機械人形は救済の夢を見る   作:御供のキツネ

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イブは純粋。



ch-14 エイリアン・シップ

7Sたち三人はマークされた地点が地下であることから、陥没した地帯の一部から更に地下へと降りることにした。

 

「廃墟都市の地下にこんな空洞があるなんて、思ってもみませんでしたね」

 

「そうだね……7Sは知ってた?」

 

「一応。微弱だけど地下に機械生命体反応が検知されてたから、空洞になってるとは思ってたけど……流石にこの大きさは想定外だったな……」

 

地下空洞に関しては知っていたが、その大きさに関しては想定外だと言う7S。

確かにこれだけの広さを持った空洞があり、更に地下に続いているなんてことを想像することはないだろう。

そして、機械生命体反応は検知されていても、エイリアンの反応はなかった。それが突如として検知されたことは7Sにとって疑問であった。

地下深くにいた為に、崩落するまで反応を検知出来なかった。というのもわかるが、それ以上に作為的な何かを感じてしまう。

 

「でも、何か引っかかるんだよな」

 

「何かって?」

 

「いや、あの変態って特殊個体だろ?エイリアンに作られたなら何かして来そうなのに、何もないままエイリアンが見つかった!みたいなのって、可笑しくないか?」

 

「……あの変態の罠だって言うの?」

 

「確かに、ないとは言い切れませんけど……」

 

「でも罠だとして、どうやってエイリアンの反応なんて検知させたんだ?

 自分たちの創造主を危険に晒すような真似は普通しないだろうし、何かで偽装してるのかもしれないけど……」

 

言いながらもどんどんと思考の海に沈んで行くようで、7Sの声は小さくなっていく。

最終的には黙って考え込んでしまったが、それを見て2Bと9Sも言われてみればそうだ。と少し考える。

 

「7Sの言うように偶然じゃないとしたら、確かに怪しい……」

 

「はい、罠の可能性もありそうですね。それにあの変態、凄い速さで進化してましたから何か仕掛けてきても可笑しくありませんよね」

 

「うん。杞憂で済めばそれはそれで良いけど、エイリアン以外にもあの変態のことも警戒しておこう」

 

二人でそう話し合っている最中も7Sは一人であれこれと考えている。

だがふと今の状況を思い出したのか、顔を上げてから二人を見る。

 

「っと、ごめん。少し考え込んでた」

 

「大丈夫。それで、結論は出た?」

 

「多分だけど、罠の可能性の方が高い。あの変態、進化の速さもあって相当強くなってるだろうし、逃げるときにもう一人増えてたし……それに今から向かうのは相手の本拠地、もしくはあの変態にとって有利な場所になるだろうな。

 何も仕掛けてない方が可笑しいから油断は一切出来ない。最悪、エイリアンと変態を相手にしないといけないから事前に個体データのアップロードは済ませておいた方が良いだろうな」

 

最悪の場合はブラックボックスを用いて全て吹き飛ばす。それがヨルハ部隊のやり方であるから、個体データをアップロードしておいた方が良いと7Sは言う。

そして、コンソールを操作して自身だけではなく2Bと9Sの個体データのアップロードを開始する。

手馴れた様子で行うそれは、非常に素早く、またポッドの支援もあってか完了までの時間も早い。

 

「はい、終わり。これで本当はやりたくないけど最悪ブラックボックス使えるぞ。

 使う気はないし使わせる気もないけど、念のためにな」

 

「ありがとう、7S」

 

「大丈夫ですよ、2Bに7S、それに僕もいますしちょっとやそっとのことじゃブラックボックスなんて使いませんからね」

 

「だと良いんだけどな……さて、準備自体は終わってたし、進むか」

 

その言葉を合図にするように、三人は地下から続く洞窟を歩く。

地下はとても暗いのでそれぞれのポッドがライトを点灯させて、不意打ちなどされないように警戒を強める。

当然、機械生命体の反応をスキャンしているので不意打ちなどそうそう起こることではないが、念には念を入れておくことに越したことは無い。

そうして暫く進むと分かれ道となっていた。

 

「電波の発信源はあっちだけど……」

 

「何があるのか、気になりますね……」

 

「……二人とも、それは後でも良いと思うよ」

 

「……よし、見るだけ!見るだけだから!」

 

「2B、7Sがこうなったら聞きませんよ。だから見るだけ見てみましょうよ」

 

「そう言って、9Sが見たいだけだよね。……まぁ、良いけど」

 

興味のある物が見れることが嬉しいようで、楽しそうにしている二人を見て小さくため息をつく2Bではあるが、何を言ってもダメだとわかっているのでこうするよりない。

特に7Sは気になるモノがあるならばいつの間にかそれを確認しに行くようなことをたまにする。

単独での任務であれば、任務放棄にならない程度でふらふらと気がつけば別の場所に行くのだが、こうして自分たちに同行している間は少しくらい自重するらしい。確認を取るだけまだマシか。そう思う2Bだった。

 

二人が警戒半分、興味半分で進む後ろを2Bもついて歩く。少しすると行き止まりに行き着き、エレベーターが設置されているのを確認した。

しかし、スイッチを押してみても反応はなく、7Sがハッキングして動かせるか確認しているが動く気配はない。

 

「む……動かないな……」

 

「ハッキングしてもダメですか?」

 

「ダメだな。どうにも別のところで制御してるみたいだ。

 この先が気になるけど、引き返すしかないか……」

 

「二人とも、行き止まりだってわかったんだから戻るよ」

 

「はーい」

 

これ以上は進めないと悔しそうにする二人だが、2Bに言われて仕方なしに分かれ道まで戻る。

そして本来進むべき方の道を進むのだが、どうにも何者かが整備した後が見て取れる。

かつて人類が繁栄していた時に整備したのか、はたまたエイリアンが機械生命体を用いて整備させたのか。

三人にはそのどちらなのか判断が出来なかったが、今はそんなことを考えている場合ではない。

 

「何だか人の手が入ってた形跡があるけど……この奥は明らかにエイリアンというか、機械生命体の仕業だろうな」

 

「見るからに、ってやつですね。崩落しないように木の柱が使われていたのに、この奥はそれとは別の整備のされ方ですね」

 

9Sの言うように、この洞窟のあちらこちらには崩落しないように補強した跡が見て取れたが奥に進むとそれらとは異なる整備のされ方をした道が続いていた。

その両端には機械生命体の残骸であったり、金属片であったりと様々なものが転がっており、どう考えても人類が繁栄していた頃の物ではなかった。

そして何よりも目を引くのは、洞窟の奥にある機械で出来た大きな扉だった。

 

「この先は今まで以上に警戒が必要……7S、周囲に反応は?」

 

「機械生命体の反応はなし。相変わらずエイリアンの反応はあるけど……此処まで近づいて何もなしって、罠だろ」

 

「道中に機械生命体が数体、それだけでしたから……この先が本命、と考えるべきなのかな……」

 

「考えても仕方ないさ。どうせこの先に行かないことには何も始まらないし……二人とも、準備は良いな?」

 

「勿論です」

 

「大丈夫。行こう」

 

それぞれが準備が出来ていることを確認して扉を開く。

その先は開けた空間になっており、暗くて周囲が良く見えないが急ぎ9Sが確認をする。

 

「データベースに該当する場所はありませんね」

 

どうやらバンカーにも情報はないらしい。

であるならば自分たちで調査しなければならないと階段があるのでそれを降りる。

すると機械の作動音と共に前方の壁が上昇し始めた。

その上昇した壁の先から光が差し込んできて、階段の脇に並んでいる物体を照らした。

 

「これは、死体……?」

 

「2B!それもだけどアレを見ろ!」

 

7Sがそう言って指差した先には完全に破壊されて一切の機能が停止している宇宙船の残骸が転がっていた。

それも見る限りつい最近破壊されたようなものではなく、それなりの期間が経過しているように見えた。

 

「破壊されたエイリアンの母船が……」

 

「何だこれ……一体どうなってるんだ……?」

 

「わかりません。でも、この死体……最近のモノじゃありませんね」

 

三人がそれらを見てそう呟く。その背後から声がした。

 

「ようこそ。我が創造主の墓場へ」

 

声に反応して振り返れば、砂漠地帯で遭遇した人型の機械生命体が立っていた。

 

「お前たちは……」

 

「あの時の変態!」

 

緊迫した声を出した2Bなどお構いなしにそう叫んだのはやはり7Sだった。

それを聞いて9Sはあちゃー、とでも言うように額に手を当てており、2Bは2Bでため息をついた。

 

「7S、今は真面目にしないといけない場面」

 

「いや、だって名前とか知らないし。バンカーでも全裸の変態で通ってるだろ?

 あ、でも今回は下は穿いてるんだな。半裸の時点で変態だけど」

 

「そこはほら、前よりはマシだってことでそっとしておきましょうよ」

 

こう言っては何だが、機械生命体側からしてみれば格好良く登場したのに再度の変態呼びと7Sによって緩い雰囲気が作られてしまうのは聊か同情してしまいそうになる。というよりも2Bと9Sは少しばかり同情していた。

 

「変態は変態だろ」

 

「待て。私たちは人類の残した本を読み、局部を隠す必要があることを学んだ。それの結果がこれだ。何ら問題はないだろう?」

 

「上を着ろよ。変態が少し変態にランクダウンしただけだぞ、その格好」

 

「ふむ……こういう場合はお前たちの方が人類のあり方を知っているんだ。その言葉は覚えておこう。

 次はちゃんと上を着なければならないからな」

 

「そうしろ。それで、何の用だ?」

 

何故こんな場面で二人とも悠長に会話をしているのか、2Bと9Sには疑問だったが、7Sにも一応話を進める気はあるらしく、機械生命体に問いかけた。

 

「では改めて……私の名前はアダム。こいつはイブだ」

 

アダムと名乗った機械生命体は隣に立つもう一人をイブと呼称した。

だがイブは特にそれに対して反応することはなく、むしろ退屈そうにしたいた。

 

「君たちアンドロイドが探しているエイリアンは、もういない。

 何百年も前にこいつらは……私たち、機械生命体が絶滅させた」

 

「絶滅……させた……?」

 

アダムが口にしたそれは、2Bたちアンドロイドにとっては衝撃的な言葉だった。

自分たちの敵である機械生命体、その司令塔であるはずのエイリアンは既に絶滅しているのだと言う。それも、エイリアンたちの創り出した機械生命体によって。

 

「今度絶滅するのは……君たち、アンドロイドかな……?」

 

アダムの声には嘲笑が含まれている。

 

「機械生命体は自己進化を繰り返して、強化されていく兵器だ。ネットワークの上に芽生えた知性が創造主のそれを凌駕するのに、大した時間は必要としなかった」

 

「自分たちの創造主を倒すなんて……」

 

「良いんだよ、こんなやつら」

 

9Sの言葉に吐き捨てるように返したアダムの表情は嫌悪が浮かんでいた。

それは決して創造主に向けるべき感情ではない。

 

「植物のように、単純でくだらない構造の生き物だ。価値なんかない。

 私たちが興味あるのは……月にいる人類」

 

「月にいる人類、ね……」

 

創造主たるエイリアンに価値などはなく、自分たちにとって最も興味を惹かれるのは人類だとアダムは言った。

その言葉を聞いて何か思うことがあるようで、7Sは小さな声で呟いた。

だがそれに気づかなかったアダムは尚も言葉を続ける。

 

「そうだ、人間は魅力的だ……理解不能だよ。

 記録によると同じ種族で大量に殺し合ったり、愛し合ったり……」

 

続けられた言葉は如何に人間が不可思議な存在であるかを証明するようなものであり、アダムの声にも熱が篭る。

 

「私たちはその神秘に迫りたいんだ。だから、君たちアンドロイドには調査を手伝ってもらいたいと思っている」

 

「手伝う?」

 

「そう、月にいる人類を引き摺り下ろして……生きたまま分解して、分析して、その秘密の全てを暴くんだよ!

 こんなに素敵なこと、他にはないよねぇ?」

 

自分たちの考えがどれほど素晴らしいのか、悦に浸っているアダムは謳い上げるように言葉にするが三人はそれに賛同などしなかった。

 

「そんなこと、やらせる訳ないだろう!!

 二人とも、こんな奴らに惑わされちゃダメだ!!」

 

激昂して吠える9Sが抜刀するのを見て、2Bも同じく抜刀する。だが7Sは興味がないような素振りをしてただ立っていた。

 

「あぁ……じゃあ、交渉は決裂という訳だ。ならば滅ぼすしかないな、君たちを。此処にいる退屈な、宇宙人と同様に」

 

言いながらも、アダムの視線は7Sを捉える。

 

「だが、君に関して言えば人類と同等に興味があるんだ」

 

「オレは特に興味ないけど」

 

「君にはなくとも私にはある。随分と他のアンドロイドとは違う思想、思考、精神性をしているようだからな」

 

「そういう変わり者は人間にも、アンドロイドにも、機械生命体にもいるだろ」

 

アダムの目には7Sが興味深い存在として映っているようだった。

ただ、それに対しても7Sはどこか投げやりでつまらなさそうにしている。

 

「なるほど。確かにそうかもしれないな……機械生命体で言えば、あのキカイレンジャーとやらか」

 

「あ、知ってるんだ」

 

「……なんだろう、何となくだけど何のことかわかった気がする」

 

「奇遇ですね、僕もです。というか7Sのせいでこの抜刀した刀の行き先がないんですけど」

 

「…………あの変態が7Sに興味があるって言ってたから変なことをしそうだったら斬ろう」

 

「そうですね、そうしましょうか。今からでも斬りたいですけど、とりあえず待ちましょうか」

 

もはや完全に空気が弛緩してしまったのか、アダムたちと対峙している2Bと9Sは普段通りの会話をしている。

いや、会話の内容が物騒なので普段とは違うと言えば違うのだが。

 

「……なぁ、キカイレンジャーって何なんだ?」

 

「あ、そっちのイブだっけ。喋るんだ。

 まぁ……とりあえずキカイレンジャーについて説明すると……」

 

イブが喋ったことが意外だったのか、そう言った7Sだがすぐにキカイレンジャーについて説明をしようとする。

するのだが、一拍置いてから台本を読み上げるように説明を開始した。

 

「説明しよう!キカイレンジャーとは!」

 

「キカイレンジャーとは?」

 

「悪のエイリアンの手によって造られた機械生命体が、謎のアンドロイドの手によって正義の心に目覚める!そして愛と友情、正義を貫くために日夜悪の機械生命体と戦い続ける、そんなヒーローたち。それがキカイレンジャーだ!」

 

「おぉ……なんか、格好良い……!!」

 

意外とノリノリで身振り手振りをつけながら説明している7Sと、それを聞いて何か感動しているイブ。

そんな二人を、というかイブを見て呆気に取られているアダムという奇妙な光景を見ながら9Sが口を開いた。

 

「自分で謎のアンドロイドとか言うのやめた方が良いと思うんだけど……」

 

「どう考えてもそのアンドロイドは7Sだからね……」

 

「えー、でも旧世界の文献にあった戦隊物では大体こんな説明だったんだから仕方ないだろ?」

 

「ヒーロー……キカイレンジャー……良いなぁ……!」

 

「イブ、待て。戻って来い。何故かわからないがそっちの世界に行くと大変なことになりそうだから戻って来い!」

 

ヒーローに憧れる少年のように目をキラキラさせているイブと、それに対して焦ったようにそう言うアダムの姿など誰が想像出来ようものか。

完全に場の空気を悪い意味で掌握した7Sは自分が元凶であるというのにアダムを不憫なモノを見るような目で見ていた。

そんな7Sの後ろには、もはや刀を納めてどうやって7Sを止めようか、そう考える2Bと9Sがいる。

 

「イブ!とりあえず、そろそろ時間だ」

 

そろそろ時間、などと言っているがその場にいる全員にはこの場から逃げようとしているようにしか聞こえなかった。

 

「これが、私たち創造主の末路……」

 

手振りでエイリアンたちの死体を示しながらアダムがそう口にする。

 

「あ、えっと……お前たちが信じる人間は、どうかな?

 …………これで良いんだよね、にぃちゃん」

 

「……余計なことを言うな、イブ」

 

格好良かったのは最初だけで、最後はもはやぐだぐだである。

何とも締まらない空気の中、アダムとイブは光の線となり姿を消した。

 

「逃げましたね」

 

「うん、逃げたね」

 

「逃げたなぁ」

 

三人にはそう見えた。というかそれ以外には見えなかった。

 

「でも、エイリアンたちが既に滅んでいた……」

 

「2B、7S、とりあえずバンカーに戻って報告しよう」

 

「あんまり戻りたくはないけど……流石に今回は仕方ないか」

 

嫌そうにする7Sだったが流石に戻らざる負えないと理解しているらしく、バンカーに戻ることには同意した。

それを見て、苦笑を漏らしながら2Bと9Sは来た道を戻り始めた。

扉を抜ける直前、二人の後ろを歩いていた7Sが振り返ると、一瞬、赤い少女がいたような、そんな気がした。

 

「またこの道を戻るんですか……面倒くさいですね」

 

「文句言わない、9S」

 

だが2Bと9Sが歩いていくので急いでそれを追った7Sには本当にいたのかどうか確かめる術はなかった。

ただ、その少女が自分たちを観察していたような気がするのと、嫌な目をしていたような、どうしてかそう思ってしまった。

 

「2Bさん!此方オペレーターの6Oです。

 廃墟都市の転送装置の配備と稼働を確認しました。他のポイントも準備中です」

 

そんな7Sの前では6Oからの通信を聞いている2Bと9Sがいる。

どうやら漸く転送装置が配備され、同時に稼働したらしい。

 

「漸く、転送装置が使えるんですね」

 

「転送装置?」

 

それを聞いて9Sがやっとか。というように言うと、2Bが疑問符を浮かべていた。

2Bには転送装置が何なのかわかっていないようだ。

 

「地上にボディを残したまま、バンカーの仮ボディに自我データを転送する装置のことだな」

 

「ええ、技術部の人からは話は聞いてましたが……やっと実用化されたみたいですね」

 

「そうなんだ……便利になる、のかな」

 

転送装置の説明を聞いて感心している2B。

実際にやってみた方が良いだろうと考えた7Sと9Sが先行して洞窟を出ると、地下へと降りた際には設置されていなかったアクセスポイントが設置されており、その隣にはジャッカスが立っていた。

 

「君たちのところの司令官に言われてアクセスポイントを設置しておいたよ」

 

「ジャッカスが雑用って……」

 

「ん?いやいや、私だって雑用くらいするさ。それにあの司令官から言われてはね。

 そうだ、転送装置も動かせるようにしておいたから、使うと良い」

 

「まぁ、ジャッカスが良いなら良いけど」

 

「司令官は昔なじみだからな。それにしても、あいつは人に仕事をさせすぎなんだよなぁ……

 今度会ったら文句言っといてよ」

 

「はいはい。ありがとうな、ジャッカス」

 

「どういたしまして」

 

ジャッカスが雑用をしている、ということに驚いた7Sだがホワイトと昔なじみのジャッカスにとってこれくらいは普通のことらしい。

それと、会ったら文句を言っておいてくれとも言われたが、堂々と文句を言えるのはこの場には7Sくらいしかいない。必然的にその役は7Sになるだろう。

礼を言った7Sはアクセスポイントの前に立つとコンコンと軽く叩いてから言った。

 

「こいつが転送装置。これがあれば一々飛行ユニットを使ってバンカーに戻らなくて良くなるから、便利なもんだぞ」

 

「飛行ユニットはコストも掛かりますし、攻撃される危険もありますからね」

 

「なら報告の為に一度戻ろうか」

 

7Sと9Sに説明されるがままに転送装置を起動させた2Bに続き、9S、7Sの順番で転送装置を起動させた。

アダムとイブの言っていたこと、エイリアンのことを報告し、これからの指示を受けなければならない。

その為にバンカーに戻るのだが、7Sが嫌そうな顔をして転送装置を起動させたのを見送ってからジャッカスが笑っていたのは誰も知らない。




半裸だからアウト。変態であることは変わらず。

イブはなぁ!遊んでもらうために頑張るような、子供なんだよ!
子供だから戦隊物に惹かれたって仕方ないよね!

推奨:司令部への報告

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