これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

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いろんな人に遭遇しました④

「今日はありがとうございました。お邪魔しました」

 

 

 

なんだかんだと日が暮れて真っ暗にまでツナの家でお世話になってしまった。

京子とハルはツナに送らせたから問題ないだろう。

当たり前のように獄寺と山本も付いていったから余程がない限り問題はない。

 

ツナのお母さんに「またいらっしゃい~♪」と言われて、両手一杯に抱えたランボとイーピンに見送られて家を後に

 

 

 

 

「うん??ツナの知り合いか?」

 

 

 

しようとすると、まさかこんな所で会うんかよ!

今日は本当にいろんな人と遭遇する日だな、おい!!

 

 

 

「そうですね。

沢田君の通っている並盛中の生徒会長、黒田 光明と言います」

 

「若いのにしっかりしてるな」

 

「若いと言って偏見は良くないですよ。

特に初対面には止めたほうがいいかと」

 

「ははは!!違いねえな!!

悪かったな、オレはディーノっていうんだ。

ツナとは、そうだな、兄弟子ってところだな」

 

 

 

なんのとは聞かないほうがいいのだろうな。

ディーノの周りにはスーツを着た厳つい人達が沢山いる。

 

関わらないほうがいいだろうなー。

ただでさえ裏でどっぷり浸かっているのに、表まで関わりたくない。

 

といってもいつかは関わるのだろうが今は休憩期間、充電期間である。

 

 

なので、

 

 

 

 

「そうなんですね。

それでは失礼します」

 

「おいおい待てよ。

そんな邪険にしくてもいいだろう」

 

「いえ邪険ではなくディーノさんは沢田君の家に用事があったと思うんですが。

邪魔にならないように去ろうとしただけなので」

 

「なら心配ねぇぜ。

どうやら俺の目的は果たされたみたいだからな」

 

 

 

……おい。その目的って……

 

 

 

「家庭教師君、ですか……」

 

「察しのいいやつで助かるぜ。

別にお前をどうこうするつもりはねえぜ

日本にいる間に一目見ておきたくてな」

 

 

 

といって、僕がどんなやつなのか見にきたと。

ったく、余計なことをしてくれたなリボーン。

 

 

 

「それじゃいきましょうか?」

 

「うん、どこにだ?」

 

「僕の家にですよ。

どうせあれやこれと話をするつもりなんでしょう。

なら自分の家でゆったりしたほうがいいので」

 

「ならお言葉に甘えようかな♪」

 

 

 

なに嬉しそうにしてるんだ。

こっちはまだそちらに染まるつもりはないんだよ!

 

 

 

…………………………

 

 

 

「アハハハハ!!

リボーンらしいなー。ツナやつ苦労してんだな」

 

「そう思うならディーノさんが家庭教師君に一言言ったらどうですか?」

 

「わりぃーがリボーンには頭が上がらなくてな。

しかしよくリボーンに楯突いて無事だったな」

 

「毅然とした態度で話せばいいんですよ」

 

「俺がしたら何回殺られるだろうな……」

 

 

 

10回では足りないだろうな、間違いなく。

しかしさっきからツナやリボーンの話ばかり。

その話の流れで僕のことを聞くが此方が話を終えればそこで終了する。

 

こちらから聞くのは可笑しいが聞かずにはいられない。

 

 

 

 

「いいのですか?僕の話を聞かなくても」

 

「うん、どういうことだ??」

 

「いや、僕について話を聞きたくて会いにきたのでは…」

 

「なんでそうなるんだ?

俺はお前と話したいだけだ。

確かにリボーンが気になっているという理由では俺も気になるが、まぁ悪い奴じゃないと分かっただけで十分だ」

 

 

 

なんとも気楽な人だなー

こちらとしては良いことなのだが…なんだかなー

 

 

 

「詮索されないなら此方としても助かります。

まぁ、大したこと内容はありませんが」

 

「いや、リボーンと張り合うだけで十分だけどな…」

 

 

 

世界最強のヒットマンだもんな。

張り合うといっても話し合いだけなんだけど。

 

そんな事を話していると暗闇からニヤニヤとガラの悪い奴が目の前に現れた。

 

 

 

 

「よう。

外人の兄ちゃんと何してんだ生徒会長さんよ」

 

「君ですか。

外出時間外、とは言いませんが物騒なものを持っているのは気になりますね」

 

 

 

そうこの男は並盛中の生徒である。

不良の中の不良といったところか、雲雀が見たら一発で「噛み殺す」と言われるチャラさを出している。

そうなる前に僕が親切に()()してあげたのにさらにパワーアップしてるなー

 

 

 

 

「あぁ、鉄パイプを持っていたら校則違反ですか!?

それにもう学校の時間は終わってるんだよ!!」

 

「終わっていても並盛中の生徒なんですから、そういうことはしないように……」

 

「ごちゃごちゃウルセー!!!」

 

 

 

えぇー。

人の話を聞かずに男は鉄パイプを振り上げて僕に向けて振り下ろしてきた。

これがツナなら慌てたり目をつぶったりしているのだろう。

獄寺や山本なら避けたり反撃するんだろうなー

 

 

 

だけど僕はなにもしない。

というよりする必要がない。

 

 

 

 

「おいおい。最近の学生は物騒だな」

 

「なんだテメェ!!邪魔をするんじゃね!!!」

 

 

 

いつの間に取り出した鞭を自由に操り鉄パイプに巻き付けて攻撃を防いだ。

 

 

別にこれを狙っていた訳ではなかったのだが、

 

 

 

「おっとあぶねぇな」

 

 

 

ディーノの放った鞭が攻撃を防いでくれた。

くれたのはいいけど、近くに部下がいるからいいけど、いなかったらその鞭僕に当たる可能性ありましまよね。

本人は気づいていないようですけど。

 

 

でもまぁ、

 

 

 

「そんな事しなくても僕なら」

 

 

 

鉄パイプに巻き付けていた鞭は突然地に落ちた。

キッチリと絡み付き鉄パイプを動かさないようにしてきたのに。

五当分に切られた鉄パイプと一緒に地面に落ちたのだ。

 

 

 

「問題ありませんよ」

 

 

 

誰にも気づかない。

気づかないうちにそこにいた。

真っ黒なパーカーで真っ黒なズボンを履いている。

全身真っ黒な者はフードを被り顔はまったく見えない。

 

でもディーノは感じ取っていた。

この者は、この男は、ヤバいと。

 

 

 

「僕にも頼れる()がいますから」


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