アダムの言っていたエイリアンは既に滅んでいるという情報をホワイトに報告する為、三人はバンカーへと戻って来た。
2Bと9Sにとってはそう久しぶりというわけでもないのだが、随分と長い間地上で調査の任務に就いていた7Sにとっては久しぶりの帰還となる。
「バンカーとか久しぶりすぎる……まぁ、問題児だから人の目が痛いし、戻る理由とかあんまりないんだけどな」
「それでもたまには戻ってくれば良いのに」
「そうですよ、それに11Oさんだって7Sが戻ってくるのを待ってるんじゃないんですか?」
「あの人は良いんだよ。変な姉馬鹿拗らせてるから面倒臭いし疲れるから」
ため息混じりにそう言った7Sの顔には疲れが見て取れる。
どうやら以前にバンカーに戻った際には色々あったらしい。
「それよりもさっさと司令官に報告しよう。本来の目的を忘れるなよ」
「忘れてない。でも、バンカーに戻ったなら念のためにシステムのスキャンとメンテナンスを頼んだほうが良いね」
「地上だと限界がありますからね……なら、報告の後にお願いしましょう」
三人はそう決めてバンカーの通路を進む。
司令室の扉を開くと、7Sが先頭を進み、昇降機に乗ることなく飛び降りる。それを見た2Bと9Sが驚いているが、7Sにとってはこれが常だ。
当然、7Sの行動に気づいたオペレーターたちは信じられないモノを見るような目をしている。
尚、11Oはまたあの子は……とでも言うような何処か生暖かい目で見えているのだが。
「司令官、あの変態……エイリアン反応、及びに特殊個体について報告です」
「7S……もう少し落ち着いて行動してはくれないか。私は構わないが、周りが驚くだろう」
「エイリアンの反応があった地点を調査している際に特殊個体と遭遇。特殊個体は自身のことをアダム、もう一人をイブと呼称していました」
「……はぁ、そうか、では現時点をもって私たちも特殊個体をアダム、イブと呼称しよう。
それで、アダムたちと接触することになったのはエイリアンたちの反応があった場所で間違いないのだな?」
「はい。それと……アダムによると、エイリアンは既に滅んでいると」
「何?」
ホワイトの言葉を聞いていないのか、特に反応を返すことなく報告を続ける7S。
そしてエイリアンが既に滅んでいる。という報告をするとホワイトは眉を顰めた。
「エイリアンが既に滅んでいるだと?」
「アダムの言葉を信じるのであれば、ですが……
調査した地点ではエイリアンの母船が破壊されていること、エイリアンの死体が複数存在しているのを確認しました」
「母船は破壊され、死体だけが残っていたか……わかった、月の人類会議へ報告し、協議結果が出るのを待つとしよう。報告、ご苦労だった。
2Bと9Sも、良くやってくれた。7Sが同行していると苦労することもあるだろうが……これからも頼むぞ」
「いえ……7Sの同行に関しては、どうなるかわかっていたことです。
興味のある物があると確認しないと気がすまない、というところは控えて欲しいとは思いますが。
……9Sも、7Sに影響を受けたのかそういう傾向が見えるから気をつけて」
「あはは……でも、7Sと一緒だと退屈はしませんよ?」
「無関心よりはずっとマシだろ。何かに興味を持つのは良いことだぞ?
それに無関心と退屈が人を殺すのだ。なんて言葉が旧世界の人類にはあったらしい。確かに、オレにとって退屈なのは死にそうだからな。納得したもんだ」
ホワイトの言葉は皮肉というよりも、7Sを揶揄しているようなそれだった。
そのことを理解したのか、2Bも同じように7Sと9Sに対して言葉を掛ける。9Sは少しだけ気まずそうに苦笑いを浮かべて退屈はしないと言う。
7Sは三人の言葉を受けて旧世界の文献にあった言葉を引用して、無関心よりはマシだと言う。
当然、その様子は周囲のヨルハ部隊員が見ているのだが、誰も皆信じられないモノを見るような目だ。
多くのヨルハ部隊員がホワイトのことをお堅いと思っていたのに、そこにいるのは自分たちの知っているホワイトではない。
誰が、あのホワイトが、微かではあるが微笑んで問題児と言われている7Sに対して言葉とは裏腹に優しい声を掛けるのを想像しただろうか。
「旧世界の言葉ですか……そういうの、調べてみるのも面白そうだな……」
「あぁ、面白いぞ。何だったらオレが知ってる言葉で意味を考えると面白そうなのを幾つか教えようか?」
「あ、ならお願いします」
「二人とも、司令官の前だからその話は後にして」
「はーい」
「司令官はそんなこと気にしないと思うけどな。オレが絡んでるし」
何時もと変わらない様子の二人に、自分も先ほどまでそうしていたということを棚に上げて2Bが口を挟むが7Sはそんなことを言う。
実際にホワイトは仕方が無いな、とでも言うようにその様子を見守っていた。
「7Sにはそうしたことを言うだけ無駄だからな。それに、目に余るようであれば11Oに説教でも頼むつもりだ」
「それは遠慮願います」
フッと笑ってそんなことを言うホワイトに対して、7Sは嫌そうな顔をして断りを入れるが、上の方で誰かが大声を出したような気がしてさらにげんなりとする。
それが誰の声なのか、確認する必要はないと思いながらも一応は、という体でその方向へと7Sが顔を向けると11Oが大きく手を振っていた。
そんな11Oの姿を確認すると7Sはすぐにホワイトに向き直る。
「ふざけるのはこのくらいにして……細かい報告は後ほど転送します」
「あぁ、頼んだぞ。それと、人類会議の協議結果が出るまでは廃墟都市周辺の調査を続行してくれ。結果次第では任務を言い渡すことになるが……無茶だけはしないようにな」
報告に対してホワイトはそう締めくくった。
その言葉を聞いて7Sは頷いて返し、2Bと9Sを振り返る。
「はい、報告終わり。それじゃ、オレは一旦部屋に戻るから後で迎えに来てくれよな」
「あれ、11Oさんのところには行かなくて良いんですか?」
「また今度で」
それだけ言うと7Sは昇降機に乗って一人で司令室を出て行った。
普段であれば2Bや9Sにあれこれと言ってから別行動、とするのに今回はやけにあっさりとしている。
そのことを疑問に思いながらも二人はホワイトに退室の旨を伝えてから司令室を出て行った。
▽
7Sと9Sの二人と別れてから、本格的なメンテナンスを受けた2Bは一人でバンカーの中を歩いていた。
特に行く場所があるわけではなく、だからと言って7Sや9Sの部屋を訪れるわけでもない。
ただ何となく歩いているだけだ。それでもそうして歩いていると珍しい組み合わせと出会うこととなった。
「あ!2Bさん!」
「2Bさん?はっ!7Sのこと聞かなきゃ!」
「いえ、9Sのことを聞きましょう」
「えぇー!ダメですよ!2Bさんには、地上での花とか、空の色とか、野生動物のこととか、色々聞きたいからそれが優先です!」
「7Sのことを聞くの!」
「ですから、9Sのことをですね……」
「……はぁ、静かにしてくれないかな」
6O、11O、21Oの三人は2Bを見つけると思い思いに喋り始めた。
地上のこと、7Sのこと、9Sのこと。それぞれ聞きたいことがあるようだが、それを一斉に言われても2Bには対処が出来ない。
「一人ずつ話して」
「あ、なら最初は私が。何と言っても、2Bさんのオペレーターですからね!」
逃げることは出来そうに無いと悟った2Bが、一人ずつ話すように言うとまずは自分が。と6Oが手を挙げながら言った。
「実は、ですね?地上の調査報告の中に紛れてた花のことに関してなんですけど……」
「砂漠のバラとかのこと?」
「そう、それです!文字では書いてありますけど、実物の写真とかがなくて……もしかしたら2Bさん、見かけたりしてませんか?」
「私は見てない。でも、多分7Sなら知ってると思うよ」
6Oは調査報告に記載されていた地上の花について興味があるらしい。
そして、今回は砂漠のバラなどが気になっているようだった。ただ、それに関して言えば2Bは見たことがなく、心当たりがありそうなのは7Sくらいだ。
「うんうん、流石7S。あの子は少しでも気になればふらっと調べに行く悪い癖があるけど、そこが長所でもあるからね」
「それでも任務の最中に、というのは問題があります。その点、9Sであれば任務を終えてから調べるでしょうし、7Sはもっと常識的な行動を取るべきです」
「わかってないなぁ……そういうちょっと困ったさんなところが可愛いんだよ!」
そして7Sの名前に反応したのか、11Oがそんなことを言うが、それに対して21Oが苦言を呈する。
ただ、21Oが問題視している点は11Oにとっては弟の可愛い所。程度にしか認識されていないようだった。
「あの二人、最近いっつもあんな感じなんですよ。この間までは21Oさんが11Oさんに対して、仕事をちゃんとしてください。とか言ってたのが、いつの間にか二人して7Sさんと9Sさんの話ばっかり。
話の内容を聞いてると、どっちが良い弟なのか、って話だったり、こんなところが可愛い、って話が多いですよ」
「何、それ?」
「わかりません。でも二人とも楽しそうだから、私としては良いと思いますけどね」
「そっか……私はこのまま逃げても良いのかな」
「あー……その方が良いかもしれませんね。あの二人、7Sさんと9Sさんの話になると長くて長くて……この間なんて、二人の話を聞いてたらいつの間にか二時間くらい経過してたんですよ。
2Bさんはこの後地上に戻って調査任務ですから、今のうちに離れてください」
6Oが言うには21Oはいつの間にか随分と変わっているらしい。どう考えても11Oの悪影響を受けているようにしか思えない。
それでも21Oは6Oや11Oほどの表情の変化はないが楽しげなので悪影響、と言い切ってしまうのは違うような気もした。
「そうだね。なら私はそろそろ離れさせてもらうよ」
「はい。あ、7Sさんに砂漠のバラとか珍しい花のこと、聞いておいてくださいね!」
「わかった。また今度聞いて、メールで送る」
「ありがとうございますっ!」
6Oの頼みごとを快諾して2Bは、11Oと21Oに気づかれないようにその場を去った。
それを見送った6Oが二人を見ると、いつも通り弟について話し合いと言うか、討論を開始している。
そんな二人を見て6Oは困ったような、面白い物を見るように小さく笑ってから自分の纏めていた地上の花の資料を読み始めた。
2Bにお願いしたことで、文字だけではなく写真も一緒に載せることが出来ることを楽しみにしながら。
▽
9Sはスリープモードから復帰すると自身でも軽いスキャンを行い以上が無いかチェックを行う。
結果、システムには異常はなく良好だった。
「さて、これからどうしようかな……」
この後の予定は特に決まっていない。
では何をしようか、と考えた時に少し前に見た2Bの記憶を思い出す。
2Bの記憶には何らかのプログラムが仕込んであるのか、雑音と強制的に記憶領域から追い出された。
既存の防衛プログラムによるものではなく、誰かが新しく構築したプログラムによって追い出されたのだと考えると、そんなことをしそうなのは7Sくらいしか心当たりがない。
いや、もしかすると別の誰かの仕業なのかもしれないが、9Sにはどうしてかあれは7Sがやったことだと確信染みた予想があった。
で、あるならば。もしかすると7Sの記憶領域を見ることが出来れば2Bの記憶が何を意味していたのか、その記憶に辿り着くことが出来るのかもしれない。
何故ならば、あのようなプログラムを仕込むということは記憶を見たからこそ、他者が見れないようにという予防策としてやっていたことなのだから。
そう考えた9Sは7Sの部屋に向かうことにした。
当然、今から行うことは許されることではないが、それでも9Sはどうしても確かめておきたいのだ。
ただそれは7Sがスリープモードでなければ実行することは出来ない為に、実行出来るかどうかはわからない。
そのことを頭の隅の留めつつ、7Sの部屋を訪ねるとどうやら7Sはスリープモードになっているようだった。
ポッドは7Sの近くで浮いているが、機能は最低限にまで抑えられていて、ポッドが動くことはなさそうだ。
それを見て、今が好機だと判断した9Sは7Sへとハッキングを開始する。
他のアンドロイドと同じ防衛プログラムが働くが、その程度であれば9Sにとっては障害には成り得ない。
難なく突破して7Sの記憶領域へと辿り着くと2Bのように一部にロックが掛けられているのではなく、記憶領域自体にロックが掛けられていた。
「厳重だ……あの7Sにも、他人には見られたくない記憶があるのか……」
普通に考えれば誰にも見られたくない、知られたくない記憶があるのは当然のことだが、普段の7Sからは想像が出来ていなかった。
それでも、今はそれに対して何かを思うよりもロックを解除して記憶領域へと侵入しなければならなかった。
2Bに掛けられていたロックよりも厳重ではあったが、慎重に処理をしていけば突破することが出来た。
そして記憶領域の一部に更にロックが掛けられていた。
他の物と比べても質の違うそれの奥に自身の知りたい情報があるような、そんな気がして9Sはそのロックを解除しにかかる。
先ほどのロックとは違って、複雑さはなく防衛プログラムも聊か貧弱なような気もするが、それも突破する。
「少し時間が掛かったけど、これで漸く……」
漸く記憶領域に侵入し、7Sの記憶を見ることが出来る。
『7……………実……機で…………リ…………レ………』
「クソ……2Bの時よりも雑音が酷い……」
『結………アンド…………に近…………』
『…………特………て…………記憶………ンサー…………月………転………』
雑音が酷く単語として聞き取れるモノはない。そのせいで2Bの時のように会話の内容を予想することも出来ない。
それでも何とか聞き取ろうとしていた9Sだったが、突如として強制的に記憶領域の外へと追い出された。
2Bの時よりも早い段階で追い出されたが、それでも9Sには一つわかったことがある。
あの声は7Sとも、2Bの時のようにホワイトのモノでもない。人類会議の通信で聞こえてくるあの声だ。
7Sはあの月にいる人類と接触したことがあるのか、もしくは可能性として挙がるのは7Sがロールアウトされる前の製造段階での会話を本人の自覚が無いままに記憶領域に保存していたか、または7Sに対して人類会議から送られたメッセージか、その辺りが妥当だろう。
9Sは情報を得るために再度侵入を試みようかとも考えたが、7Sがスリープモードから復帰する可能性を考えて撤退することにした。
「思ったほど、情報はなかったな……」
結果に少し落ち込みながらも未だにスリープモードになっている7Sを見る。
まだ復帰する気配はないが、一度撤退した以上は再度侵入しようとは思わない9Sであったが、そうして動かない7Sを見ているととある欲求に駆られる。
7Sに触れたいという欲求に。
どうしてかはわからないが、気づけば9Sは身を乗り出すようにして7Sの頬へと手を伸ばしていた。
自分と同じ顔。違うのは髪の色と、自分より遥かに豊かな表情くらいなものか。
ふと思い立って9Sは7Sのゴーグルをそっと外して、すぐ横に置く。
それから7Sを見ると、眠っているようにも見えて、また死んでいるようにも見える。
「…………僕は、何をしてるんだろう……」
少しの間そうしていた9Sだが冷静になって考えてみると、自分が奇行に走っていたような気がした。
外したゴーグルを器用に付け直すようなことは出来ないので置いておくとして、7Sが目覚めて何か聞かれたら悪戯程度のことで誤魔化せるかな。そう思いながら7Sから手を離そうとした瞬間、7Sの目が開いた。
2Bは何度も見たことがある7Sの瞳だが、9Sはその時初めて見ることとなった。
金色の瞳は開かれた瞬間から真っ直ぐに9Sを見つめており、同じようにその瞳を見つめることとなった9Sは、吸い込まれるような、そんな錯覚を覚えた。
「…………9S、顔近くないか?」
「……え?」
7Sがそう言うのも無理はない。
現在の二人の体勢は、7Sはただ横たわっているだけだが、9Sはその7Sへと身を乗り出して頬に手を当て、瞳を見ている間に7Sの言うように顔を近づけてまじまじと見つめていた。
言われて自分がどういう体勢なのか気づいた9Sは慌てて離れると、聞かれてもいない言い訳を口にした。
「え、えっと、あの……ほら!この間7Sは2Bが眠っている間にゴーグルを外したって話してたから、僕もやってみようかなって思って!
それで、その、7Sの瞳を初めて見たけど綺麗な色だなー、って思ってつい……」
「2Bに同じようなことをしたオレとしては文句は言えないけど……金色ってヨルハ部隊の中では珍しいんだよな」
「そ、そうですね……でも、本当に綺麗な色ですよね……」
7Sは自分も2Bに対して同じような悪戯を仕掛けたということで強く言うようなことはなく、それを悟ったのか9Sは自身の行動を言及されることはなさそうだと胸を撫で下ろした。
そしてゴーグルを外した状態で自分を見てくる7Sの瞳を見て、綺麗だと口にする。
「オレとしては一人だけ色が違いすぎる。ってのもアレだと思うけど……まぁ、2Bも9Sも綺麗だって言ってくれるし、これはこれで悪いものじゃないか」
言いながら7Sは身体を起こすとゴーグルを拾い、装着するとベッドから立ち上がる。
それに合わせるようにしてポッドも追従した。
「それにしても、やることがあってスリープモードで作業してたけど……まさか9Sが悪戯なんてしてくるとは思っても見なかった」
「スリープモードなのに作業って、また器用なことを……って、別に良いじゃないですか、それくらい」
7Sの様子を見る限り、作業をしていたと言うが9Sがハッキングを仕掛け、記憶領域に侵入したことを気づいていないようだった。
だから、怪しまれたりしないようにと不自然にならないように気をつけながら言葉を返す。
「あ、怒ってるわけじゃないんだ。ただ、珍しいなって思っただけ」
「多分、何処かのアンドロイドの影響でも受けたんじゃないですか?」
「そいつは困ったアンドロイドだな」
9Sの言葉が誰を指しているのか理解しながら、7Sはそう返した。
それから軽く伸びをしてから部屋の入り口を見る。
そして少しすると入り口の扉が開いて2Bが入ってきた。
「7S、9Sが何処にいるか……って、此処にいたんだ」
「9Sを探してたのか?それならちょっと面白い話があってだな……」
「面白くありませんよ。ただ僕がちょっと悪戯を仕掛けたくらいですからね」
面白い話がある。そう口にした7Sに対して9Sがそう言うが、それを聞いて2Bは納得したように頷いた。
「いつかやると思ってた。7Sから悪い影響を受けたみたいだね」
「オレが悪い影響を与えたってのは心外だな」
「あながち間違いじゃない気がしますけど……」
「いや、きっと元々9Sはそういう性格だったんだろ?」
「絶対に違う。7Sの影響を受けたとしか思えない」
2Bと7Sがそうしてあれやこれやと言い合っているが、それを見て自身のしていたことには気づかれも勘付かれもしていないと判断した9Sは安堵する。
二人に対しては勝手に記憶領域を覗き見たことに対する罪悪感があるが、それと同様にいつか答えを見つけなければならないと、9Sは一人静かに決意を固めた。
7Sはこんな行動するから問題児って言われるんだよ!
でもそれを控えないし、司令官も黙認しているから誰も何も言えなかったり。
21Oは家族が欲しくて、9Sを弟にすれば良い。
そして姉馬鹿として先輩の11Oとどちらの弟が可愛いか勝負してれば良い。
そんな二人を仕方が無いなぁ、なんて思いながら6Oが見守ってれば尚良い。
推奨:地上へ戻り、調査の続行。
提案:機械生命体の村の調査。