そろそろ、クリスマスという大イベント。
あたしは、買い物をしに行こうと家を出てショッピングモールへと向かった。
秀君は、家で掃除中だ。
・・・クリスマス、ねぇ。
なんか、起こりそうだなぁ、聖なる日でも・・。
ふと、目の前の電柱を見ると風で飛ばされたと思われるレシートがあった。
それでもなんとなく、気になってレシートを拾って開くとそこには
「CORPSE・・・死体・・・。」
「すいません、そのレシート。少し見せてもらっても・・・」
はい、バーボンでした。
「貴女は・・・。」
「あら、安室さんでしたっけ?このレシートがどうかしたんですか?」
「少し、気がかりな事がありまして。
見てください、このレシートの示されている『CORPSE』
ただの印刷ミスかと思われるかもしれませんが、その下にも幾つか消されたと思われる所があります。僕が、バイトをしているポアロという店に大尉という猫が来るんですよ。そしてその猫の首輪に挟まっていたらしいんですよ。その首輪が冷たかったとなると、冷凍車。
ですが、冷凍車の車のナンバーは8から始まる8ナンバー。この死体という文字の下の数字には当てはまらない、と言う事は恐らく・・」
「宅配業者のクール便ということになるわね。
それで?そのメッセージを送りそうな人物は・・・。」
「その大尉が最近ポアロに来ている事を知っているのは梓さんと僕とコナン君。
コナン君は、ポアロの上の毛利探偵の所にいる子供でして・・・。」
「知ってるわ、あたしもあのボーイとは顔見知りだもの。
可能性としてはあり得るかもしれないわね。
・・・・安室さん車、あるかしら?次に、クール便が行く所が思い当たるのよ。」
「分かりました。」
・・・・これあれじゃん、甘くなんちゃら宅配便。
まさかの、安室さんとタッグ組むなんて思ってもみなかったけど・・。
それでも、確か哀ちゃんと光彦君が危ないんじゃなかったっけ。
上着脱いでおこ。
その後、工藤邸に逆戻りしていった。
「所で、貴女はベルモットとはどんな関係で?」
「あら、随分ストレートね。この前のメッセージ聞いてくれなかったのかしら?」
「ああ、それでも気になりましてね。僕探偵業をやっているんですよ。
その性分からか、気になった事は自分が納得しないとつい・・」
「そう、それじゃ教えてあげるわ。彼女とは、ただの友人関係にしか過ぎないわ。
『ベルモット』の名前を知っているのは、貴方も知ってるんじゃない?」
組織の噂に流れているようにね。
そう、口に出すと安室君は悔しそうに口を歪める。
「貴方も気を付けなさいな。あたしは知ってるわよ」
何かとは言わないけれど。
「それ以上言われてしまうと僕も困りますね。これ以上の詮索は辞めておきましょう。」
お互いの為にも、ね。
そうこうしているうちに、工藤邸に着きそして目の前のクール便が止まっていた。
「すいません、この路地狭いから譲ってもらえませんか?
傷付けたくないので・・」
「ああ、すいません・・」
「ポアロの兄ちゃん!!助けてくれよ!!」
「あれ?君達、何をやっているんだい?こんな所で」
「おい、この餓鬼どもの知り合いか?」
「ええ、そうですけど?」
「なら、生かしちゃおけ・・がはっ」
おお、良いパンチ。
「言ったでしょう?傷付けたくないからと譲ってくれと」
「ひいいい!」
なんとか、犯人を捕まえた所で車から降り子供達の方へ向かった。
「麗お姉さん!」
「はぁい、ボーイ。また、面倒な事に巻き込まれたわね」
「ははは、でもなんで安室さんと」
「あたしが、レシートを拾ったのよ。そこから、彼と一緒に、ね」
「そっか。」
「それじゃ、僕はこれで失礼しますよ。」
「ありがとう、安室さん。助かったわ」
「いえ、それでは」
安室さんと別れて、子供達に囲まれた。
「お姉さん、コナン君の知り合い?」
「うん、麗華だよ。ボーイとはね少し前から知り合いで。
この工藤邸に少し前から、居候させてもらってる時からだよ」
「でも、確か昴お兄さんも・・」
「そ、彼と恋人でね。あの前に昴が住んでいた所に越してくるはずだったんだけど、
火事で焼けたって聞いてね、そこで工藤邸に一緒にお世話になってるんだよ。
偶然にも、工藤邸の家主とその息子とは知り合いでね。」
「そうだったんだぁ!そうだ、お姉さんもこれから一緒にケーキを食べない?」
「いや、これから買い物に出掛るから。皆で楽しんで。
それと、哀ちゃん。これをくるんでおきなさいさ」
「ありがとう・・・」
「それじゃ、またね」
「ばいばーい!」
はぁ、結局何も買えなかった・・・。