CIAの彼女   作:ツム

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新しいオリ主が登場します。
捏造してるので、ご了承ください!!


彼女の協力者

あたしは、今警察庁警備局警備企画課の控室に居る。

まあ、あれだよね。うん、視線が痛いことで。

しかも、あたしの隣にはボーイの許可なく沖矢昴を連れてきている。

後で大目玉食らうかもなあ・・・。

なんて、呑気に考えていたら、上司の秘書らしき人が来た。

 

「失礼します。」

 

部屋に入ると、ある人物が二人。

一人は、古雅 劉貴 (コガ リュウキ) この総本部の司令長官。

そして、もう一人は降谷零の部下、風見裕也。

 

「よく、来たね。さあこちらに座ってくれ」

 

「ありがとうございます」

 

「麗、こちらの方は?」

 

「あたしのスペシャル協力者とでも言っておこうかしら?」

 

「失礼、古雅司令官、こちらの方々は?」

 

「ああ、そうだったな。麗、お願いするよ」

 

「始めまして、古雅麗華です。本職はアメリカの中央情報局・情報分析管理担当官をやっている者です。それと、もうお分かりのようですが、そこの司令官の娘です。」

 

チラッと、横目で昴の方を見ると、彼も予想外の出来事なのか少し翠の目がちらつく。

 

「始めまして、僕は沖矢昴と申します。彼女の助手をやっております」

 

流石にこの状況をまだ完全に読みこんだ訳ではないが、動揺を表に出さず、ごく自然にふるまう。

その様子に、司令官は気を良くしたようだった。

 

「念のため、言っておきますが、この事は他言無用でお願いします。

勿論、貴方方が最も信頼している降谷さんにも、ね。

まだ、あたし達の存在はシークレットの方が動きやすい。

そして、それを知る必要があるのはお二方だけで良い」

 

ニヤリと、思わず口角を上げてしまう。

何度も、感じた。取引の場で自分が有利に立つ時の独特のこの雰囲気。

まあ、あらかじめ知っている司令官は面白そうにこの場の状況を汲んでいる。

 

「・・・・。分かりました、あまり長い事上司に嘘をつきたくは無いんですがね。

勘のいい人なので、あまり、話題にしない様善処します。」

 

「ありがとう、助かるわ。まあ、有能じゃなければこの仕事なんて勤まらないからね。

ばれたらそれはそれで。あ、あたしの番号後で送っとくわ。」

 

「助かります。しかし、そんなにお若いのに流石司令官のご令嬢ですね」

 

「ははは、これでも後数年でアラフォーですけどね」

 

「「!!」」

 

まあ、二人が驚くのは仕方がない。

 

「ちょっとしたアクシデントでAPTX4869を飲まされまして、見た目通り20代近くまで」

 

「体調は変わりないか?」

 

「大丈夫、今のところ、体内での大きな変化は見られてないわ。」

 

「そうか・・。何かあったら必ず連絡するように。」

 

「麗華さん、どうかお気をつけて」

 

「ありがとう、じゃあ、そろそろ失礼するわ」

 

あまり長居するのも他の部下達に怪しまれるだろうと踏んで

今は近況だけを伝え、あたし達は警視庁を後にした。

 

「麗さん、このまま少しドライブに出かけませんか?」

 

「良いですね、まだ少し肌寒いけれど、近場の海でもみたいわ。」

 

「了解しました」

 

暫く、車を走っていくと潮の匂いが近くなっていく。

 

「そろそろ着きますよ」

 

それからもう少しすると車がパーキングエリアに止まった。

 

海開きをしていない海はやっぱり寒くてそれでいて、居心地が良い。

昴君の車に寄りかかりながら、海を見ていると

風邪を引きますよと、と昴君が車から引っ張り出しタオルケットを二人の身体を包み込む。

 

「ねえ、麗さん。貴女は僕達には想像も付かないくらい大きい物を背負っているんでしょう。だったら、僕にも分けてくださいよ。『スペシャル協力者』なんでしょう?

共犯位、僕にも出来ます」

 

何を言い出すのかと思えば、まるであたしのこれまでを知っているかのような話し方。

 

「・・・秀君としては?」

 

「お前が背負っているものを俺にも背負わせろ。」

 

「あら、今度は命令形ね。・・・ボウヤには荷が重いわよ」

 

「もう、ボウヤと呼ばれるほど若くは無いんだがな」

 

「あら、それはあたしが決める事よ。」

 

「それで?どうなんだ、イエスかハイしか聞かないが」

 

「強情ねえ。もしノーと言ったら?」

 

からかい半分好奇心半分で聞いてみると、彼の開かれた瞳は容姿とはそぐわない翠の色があたしを射抜く。

元々、距離が近いあたし達は秀君の腕が腰に回され率い寄せられたおかげで

もっと近づいていく。

 

「あんたが、イエス言うまで離しはしないさ。」

 

耳元で囁かれる言葉はまるで恋人に愛を伝えるかのような響き。

そのままもう片方の手があたしの頬を愛でるように撫でていく。

それがくすぐったくて、目を細めると、視界が翠に染まった。

頬を撫でていた手が後頭部に回されて、腰に回されていた腕も力が入れられて

本当に離してくれない。

バードキスから、段々と深いものに変わっていく。

ようやく、離れた唇に少しだけ、寂しいなと感じた自分にやっぱりかと苦笑いをする。

 

「秀君に、言われるまでもなくあたしは巻き込もうと考えていたって言ったらどう思う?」

 

「その方が俺は嬉しいがな。・・・先に言っておくが、俺はお互いの損得だけで行動しているんじゃない。組織壊滅後も俺はあんたを離すつもりは無いと思っておけ」

 

「・・・、秀君はそんな器用な人じゃないでしょう?

分かってる、分かっている上であたしはオーケーしてるの。」

 

そんな乙女心も分からない様じゃ、まだまだ『ボウヤ』呼びは卒業できないわね。

なんて、挑発してみると彼は猛獣の様な目つきで舌を舐めずる。

 

「言ってろ、『ボウヤ』なんて呼べないようにすれば良いだけだ」

 

なんて、言って噛みつく様なキスをお見舞いされたあたしは彼の背中に腕を回した。

 

“小さな幸せも大きな幸せも愛せるのは自分の器用次第。”

 

そう教えてくれた母の言葉をあたしはふと思い出した。

そして、その続きは

 

“けれど、愛しい人の隣に居れば小さいも大きいも関係なくなるものなのよ”

 

なんて言ってたっけ。

まさに、その通りだと改めて感じた瞬間であった。

・・・なんて考えていたら。

 

「考え事とは随分と余裕じゃないか、麗」

 

あー、やばい。

これは明日あたし、生きてないわ。

 

「貴方と居られて幸せだと浸っていたのよ」

 

お返しとばかりにキスを返すあたしにクスリと微笑む貴方が居た。

 

 




次に、あの少女が登場します・・。

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