機械人形は救済の夢を見る   作:御供のキツネ

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6Oはおしゃべり大好き。



ch-18 日常、穏やかに

砂漠地帯から廃墟都市へと戻って来た三人は、レジスタンスキャンプへと向かっていた。

向かっていたのだが、その道中で奇妙なモノを目にすることとなった。

 

「7S、あれは何?」

 

「僕の勝手な想像ですけど、絶対に7Sが関わってますよね」

 

「片方は確かに関わったけど、もう片方は知らないぞ」

 

三人が見えている方向には複数の機械生命体がいた。

ただし、背中に色違いのエンブレムが描かれていたり、全身が金色の小型の機械生命体が三体とそれに付き従う大型や戦車型の機械生命体たちだ。

どう見てもその辺りをうろうろしているような機械生命体ではなく、特殊個体と言っても過言ではない姿をしている。

 

「最近あの子たち、キカイレンジャーとか名乗ってるんだよな……」

 

「キカイレンジャーって……」

 

「ヒーローに憧れるのは良いんだけど、あれはあれで変な進化をしてるような……」

 

「7Sの悪影響がこんなところにも出てるんだね」

 

「悪影響って言うのやめようか」

 

「どう考えても悪影響ですからねー」

 

二人の言うことに納得がいかないような7Sであったが、二人にとってはどう考えても悪影響を与えているとしか思えなかった。

どうしたら機械生命体がキカイレンジャーというものを名乗るようになるのだろうか。普通はそんな風になるはずがない。

 

「二人とも酷いと思うんだけどな。ポッド、音を拾えるか?」

 

「肯定:機械生命体たちの音声を拾うことは可能」

 

「ならよろしく」

 

「了解」

 

きっと何かを喋っているだろう。という予測の下で声を拾うことは出来るか、と7Sがポッドに聞くとポッドは可能だと答えた。

そして声を拾ったものを聞き取り易いようにと音量を少し上げてから流し始めた。

 

「一度ならず二度までも、我らの前に立ち塞がるか!」

 

「マエハマケタケド コンドハマケナイ!」

 

「セイギノチカラ オモイシラセテヤル!」

 

「兄様に勝てると、本当に思っているの?」

 

「カテルカ カテナイカ ジャナイ!」

 

「カツンダ! セイギトユウジョウノ ナニカケテ!」

 

「お前たちが僕たちに敵うわけないだろ!」

 

「ボクタチナラ カテル!」

 

「シショウノコウドウ! コトバデハナク ココロデリカイシタ アイノチカラ!」

 

「ならばその愛の力とやらで我らを退けてみろ!」

 

「イワレナクトモ!」

 

ポッドが音量を上げて流してくれたそれは、随分と熱い展開になりそうなものだったが、聞いていた三人はなんとも言えない気分になっていた。

機械生命体があのような光景を繰り広げていることよりもその内容に対して、だ。

 

「あそこだけ世界観が違うんだけど……」

 

「世界観と言うか、機械生命体同士で何をやってるんですかあれ……」

 

「7Sのせいで意味がわからない」

 

「オレもまさかああなるとは思いもしなかったんだけどな……」

 

7Sでさえ意味が分からないと思っているようで、進んで関わろうとは思わないようだった。

 

「とりあえず、違うルートでキャンプに戻るべきか?」

 

「そうですね……あれにはちょっと、関わりたくないですし……」

 

「下手に関わって砂漠のバラが壊れるようなことになったら困るから、見つからないうちに行こう」

 

「だな。でもあの子たちは本当に面白いことになってるよなぁ……」

 

「そんなことは良いですから行きますよ。ほら、早くしないと2Bに怒られますよ」

 

9Sに言われて7Sが2Bを見ると怒りはしないまでも早くして欲しい。と顔に書いてあるような気がした。

手には砂漠のバラが大切そうに持たれていて、何かの拍子に壊れてしまうようなことがないようにと警戒しているようにも思えた。

というか、下手をすると機械生命体との戦闘が発生すれば壊れてしまう可能性もある。そのことを考えると戦闘は避けた方が懸命だ。

 

「わかったわかった。ポッド、レジスタンスキャンプまでの安全なルートってわかるか?」

 

「完全に安全なルートは存在せず、比較的安全なルートであれば提示は可能」

 

「ならそのルートで。2Bがなるべく戦闘に参加しなくて良いように、ってことだから、9Sとオレである程度は片付けないといけない」

 

「任せてください。今のところ僕らで何とかなる相手ばかりですから大丈夫ですよ」

 

「ありがとう。砂漠のバラを置いたら、ちゃんと戦うからよろしくね」

 

二人に感謝を述べた2Bは一歩だけ下がって二人の後ろをついて歩くという意思表示をする。

それを理解した二人は2Bの前に出て、キカイレンジャーたちには見つからないルートを歩き始めた。

このルートは道中に機械生命体がいるのだが、大型の機械生命体は存在せず、小型から中型、飛行型が徘徊しているのみであり、7Sと9Sの二人で充分に戦うことが出来る。

 

基本戦術として接近前にポッドの射撃で削り、近づいてきたら7Sが刀を投擲、そして9Sがトドメを刺す。勿論、戦闘に参加しないようにしている2Bもポッドの射撃は可能なので支援は行っている。

単純ではあるが、効果的な戦術であり、三人は難なくレジスタンスキャンプへと到着することが出来た。

その途中でキカイレンジャーたちのいた方角から巨大な爆発音がしていた。

7Sが言うにはそれは演出としてやっているのではないか、ということだったのだが2Bと9Sはそれに対してまた奇妙なことになっているようだ、程度の感想を抱いた。

 

「よし、それじゃ部屋に砂漠のバラを渡して……すぐにパスカルの村に戻るか?」

 

「すぐにパスカルの村に行くとして、あのキカイレンジャーとかいうのに絡まれたりしませんか?」

 

「大丈夫だと思うけど……」

 

「……少し、6Oと通信したいからすぐに戻らなくても良いかな」

 

「写真データ送ってましたし、それも良いかもしれませんね。7Sはそれで良いですか?」

 

「別に構わないぞ。なら休憩ついでに暫くキャンプで大人しくしておくか」

 

「ありがとう」

 

すぐにパスカルの村に戻るのではなく、2Bが6Oと通信を繋げるということでレジスタンスキャンプで休憩することとなった。

スキャン、メンテナンス、補給と言ったことは既にバンカーで終わらせているので必要はない。となれば休憩と言う名の自由時間となった。

 

 

 

 

砂漠のバラを部屋に置いた2Bはそのまま6Oへと通信を繋げていた。

写真データは既に転送しており、6Oも確認し終わっているはずだ。

 

「此方2B。6O、聞こえる?」

 

「此方6O。2Bさん、砂漠のバラの写真、ありがとうございました!

 こう、思ってたのとは違ったんですけど、何だか不思議な魅力があるというか……とにかく、すっごく気に入りました!この写真データは厳重に保管させてもらいますね!」

 

「そう、良かった。その砂漠のバラは、植物じゃなくて石に分類されるらしいよ」

 

「え!?これって石になるんですか!?」

 

「うん、7Sが教えてくれた。ある種の化合物が自然現象でバラの形状に結晶に成長した物だって」

 

「はぁ……何だか凄いですね……」

 

砂漠のバラが実は植物ではなく石に分類されることを聞いて驚いていた6Oであったが、どのようにして出来るのかを説明されると感心したようにそう言葉を漏らした。

 

「でも、植物じゃないとして、地上にはこんな物もあるんですね……やっぱり、地球って凄いんですね」

 

「うん、他にも探せば色々ありそうだよ。私には分からないから、7Sに聞くことになるだろうけど」

 

「なるほど……でしたら、私が地上に降りられるようになったら2Bさんと7Sさんと9Sさん、それと私で色々探してみませんか?

 私だけだと勝手がわからないんですけど、2Bさんたちが一緒だと心強いですからね」

 

「そうだね……その時が来るのを、楽しみにしておくよ」

 

「はいっ!約束ですよ!」

 

何時来るかもわからない時の約束であり、それが実現するかどうかもわからない。

それでもこうして約束を交わすのは、何時かその時が来ると信じているからなのか、はたまたそうして未来に思いを馳せて希望を抱かなければ戦い続けられないからなのか。

 

「そうだ。その砂漠のバラに関して7Sが言ってたことがあるんだ」

 

「7Sさんが、ですか?」

 

「うん。砂漠のバラは水に含まれるミネラルとかが結晶に成長することで出来ることから、砂漠のバラがある場所は過去に水場、つまりオアシスがあったって考えられてたらしい」

 

「なるほど……つまり、砂漠のバラはオアシスの残した忘れ形見。なんですね」

 

何処か上手いことを言った。とでもいうような声色でそう言った6Oに2Bは言葉を詰まらせた。

呆れたからというわけではなく、言っていることが7Sと同じだったからだ

 

「あ、あれ?滑っちゃいました?」

 

「ううん、7Sも同じことを言ってたから、少し驚いただけ」

 

「え、7Sさんがですか?

 むむむ……もしかしたら私と7Sさんってそういう発想が似てるのかな……?」

 

「……感情が豊かなところを思うとそういう人は似てくるのかもね」

 

「ふふふ、なら今度7Sさんともお話してみます。お友達になれたら、地上のこと色々聞かせてもらえるかもしれませんね」

 

「7Sならきっと、色んな話を聞かせてくれるよ」

 

楽しそうに言う6Oに同意して、7Sなら本当に色んなことを話してくれるだろうと、2Bは思った。

地上について詳しい7Sであれば砂漠のバラよりも珍しい物も知っていることが予想出来るのと、あれで7Sは誰かに何かを教えることを好むところがある。

だからきっと6Oが知りたいと思うことを、知っている限り教えてくれるはずだ。

 

「本当ですか?何だか今からすっごく楽しみになってきました!」

 

「そっか。7Sには一応話しておくよ」

 

「はい!お願いします!」

 

こうして話をしながら2Bは、以前と比べて自分は随分と変わったな、と思った。

前は6Oの素直さや感情の豊かさに押されていたが、今ではそういうことはほとんどない。

これはきっと7Sのせいというか、7Sのおかげなのだろう。

そう頭の片隅で考えながら、楽しそうな6Oとの会話を自身も楽しむことにした2Bは普段よりも柔らかな表情をしていた。

 

 

 

 

「珍しい花と言えばやっぱこいつだよな……写真を撮ってデータ保存っと……」

 

「おい、お前。何をしている」

 

「写真を撮ってる。別に珍しいことじゃ―――」

 

「写真?」

 

「うっわ、何その格好。変態三号的な感じか?」

 

「誰が変態だ、誰が。それで、どうしてその写真とやらを撮っているんだ」

 

「摘むわけにはいかないからせめて写真を、ってこと。そちらさんは?」

 

「私も同じだ。珍しい場所に咲いているのを見つけたから見に来たんだ」

 

「そういうことか。

 …………摘んだりしないよな?」

 

「誰がするか、そんなこと。私はただ見に来ただけだ」

 

「なら良いけど……」

 

「……お前、他に咲いている場所を知っていたりはしないか?」

 

「一応知ってるけど……それがどうかしたのか?」

 

「教えろ。見に行く」

 

「教えるのは別に良いけど……結構遠いぞ?」

 

「多少遠い程度は問題ない」

 

「わかった。それじゃ、まずは砂漠地帯への―――」

 

 

 

 

9Sは一人キャンプを歩いていた。

特に何かするわけではないのだが、 

6Oと通信を繋げている2Bの邪魔にならないようにと7Sと共に外に出たのだが、当の7Sは一人で何処かへと行ってしまった。

9Sにとってはそうした7Sの行動は別段珍しいものではないにしろ、自身の戦闘能力を考えて今は一人で行動しない方が良いと思っている。

それを伝えたところで、安全なルートを通っているだとか、近寄られる前にハッキングしてるだとか言われるのだろうことは、9Sにもわかっているのだが。

そんな9Sがなんとなくキャンプの外に出てみると水場の近くに腰掛けて釣りをしているデボルの姿があった。

デボルは釣竿を持っているが、釣果はないようだった。

 

「こんにちわ、何をしているんですか?」

 

「あぁ、9Sか。何って釣りだよ釣り。7Sが暇潰しに丁度良いって言うからやってるんだけど……これが全然釣れないんだ」

 

「釣りなんて、そんなものですからね……でも、どれくらい釣りをしてるんですか?」

 

「いや、まだ始めたばっかりだけど?」

 

「それで釣れる方が可笑しいんですけど……」

 

「はは、確かにな」

 

9Sに聞かれて釣りをしていると答えたデボル。それに対してどれくらいの時間釣りをしているのか確認を取ると実は始めたばかりだと言う。

その程度の時間であれば、釣れなくて当然だ。9Sがそのことを指摘するとデボルは軽く笑ってから同意した。

 

「まぁ、別に釣れなくても良いんだけどな。ポポルがアネモネと話をしてる間の暇潰しってだけだし」

 

「なるほど。でも此処ってメダカとか小さいのしか釣れなかったような……」

 

「らしいな。どうせ釣れたって逃がすんだから大きさなんてどうでも良いんだよ。

 7Sが、釣りしながらのんびり景色を眺めるのも悪くない。って言ってたのを思い出したからこうしてるだけで、魚を釣るのが目的じゃないからな」

 

「それで、実際にやってみた感想は?」

 

「お前も座って景色でも見てみな。そうすればわかるさ」

 

そう言いながら視線を9Sから外して景色を眺め始めるデボルに習って、9Sも近くの岩に腰掛けて同じように景色を眺める。

9Sは今までこうしてのんびりと落ち着いて景色を見るということはしたことがなかったのだが、こうして景色を眺めてみるとビルなどの建造物を突き破るようにして生えている樹木や空の色、飛び立つ鳥の羽ばたきや水の流れる音が普段とは違って見え、聞こえてくる。

 

「これは……今までとは違って見える……」

 

「だよな。私もだ」

 

「もっと早くにこうして見ておきたかったような気がしますけど……」

 

「私たちだけだったらこんな風に落ち着いて景色を眺めるなんて出来なかっただろうな。

 普通さ、任務や仕事で忙しいはずなのに、落ち着いて景色を見る。なんて出来るわけがないんだよ」

 

「そうですね、普通は出来ませんし、やろうともしません。

 はぁ……本当に、こういうことに関して7Sって凄いなって思いますよ」

 

「まったくだ。あいつは私たちとは違う視点、感性で動いてるってのはわかるけど……何て言えば良いんだろうな、あいつは人間臭いって言うのがぴったりな気がする」

 

「人間臭いと言うか、人間みたいと言うか……とにかく、アンドロイドとしては変わり者、って感じです」

 

「間違いないな」

 

眼前に広がっている景色に圧倒されながらも、二人とも景色を眺めるのも悪くないと言った7Sのことで話が盛り上がる。

本来任務や与えられた役目の為に行動し続けるアンドロイドにとって、落ち着いて景色を眺めるという選択肢は存在しないはずだった。

だというのに7Sはそうしたことを選択肢の中に入れている。それもそれが当然だというように、だ。

そのことを二人は資料などで読んだことがある人間のようだと思った。

 

「けど、どの変わり者に助けられたり、世話になってる身としては7Sがそんな奴で良かったと思うけどな」

 

「あはは……本当にそうですね。7Sがもっと標準的なアンドロイドだったら、きっと何もかもが違ってたんでしょうね」

 

「……そう考えると、本当に7Sがあんな変わり者で良かったと思うよ」

 

デボルには何か思うことがあるようで、切実な思いが込められていたような気がした。

それでも、それを聞き出そうとするほど9Sは詮索屋ではなく、今はまだ景色を眺めていたかった。

だから何も言わずに、デボルと並んでただただ景色を眺め続けていた。

 

 

 

 

「とりあえずオレが知ってるのはそのくらいだ」

 

「そうか……思っていたよりも、多いんだな」

 

「ただ、まだ行ってない場所もあるからそこに咲いてる可能性もあるんだけど……」

 

「いや、もう充分だ。感謝する。

 ……ついでと言っては何だが、一つ聞いても良いか?」

 

「ん、どうぞ」

 

「私は本当は人を……仲間を探している。何か心当たりはないか?」

 

「仲間を?その人の特徴は?」

 

「白い髪の男と、クソ本……いや、白い本だ。それから……丸い骸骨のような顔をした奴だ」

 

「何なのその全体的に白い仲間。

 悪いけど白い髪の男とは知らない。白い本はこの前少し話をしたのと……丸い骸骨ってこいつ?」

 

「少し話をした?だったらこの近くにいるんだな?それならすぐに見つけられそうだな。

 それと……私の知っているのは、こんな大きくはないし、複数いないんだが……」

 

「形は合ってると。大きさと数に関してはわからないから、これ以上は力になれそうにないかな」

 

「そうか。いや、だが助かった」

 

「どういたしまして。もし見かけたら、探してたって伝えようか?」

 

「頼めるのか?」

 

「それくらいなら。まぁ、見かけたらな」

 

「いや、ありがたい話だ。

 ならもし見かけることがあれば頼んだぞ」

 

「あぁ、任せてくれ」

 

「それじゃあ、私は行くが……どうしてだろうな、お前とはまた会うことになる、そんな奇妙な確信がある」

 

「それは縁があれば、だな」

 

 

 

 

「疑問:7Sは以前と同じように一人で喋っていた。システムに異常がある可能性」

 

「え、また?」

 

ポッドに疑問を投げかけられてから7Sは先ほどまで話していた相手が去って行った方を見るが、既に姿はなかった。

広域をスキャンしてみるが周囲には鳥など小型の生体反応と機械生命体の反応があるくらいで、アンドロイドの反応はない。

去って行ってからすぐにスキャンしたのにそうなったということは、本当に誰もいなかったということになる。

 

「ってことは、今回も幽霊が……!」

 

「否定:非科学的」

 

「いや、でもそうとしか考えられないし……まさか、大分前に見た旧世界の文献に書いてあった霊感って奴がオレにあるんじゃ……」

 

「否定:有り得ない。アンドロイドに霊感はない」

 

「否定するの早くないか?」

 

まさか、と7Sが言ったがポッドはそれを即座に否定した。

それに対して7Sは不満そうに返してから目の前の花を見る。

 

「それにしても、幽霊が花を見て回るのとか、仲間を探してるってのも妙な話だよな」

 

「その花、名称は月の涙」

 

「ああ、他に咲いてる場所を教えたけど……」

 

そこで一度言葉を切り、何かを考えるように黙り込んだ。

だが、それも数秒のことで再度口を開いた。

 

「うん、もし他にも咲いている場所を見つけたらまた会うことになったりしてな」

 

「7Sは楽しそうにしている。幽霊と仮定したとして、幽霊との接触を望んでいるのか」

 

「いや、特にそういうことじゃないんだ。ただ、また会う気がする。って言ってたし、そういうこともありそうだなって話」

 

言ってから7Sはレジスタンスキャンプへと戻る為に歩き始めた。

それに追従するポッドだが、7Sに対してこう問いかけた。

 

「前回は白い本の幽霊。では今回はどのような幽霊だったのか」

 

「今回は()()姿()()()()だったな。まぁ、手に持ってた鮫の歯みたいな刃の剣にも目が行ったけど」

 

だからこそ変態三号と7Sは言っていたのだが、あまり言い過ぎると斬られそうだったのでアダムに対して言ったような言い方はしなかった。

 

「何にしろ、最近は結構面白いことが起こってるし、また別の幽霊に会ったりしてな」

 

「推奨:幽霊と仮定される存在のデータ収集」

 

「出来れば、だな」

 

軽い調子で答えた7Sは一度だけ月の花が咲いている場所を振り返り、そして軽い足取りでまた歩き始めた。

二度あることは三度ある。という言葉が旧世界にはあったらしいので、もしかすると幽霊との遭遇も三度目があるのではないか、そう期待しながら歩く7Sは非常に上機嫌そうだった。




キカイレンジャーと金色の機械生命体たちはスルー。
あの子たちを描写するとそれだけで一話使い切りそう、っていうのと全部カタカナだから書きにくい読みにくいという。

アンドロイドって任務がー、とか自分たちの役目がー、ってことであんまり景色をのんびり見ることってなさそうですよね。
6Oみたいに空がどうとか、天気がどうとか言うような子なら違うのかもしれませんが。

日常回ってことでゲストが一人。なんてわかりやすいんだ……

確認:次の目的地はパスカルの村。

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