機械人形は救済の夢を見る   作:御供のキツネ

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A2は根は優しい。



ch-9 裏切り者のアンドロイド

7Sは現在、2Bと9Sの二人と別れて工場跡地へと向かっている。

本当は二人からあまり離れたくないと考えている7Sだが、そのするようにと命令をしてきたのは司令官であり、ヨルハ部隊のアンドロイドとしてはそれに従う他なかった。

 

「あの二人は大丈夫かな……」

 

「遊園地廃墟には暴走した機械生命体が存在する」

 

「そう。そのことは教えてあるけど……危ないことには変わりは無いからな……」

 

二人のことを心配しながらもこうして別れることとなった司令官との会話を思い出す。

 

 

 

 

「此方バンカー。聞こえているか、7S」

 

「此方7S。どうかしましたか、司令官」

 

「新たな任務だ。2B、9Sとは別れて工場跡地に向かってもらう」

 

ホワイトから通信が入り、新たな命令だと言い渡されたそれを聞いた瞬間、7Sは嫌な想像をしてしまう。

だがどう考えても今はその時期ではない。何故なら自身が少しばかり口出しをしているとはいえ、9Sまだ何も知らない。そして、何にも辿り着けてはいない。

 

「……私見ですが、まだその時ではないと思います」

 

「お前が思っているようなことではない。工場跡地で機械生命体反応を検知したが……それがどうにも今までのデータと当てはまらないものだった。それを調査してもらいたい」

 

「…………わかりました。調査だけであれば出来るとは思います」

 

「無理に破壊しようとするなよ。場合によっては砂漠地帯で出会ったという機械生命体が現れる可能性もある」

 

「了解しました」

 

確かに、既存のデータと当てはまらない機械生命体となればあの変態が出てくる可能性もある。そう考えて7Sは気を引き締める。

 

「それと……無茶だけはしてくれるなよ。お前はすぐに無茶をする。

 お前は本来戦闘する為の存在ではないのだからな」

 

「わかっています。俺だって無茶をしたくてしているわけではありませんから」

 

そう口にしたホワイトは本当に心配しているようで、事実として司令官としての立場だけではなくホワイト個人として心配している。それを理解している7Sは頷いて返す。

ただ、件の機械生命体に関して、破壊を前提とせずに逃げるとしてもそれが可能かどうか。そんな危惧を抱えていた。

 

 

 

 

「ポッド、今回は本当に情報収集以外はしないつもりで動くからプログラムの用意をしておいて」

 

「了解。ミサイルの使用制限の解除を要求」

 

「…………まぁ、最悪な。お前のそれは普通のよりも速いし遠くまで飛ぶしでオレがきついからな?」

 

「否定:7Sであれば問題ない」

 

「はぁ……もう良いわ。それじゃ、お邪魔するか」

 

本来のポッドプログラムであるミサイルよりも数倍の速さ、数倍の距離を飛ぶ仕様になっているそれを、7Sならば大丈夫だ。と謎の自信を持って答えるポッドに対して7Sはため息混じりにそう返した。

そして既に工場跡地の目の前まで到着していたのでそのまま中へと入っていく。

 

中に入ってすぐは特に機械生命体の反応があるわけではなく、そのままどんどんと中へと入り込んでいく。

そのままあちらこちらを調べて回るが、ホワイトの言っていたような機械生命体の反応は何処にもない。

時折反応を検知することは出来るがそれは普段から良く見かけるタイプの機械生命体であり、調査の対象ではない。となればもっと奥に入らなければならないのかと思いながらも、念のため上層を全て調べることにした。

すると、ちらほらと機械生命体の残骸が転がっており、それが7Sにはどうにも気になった。

 

「……ポッド、今この辺りで活動してるヨルハ部隊員はいる?」

 

「否定:現在は件の機械生命体のこともあり、ヨルハ部隊員は工場跡地付近への接近を禁止されている」

 

「なら、どうしてこいつはまだ温かいんだろうな」

 

言いながら7Sは周囲に転がっている機械生命体の残骸を一つ手に取る。それはつい最近まで稼働していたことを示すように微かに温かかった。

これが随分と前に破壊された機械生命体の残骸であれば無機質な冷たさをしているはずなのに、である。

このことから考えられるのは7Sが来る前に何者かによって破壊されたということであり、ポッドの言葉が本当であれば現在此処にはヨルハ部隊員は来ていない。

機械生命体同士の潰し合いが起こったのか、はたまたヨルハ部隊とも機械生命体とも違う何かがいるのか。

 

「ポッド、周囲に機械生命体か、アンドロイドの反応は?」

 

「周囲に機械生命体複数。そして下層よりヨルハ部隊と酷似したアンドロイド反応あり」

 

「……降りて調べるしかないか。何処か降りられそうな場所はあるか?」

 

「付近に該当する地形はない」

 

「ならもう少し進んでみるか。それに機械生命体の残骸を追えば、もしかしたら道があるかもしれないしな」

 

下層へと降りる道が無いということで、ひとまずは機械生命体の残骸を辿ることにした7S。

果たしてその考えは正解だったようで、残骸を追うと下層へと続いていそうな道があった。いや、道ではなく何者かによって開けられた穴があった。

ざっと様子を見てみると、強引に斬って穴を開けたような、そんな穴であることが見て取れた。

 

「斬ったにしても随分と強引だな……これ、リミッターが掛かってるアンドロイドでどうにかなると思うか?」

 

「回答:リミッターを強引に解除し、義体への負荷を度外視した戦闘モデルであれば可能」

 

「つまり、下層にいるアンドロイドは戦闘モデルだと」

 

「肯定:その可能性は非常に高い」

 

ポッドの回答を聞いてから7Sは少し考えてから、覚悟を決めたように穴を見た。

そしてポッドを掴むと穴の中へと飛び込んだ。ポッドを掴んでいるためにゆっくりと下降をしている7Sだが、穴の下のほうから小さな爆発の音が聞こえる。

どうやら穴を開けた誰かがこの下で戦っているらしい。とはいえ、その誰かが敵か、敵ではないのか。それがまだわからない7Sとしてはどうしたものかと考える。

このまま降りていけば、音の様子からすぐに遭遇することになるだろう。だが真っ直ぐに下に伸びたこの穴は他の何処かへと行けるような横道もない。

戦闘が行われているであろう場所に降りる以外の選択肢がないのだ。

 

そうして下層に降り立つとそこは円形の足場となっており、外周には何もなく更に下へと落ちていくことが出来そうだ。出来るとしても誰もそうしないだろうが。

またそこでは一人のアンドロイドが刀を構えて機械生命体たちと対峙していた。

肩で息をしていることから疲労が見て取れ、更に正面だけではなく周囲を囲む機械生命体たちの姿がある。

そのことに、何故ポッドがそれを報告しなかったのか、と考えた7Sだがその答えはすぐに出た。周囲の機械生命体たちの中には体の一部を展開していたり、首に当たるであろう部位を伸ばして、EMP発生装置を展開しEMP攻撃を繰り出しているモノがいたのだ。

妨害電波程度であればどうとでもなるのだが、EMP攻撃となると話は別だ。どうやら気づかないうちにそれによって機械生命体の反応を検知出来なかったようだ。

 

「ポッド!射撃!」

 

「了解」

 

「仕方ないし、さくっとやりますか!」

 

着地と同時にポッドに射撃するように指示を出してから7Sはコンソールを展開し、ハッキングを開始する。

ハッキングの対象はEMP攻撃を行っている機械生命体であり、急ぎ爆発させていく。

ポッドは改造しているとはいえEMP攻撃に対しての耐性はあまりないが、7Sはある程度の耐性を持っている。そのためにこうしてハッキングすることも可能なのだ。

そうして7Sなりに機械生命体たちを破壊していると、その様子に気づいたらしいアンドロイドが戦闘中でも聞こえる大きさで舌打ちをして、目の前の機械生命体を切り伏せる。

 

「なんだお前は!」

 

「ヨルハ部隊所属、7S。そっちは?」

 

「答える義理はない!」

 

「って……2B?いや、違う……?」

 

その声を聞いて、初めてそのアンドロイドの顔を見たが非常に2Bに似ていた。だが2B本人ではないことがすぐにわかった7Sはそう呟いてから少し考える。

すると答えはすぐに出てきた。

 

「2号モデルか……でも、どうしてこんなところに……」

 

そう疑問を浮かべながらもとりあえずは目の前の敵を片付けようとする7S。

だがふと思い出すことがあった。そういえば、過去にプロトタイプとして製造された戦闘モデルのアンドロイドの画像の中に2Bに酷似している個体を見たことがある。

確かそのアンドロイドの名前は何だったか。それを考えているとふとそれが言葉として零れた。

 

「確か……ヨルハA型二号。通称A2か……?」

 

「……どうしてお前が私の名前を知っているのかは知らないが……そうか、ヨルハ部隊か……」

 

その言葉を聞いてA2と呼ばれたアンドロイドは7Sを睨みつけると、最後の一体である機械生命体を斬り捨てた。

周囲にも機械生命体の反応がないことから7Sはポッドに射撃をやめさせ、自身もコンソールを消してA2へと向き直る。すると、A2は7Sへと手に持っている刀の切っ先を向けた。

 

「わざわざ私を追ってきたのか?」

 

「いや、オレは工場跡地で検知された機械生命体について調べてる」

 

「ふん……まぁ良い。それで、お前は私を知っているようだが、司令部へ報告でもするか」

 

「……いや、無理だな。この辺りは電波妨害装置だけじゃなくてEMP発生装置でもあるのか、ポッドを介してバンカーへは通信が出来ない。それにオレとしては機械生命体の調査の命令しか受けてないし、A2に関してはあまり手を出したくない」

 

そして何よりも、7Sでは戦闘モデルのA2に刀を向けられた状態から無力化する術がない。

スキャナーモデルが戦闘モデルを無力化するにはどうしたら良いのか。

それは離れた場所から、もしくは奇襲をかけての無防備なところをハッキングするしかない。

現状ではA2に対してハッキングを仕掛けようとすれば斬られるだろう。

つまり、7Sには打つ手がない。

 

「そうか……だったらさっさと消えろ」

 

「いや、この辺りにいるはずの機械生命体の調査に来たのに何もわからないまま帰れるわけないだろ」

 

「私の知ったことじゃないな。別に私はお前を殺すことに躊躇いはない。私の気が変わらないうちに消えるんだな」

 

「無理だな。此処で引き返すようなら任務放棄になる。そんなことをしたヨルハ部隊員がどうなるか、知ってるだろ?」

 

ヨルハ部隊のアンドロイドは与えられた任務を途中で放棄した場合は他のヨルハ部隊員によって処理される。

だからこそA2に帰れと言われても7Sは任務を放棄することになるので帰ることは出来ない。

最低限、どのような姿をしているのか、またどのような兵装を積んでいるのか。それくらいは調べなければ帰ることは出来ない。

もしくは工場跡地から既に姿を消しているのであれば話は別だが。

 

「…………私の邪魔をしないのであれば、その辺りを勝手に調べるくらいは認めてやる」

 

「そいつはどうも。とはいえ……此処には調べるものはないから先に進むしかない。となると、A2と向かう先は一緒かな」

 

「……良いか。絶対に、邪魔だけは、するなよ」

 

A2は7Sに対してそう念押しをするが、どうやら同じ方向へと進むことは許してくれるらしい。

それもそのはず。何故ならこの円形の足場には細い通路が付いてはいるが、片方が壊れて進めそうにない。

そうなるともう片方の道を進むしかない上に、もし帰るにしてもその道を探すにはやはり同じ方向へと進むしかない。

それを悟ったA2は仕方が無いと認めたのだ。刀を向けたり、殺すことに躊躇いはないと言う割には実は結構優しいのかもしれない。7Sは背を向けて歩き始めたA2を見てそんなことを考えた。

 

A2の後ろをあちらこちらの様子を見ながら歩く7Sは、何を思ったのかコンソールを展開して操作し始める。

その様子をちらりと見てA2はまた前を向いて歩こうとしたところで違和感を感じた。

この感覚には覚えがある。誰かが自分に対してハッキングを仕掛けているときの感覚だ。

それを理解した瞬間、A2はバッと振り返ると刀を7Sへと向けた。

 

「やはり最初からそのつもりだったか!!」

 

隙を見て7Sがハッキングを仕掛けてくるのではないかと内心で思っていたA2はそう叫ぶ。本人としてはまさかこうも早い段階で仕掛けてくるとは思っていなかったようだ。

だがそうして刀を向けられた7Sはそんなことは関係ないとばかりにコンソールを操作しながらこう言った。

 

「記憶領域に関しては何もする気は無いけど、簡単なシステムチェックの結果あっちこっちに小さいエラーとかバグがあるのが見つかったぞ?

 一応その辺り直せるのは直すけど、出来ることならもう少し定期的なメンテナンスをしないと……あ、燃料ろ過フィルターが劣化し始めてるな。これは何かあったら一気に悪くなるからなるべく早めに交換した方が良いんだけど……うわ、他にも劣化し始めたのとか劣化してるのとか多すぎだろこれ。

 A2はもう少しその辺り考えろよな。こんなのだとヨルハ部隊とか機械生命体と戦って死ぬ前にあっちこっち使い物にならなくて動けなくなる。とかの方が先に来るんじゃないか?」

 

「…………は?」

 

それを聞いてA2は一瞬、7Sが何を言っているのか理解出来なくて呆けてしまった。

だがそんなA2に更に追い打ちをかけるように7Sは喋り続ける。

 

「それに今わかったけど論理ウィルスにも感染してるみたいだな。いや、まだ潜伏してるだけで割りとわかりやすいしぱぱっと消しておくけどもう少しその辺りも警戒しておけよな。

 えーっと、それから……」

 

「いや、待て!」

 

「ん?どうかしたか?」

 

「お前は何をしているんだ!?」

 

「何って……A2のシステムチェック。いや、もしかしてそういうのしてないんじゃないか。とか思って試しに確認してみたら正にその通りだったって話だな。

 放っておいても今は問題ないとしても、後々に響きそうだったのを軽く直したけどさっきも言ったように悪くなってるパーツとかもあるから一回落ち着いてその辺り交換しないとヤバイだろ」

 

言っている間にもコンソールを操作する手は止まらず、A2にはそれが何をしているのか全く見当がつかなかった。いや、7Sの言葉通りならシステムチェックなのだが。

それにA2にしてみれば、敵であるはずのヨルハ部隊の7Sが何を考えているのか自分のシステムチェックをするなんて意味がわからない。

もしかするとそういう建前でハッキングし、自分を破壊しようとしているのではないか。とも思ったが僅かではあるが体が軽くなったような、動き易くなったような感覚があるので本当にシステムチェックだけをしていたのだろう。

 

「……どういうつもりだ?」

 

「ん……まぁ、裏切り者とか言われてても、オレにしてみればその程度って感じだからな……」

 

「お前、頭が可笑しいのか?」

 

「かもな。で、体の調子は?」

 

「…………悪くない」

 

「それは何より」

 

A2には7Sが何を考えてこのようなことをしたのかわからない。わからないが、自分に対して否定的な感情を抱いているわけではなく、どうにもそうして裏切り者が出るのも仕方が無い。そう思っているような気がした。

だからなのか、A2はついこんな質問をしてしまう。

 

「お前は……ヨルハ部隊の司令官のことをどう考えている?」

 

「司令官か……信用はしてない」

 

「……なぁ、お前は本当にヨルハ部隊のアンドロイドなのか?普通そんな断言しないと思うんだが……」

 

「事実だから。それにこれは司令官も知ってる」

 

「良く消されないな」

 

A2が予想していたのは歯切れ悪く、何か怪しいだとか、裏がありそうだとか、そんな程度だった。

それがまさかの信用していないと言う回答と、そのことを司令官であるホワイトが知っているという言葉だった。

 

「少し事情があるんだよ。でも……まぁ、司令官はその立場を抜きにすれば良い人だとは思うな」

 

「立場を抜きにすれば……?」

 

「そう。ヨルハ部隊の司令官である以上は非情な選択も命令もしなければならない。だからオレはそんな司令官は信用してない。

 でも、あの人が司令官としてじゃないただ一人のホワイトというアンドロイドなら信用は出来る」

 

司令官と言う立場のせいで信用は出来ないが、個人としてなら信用が出来る。そんな7Sの言葉にA2は少し考える。

確かに司令官であるホワイトは自分たちを使い捨てた。それは許せないことだが……冷静になって考えれば、あのヨルハ部隊の司令官としてはそう命令せざる負えないのかもしれない。

そう考えた瞬間、自分の中にあるホワイトへの憎悪が一瞬だけ揺らいだような気がしたが、それでも彼女は自分の大切な仲間たちの仇だ。

 

「はっきり言うけど、あの人は尊敬される反面、それ以上に恨まれてる。仲間を見殺しにするような命令も、一つのチームを使い捨てるような命令も、ヨルハ部隊全体への悪い影響を与える相手を殺すための非道な作戦も考えて実行してるからなぁ……

 多分A2もそうなんだろうけど……うん、それは裏切るというか、ヨルハ部隊から離れるよな。オレみたいな事情があるならそうも出来ないんだろうけど……」

 

「お前は……司令官の命令で、誰か大切な仲間を失ったことがあるのか?」

 

「あるよ。何度も何度も目の前で大切な仲間が、大事な友人が死んだり、そのせいで泣いてるのを見たこともある。だからオレは司令官のことを恨んでるし、信用してない。

 けど、そうするしかないってのも知ってるから今は我慢してる」

 

「そうか……」

 

自分と同じように、ホワイトを恨んでいる7Sに対してA2は少しばかり親近感のような物を覚える。

それに7Sは自分のシステムチェックを済ませて動き易くしてくれたり、パーツの劣化を指摘してそれを交換した方が良いと助言までしている。

そのことからA2の中では地味に7Sの評価というか、好感度が上がっていたりするのだが、それはA2にとっても無意識というか、まったく気づいていないことだったりする。

そして、そんな7Sならば仕方なく同じ方向へと進むことを許していたが、多少ならば協力してやっても良いかもしれない。そんな風にも思い始めた。ちょろい。

 

「嫌なことを思い出させて悪かったな」

 

「いや、良いよ。こんな世界だから、嫌なことがない方が可笑しいしな」

 

苦笑を浮かべる7Sに対して向けていた刀を下ろすと、A2はこう言った。

 

「詫びとして、とは違うが……お前の調査に協力してやる。

 スキャナーモデルは戦闘に不向きで、私のように戦闘モデルのアンドロイドがいた方が良いだろう?」

 

「それはそうだけど……良いのか?オレはこんなだけどヨルハ部隊のアンドロイドだぞ?」

 

「構わない。お前なら問題ないだろうしな」

 

「うん、何でオレなら問題ないのかわからないけど戦闘慣れしてるだろうA2が一緒なら心強い。よろしくな」

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

どうして急に協力してくれるようになったのかわからないが、A2であれば戦力として充分だと思い、7Sはその提案を飲むことにした。

そして互いに握手を交わして二人は並んで歩き始める。

 

「そういえばA2ってどうやってあの穴から降りたんだ?オレみたいにポッドに掴まって、とかじゃないみたいだけど」

 

「それなら簡単だ。刀を壁に刺して、壁を斬りながら降りればあれくらいの高さなら問題ないからな」

 

「…………A2ってさ、あの穴の開け方もだけど、結構脳筋っぽいよな……」

 

どうやって降りてきたのか聞けば、そんな回答がされた。それを聞いて7Sはため息混じりにそう言って、そういえば2Bもそうした脳筋というか、乱暴な解決方法を取ることがあったなと思い出す。

もしかすると2号モデルというのはそうした特徴でもあるのだろうか。そんなことを思いながら、どんどんと進んで行くA2の背中を追いかけるのだった。




折角なので別ルート且つ、A2との初顔合わせ。
この間に2Bと9Sは遊園地方面に進んで、あの村に行きます。

A2は過去のこともあってツンツンしてたりするけど、アーカイブ見る限りだと明るくて優しい女の子。って感じですよね。
だから根は優しいんだよ。それでツンツンしてたり他人を信用出来なかったりしたところに7Sみたいな自分の立場に対してある程度理解を示す相手が現れてついつい絆されたりすると良い。ちょろい。

推奨:A2との関係の構築。及びに協力の要請。
拒絶:司令部への報告。

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