俺は少女に無理矢理瞬間移動魔法を使わせ、首都へと移動した。
「如月、聞きたいことがある。」
「何よ?」
「この街の名はなんという?」
俺はまだこの街の名前を知らない。
「ああ、そう言えば言っていなかったわね、この街の名前は「ラムパート」と言うわ。」
…ラムパート、城壁か…。
確かにこの街ではとてつもなく高い城壁が俺たちを囲んでいる。
流石は国家の首都だ。
「見て、あそこの広場に転生者が集まっているわ、行くわよ。」
「ああ、分かった。」
そう言って俺と少女は走り出す。
その広場には大量の転生者が集まっていた。
「すごい人数だな…。」
俺がそう呟くと、後ろから肩を叩かれる。
「お前、転生者か?」
俺は咄嗟に剣を構える。
後ろを振り向くと少年が立っていた。
「僕は敵じゃないよ。その様子だと転生者の様だね。」
そう言って少年は手を上げる。
「貴方は誰なの?転生者かしら?」
少女が質問する。
「ああ、名は覚えていないが、ゼルというあだ名があるのでそう呼んでくれ。宜しく頼む。あんたは?」
「私は如月よ、宜しく。」
「俺は…名は覚えていない。名無しとでも読んでくれ。」
「ああ、分かった。宜しくな如月さん、名無し。」
そうゼルが言うと、広場で男が声を上げた。
「魔界軍はどこだ!早く元の世界へ返しやがれ!」
「そうだ!魔界軍なんてぶっ潰してやる!」
広場で数々の転生者たちが叫んでいる。
「皆!あっちを見て!」
少女が空を指しながらそう叫ぶと、転生者達はそちらを向いた。
「あれは!」
「魔界軍!?」
魔界軍の軍隊がこちらに向かって飛行していた。
「あれが…魔界軍?!」
「あれは、魔獣神!?」
少女がそう叫んだ時にはもう魔界軍はすぐ近くまで来ていた。
「我が名は魔獣神デビル!今日という今日こそは貴様らを倒し、この世界を我らの物にしてやるわァ!」
魔獣神デビルという奴と共に数百はいる竜騎隊が国家の侵略へと来ていた。
「ふざけんな!お前みたいな奴にこの街は渡さねぇ!」
「そうだ!この世界を救って元の世界へ帰るんだ!」
転生者達は叫びつづける。
横を見ると少女は鋭い目付きで魔獣神を観察していた。
「では、戦争と行こうか。仕方ない、攻撃開始!」
魔獣神がそう叫ぶと竜騎隊は一斉に急降下する。
「まずいは、転生者!ゼル!攻撃態勢を取って!」
「「ああ、分かってるさ!」」
そういって俺達を含む転生者は武器をとった。
「行くぞ!」
一人の転生者が叫んだ。
「「「「「おお!!!」」」」」
転生者達は叫んだ。
しかし、少女は魔獣神を見つめてただ立っていた。
「おや?これはこれは…」
魔獣神が少女を見ながら言った。
「これは魔法の国「インデックス」の次世代姫「如月」さんでは無いですか…。」
「うるさい!私の国を奪って!魔法を奪っておいて何を言っているの?!」
「…」
俺には何の話か分からない。
私の国?魔法?どういう事だ?
「…おやおや。それはとんだ誤解だな。私達はこの腐った世界を…」
「衝撃魔法!ブラスト!」
少女が魔獣神の話を無視し、そう詠唱すると、魔獣神の体が白い文字列に囲まれた。
「…これは、恥ですねぇ…。人の話は最後まで、聞きましょう!」
魔獣神はそう言いながら魔法を無効化した。
「なっ!なんですって?!」
少女は酷く驚いている。
「悪いがなぁ!私には魔法は効かない!」
少女は愕然として自分の手を見つめている。
激しい魔界軍との戦いが始まった。
どうだったでしょうか?
次回も宜しくお願いします。