「いてて……」
「情けねーな、あれぐらいのことで」
「リボーンはただ見てただけだろう!!
獄寺君と山本が来なかったらどうなっていたか…」
「リンチだな」
「簡単にまとめるな!!」
「大丈夫っすよ十代目!!
あんなやつらすぐに潰しますから」
「災難だったなツナ
でもいい運動になったぜ」
例の如くリボーンはツナを強くするために試練を与えたのだがその試練が不良の溜まり場に突入すること。
それもツナが大事にしていた「あるもの」が隠されておりそれを取りにいくしかなかった。
初めは怒らせないように話していたのだが途中でリボーンが「さっさとそこを退きやがれ」と不良に変装した状態でいうものだから不良に一発殴られたツナ。
そんな理不尽な攻撃を喰らった瞬間を獄寺と山本がリボーンの策略により
「それでツナの大事なものって何なんだ?」
「い、いや、それは……」
「簡単に教えれるわけねぇだろう野球バカ!!
十代目が大事にしてるものだ、きっととてつもなくスゴいものに決まってる」
「……ギザ十とか?」
「なめてんのかテメェ!!!」
「獄寺君落ち着いて!!!」
ギザ十ではないのは確かだがそれを他の人に教えれるわけがない。というか絶対に無理!!
リボーンが余計なことを言わないかハラハラしているがいまはその様子はない。
「二人とも今日はありがとう。
母さんが新しい紅茶を買ったって言ってたから二人とも飲んでいって」
「ありがとうございます十代目!!」
「サンキューなツナ」
せめてのお礼と思い自分の家に二人を招いたのだが、玄関先でなにやら賑やかな声が聞こえてきた。
なんだろうと思い玄関を開けると女物の履き物二足と男物の履き物一足があった。
誰だろうと思いながらリビングに向かうと
「あっ、お帰りなさいツナ君」
「お帰りなさいですツナさん」
「お帰りなさいツッ君」
そこにはツナのお母さんである奈々と京子とハルがいる。
そしてもう一人今までこの家で見たことのない人物がフルーツケーキを食べながら紅茶を飲んでいた。
「お邪魔しているよ沢田君」
「な、なんで会長さんが家にいるんですか!!?」
「元は彼女ら二人とスイーツを食べていてね、そのお店に沢田君のお母様が来られてそこで家にどうかと誘われたんだよ」
するとビックリしたような表情から何やら羨ましい表情へと変えたあと驚いた表情になった。
表情豊かでいいねツナは。
僕的には嫉妬する表情をすると思っていたけど人がいいのだろうなーそこは。
「そうだわ!
折角なんだし黒田君にツッ君の勉強を見てもらいましょう!!」
「えええぇぇぇ!!!?
ちょっと母さん!!何言ってるんだよ!!!」
「だって黒田君は生徒会長なんでしょう?
なら勉強も出来て、さらにリボーンちゃんと一緒に勉強を教えたら成績も良くなるわよ!!!」
その言葉に「イヤだああああぁぁぁ!!!」という拒否の表情を浮かべるツナ。
その隣のリボーンはニヤリと笑っている。
あっ、何か良からぬことを思い付いたなアレは。
「おもしれぇな!
獄寺も山本も一緒にツナの部屋に来い!!」
「勝手に決めるなよ!!
獄寺君達にはお茶を飲んでもらうために…」
「大丈夫よ。あと持ってくるわよ」
「私達が持っていきます!」
「買ってきたケーキも持っていくね♪」
逃げ道が絶たれてガーンと衝撃を受けているツナ
こういうのノリがいいんだよなみんなー
…………………………
「……えーと……3かな?」
「違うぞ」
「グフッ!!」
「だからやり過ぎだよ家庭教師君
それじゃ次はコレだ。どうかな?」
「……227…かな?」
「違うぞ」
「ゴボッ!!
なんでリボーンが攻撃してくるんだよ!!!」
「それはツナの家庭教師だからだ」
「それは分かったから家庭教師君は山本君を見てやってくれ。
それ以上のスパルタには僕も容認出来ないよ」
勉強を始めて30分しか経ってないのにツナはすでにボロボロになっている。
成績が低いとは知っていたけどここまでとは思わず、正直リボーンの攻撃のタイミングで「なんでそうなるんだよ!!」とツッコミを入れていた。
入れてもリボーンのように実際にすることはない。
僕はあくまでも生徒会長である。
生徒の見本にならないといけないからなー
そこはキチンとしておかないと。
「ほら沢田君。ここからの計算が間違っているんだよ」
「えっ?……本当だ」
「だからここをこうして、こうして……」
「え、えぇ!!?」
「落ち着いて。ほらここを……」
「は、はい。
………ど、どうですか?」
「うん、正解だね。
沢田君、君は落ち着いてやれば出来るんだよ」
「……こんなスムーズに解けたの初めてだ……」
それなら良かった。
隣では獄寺が「流石です十代目!!」とか山本「良かったなーツナ!!」と激励の言葉がある中で
「これぐらいで喜んでるんじゃねえぞツナ」
「な、なんだよ…いくらリボーンの教え方が悪かったってそんなに言わなくても……って、イテテテテ!!!!」
「悪いじゃねえ。あえてそうしてるんだ。
こういうのは自分で解かないと意味がねえからな」
キレイな関節技だ。
こういったら自惚れと言われるかもしれないが、リボーンのような世界最強の殺し屋にも負けないほどの「力」を持っている。
持っているが「使う」ことはない。
全力で原作に関わるが「力」を行使することはしない。
「リボーン」という世界に必要な工程がいくつもある。
その中でも
なのである程度のリボーンのスパルタには容認している。
「「あえて」ですか…」
「そうだぞ」
「……なら僕が無闇に勉強を教えるのは止めたほうがいいかな」
「ええぇ!!?
会長なら優しくて勉強も分かって成績が上がると思ったのに!!!」
「家庭教師君のいうことも一理あるからね
愚痴ぐらいは聞いてあげるから頑張ってね沢田君」
そういって電話番号とメールアドレスを渡したら「そ、そんなー!!」と本気でガッカリしている。
そんなやり取りをしていると部屋の扉が開き小さな子供が二人部屋に入ってきた。
「ランボーちゃんにイーピンちゃん!
ツナさん達の邪魔をしたらいけませんよ!!!」
「ガハハハハ!!
ツナはオレっちと遊ぶんだもんねー!!」
「ランボー、ズルい!!イーピンも!!!」
「おい!!お前ら!!!」
そういいながらツナの周りをぐるぐると周り始めた。
ツナの家にくれば会うだろうなーと思っていたが、これは思ったいたよりも騒がしくなりそうだ。