朝、7時くらいだろうか。
「朝ご飯出来たわよー、転生者君。」
少女の声がする。
朝が来たようだ。
「ああ、今行くから少し待ってくれ。」
少女に起こされた後、朝食を取った。
「宗次郎さん、今日も修行の手伝い、宜しくお願いします。」
俺は今日も修行を手伝って貰うように頼む。
「…如月。朝食は任せた。」
「はい、宗次郎おじさん。」
どうやら良いらしい。
「では、宗次郎さん、今日も、宜しくお願いします。」
「ああ。今日は実戦と行こうか。」
明治郎さんは今回の修行メニューを実戦だという。俺に出来るのか?不安が走る。
「あ、あの、俺に出来るんでしょうか?」
俺は恐る恐る質問する。
「そんな覚悟も無い様では転生者に相応しくはなれないぞ。」
宗次郎さんは鋭い目付きでそう言う。確かにそうだ。俺は何怖気付いてるんだ。
「すいません。」
「最近、魔獣の匂いが強まっている。大規模な戦闘は近いのかもしれんな。」
「では、今回は、その魔獣を利用すると?」
「ああ、そういう事だ。まずは少しその前に私と修行だ。」
「はい、分かりました。」
そう言って、一時間程度修行した時だ。
「…魔獣が近づいてきた…。良し、若き諸君、迎え撃て。」
宗次郎さんはそういうが、俺には何も感じない。
そう思った瞬間、体に戦慄が走った。
なんと前に闘った魔獣の大きさより軽く3倍程度はありそうな魔獣がこちらに木を薙ぎ倒しながら走ってくる。
「…あれを倒せないようでは、転生者にはなれないぞ!」
「わ、分かってるさ!」
俺は魔獣の突進を防ぐため、剣を握る。魔獣は俺の予想通り、真っ直ぐに突進して来たので、軽く防ぐ。
そして、剣を十字型に振り、魔獣を切り裂く、と想定して、剣を振るが、魔獣の体は予想以上に硬く、剣が弾かれ、魔獣の二度目の突進によって大きく吹っ飛ぶ。
「いってぇ…どんだけ硬いんだ…。」
木を体当たりで薙ぎ倒しながら来るんだから、体が硬いのは当たり前だ…。
俺は再び立ち上がり、剣を握る。
ここで諦める訳にはいかない!
魔獣が再び突進して来るので、剣で防ぐ。そして、また突進してくるので、剣で防ぐ。三度目は防御に失敗し、再び大きく吹っ飛ぶ。
その様子を宗次郎さんは鋭い目付きで見ているさん事に俺は気づいていなかった。
「…クソ!硬すぎる、どう倒せばいい!」
そんな事を考えていると、新たな手を思い付いた。剣を更に硬化し、鈍器として扱い、殴るような感じで気絶させればいいのでは?
確か、昨日、明治郎さんは剣技の様なものがあると言っていた。
剣を硬化する剣技もあるんじゃないか?
俺は、剣を握り、集中する。
剣よ、答えてくれ!俺の想いを!転生者に相応しくなるには魔法くらい使えなければいけないんだ!さあ、剣よ硬化するんだ!丸で、俺の体の一部の様に自由に!剣よ、答えてくれ!
すると、剣は赤茶色に染まり、謎の文字列が出たあと、何も無かったかのようになった。
これは、成功と言っていいのだろうか?
俺はその剣で思いっきり魔獣へと殴りかかった。
「おらあああああぁぁぁぁぁ!!」
魔獣の突進と同時に俺の剣が魔獣の頭に叩きつけられ、魔獣は動きを止めた。
「…倒したのか…。」
「…この短期間で、剣技を覚えるとは…。そなた、何者だ?」
宗次郎さんは俺に問う。
「はぁ…はぁ…ただの、転生者です…。」
俺は手短に返す。
すると、家の扉が開いた。
「宗次郎おじさーん、転生者君ー。昼食できたわよ。」
「…修行は一時中断だ。」
俺の旅はまだまだ続くのであった。
はい、どうだったでしょうか
アドバイスがあれば宜しくお願いします
次回も見てねー