これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

4 / 27
笹川兄妹と生徒会長

今日も今日で書類に向き合う光明

この作業ももう慣れてきたがたまには身体を動かしたい欲求みたいなものはある。

 

だけどこういう時こんな事を考えていると「そういうことに関する事が起こる」

 

だからすぐにその考えを頭から消し去った。

しかし運命というのは意地悪である。

遠くからドタドタと走る音が近づいてくる。

 

 

あぁーもうー、本当に余計なことを考えるなよ僕

 

 

と、後悔しても遅いぞという感じで勢いよく扉が開いた。

 

 

 

「黒田あぁ!!極限にボクシング部に入れえええぇ!!」

 

「……笹川君、とりあえず外れた扉を戻してください」

 

「しかしだな黒田、俺はいま極限に!!」

 

「極限とかはいいですので、直してください」

 

 

 

う、うむ……

……と納得していないようだがキチンと扉を直す笹川 了平

ボクシングに関しては相当の手練れなのだがそれ以外がどうもな~

 

そんな事を考えているとキチンと扉を直した笹川がこちらに近づいてきて机をバンッ!!と叩いて

 

 

 

「直したからボクシング部へ入れ!!」

 

「直すのは当然ですよ、外したのは笹川君ですから」

 

「なに!?

だが、それではどうしたら黒田はボクシング部に入ってくれるのだ」

 

「そこは笹川君が考えないといけませんね

知ってますか??いい考えが思い付くときは身体を動かすといいらしいですよ

特に一人で無心に動かすといいと聞きますね」

 

「なるほど!!

なら極限に身体を動かしてくるぞ!!」

 

 

 

そういって走って生徒会長室から出ていった笹川

1つ1つにツッコミを入れたいところはあったがグッと我慢をした。

それを説明するとなると時間が長くなるからなー

しかし、こうも簡単に引っ掛かるなんて……チョロいですよ。

 

 

それから30分後

またしてもドタドタと足音が近づいてきた。

……意外に持ったほうだな。

いやむしろこの時間まで騙されていたことに気づかなかったのか……

 

と心配していた光明の元へまたしても勢いよく扉が開き

 

 

 

 

「いい考えが浮かんだぞ黒田!!!」

 

「それはよかったですね。ならまずは扉を直してください」

 

「そんな事よりも俺の話を聞け!!!」

 

「嫌です」

 

「どうしてだ!!?」

 

「扉を直してください。

大体勢いよく扉を開く必要性がないのです。

それを笹川君が勝手にしている。

なら、その責任を取って直してください。話はそれからです」

 

「だがな!!」

 

()()()()()()

 

 

 

ちょっと強目に言っただけだが明らかに笹川の表情が強ばった。

額からは冷や汗が出ているようであり威圧しすぎたようだ。

やり過ぎたかな?と思っていたがどうやら効果はあったようで大人しく扉を直し始めた。

 

 

正直、こうやって力で押し通すのは好きではない。

人には「言葉」があるのだ。ならまずは話すべきだ。

それから話し合い、ぶつかり合い、すれ違う。

認め合い、助け合い、解決するのが「会話」だ。

 

だから言葉で会話で解決出来るものはキチンとやる。

しかしそれでは解決できないものはある。

 

それを理解しているからこそ、僕は

 

 

 

 

「扉を直したぞ!」

 

「みたいですね」

 

「なら話を聞け!!!」

 

「分かりましたから落ち着きましょう」

 

 

 

さっきのお詫びをかねてコーヒー……はやめておこう。

雲雀の為に用意した緑茶でも用意しよう。

 

 

 

 

………………………

 

 

 

 

「俺と戦え黒田!!」

 

「……いや、それが勧誘となんの関係があるのですか?」

 

 

 

それなりに高い緑茶を一気に飲み干した笹川

おい、それは安物だと文句を言ってくる雲雀から逃れるために買った緑茶だぞ。

それを味わいもせずに……

まぁ、笹川なら仕方ないかもしれない……

 

と、軽く凹んでいたことろに訳の分からない事を言い出した。

 

 

 

「俺がお前に勝てばボクシング部に入る!

お前が俺に勝てば、有能であるお前はボクシング部に入る!!!

どうだ!!極限に完璧な考えだろう!!!」

 

「その選択だと間違いなく僕はボクシング部に入りますね」

 

「そうだ!だから…」

「だから戦いません」

 

「なぜだあぁ!!?」

 

 

 

いや、なぜではない。

全くもってこちら側に得する事がない。

身体を動かしてさらに思考が鈍くなったか?

 

 

 

「それは笹川君にとってメリットがあっても僕は一切ない

それをやりますかと問われたらやらないですよ」

 

「ボクシング部はメリットだらけだ!!」

 

 

 

いや、それは笹川だけである。

しかし一度思い込むと訂正するのに時間がかかる。

今日中に仕上げておく必要のある書類があるのだが…

 

仕方ない。もっと分かりやすく教えよう。

笹川にとって一切のメリットがないことを。

 

 

 

「ならこちらも条件があります」

 

「なんだ!!どんな条件でもこい!!」

 

「僕は生徒会長です。

生徒会長は生徒に対して見本でないといけません。

そして生徒会長は生徒を良い方向へ導かなければいけません。

さて、笹川君。前回のテストの成績は?」

 

「そんなものボクシングに比べたら極限に知らん!!」

 

 

 

ボクシングとテスト成績を比べるな。

そこをツッコミをいれたら長くなるのでカット

 

 

 

「学年最下位です。

でも僕はそんな笹川君はボクシングの為に頑張っている姿を見ていると最下位でも構わないと思ってました。

しかし、僕がボクシング部に入るとそうはいきませんよ」

 

「どういうことだ?」

 

「僕は生徒会長です。

僕は生徒と見本であり、生徒をいい方向へ導かなければいけません。

つまり僕がボクシング部に入れば強制的に笹川君には()()()()()()()()()()

 

「な、なにいいいいぃ!!!??」

 

 

 

ソファーから飛び上がるほど嫌なのか勉強が。

 

 

 

「ボクシングが出来て勉強が出来る生徒会長

それはそれで魅力的ですね。

でも同じ部活の笹川君にも同じように勉強をしてもらわないといけません。

なにせ、僕は、生徒会長ですから」

 

「き、極限に勉強は嫌いだあぁ!!」

 

「でも僕がボクシング部に入るということはそういうことですよ。

僕がボクシングと勉強が出来て、笹川君がボクシングが出来て勉強が出来ないなんて……

……そんなおかしな話はありませんよね、笹川君?」

 

 

 

全快の笑顔で問いかける僕に対して笹川の額からは大量の汗が出ていた。

おい、どれだけ勉強嫌いなんだよ!!

痙攣まで起こし始めているなんて…大丈夫か?

 

 

 

「き、きょ…」

「きょ?」

 

「極限に撤退だああああぁぁぁ!!!」

 

 

 

あっ!!逃げやがった!!!

それもまた勢いよく扉を開いたものだから扉が曲がっているし……

 

あれ…僕が直すのかよ……

ため息をつきながら扉を直そうと近づいていると突然生徒会長室に誰かが入ってきた。

 

 

 

「おっと!!」

「ご、ごめんなさい!!」

 

 

 

そこには笹川がいた。

正確には笹川妹、笹川 京子のほうだった。

 

 

 

「笹川君の妹さん…だよね」

 

「はい、笹川 京子です」

 

「それでどうしたんだい」

 

「あのお兄ちゃんを探してまして…」

 

「それならさっきまでここにいて出ていったよ」

 

「そうなんですか、ありがとうございます!」

 

 

 

そういって笹川を追いかけようとする彼女を、京子を呼び止めた。

 

 

 

「笹川妹君、ちょっといいかな?」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

 

 

少し待ってもらっている間に僕は「ある書類」に「ある人物」の名前を書いた。

そしてそれを京子に渡して

 

 

 

「これをお兄さんに。

君も知っている人だから安心して渡せるだろう」

 

「ありがとうございます!!」

 

 

 

そういって丁寧にお辞儀をして京子は去っていった。

うん、良いことしたなー

 

 

 

…………………………

 

 

 

後日談。

 

 

「会長!!なんでボクシング部への推薦状が俺の名前になってるんですかー!!」

 

「少しでも家庭教師君のスパルタ指導を耐え抜くためだよ沢田君」

 

「黒田!!極限にありがとうだ!!!!」

 

「ありがとうございます黒田先輩!!」

 

「京子ちゃんまで!!

俺はボクシング部には入りません!!!!」






京子の口調や性格あってますかね?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。