名を失った少年と謎の少女の物語   作:ダークユニオン

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名を失った少年と謎の少女はこの世界を救う事を決心するが…


第二話 「闘い」

「世界を救ってくれるかしら?」

「ああ、救ってやる。」

俺は決意した。世界を救い、元の世界に帰ると。

「そういうと思ったわ。私のおじさんの宿屋に紹介してあげるわ。寝床が無いでしょ?」

少女はそう言った。

確かに、寝床が無い。少しの間滞在すれくらいなら良いだろう。

「ああ、頼む。」

俺は少し滞在する事を伝えた。しかし、本当に少女と宿屋に滞在する事は良いだろうか?と疑問があったが、少女の一言によってすべて消し飛んだ。

「…危ない。魔獣の匂いがするわ。隠れるわよ。」

少女の目付きが鋭くなる。

俺は少女と共に岩陰に隠れた。

魔獣?そんな者がいるのか。にわかには信じ難いが。

「魔獣?それは何だ。」

「魔獣とはこの世界が危機に瀕している理由の一つよ。魔界の総括の魔神の命令によって人類界は攻撃を受けているの。だから、反抗しているのだけどどうも私達の戦力では足りない。だから、転生者を呼ぶのよ。」

とんだ迷惑だな。と俺は思ったが口には出さない事にした。

「…危険だわ。魔獣がこちらに気づいた。…仕方ない。転生者。これを使って身を守るのよ。」

そういって少女は俺に剣を渡す。真っ黒な漆黒の剣だ。

「…闘うのか?」

「当たり前でしょ?魔獣を倒さないと。」

「俺が闘う。」

俺だって少しくらい体力はあるし運動だって少しはできる。なんせ、俺が所属していた部活は剣道部だ。

「…いいわよ。貴方の実力を見るためにもね。」

俺は岩陰から顔を出す。すると、そこには邪悪なるオーラを纏った魔獣と呼ばれる獣が居た。

「あれが魔獣よ。危険だと感じたら私が援助に入るから。」

「ああ、分かった。」

そう言って、俺は魔獣に向き合う。

緊張感が走るが、いつもの部活の試合を思い出し、頭の中でシュミレーションする。走って魔獣の攻撃を防御し、十字型に切り刻み、倒す。

「…行くぞ、魔獣」

そう言って俺は地を駆けた。それと同時に魔獣も駆けだす。

俺は魔獣の噛みつき攻撃を剣で防御する。

「…くっ、中々力強いじゃないか…。」

そう言って剣を強く握り直し、構える。

素早く剣を横に振り、魔獣に叩き付ける。すると、魔獣は叫び声を上げる。

それに俺は構わず剣を強く縦向きに振る。

「十字斬り!(クロス・スラッシュ)」

俺は昔やったゲームの攻撃名を思い出し、口に出す。

魔獣は十字に切り裂け、動かなくなった。

「…あなた、中々やるじゃない。その剣が貴方と共鳴しているように見えたわ。」

少女は感動したように言った。

「ああ、中々手応えがあった。この剣、しっくりくるな…」

そう言って俺は剣で素振りをする。

「…剣を無闇に振るのはやめて頂戴。危険だから。手が滑って私にぶつかったらどうするの?」

…俺は何をしているんだ。少女の言う通りだ。

「すまない。」

そう言って俺は剣を再び鞘にしまう。

「…決めた。その剣、貴方に預けるわ。この世界を救ったら私に返して頂戴。剣も貴方を所有者として認めてるっぽいしね。約束よ。」

少女は俺に剣を預けると言った。確かにこの剣はしっくりくる。剣よこれから宜しく頼む。

「ああ、ありがとう」

俺は御礼の言葉を挙げる。

「…さあ、宿屋はもう少しよ。」

「ああ、先を急ごう。」

 

そして、旅はまだ続くのであった。




今回もどうだったでしょうか?
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次回も見てねー

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