まあ、明美さんをジンに殺されてるというトラウマから来るものみたいな。
※赤井さんの設定
赤井さんの年齢34歳にしてます。
赤井さんのコナン君の正体知ってます。
「もう、麗ちゃんったら!心配かけて!」
「ごめん、有希子。でも、こうして直接会うなんて久しぶりね」
「もう、何年も前よ・・。体調とか大丈夫なの?新ちゃんと同じ薬を飲まされたなんて」
「大丈夫よ。あたしの悪運一番傍で見て来たでしょう?」
あれから、工藤家に居候させてもらって数日経ったある日、有希子が沖矢昴のメイクをするため、日本に戻ってきた。
空港で電話して以来、また音信不通だったから、顔を見合わせた瞬間これだ。
「有希子さん、麗さんの悪運とは・・?」
今まで、空気化してきた秀君でも、『悪運』に興味を持ったのか口を挟み出した。
「秀ちゃん聞いて頂戴よ!麗ちゃんったらね・・・」
それから、あたしがこれまでに体験してきた数々の悪運をばらしやがった。
銀行強盗事件に引き合わせた事・通り魔殺人事件の未遂だったが被害者になった事・
そして、極めつけは、有希子がシャロンとアメリカでミュージカルしていた時に起きた
役者の毒殺事件。
どれもこれも、幼馴染の優作の推理で解決出来たが。
一番の重要項目は、どれもこれもあたしが狙われた事件だと言う事。
たまたま、巻き込まれた事件ならまだ分かる。
何故、あたしを狙う?!有希子とか、居ただろ?!
「・・・・。今度、神社に行って厄払いにでも行きませんか?」
細められた目でも分かる、沖矢君の目は『絶対何か憑いている』っていう目だ。
「それは、良いわねぇ!麗ちゃんも暫くゆっくりしていきなさいよ」
「ちょっと、人を厄背負ってるみたいな言い方しないでよ」
「「いや、絶対憑いてる、わよ/ますよ」」
「そう言えば、秀ちゃんと麗ちゃんって今思えば運命的な出逢いよねえ」
「?どういうことですか?」
「だって、向こうで麗ちゃんと一回会った事あるんでしょう?
それで、必ず、見つけ出すなんて言われたら、女の子なんてイチコロよ~」
ああ、爆弾発言を落された。
消えたい。
流石のFBIのポーカーフェイスも防ぎれなかったようで、言葉を失っている。
「しかも、今回同棲でしょう?キャー、何年振りの再会で発展なんて、優作にお願いして
小説に書いてもらおうかしら?」
やめてくれ、それに近いうちに『緋色の捜査官』が出るから!!
なんて、これから起こることを知っている事をブチかましたい気持ちをなんとか納める。
「ゆ、有希子―?そろそろ、空港に行く時間じゃない?」
「やあね、麗ちゃん私を甘く見ないで頂戴。
麗ちゃんが新ちゃんと同じになったっていう話を聞いた時から絶対一緒に買い物行くって決めてるのよ!!」
あ、安心してね。二人の邪魔はしたくないから、私はホテルで寝泊まりするから。
なんて、語尾にハートを付けて決定事項を喋る有希子にこうなった彼女を止められるのは
夫である、優作しかいない。
でも今、この場に居ない優作を求めても時間無駄だと察しているあたしは今回は諦めて
彼女に付き合うしかないなと開き直った。
「勿論、秀ちゃの意見も取り入れたいから、一緒に行くのよ?
秀ちゃんの洋服も買わないといけないしね!!」
なんと、彼も一緒か。
そして、火の粉が彼にも降りかかっている。
・・・・。いい気味だ。
「さ、出来た!」
マシンガントークをやりながら、完璧なメイクを施していく有希子はそろそろお暇するわ、と言って嵐のように去って行った。
一応、此処は彼女の家でもあるんだけど・・・。
「・・いつ見ても、嵐の様な人だ・・・」
流石の秀君でも、疲れ切った様な声で、ぽつりと漏らす。
「いつもの事よ・・。」
「そう言えば、どうやって薬を飲んだ後、組織から逃げて来たんだ?」
「別に、組織に潜入捜査していた訳じゃないのよ。
たまたま、ジンと会ったから組織の情報を引き抜こうとしたら
感づかれてね。そのまま、ジンに薬を飲まされたのよ」
気に入られてたから、暴行はされなかったしね。
そのまま、ジンは仕事の連絡が入ったみたいで、その場を立ち去って
あらかじめ、連絡しておいたシャロンに助けて貰ってたの。
なんて、言い終わって、横に居た彼の方を向くと、隠しようのない殺気を
ダダ漏れにしている。
喜怒哀楽が激しいな、表情に出ていないだけで。
なんて場違いな事を考えていると、急に引き寄せられて、抱きしめられる形になる。
「は?!」
「お前は、危なっかしいな。」
「そこは、勇敢な行動って言ってくれないかしら?」
「CIAに居て、しかも情報局ならジンの詳細も少なからずは知っているはずだろう?
今回の事は運が本当に良かっただけで、もしもの事があればどうする気だ?!」
彼らしくない、感情の昂ぶりを静かに聞いていく。
ああ、彼は失ったんだ。
愛すべき彼女を、自分が任務の失敗をしたせいで。
死ぬべきではない罪のない彼女を。
あたしは、静かに彼の背中に腕を回してもピクリとも動かなくなった彼を良い事に
言葉を並べていく。
「そうね、立場上知りたくない事も流れてくるあの局内で組織のしかもジンの情報はあたしの耳にだって入ってくる。それでも、あたしもこの仕事をしている以上、
やらなくちゃいけないことだってあるのよ。それは貴方にだって分かるでしょう?」
「・・・ああ」
「確かに、今回の行動はあたしの不注意で死ぬことだって覚悟していたもの。
だからこそ、こうやって生きている事に安堵している。
・・・こうやって人肌に触れられるでしょう?」
ピクリと反応する彼にクスクスと笑ってしまう。
赤井秀一は、こんなにも不器用で弱い人なんだろうか・・・。
「あたしは、貴方達を残して死ねないわ、だから安心してあたしは死なない」
ぎゅうっと、抱きしめられる力が強くなっていく。
あたしたちの隙間など、無くすように。
「それに、日本にはボーイや貴方も知らない協力者が居るのよ」
「協力者?」
まだ、居るのか?と怪訝そうに言いながら首を傾げる姿は『沖矢君』では様になっていて
少し怖い。
「そ、明日挨拶しに行くからそのつもりで」
返事を聞かないまま、あたしは自室に戻った。
赤井side
初めて麗と会った時、面白い女と思っていた。
あのパーティーで初めて会った時から、二度目の早い再会から一夜を共にしたこと。
多分、あの時から俺は彼女に惹かれていたんだろうか。
もし、もう一度再会できたならお互いの名前を明かそうと。
ゲーム感覚で彼女を挑発する
目を細めて笑う彼女はまさに猫のようで。
思わず、「必ず、見つけてやる」
挑発に乗ってしまった自分が居た。
それから、一服盛られ、次に目が覚めた時には、彼女の姿はもういなかった。
それからすぐだ。
ジョディとの関係の進展、黒の組織に任務。
そして、利用するつもりだった宮野明美を本気で愛してしまった事、そして
明美の死。
突然、再会を果たした彼女はCIA。
生きていたとはいえ、改めて死と隣り合わせなんだと言う事を感じさせられた。
志保をそして彼女を失いたくないと柄にもなく死への恐怖を感じた。
「あたしは、貴方達を残して死ねないわ、だから安心してあたしは死なない」
そんな俺を見越してか、彼女は俺が安心できる言葉を優しく選んでくれた。
抱きしめて分かる彼女の体温に少しずつ、抱きしめる力が弱くなっていく。
その日、俺は彼女の存在を改めて考えさせられる事になった。
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