CIAの彼女   作:ツム

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はじめまして!
初投稿なので、これで合ってるか少し不安です・・・。



CIAの彼女

―アメリカ中央情報局・CIA-

不気味なほど、静かな闇にカタカタとキーボードを打つが響く。

パソコンの画面越しに映されていたのは

 

『シルバーブレッド・・』 

 

№1

 

「ハァイ、有希子。貴女のボーイ、大変な事になってるわね。」

 

「その声って、もしかして、麗ちゃんかしらぁ?

そうなのよ、新ちゃんったら、危ない事件に首突っ込んじゃってねぇ。」

 

「やっぱり?好奇心旺盛なのはきっと優作似なのね。」

 

「まあ、仕方ないわよ。それで久し振りに電話がかかってきたかと思ったら、

この話って事は、この件について一枚噛んでるって思っても良いのかしら?」

 

「あら、有希子にしては鋭いじゃない?優作の影響かしら。」

 

「もう、これくらい分かるわよ!で、話を逸らさないで頂戴!」

 

「あら、ごめんなさい。久しぶりに上司から休暇だって電話で告げられてね。何事だって思ったら、組織についての仕事でね、それに調べていくとまさか有希子のボーイが巻き込まれてるし。びっくりしたわよ」

 

「そうだったのね。で、日本に来て私に電話したってことね。」

 

「それにあたし自身、ボーイと同じ目に合ってるしね。」

 

「っ!ちょっと待って、麗ちゃんもしかして薬を・・・「その事についてはまた後で話すわ。それと、ここからが本題なんだけど、貴女の家に居候させてくれないかしら?」・・・

その口ぶりだと、優作には了承済みなのね。・・・分かったわ丁度私も日本に行かなきゃ行けないし、その時にはきちんと説明してもらうからね!」

 

「オーケー、有希子。それじゃ近いうちに貴女の家で逢いましょう。Good-bye」

 

スマホから耳を離して、これから始まる長期戦に無意識に口角が上がってしまう。

この世界に生れて、37年経った。

そう、私は元々この世界の住人ではない、簡単に言えばトリップしてしまった。

信じがたい話でも、生きていくしかないと諦めは付いていた。

唯一の救いは前の世界と同じ職業に就いたこと・名前・そして「名探偵コナン」の知識を知っている位。

まあ、CIAは暇なのかなんて質問は愚問だ。

まあ、想定外は二つ。

一つは4年前、赤井秀一に出逢ってしまった事。

そして、一夜を共に明けてしまった事。

二つ目は、黒の組織に目を付けられて、あの毒薬を飲まされてしまったという事。

古雅 麗華 37歳、現在20歳。

一生の不覚である。

それでも運が良い事に組織側では死亡扱いされているし、職場の上司は把握済みだ。

これでも、一応、情報分析管理担当官の長を務めている身なんだけどなあ。

まあ、本当は局内で働く仕事なんだけれど、あたしの仕事はそれだけでは終わってくれず、

諜報捜査とまでは行かないけれど、それに近い仕事しているためにあまり局内には身を置いてはいない。

それでも信頼している部下たちには直々連絡は取っている方だから、心配はされるけど

文句は言われないから自由に活動させて貰っている。

それもこれもあたしの上司がよく理解している人だからこそあたしの力が発揮される訳だから感謝している。

だが、しかしこの前あたしの後輩、水無怜奈の身に危険が起きたと知った。

あたしだけがなら、まだしも彼女までこんな危険な目に合うのは御免である。

それから、運よく上司が無期限の休暇と言う名の日本に行って組織の調査を頼むと

任された。

 

そして、現在、工藤家の目の前にあたしはいる。

ああ、もしかしたら沖矢君が居るかもしれないな・・。

・・・それもそれで面白そうだ。

なんて能天気に考えているあたしは本当にCIAだろうかと自分自身疑いたくなる。

 

ピンポーン

・・・ガチャ

 

「はーい、・・・お姉さん、だあれ?」

 

・・・・まさかまさかのボーイご本人が登場だ。

 

「あら、ボーイ、見ないうちに随分と幼くなったわね。」

 

「・・・オメ―、誰だ?」

 

おっと、警戒モードに入ってしまった。

子供の声とは思えない低い声でうなる。

 

「まあ、ボーイに会ったのはもう、10年以上前の事になるしねえ。

それに組織の事について頭がいっぱいってところかしら?

・・・工藤優作の幼馴染であり、工藤有希子の親友である古雅麗華って言えば

ボーイも思い出してくれるかしら?」

 

そう言い終えると、ハッとしてボーイが目を見開いて見つめてくる。

 

「思い出した!母さんと一緒に弄り倒した麗華さんか!!

んでも、なんで、麗華さんが此処に・・・」

 

「詳しい事は中に入ってからで良いかしら?中に居る『沖矢君』も気になってる様子だし?」

 

「!!」

 

「ね?大丈夫、あたしはボーイ達の味方よ」

 

ボーイには酷い言われ様だったが仕方ない。

ニヤリと笑うと変わってねえなあ、その笑い方と言われてしまった。

 

「おや、その方は・・・?「あら、そんな胡散臭い演技しなくたって良いのよ?赤井君」・・」

 

「麗華さん、初対面なんだからあんまり弄り倒さないでよ・・・」

 

「ごめんねえ、ボーイ。テンション上がっちゃって」

 

ハハハ・・・乾いた笑いをよそに鋭い目線でこちらを観察しているのは,、昔一夜を共にしてしまった、FBIの赤井秀一であり、死亡を偽装してこの家に居候する事になった

沖矢昴。

 

「それで、どうして彼女はこちらの事情を把握しているんだ?」

 

「そうだよ、麗華さん説明してくれよ」

 

「そうねえ、あたしの可愛い後輩の本堂瑛海と同じって言ったら大体把握できるかしら?」

 

「「!!」」

 

「その反応は知っているみたいね。

まあ、彼女が組織でちょいちょい危ないっていう噂を聞いてね上司が休暇がてらに

日本で調査してこいって言われたのよ。でもホテル暮らしもマンション契約もしなくちゃいけないでしょう?めんどくさいから有希子と優作に無理言って居候させてもらおうと思って此処に来たのよ。」

 

「まじかよ・・・。麗華さんって昔から掴み所ないって言うか、一般人じゃないっていう感じはしたけど、まさかCIAだったとはな・・・。

ん・・・?でもよ、麗華さんって母さんと同い年じゃ・・?」

 

「ああ、あたしも組織の連中に目を付けられていてね、薬を飲まされたのよ」

 

「はあ?!」

 

「・・・・・」

 

一人は思いっきり叫んで、一人は言葉を失って・・。

よく生きてたなこの人・・みたいな目で見られてるんだけどそれ、貴方達に思われたくないわよ。なんて言葉を呑み込んで、話を進める。

 

「実年齢37歳。今の姿はそうねえ、二十歳くらいかしら?」

 

「そんな悠長に話して大丈夫なのかよ!麗華さん!!」

 

「・・・毒薬の効果は人それぞれなのか・・・」

 

おい、赤井、今それ言う事か。

 

「って言ってもねえ、組織の中では死亡扱いされてるし、シャロンにも融通利かせてもらってるから大丈夫よ。それに二度目の二十代なんて、楽しまなきゃ損よ。」

 

「「!!!」」

 

「麗華さん、シャロンって、ベルモットか?!」

 

「そこの説明を詳しく聞かせてもらいたい」

 

「簡単よ~、有希子だってシャロンの親友よ?

なら、あたしだってシャロンとの面識なんてあるでしょう?

それに、シャロンにとってあたしはボーイと同じでお気に入りらしくてね・・。

今でもたまに連絡を取り合ったりする仲よ」

 

「おいおい、それって危険じゃねえのか?」

 

「俺達が追い求めていた物がこんなに間近で見つかるとは・・・」

 

「あら、そんなにがっかりしないで頂戴。それに、あたしはベルモットとして彼女と接している訳じゃないのよ。シャロンとして、時にはクリスとして。

親友として連絡し合ってるわけだから、お互いの情報交換なんてしてないわ」

 

「でも・・・」

 

「そうね、ボーイの言い分も分かるわ。あたしだって職業の立場を理解してるつもりよ。

だから、組織ハッカーしたり、情報収集してるわ。

それもこれも、全部シャロンの手引きなのよ。」

 

「どういうことだ?その行為はノックの行動じゃねえか」

 

「そうね、情報の横流し。あのお方のお気に入りとは言え、ばれたらノックの可能性が出てくる。彼女の立場が危うくなるのは必然的でしょうね。

一回、それで揉めた事があったのよ。そしたらね、シャロン言ったのよ。

“あたしを殺せるのはシルバーブレッドと貴女だけよ”ってね。

そんな男前な事言われちゃあ、こちらとしても彼女を死なせる訳にはいかない。」

 

「・・・・まさか、あいつがそう思っていたとはな・・・」

 

「ああ、随分と気に入られたようだな」

 

「そうね、大変よ。情報収集から彼女の疑いが向かないように隠蔽工作・・・」

 

「だが、ベルモットとしてのあいつは捕まえなきゃならん。」

 

「それはそうね、でもね、これはあたしの勘だけど、シャロンは多分こちら側よ」

 

そう言いきってボーイの方を見る。

 

「え?」

 

「あたしは裏から、ボーイが表からシャロンをこちら側に入れさせるのよ。

ボーイの頼みじゃあ断れないでしょう?それに見たでしょ?シャロンの顔・・・」

 

「・・・時々見せる悲しそうな顔か・・・?」

 

「しかし・・」

 

「赤井君、今貴方が思っている事じゃないのよ。あれが彼女の本心」

 

「!!演技ではないと言うのか」

 

「恐らくそうでしょうね。だってあたしに情報を横流しにする様な人が演技する必要が無いじゃない?」

 

「その情報は確かか?」

 

「ええ、最初はあたしも疑ったわ。でもね、調べていくとどの情報も本物ばかり。」

 

「麗華と、言ったな。もしかして、ベルモットはお前が日本に来る事知っているのか?」

 

「まあね、近々会いに来るんじゃないかしら?・・・バーボンと一緒に」

 

「「は?!」」

 

うん、まあそうなるわよね。言われたあたしも思ったから。

 

「その話は有希子が来た時にでもまた話すわ。・・・で、いつまであたしの事忘れてるつもり?秀君?」

 

「やはりか・・」

 

「は?!え、赤井さん、麗華さんと知り合いなの?!」

 

あちゃー、ボーイが混乱してるわ。

 

「・・・忘れてなどはいない。ただ、まさかと思ってだな・・・麗?」

 

「ちょっと待って、赤井さん、話進めないで?!」

 

「ふふ、ボーイにはまだ早い話かもしれないわよ?」

 

わざと、艶のある笑みを作ると、なんとか察したのか、顔が真っ赤だ、ウブだなあ。

 

「おい・・・。悪影響だ・・。」

 

「まじかよ・・・。麗華さん、赤井さん・・」

 

「分かるでしょう?ここまでくれば、あたしが特定を作らない理由を」

 

そう、仕事上、極秘任務だし、いくつ命があっても足りない職業である身。

あたしだって、毒薬を飲んで死なずに済んだから良かったものの、本来は死んでしまう可能性だって低いわけでもない。

関係を長く持つ事で、相手を苦しませてしまうなら、特定を作らなければ良い。

 

「久しぶりね、組織で貴方の名前が出てね、まさかと思っていたけれど、諜報任務の人だとは思っては無かったわ」

 

いや、前の世界で既に知ってましたけど、まさか原作始まる前に会うなんて思って見ても無かったし。

 

「あの時は、俺も若かったんだ・・・。」

 

「赤井さんと麗華さんって、いつ頃知り合ったの?」

 

「ボウヤ、その話は「秀君がまだ、FBIで一人狼していた頃よ」・・・おい」

 

「ってことは・・・ってことは20代後半位?」

 

「そうなるわね、まあ、これ以上先は秀君のプライドが傷付いちゃうみたいだし。」

 

「ハハハ・・・。そう言えば、その『秀君』って呼び方・・」

 

「ああ、お互いに偽名を使ってたからね。

もし、もう一度出逢いがあったなら、本名を言い合いしましょうって言って別れたのよ。」

 

「まさか、この場所で会うとは思ってみてもいなかったがな」

 

「へえ~、まあ、事情は分かったし赤井さんと同棲っていう事になるけど

それでもいいなら、俺も別に大丈夫だよ。」

 

「オーケー、助かるわ。ってことでよろしくね?『君』?」

 

「・・・ああ。」

 

「じゃ、そろそろ行くよ。じゃーね、麗華さん、赤井さん」

 

ボーイが去っていき、あたしと秀君だけになったリビングは言葉が生まれなった。

 

「・・・改めて、赤井秀一だ。」

 

「古雅麗華、よ。呼び名はこのままでも良いかしら?」

 

「ああ。そっちの方が定着するしな。まさか、こうした再会があるとはな。」

 

「それもあたしのセリフよ。再会の証として一杯する?」

 

「それも良いな。長い同棲生活になるしな。」

 

もしかして、もしかしなくてもこれはフラグが立ってるんじゃ・・・。

 

「昔、言っただろう?必ず、見つけるとな」

 

スナイパーの光を瞳に宿した彼は、それはもう野獣のような目で。

あたしは頭を抱えたくなった。

 

「・・・そうね」

 

まあ、こうなったからには楽しむしかなさそうね。

 




はじめまて、ツムです!
初めての投稿なんで、これで合ってるかちょっと不安ですが
徐々に慣れていきたいです。
駄文ですが、面白いと感じていただけるように精進していきたいです!
これから、よろしくお願いします(__)

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