これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

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"S"への依頼(戦闘)

倉庫の暗闇の中

そこには車のヘッドライトによって照らされた複数の人間がいた。

その人間達は2つに分かれており、どちらとも黒のスーツを纏い誰もが厳つい表情をしている。

 

片方のグループはアタッシュケースが何十個あり、片方のグループにはバックで止められているトラックがあった。

 

 

そして各グループの先頭にはそれぞれのボスが向かいあい話し合っていた。

 

 

 

 

「コレに似合うもの、ちゃんと持ってきたんだろうな」

 

「そちらこそ、偽物掴ませることをしてみろ。

こちらの勢力を全てをぶつけて痛い目に遭わせるからな」

 

 

 

互いが互いに牽制しあっている。

それはそうだ。

マフィアなのだ、正攻法で話が進む方が怪しいと思う方が正しい世界。

こうしてキチンとお目当てのものがあったとしても、それがこれからも同じとは限らない。

そしてこの取引の向こうにヤバいもの、自分達に不利益になることだってある。

 

 

なのでどうしてもいきなり信じろというほうが無理なのだ。

 

 

それでも信用というものは必要となる。

だから探りをいれて確証を得て時間をかけて相手を信用してみる。

そうやって取引を行っていく。

もちろん取引=仲間とは違うが、それでも信用に足りるものなら利用するだけのことなのだ。

 

 

 

 

「まぁいい。

同時に見せ合って確認する。

いつも通りでいいな??」

 

「あぁ、おい準備しろ」

 

 

 

すると互いの組織からそのブツの専門家が前に出てきて、取引をするブツを確認するためにボスと護衛が共に敵本陣へと歩いていく。

 

それぞれがブツの前に立ち同時に確認を始める。

 

 

 

 

「……ほう、こいつが……」

 

「偽物…ってわけじゃなさそうだな」

 

 

 

 

偽物だと発言したボスはアタッシュケースの中から片手で掬えるだけのダイアモンドを取った。

それを鑑定家に見せて判断を仰ぐと「間違いありません」と返答が帰って来た。

残りのアタッシュケースも確認するようにと指示をだし、その場所から自分のトラックの方へ目をやる。

 

そこにはトラックの荷台から中型犬が何匹もいた。

いや、性格には()ではない。

 

 

体全体は金属で出来ており、背中には物騒な重火器がセットされている。

 

 

 

 

「D・628。

間違いなく生物科学兵器です」

 

「ご注文通りに熱感知器と自動追尾をつけている。

そして、ステルス機能も付けておいた。」

 

 

 

 

それを聞いたボスは微笑む。

このD・628は偵察犬として使うのだが、ただの犬ではなくこの一匹で相手の中枢を攻撃できる。

このステルス機能は周りの景色と同化することが出来る。

つまりは気づかれずに敵を壊滅に陥れることが出来る品物だ。

 

 

 

 

「これが制御装置だ」

 

「あぁ、いい取引が出来て良かったよ」

 

 

 

その制御装置が渡される瞬間、何処からか発砲音が聞こえたのと共にボスが持っていた制御装置が破壊された。

 

そしてその直後に今度は車のヘッドライトが破壊されていく。

すぐさま二つのマフィアは応戦するが何も出来ずに全てのヘッドライトが壊された。

 

 

暗闇の中、ボスの周りの部下が集まる。

そして残りの部下が周りを捜索しようとするが

 

 

 

 

「うわああああぁぁぁ!!」

 

「な、なんだ!!がああぁ!!」

 

「くそ!!くそ!!!」

 

 

 

 

暗闇で何が起きているのか見えないが間違いなく部下が次から次へと倒されていくのが分かる。

このまま何も出来ずに終わるわけがなく、1人の部下が電源を入れたのだろう、倉庫のライトがつき全体が光で露になった。

 

 

 

 

「なっ!!?」

 

「これは!!?」

 

 

 

二人のボスが目の当たりにしたのは自分達以外の部下が全て地に伏せていた光景だった。

そしていま、倉庫のライトをつけて戻ってきた部下があるものに倒された。

 

その者は見るからに子供であり、しかし明らかにこちら側の人間だと思わせる雰囲気を出していた。

 

 

 

 

「なんだ貴様は!!?」

 

「初めまして。

"S"というものなんですけど、分からないですよね。

なので「壊し屋」と言った方が分かると思いますが」

 

「テメェみたいなガキがあの壊し屋だと!!?」

 

 

 

 

「壊し屋」

ここ一年で急激に名前を上げた人物。

誰1人殺すことなく、しかし殺さなければという制約なのか酷いものは生きる気力もなくすほど()()()()()()と聞く。

 

そんな奴がいま目の前にいる。

そしてそんな奴があんなガキなんて……

 

 

 

 

「ふ、ふざけんなー!!」

 

 

 

 

懐に隠し持っていた拳銃を取りだし発砲する。

しかしその銃弾を最小限の動きで避ける"S"

それを見たボス二人は恐怖のあまり無闇に銃弾を放つ。

 

しかし一向に当たらない。

当たらないどころかどんどん近づいてくる。

 

 

 

 

「くそがぁ!!!」

 

「やれぇぇぇ!!

D・628!!!!」

 

 

 

どうやら声認証を仕込んでいたのだろう。

ボスの声で起動したD・268は10体

すぐに"S"の周りを囲み銃口を向ける

 

 

 

「殺せえええぇぇ!!!」

 

 

 

放たれようとした瞬間、静寂が広がった。

何が起きたのかと感じた時には全てが終わっていた。

D・268が次から次へと、まるで紙をハサミで切られたように真っ二つにされていた。

 

 

 

 

「なっ!!!?」

 

「こういう時色々教えてもらって良かったと思いますね」

 

 

 

"S"が持っていたのは鉄パイプ。

そう、それで切ったのだ。

D・268がその鉄パイプで切られた。

ただの鉄パイプで、切れるものではないのにだ。

 

 

 

 

「あ、ありえねぇ……」

 

「ありえない?

目の前に起きていることから逃げない方がいいですよ。

と、言っている暇はないですね」

 

「な、なにを、がっぁ!!!」

 

「おい、ぐっぁ!!!」

 

 

 

ボス二人の後ろにいつの間にかラルが来ており手刀で気絶させたのだが、何故かこちらを睨んでいる。

 

 

 

 

「ど、どうしましたか?」

 

「何故さっさと止めをささなかった?

この仕事に油断は死を招くぞ」

 

「す、すみません……」

 

「お前は強い。

だが心がまだまだ子供だ。

甘さを捨てろ、この世界でやっていくならな」

 

 

 

 

そういってラルはさっさとこの場から去っていった。

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「これが今回の報告書だ」

 

「おう。

で、どうだった"S"との仕事は?」

 

 

 

 

ラルは親方に報告書を持ってきたところだったのだが、何かを見透かされるかのように親方がニヤニヤと話しかけてくる。

 

 

 

 

「アイツの実力知っていたというわけか」

 

「まぁな。

一応アイツの仕事の管理をしてるからな」

 

「……なんだアイツは?

まだ実力を隠してあるだろうが、おそらく俺よりも上だぞ」

 

「ほう、ラルに言わせるほどかぁ~

……あれは天才だよ、それも間違いなく殺しのな」

 

「だが、まだ人を殺ったことないのだろう?」

 

「だからだろう。

たった一人で誰1人殺さずに仕事を終えるのは至難の技だ

それをやってのける、大したものだよ」

 

 

 

 

この一件から"S"の名は広がっていった。

とはいってもマフィアのごく一部だけだった。

しかしその名前が出れば一気に警戒レベルが引き上がるほどのになった。






ふむー。
やはり戦闘を書くのは苦手だ。
それにまだ思いっきりやってないからな。
早く更新して暴れさせたいな!!

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