神的支柱になってるっぽい。
何もできることがない俺たちは、ただ呆然としながらグラウンドを後にした。
練習試合当日。俺たちは、件の試合を見学に来ていた。
普通なら来てくれなどと言われたところで「あ、ああ。行けたら行くよ」と答えてバックレるものなのだが、今回ばかりはどうしても気になってしまった。
ラグビー部の合宿先は実は大した距離ではなかったらしく、葉山はサッカー部の練習が終わった後にわざわざ参加していたらしい。
葉山の勤勉さもさすがといったところだが、そんな時間まで練習を続けているラグビー部も凄まじい。学校の部活が終わってからってことは、少なくとも6時以降も練習してるってことだよな?
葉山たち、というかラグビー部はまだ来ていない。一方相手校は既に着いていてアップを始めていた。
確か硝子山高校といったか。一色の言っていたようにモラルは大分低そうだが(なんでモヒカンとか居るんだよ……)、かなり強そうに見える。低迷中とは言えさすがは強豪校といったところか。
ただ、彼らの顔に余裕は感じられない。決意というか悲壮感すら見てとれる。どうやら追い込まれているというのは本当らしい。
「にしても隼人くんたち遅いね」
「そうね。何かあったのかしら」
スマホで時間を確認すると、そろそろ試合開始の時間だった。チラリと様子を伺うと硝子山の選手たちの表情にも苛立ちが見える。
俺は葉山と電話をしていた一色に問いかける。
「一色、どうだ?」
「途中で交通事故があったそうです。遅くなるけど時間にはギリギリ間に合うって言ってました。私、向こうに説明してきますね」
「大丈夫か?向こうさん、大分イラついてるけど」
「アップは要らないからすぐに始められるって言ってました。遅刻しなければ平気だと思います」
一色はそう言って硝子山の方へ向かっていった。硝子山も女子相手だからか無茶をする様子はなかった。時間には間に合うというのも大きかったのだろう。
ともかくは待ちだ。
また少し時間が流れていよいよ試合開始が近付く。
相手チームは既にユニフォームに着替えてフィールド(で良いのか?ラグビーの場合何て言うんだろ……?)に並んでいる。整列と言うには纏まりがないが、この場に居ない連中よりはマシだろう。
その無礼者たちが現れたのは本当に時間ギリギリだった。
相当に苛立っていた硝子山は総武校ラグビー部が到着するなり怒鳴ろうとしたが、その姿を見て息を飲んだ。
葉山を先頭に入場してきた総武校ラグビーは、ボロ布をマントのように羽織っていた。
壮絶すぎる猛特訓のためか、部員たちの頬はこけ、しかし眼だけはギラギラとした邪悪な光を放っている。
彼らは一糸乱れぬ行進でフィールドの中央まで来るとピタリと整列した。一歩前に出た葉山がクルリと反転し、ラグビー部に向き直る。て言うかなんでお前が中心になってんだ葉山。
「今この時をもって貴様らはウジ虫を卒業する」
部員たちは葉山の言葉にも微動だにしない。もしかして心が死んでるんじゃなかろうかという疑問は、直後に否定された。
一体どこから出しているのかというような声量で葉山の激が飛ぶ。
「貴様らの特技はなんだ!?」
「「「殺せ!殺せ!殺せ!」」」
「貴様らの目的はなんだ!?」
「「「殺せ!殺せ!殺せ!」」」
「貴様らは総武を愛しているか!?ラグビー部を愛しているか!?クソったれ共!」
「「「ガンホー!ガンホー!ガンホー!」」」
「OKだ!行くぞ!」
セリフと共に一斉に纏っていたボロ布を脱ぎ捨てる。その下にはシミ一つ無いピカピカのユニフォーム。
その輝きに威圧されたのか、硝子山の選手たちは、いっそ憐れなほどに青ざめていた。
試合は総武校の圧勝に終わった。
詳しい内容は省くが、試合参加者の半数以上が退場するような試合は史上稀なのではないだろうか。
尚、退場理由は反則と負傷がほぼ同数である。タックルを喰らって悶絶している硝子山の選手に「チッ、生きてやがる」と吐き捨てていたのが印象的でした、まる。
この試合の審判を引き受けてくださった磯島氏は後に語る。
「あれほど非情で凄惨な試合を半年も経たない内に二度も見る羽目になるとは思わなかった」