CIAの彼女   作:ツム

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今回の話でやっと、哀ちゃんが登場します!
コナンの紹介なしでの二人の出会い方です笑



すでに手は組んでいる

 

「そういえば、俺だけ麗華さんの事知ってて、灰原の事言ってねえな」

 

と休日の昼下がりに工藤邸に遊びに来たボーイが唐突に言い出した。

 

「彼女か・・。」

 

ふむと、考え込む秀君。

 

「大丈夫よ、この前メル友になったから」

 

「「は??」」

 

その、いつの間に接触したんだ?と目が語っている。

 

「麗華さん、いつの間に?灰原からもそんな事聞いてねえし・・・」

 

「詳しく、説明しろ」

 

あー、まじか、めんどいな。

 

「この前、秀君が出掛けてた時に、あたしも暇持て余してたから、散歩がてら

ふらふらしてたのよ。そしたら出掛け先で事件に巻き込まれて、そしたら彼女も一緒にそこに居たのよ」

 

 

秀君が出掛けた事良い事に、あたしも少し出掛けようかと思い、

近くのカフェに足を運ぶ事にした。それが、行けなかったのかカフェでパソコンをしてたら、女性の叫び声が店内に響き渡った。

 

そう、殺人事件。

なんてこった。取り敢えず、目立つ行動は控えようと思い、警察の連絡だけをしておいた。

その後、誰かが店を出ないようにと声をかけ、死体を観察し始めた。

あたしも、周りを見てみると、宮野志保・・・、今は灰原哀ちゃんもカフェに居た。

それから、警察も到着し死体を観察していた彼の推理力によって無事に事件は解決した。

緊張感の漂った空気から、肩の力が抜けたように皆ほっとしていた。

 

「はあい、とんだ事件に巻き込まれたわね、志保ちゃん?」

 

彼女に、近づいて小声で彼女だけに聞えるように、話しかける。

 

「!!!・・・誰?」

 

案の定、警戒する彼女に、やらかした、と内心焦ったが、気にしない。

 

「此処は、空気が悪すぎるわ。貴女のお勧めのカフェに連れって行って頂戴?」

 

恐怖と、警戒に顔を青くする彼女の不安を少しでも和らげるためにメモ用紙を彼女に渡す。

内容を見た瞬間、パッと顔を上げた彼女に笑って、頭を撫でた。

それを、彼に見られていたという事に気付きながら。

 

「改めて、古雅麗華よ。よろしくね、哀ちゃん」

 

「・・・。貴女といい、彼といいもう少し警戒心を強めるべきだわ」

 

お互いの素情を話し、敵意は無いという事が彼女に伝わったみたいでホッと息を吐く。

 

「あら、これでも充分警戒してるわ。貴女も気を付けた方が良いわ。例えば、『彼』とか・・」

 

「・・・、そうね、ひょっと出て来た『彼』は特に、ね。

貴女もあの薬を飲んだんでしょう?身体に異常は無いの?」

 

「特に無いわね。それに、なにかあったら、すぐに貴女の所に駆けこむから大丈夫。

今、貴方のお隣に住んでるから」

 

「!!!あの人と、住んでるって大丈夫なの?!」

 

「大丈夫よ、彼はあたしの協力者よ。大丈夫、貴女を危険に晒す様な真似は彼はしない。

何があっても、貴女とボーイだけは守り通すわ。」

 

「・・・そこら辺の男の人より、熱い口説き文句ね・・。

貴女を信じるわ・・。だから、死なないでよ」

 

凛とした目には覚悟を浮かべて、その表情は直接会った事は無いがそれでも、組織のせいで命を落とした、宮野明美の姿と重なって見えた。

 

 

「ってな、感じでその後メルアド交換したのよ」

 

はい、終わり。

 

「ねえ、『彼』って安室さんだよね・・?」

 

「それより、どうして事件に巻き込まれていた事を知らせない」

 

複雑そうに、ジト目でこちらを見る。

 

「あ、うんそう、事件協力してたのは自称毛利探偵の弟子『安室透』

事件の事は、別にあたしの事件体質は今に始まった事じゃないしなあと思って?」

 

はあ、と深いため息を吐きながら、ボーイと秀君が目を見合わせたのは見ないふりをしておく。きっと、長年の勘では関わると碌な事がないとあたしに訴えてきている。

 

「あんた、もう少し危機感というもんを備えてくれ・・。

それでなくても、彼に今目を付けられたら、面倒な事が起きる・・。」

 

「大丈夫よ、それに近々シャロンと会う予定だし・・。彼とも接触すると思うし。」

 

「「・・・・・。」」

 

それから、何を言っても無理だと判断した二人は、内密に博士にGPS付きのアクセサリーを作って貰うようお願いしたのを、あたしは知らない。

 




次回から、「漆黒の追跡者」に入ります。

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