これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

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"S"への依頼(仕事ぶり)

「さて、どうしようかな~」

 

 

 

ラルさんから離れて現場に近づいてきたのはいいのだが、何をしようかまだ決まっていなかった。

間違いなく武器の売買を押さえれば事は足りるだろう。

しかし出来るならここにいるマフィア全員を捕まえたい。

 

しかし一人の力では出来ないことは分かっている。

ここはラルさんの力を借りるべきなのだろうが、まずは僕の力を見せる必要がある。

 

ならいま降ろされているコンテナを押さえてみよう。

それも誰にも気づかずに押さえればいいだろう。

 

 

ということで、フードを更に深く被って積み立てられているコンテナが並ぶなかを歩いていると何処からか足音が聞こえてきた。

 

ならまずは……

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「そちら異常はないか?」

 

『異常なし』

 

『こちらも異常なし』

 

『異常な………』

 

 

 

コンテナを動かす操作室から無線を入れる男

しかし突然定期連絡が途切れた。

つまり何者かが侵入してきたことになる。

 

 

 

 

「誰かが侵入していた!!

警戒しろ!!」

 

 

 

 

しかし、さっきまで連絡していた者から返事がない。

まさか大きな組織が乗り込んできたのか?

そう感じ取った男はすぐさま撤退を図ろうとするが

 

 

 

 

「ダメですよ。

仕事から抜け出そうなんて。

それもこんな悪いことをして逃げられるとでも思っているんですか?」

 

「なっ!!!??」

 

 

 

突然目の前に男が現れた。

背の小さい、いや、子供だろう。

それがなんだ、なぜこんなところにいる?

そしてどうしてこんなに近づくまできづかなかったんだ?

 

 

 

「さて、まずはあのコンテナを下ろして中身を確認させてもいます。

そのあとそれが悪いことでしたら…」

 

「生意気言ってんじゃねえクソガキが!!!」

 

 

 

懐から取り出した拳銃をガキに向けたのだがそこには誰もいなかった。

そして次の瞬間には後頭部から衝撃がきて意識が…

 

 

 

 

「…くそが……」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

『すみません。

出来るだけ情報を聞き出そうとしたんですが…』

 

「……いや、こいつを押さえただけでも十分だ」

 

 

 

 

ラルの携帯に連絡をして操作室に来てもらった。

コンテナを操作するのは出来ないため来てもらうという理由もあったが気になることもあった。

 

 

 

 

『見張りの人数が少ない気がします。

コンテナにある武器も取引の一つだと考えるべきかとおもいまして』

 

「それはあり得る。

……"S"、貴様が取引するとして何をする?」

 

『見張りが割かれているのは別のことに必要ということです。

そして最近怪しい動きをしていて、武器の売買……』

 

 

 

 

もしかしてと思い"S"は男のポケットから携帯を取り出して何かを確認し始めた。

その様子を見ているラルは、

 

 

 

 

(さっきの動き……闇に紛れて分からなかった。

しかしまだまだ実力を隠していると見える……

……なら……)

 

『恐らく直接取引をしている。

それも現物を確認しないといけないほどヤバイものだと思います』

 

「同意だ。

その取引を阻止する。

さっきと同じように私が援護に回る。

"S"はその取引をぶち壊し主犯をぶっ潰せ」

 

 

 

 

これからが本番である。


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