これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

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来日

いつもと変わらない日常。

そんな毎日の中で僕は『リボーン』の関係者達と積極的に接触している。

もちろんストーリーを悪い方へ変えないようにと注意を払ってやっているつもりである。

 

僕の目標は完璧なハッピーエンド。

そんなものは理想に過ぎないと言われるかもしれないが、原作知識を持っているものとして僕は行動したいと思っている。

 

持っているからと言って下手に弄ってしまって大変なことになる可能性もあるけど、僕は何もしないよりはいいと考えている。

 

だから僕が原作知識を手にしたときこう思った。

 

 

 

ユニとアリアさんを助ける?

グッチョブ!!!と。

 

 

 

原作で心残りがあるならここだろう。

もちろん炎真のお父さんを助けたり、他にも助けられる人はいるかもだけど思い出した時期が時期でどうしようも出来ない。

 

だからなるべくストーリーで出会うまでは接触せずに回避出来るところを回避する。

 

 

でもアリアさんは思い出す前に接触して助けると誓った。

だから………

 

 

と、ちょっと感情的になってしまった。

言い訳させてもらえるならこれには理由がある。

 

いつも通りに授業を終えて生徒会室に向かった。

本当にいつも通りツナがリボーンに指導されて、山本が笑い獄寺がキレる。

そんな様子を京子が微笑みながら見ていて、花が呆れ顔になり、そんな群れている所に雲雀がくる。

 

なんてとこのない、平和な日常だった。

なのに生徒会室に近づくとなんか騒がし音がして扉を開けるとそこには現実から目を背けたくなる光景が広がっていたということである。

 

 

長くなったけど要は現実逃避をしてました。

だって目の前に映るのは

 

 

 

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

なにしてやがったあああああぁぁぁ!!!!」

 

「………なんでいるんですか………」

 

 

 

原作ではまだまだ後に並盛に来るはずのスクアーロさんがいるんだ?

貴方はまだここに来たらいけないのに!!

ツナやリボーンに出会ったらどうするんだよ!!!

 

まぁ、今日はツナの宿題を見るからと言っていたから帰っているはずだろうけど……

 

というか……

 

 

 

「なんでここにいるんですかスクアーロさん?」

 

「てめえを探していたからに決まってるだろうが

まさか、こんな平凡な学校の生徒会長になっていやがったとはな」

 

「探していた?僕をですか?」

 

「あぁ、だがそれは後回しでいい。

それよりてめえには付き合ってもらうことがあるからな」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「で、なんで商店街なんですか?」

 

「ボスがウルセェんだよ。

和菓子を買ってこいって駄々を捏ねたんだ」

 

「………意外です。

和食とかには興味なさそうでした」

 

「てめえが日本人だと分かってから素性を調べているうちに食い物に興味を持ったんだとよ」

 

 

 

 

糞が!!と悪態をついているがそれでもXANXUSの為に和菓子を買っていくなんて……

 

 

 

 

「でも商店街でいいんですか?

和菓子でも高級じゃないと五月蝿いんじゃないんですか?」

 

「てめえも大概言うな……

……そんなことはてめえがボスに聞け」

 

「嫌ですよ、無理ですよ、会いたくありません」

 

「本当にいい性格になりやがったなクソがぁ……」

 

 

 

 

そんなやり取りをしながら黒田とスクアーロは和菓子屋に着き、そこで水羊羹と大福を買ったのだがスクアーロの威圧的な表情にビビった店員さんを宥めるのにしばらく時間が必要だった。

 

 

 

「スクアーロさん。

和菓子を買ったのはいいですけど賞味期限今日までですよ。

イタリアに帰ったら切れてますけどいいですか?」

 

「問題ねぇ。

ボスは空港にいるからな」

 

「………なんで日本にいるんですか?」

 

「初めに言ったが俺はてめえを探してた」

 

 

 

 

真剣な目でスクアーロさんは僕を見てくる。

いや、ちょっと待て。

これはとてつもなく嫌な予感が………

 

 

 

「ヴァリアーに入れ」

 

「いやです」

 

 

 

やっぱりか!!!

 

 

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

即答過ぎるぞてめえ!!!!!」

 

 

 

そしてキレるのが早すぎる!!

 

 

 

「前にも言いましたけど入るつもりはありませんよ

まぁ多少の、一ミリ程度の感謝を返すのは吝かではありませんけど」

 

「殺すぞてめえ……!!」

 

 

 

そんなに血管を浮き出させて、あんまり怒るのも体に悪いですよ。

 

 

 

「………なら、一つだけ聞かせろ」

 

「何をですか?」

 

「………てめえが"S"か?」

 

「………………」

 

 

 

まさか言い当てられるなんて……

まぁ、剣技を教えてくれたのはスクアーロさんで、いろんな戦闘のノウハウはヴァリアーの皆さんだったからなー

 

それならもう一度僕をヴァリアーに引き入れたい気持ちは分からなくはないけど……

 

 

 

 

「さっきも言った通りです。

出来ることなら、多少は恩を返すつもりです」

 

「……いまはそれでいいだろう」

 

「いまも何も変わりませんよ?」

 

「ハッ!!!

散々嫌がっていた訓練を黙々やり始めた奴の言うことは当てにならねえな」

 

 

 

 

それを言われたら痛いですね。

とにかくヴァリアーに入るつもりはない。

感謝の気持ちはあっても『人を殺める』ことを僕はしたくない。

 

それで僕がピンチに陥ることになってもだ。

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「やっと帰ってきたぜ」

 

「あら~??

"S"ちゃん、一緒じゃないの?」

 

「ウルセェ!!

……ボスの()()()()()

 

 

 

空港に戻ってきたスクアーロは買ってきた和菓子をXANXUSに渡す。

全く表情を変えないまま和菓子を手にしたXANXUSはそのまま飛行機に乗り込もうと歩き出した。

 

 

 

「いいんですかボス?」

 

「……釘は打った。

その釘が刺そうするなら、かっ消すだけだ」


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