機械人形は救済の夢を見る   作:御供のキツネ

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7Sは知っている。



ch-1 紅い髪のアンドロイド

「確認:機械生命体には感情が存在する」

 

「肯定:機械生命体には感情が存在し、人類を模範とする物も存在する」

 

「仮説:機械生命体は個体毎に異なる思考をしており、中には友好的又は平和的な機械生命体が存在する。よって、今後も増える可能性がある」

 

「肯定:既に我々は平和的且つ友好的な機械生命体と接触を行っている。今後更に現れる可能性は大いに存在する。

 提案:指令部への報告」

 

「否定:要観察対象を刺激する行動は控えるべき」

 

「提案:より一層の情報収集」

 

「賛同:現在の観察を続行」

 

傍らに浮かぶポッドと言葉を交わしていたスキャナーモデルの紅い髪のアンドロイドは、賛同の言葉を口にしてから腰掛けていた瓦礫から立ち上がった。

そして空を見上げると、いつもは見られないヨルハ部隊の使用する飛行ユニットを確認してポッドに問い掛ける。

 

「ポッド、飛行ユニットを確認したけど指令部からそれに関して何か命令は?」

 

「指令部より7Sに対して新たな命令は下っていない。現在の任務を続行することを提案」

 

「了解。とはいえ、廃墟都市のマップ情報は集めてあるから次は砂漠地帯とその先のマンモス団地エリアか」

 

自身の任務を全うすべく工場跡地方面に背を向けて歩き始めたアンドロイド―――7Sだが、直後に通信が入った。

 

『オペレーター11Oより7Sへ緊急連絡』

 

「どうかした?」

 

『作戦行動中のヨルハ部隊が壊滅状態。7Sには現地にて作戦に当たっている2Bと9Sの救援に向かってもらいます』

 

「2Bと9S!?わかったすぐに向かう!工場跡地で良いんだな!?」

 

『その通りです。両名を助けるために施設及び敵巨大兵器へのハッキング及びクラッキングによる支援を推奨します』

 

「オレ以外の救援はどうなってるんだ!?」

 

『周囲に別のヨルハ機体は確認出来ず、バンカーより救援が向かうにも時間がかかります。急いでください』

 

「言われなくても!」

 

2Bと9Sという名称を聞くと7Sは工場跡地へと向けて駆け出した。たった二人で大型機械生命体を相手にすることは無謀であり、急ぎ救援に向かわなければならなかった。

工場跡地へと続く道は封鎖されているが、崩壊した高架橋の一部が廃墟都市と工場跡地を繋いでいる。

それを使って工場跡地が見える場所まで来た7Sが目にしたのは別の施設へと続く橋を破壊しながら進む大型兵器とそれに対して攻撃を行っている飛行ユニットだった。

しかしおかしなことに巨大兵器は飛行ユニットにはあまり攻撃をしておらず、尚も破壊を続けている道に対してその両腕を振るっている。

 

「まさか……ポッド!あの大型兵器をハッキングするから支援!」

 

「了解。周囲の電波強度及び通信強度の強化、完了」

 

「相変わらず良い仕事だ!」

 

言いながら7Sは大型兵器に対してハッキングを行う。

まずは大型兵器と地上装備で戦っているであろう2Bが殺されないように脆弱性が見られる箇所をハッキングして動きを阻害する。

戦闘モデルのB型であればそうした支援だけでも状況は幾らか好転するからだろう。

 

「7S。飛行ユニットが敵大型兵器の攻撃を受け墜落。搭乗者と思われる9Sのブラックボックス反応に異常を検知」

 

「致命傷を受けた、ってところか……ポッド、此処から9Sの個体データのアップロードは可能?」

 

「現在の状況であれば可能。しかし、当該機の許可なくアップロードを行うことは推奨されない」

 

「彼処は確か通信帯域が細いからこっちでやるのが確実だ。それと司令官からの文句も罰も後で受けるから早く!」

 

「疑問:7Sはその行動を繰り返している。そしてその悉くが失敗に終わっている。意味はあるのか」

 

「意味はある!お前にはわからないだろうけどな!さっさと始めろ!」

 

「了解。9Sの個体データ、アップロードを開始」

 

ポッドがアップロードを開始するのを確認して、7Sは再度大型兵器へのハッキングを開始する。阻害が出来ているので次はミサイルのコントロールを奪い、それを使っての支援が目的である。

 

「個体データのアップロード、20%……」

 

「わかってたけど此処からだと時間がかかるか……オレが手を貸せばもっと早く出来るか?」

 

「肯定:7Sの処理能力があればより迅速なアップロードが可能」

 

「ならさっさとやるぞ!」

 

「観測:9Sが2Bの個体データのアップロードを開始」

 

「自分よりも2Bを優先か……!リソースを割けばやれるはず……!」

 

大型兵器へのハッキング、9Sと2Bの個体データアップロードの支援を7Sは自身の持てる限りの力で行う。

通常であれば非常に困難であるはずの行為ではあるが、S型の中でもハッキングやデータに関することに特化されている7Sだからこそ出来る行為だ。

同じくその随行機であるポッドもまた、その仕様に合わせた支援機能を搭載されている。そして何よりも強みとして持っているのは、機械生命体による妨害電波を無効化出来るということだ。

それが有効なのは7Sとその随行機のみではあるが、実験的に付随された機能であり、代償として他のS型よりも更に戦闘手段が貧弱になっている。妨害電波がなければ意味のない機能であり、デメリットとして扱われる事の方が遥かに多い。

それでもそのハッキング能力と電波妨害を物ともしないという強みをフルに扱うことが出来れば、S型においては最も高い戦闘能力を得ることが出来る、というのがカタログスペックだ。

 

「9Sの個体データアップロード、50%……

 2Bの個体データアップロード、80%……」

 

「戦況は……左腕部ユニットの隷属化が完了か……2Bの個体データのアップロードは必要なかったかもしれないな……でも……」

 

飛行ユニットに乗った2Bが大型兵器の左腕部を隷属化させ、それを振るうとたった一撃でその巨体が傾いた。

ただ、それだけではまだ完全に壊れてはいない。そこに止めを差すため飛行ユニットから2Bが飛び出し、手に持っていた刀を突き刺す様をポッドが7Sへと報告する。

それが決め手になったようで、大型兵器は完全に沈黙することとなった。

こうなってしまえば急いで個体データをアップロードする必要はなかったのかもしれない。

しかし、2Bの場合は7Sの言葉通りかもしれないが、9Sに関してはそうも言えない。ポッドによって知らされる9Sの情報の限りでは2Bや7Sが出来る対処では不充分だ。

そして救援が来る気配は現状なく、ポッドからの報告もない。となれば、現在の義体では9Sは生き残れない。

ヨルハ型のアンドロイドにとって義体の破損は問題ではなく、個体毎の記憶や情報がバンカーへとアップロードされていればその全てを引き継いで新たな義体で行動することが出来る。

それ故にデータさえあれば義体の死は問題視する必要などないと多くのアンドロイドが認識している。だが、中にはそうした死でさえも容認することが難しいアンドロイドも存在する。

7Sがそうだ。7Sにとって、データが残っていようと記憶が引き継がれようと、死は死である。それは、忌避すべき事柄である。

かつて地球上に存在した人類は、家族の死を悼み、友人の死を悼み、恋人の死を悼み、恩師の死を悼み、多くの死を悼み続けていたと、7Sは廃墟に残された文献にそう残されていたのを覚えている。

 

では自分たちアンドロイドはどうだろうか。7Sはその文献を見たときにそう考えた。

レジスタンスなどはヨルハ型と違い個体データを引き継ぐことは出来ない。故に死とは一度だけだ。

だがヨルハ型はどうだ。個体データさえあれば基本的に何度でも甦ることが出来る。死とは本来、全てにおいて一度きりのはずなのに。

それ以降、7Sは義体のみとはいえ死ぬことを嫌い、また仲間の死を嫌うようになった。それでも、アンドロイドである以上、自らの命を捨てて任務を遂行することが必要であることも理解している。

そして、目の前で友が死ぬ姿も、それに関わっているからこそ涙を流す友の姿も、見続けて来た。

そうして死を嫌えども、それを止めることの出来ない不甲斐なさを7Sは常に感じていた。

 

今日もそうだ。救援として駆け付けたが結局9Sの死は免れない。もっと早く駆け付けていれば結果は変わったのだろうか。自分がちゃんと9Sのことも考えて大型兵器にハッキングを仕掛けていれば良かったのだろうか

そんなことを7Sが考えていると、傍らに浮かぶポッドが言葉を発した。

 

「敵大型兵器の撃破を確認。同時に大型兵器の反応を多数検知」

 

「なっ……!?一機だけじゃないのか!?」

 

「否定:現実として複数機存在している。

 仮説:大型兵器はあくまでも量産機であり、現在確認している以上に存在している可能性」

 

「一機だけでもあれなのに……!」

 

複数確認された大型兵器を破壊するのは無理だ。

2Bは負傷していないようだが、9Sは致命傷を受けている。2Bだけならば飛行ユニットで一時的に離脱し、バンカーから来る救援と共に戦うことも出来るだろう。

しかし、2Bは9Sを見捨てるようなことは絶対にしない。であれば、離脱なんてことは有り得ない。

そしてこの状況で大型兵器を破壊するにはどうしたら良いのか。それを考えた時、あの二人ならどういった手段に出るのか、7Sにはわかっていた。

 

「9Sによる指令部へのブラックボックスを用いた敵大型兵器殲滅の許可を申請。指令部はこれを受諾」

 

「個体データのアップロード状況は!?」

 

「2B、完了。

 9S、80%……」

 

「ギリギリ間に合うか……!」

 

間に合わなければ9Sの記憶は前回のアップロード時まで全て消えてしまう。それはつまり、今回2Bと交わした言葉や抱いた感情が無くなるということだ。

7Sはそれを良しとは出来ないために9Sの個体データアップロードの補助へと全力を注ぐ。

指令部が受諾した以上は時間なんて残されてはいない。

 

「9S、個体データのアップロードを完了」

 

そのポッドからの報告とほぼ同時に2Bと9Sがいるであろう場所を中心に大きな爆発が起こった。爆発は周囲の大型兵器を巻き込み、辺り一帯の全てを消し飛ばした。

熱などはないが爆風と閃光が7Sのいる高架橋まで届き、咄嗟に腕を顔の前に出して目を閉じて風と光が収まるのを待つ。

風が収まり、目を開いて爆心地を見れば工場跡地から別の施設へと続いていた道はなく、工場跡地の先には何もなくなっていた。

 

「2B及び9Sのブラックボックス反応消失、敵大型兵器の消滅を確認」

 

「…………任務としてはこれが正しいとしても……」

 

正しいとしても、やはり仲間の死がそこにあるというだけで7Sにとっては辛いものがあった。

俯いていて表情は見えないがそこに悲痛な色が浮かんでいるだろうことは、傍に誰かが居れば見ずともわかっただろう。だが今其処に居るのは7Sとその随行機であるポッドだけだ。わかる者は誰も居ない。

しかし、そんな7Sのことなど関係ないとばかりに通信が入る。相手は司令官であるホワイトだった。

 

『7S、聞こえるか』

 

「……此方7S。どのような用件でしょうか」

 

『9Sの個体データは更新された。今回の任務の記憶を引き継ぐことが出来るだろう。

 私がこんなことを言うのは可笑しな話ではあるが……良くやってくれた』

 

「いえ……オレが勝手にやっていることですから……」

 

『……7S、お前に新たな任務を言い渡す』

 

7Sは顔を上げることなくホワイトに対して言葉少なに返していた。だが、新たな任務と言われて顔を上げる。

ヨルハ部隊の一員として、その任務を聞き逃すようなことがあってはならない。

 

『近々2Bと9Sが廃墟都市周辺の調査へと向かう。お前にはその二人と同行して現在行っている旧世界の文献を探ってもらいたい。詳しいマップの作成はその時一緒に済ませてくれ』

 

「…………それはつまり、そういうことですか?」

 

『いや……あの二人に廃墟都市での任務を言い渡せばいずれお前が接触するのは目に見えている。であれば、任務として同行させたところでさして変わりはない。

 それにお前は問題ばかり起こすが実力に関しては確かだからな』

 

「平気な顔をして、また嘘を……」

 

『……私を信用出来ないのはわかる。だが私情を優先するために任務を放棄するようなことは許されない。

 任務は全うしろ。そして、出来るのであれば……』

 

そこで言葉を切ったホワイトと、苦々しい表情を浮かべる7S。本来であれば司令官であるホワイトに対しての態度ではないが、7Sはいつもこうだ。

問題のある行動を取ることや、ホワイトに対する態度から問題児として見られる7Sではあるが、それに関してホワイトは強く咎めることはない。その理由はホワイトと7Sにしかわからない。しかしその理由こそが、この二人の関係に大きく影響しているのだろう。

 

『いや、失言だな。とにかく、新たな任務として2B及び9Sへの同行を命じる』

 

「了解しました。

 ………………司令官」

 

『……どうした』

 

「……迷惑をかけます」

 

『……いや、良い。すまないな、7S』

 

最後にそう言ってホワイトからの通信は切られた。互いに確執はあるようで、それでも仲間だからこそそうした言葉をかけるのだろうか。短い言葉に、何処か万感の思いが込められているような、そんな気さえする。

通信が切られ、風の音しか聞こえてこない高架橋の残骸の上で7Sはため息を一つつくと、工場跡地へと背を向けて廃墟都市へと歩を進め始めた。

 

「推奨:司令官との関係改善」

 

「出来れば苦労はしない。オレも司令官も、知りすぎて、違う道を進んでるんだから」

 

その言葉には諦観が見て取れる。

 

「でも、司令官は司令官でオレたちヨルハ部隊のことを考えてくれてるのは知ってる。だから可能なら、そうする」

 

「疑問:司令官に従うのは当然であり、関係の改善が可能であるのなら早急に改善すべきではないのか」

 

「いずれ、で良いんだよ。それよりも今は与えられた任務を全うすることを優先しないとな……

 とりあえず何時来るかははっきりわかってないんだし、廃墟都市で旧世界の文献を探そう」

 

「了解。最優先事項として旧世界の文献捜索を設定」

 

言葉を交わしてから一人と一つは廃墟都市へと戻る。

そして其処にある巨大な植物、のびのびと生きる野生生物、ただうろうろするだけで誰も何も襲わない機械生命体。それらを見下ろして7Sは言葉を零す。

 

「全ての存在は滅びるようにデザインされている、か……」

 

ならば今自身が見ているこれもいつかは滅び去るのだろうか。かつてこの星に生きた人類がそうなったように。

7Sはそう思いながらも、その考えを振り払うように首を振った。

そして高架橋の残骸から飛び降りて、任務のために既に崩壊しているビルへと姿を消した。

 

 

 

 

バンカーの廊下を歩く2Bは同じように前方を歩いて此方へと向かってくる9Sの姿を見て、足を止めた。

 

「作戦は、成功でしたね」

 

そう言ってまだ言葉を続ける9Sを遮り、2Bは口を開く。

 

「9S」

 

「……はい」

 

「ありがとう。最後に私たちのデータを基地にアップロードしてくれて」

 

「いえ……途中から、僕だけじゃありませんでしたから、何とか間に合いました。お礼は彼に言ってください」

 

「彼……?」

 

「はい。廃墟都市には僕と同じS型のアンドロイド、7Sがいましたから支援として手伝ってくれていたそうです。

 本来ならあそこは通信帯域が細いので2Bの個体データしかアップロード出来なかったと思いますが、7Sとそのポッドの協力があったので僕自身のデータもアップロードが出来たんです」

 

「7S……」

 

7Sの名前が出てきて、2Bは少し驚いたようにその名を呟いた。

ただ、9Sはその様子に気づいた様子はなく話を続けた。

 

「ええ、でも本当は僕自身のデータはアップロードする時間がないと思ったので何もしてなかったんですけど……きっと彼がやってくれたんでしょうね。

 本当なら勝手に、というのは良くありませんが今回は助かりました」

 

「そう……9S」

 

「なんでしょうか?」

 

「……君が、今の君として居てくれて良かった」

 

「え、あ、はぁ……」

 

その言葉にどのような思いが込められているのか、9Sには理解出来なかった。

ただそれはまるで自分自身の知らない何かを、2Bが知っているような、そんな感覚を覚えさせるには充分だった。

だがそれを追求することは出来なかった。目の前にいる2Bが本気で安堵しているような、そんな気がして今追及すべきことではないと、そう思えたからだ。

 

「……9S、また後で」

 

「あ、はい……わかりました、2B」

 

そんな自身の様子に気づいたのか、取り繕うように、もしくは誤魔化すように言ってから、それでいてまた後でと約束を取り付けて姿勢を正す。

 

「人類に栄光あれ」

 

「……人類に、栄光あれ」

 

 左手を胸に当てて、口にしたそれは今は月へと逃げ延びている人類を讃える言葉であり、アンドロイドたちにとって鼓舞の言葉であった。

 

 

 

 

「司令官、7Sは失礼なことを言ってはいませんでしたか?」

 

ホワイトに話しかけるのは7Sの専属オペレーターである11Oであった。

その顔に浮かんでいるのは懸念の色であり、また何処か弟を心配する姉のようにも見える。

 

「いや……大丈夫だ。7Sは良くやってくれている」

 

「それなら良いんですけど……あの子、どうしてか司令官に対して態度が……」

 

「良いんだ。あれはあれで、色々と考えがあるんだろうさ……」

 

「……司令官がそう言うなら、私は何も言えませんけど……何かあったら言ってください!私の方から7Sをちゃんと怒っておきますから!」

 

「…………相変わらず、7Sに対してはそういう態度なんだな」

 

「当然ですよ、あの子がロールアウトして最初の任務からずっと私がオペレーターを務めているんですから」

 

困った弟に対する姉のような振る舞いの11Oに対してホワイトが問えば、そんな返答がされた。

確かにそうだった、とホワイトは7Sの最初の任務を思い出す。そう難しい任務ではなかったことと、当時最新鋭であった7Sの性能によって苦労することなく任務は達成できた。

だがその道中で7Sが気になるものがあればそちらを確認したり、旧世界の文献を見つけて読むことに夢中になるなど非常に感情に素直な行動を取っていたのを覚えている。

本来ヨルハ部隊員は感情を持つことを禁止されている。だがそんなことはお構いなしに動き回っていた7Sはその任務が終わる頃には既に司令部にとっては問題児として認識されていた。

それは今でも変わらない。いや、今の方が遥かに問題児になっているのだが、何故かホワイトがそれを黙認しているために強く言えるのは専属オペレーターである11Oだけとなっている。

 

「そうだな、その時が来るようなら頼もう」

 

「ええ、任せてください!」

 

感情豊かな7Sに付いている11Oもまた同じように感情が豊かだ。

そのことにホワイトは似た者同士だな、と軽く笑みを浮かべてから自身の手元のコンソールへと視線を落とした。

そこに書かれているのは2Bと9S、そして7Sの情報だった。

 

「…………どうか、願わくば……」

 

どのような言葉をその後に続けるつもりだったのかわからないが、その言葉を口に出すことはなく飲み込みホワイトは瞳を閉じる。

その姿は、まるで何かに祈るかのようだった。




Eエンド記念。
色んなことを知っていて、だからこそ足掻いているのが7S。
それがどうなるのかはこれからってことで。


疑問:2Bと9Sはどうしてあそこまで尊いのか。


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