これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

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フリマと生徒会長③

ああぁー!!いやだぁー!!

こんな大金を持つなんて予想してなかったから100円ショップにあるチャックのポーチしかないよ!!

まぁ金庫とかなくてももうちょっと防犯にかけたものを用意してたよ。

 

幸いにも僕のフリマは言ってしまえば客も寄り付かないものしか置いてないからいいものの、この大金を持っていると緊張してしまう。

 

とにかく落ち着かせるためにも深呼吸をしていると「すみません。」と声をかけられたので顔を向けてみると

 

 

 

 

「君は確か…黒川君だったね」

 

「どうも」

 

 

 

黒川 花

笹川 京子の友達であり、気が強い女の子。

いつも京子と一緒にいるイメージだったが、そういえば今日はハルと一緒だったなー

 

 

 

 

「黒田先輩、これ売れるんですか?」

 

「アハハ……売れないね~

笹川妹君と三浦君の商品は売れたんだけど」

 

「あっ、それ私のもあったんですよね。

赤いポーチあったと思うんですけど、買った後になんか私に合わないなーと思って使わなかったんですけど」

 

「あぁ、あれかい。

あれは真っ先に売れたよ。

なかなかのものだったけど良かったのかい?」

 

「そんな事をいうと何か奢って貰いますよ。

最近別に欲しいポーチ見つけたんで」

 

「それは勘弁してほしいね」

 

 

 

いまなら余裕で買えるお金持っているからね。

いや、買わないけどね。

しかし、黒川 花はこんなにも喋るやつだったのか?

本編ではそこそこ話していたイメージはあったけど、異性に対してもこんなに話していたっけ?

 

あっ、大人ランボの時は積極的だったなそういえば。

 

 

 

 

「そういえば黒田先輩。

京子に手伝ってもらっていたんですよね。

ここにいないってことは他のフリマを見に行ったんですか?」

 

「そうだね。

この商品を売る…ことが出来るか分からないからね。

二人にはフリマを楽しんでもらうことにしたんだよ」

 

「へぇー

先輩って真面目だから終わるまでキッチリと、なんてイメージだったんですけどね」

 

「そこまで酷いものじゃないよ」

 

 

 

そんなにキッチリしていたイメージだったのか…

まぁ、生徒会長していたらそういう風に思われるだろうなー

それからちょっと話したあと黒川は「それじゃ京子を探しにいきますね」と律儀に行き先を言ってから離れていった。

 

まぁ売り物を提供してくれた黒川が買ってくれるとは思っていなかったが、こう人がいなくなると「これはヤバい」と痛感してしまう。

 

最終的に売れ残ったのは僕が引き取ることになるのだが……これ、どうしろうというのだ??

 

 

はぁ、と考えていると複数のチャラチャラした男達が近づいてきた。

あら~これはもしかして……

 

 

 

「なんだよここは!?

ゴミばっかりじゃねえか!!」

 

「じゃここはゴミ捨て場でいいってわけか!!」

 

「だったらほらやるぜ!!」

 

 

 

そういって飲みかけのコーヒー缶を品物に向けて投げた。缶に残っていたコーヒーが溢れてゲーム機や野球ボールが濡れてしまった。

 

 

 

「なぁなぁ、売るならこのゴミも一緒に売ってくれよ!!」

 

「売れたら金はやるよ!!

売れたらだけどなアハハハハハハ!!!!」

 

 

 

そうかい、そうかい。

………うん。ぶちギレていいよね♪

立ち上がり攻撃体勢に入ろうとしたら不良の一人が蹴り飛ばされた。

なんだと思い見上げてみると、

 

 

 

「人の売り物に何しやがるテメェら!!」

 

「これは流石に、許せねえな」

 

「ちょっと獄寺君、山本!!!」

 

 

 

自分達が預けた品物が存外に扱われたことに腹を立てているようだが、ツナはこんなことがあってもまずは仲間を思いやるところが相変わらず優しい。

 

そんな事を考えていると獄寺・山本と不良達がバチバチとにらみ合いが始まっており、ツナに関してはオロオロしており何とも情けない様子だった。

 

 

 

 

「テメェら覚悟は出来てるんだろうな‼」

 

「ぶっ潰してやるよ!!!」

 

 

 

今にでも始まりそうな喧嘩をどうしようかと考える僕。

いや獄寺や山本がやるなら任せてもいいかもしれないが、生徒会長としては見逃せないところである。

しかしさっきは自分から手を出そうとしたわけだから言い訳できないところもある。

 

などと考えているとすでに喧嘩が始まっていたと。

 

もちろんそこら辺の不良なら二人が負けるわけはなかったのだが、しかし応援を呼んだのだろうどんどん不良が集まってくる。

 

 

 

この騒ぎに周りもざわつき始めた。

ヤバい!ヤバい!!

このままだとフリマがヤバい!!

せっかくここまでやって来たのに終わらせるなんて‼

 

 

…………ああ~もう~!!

ここで出すつもりはなかったのに!!!

これはまだ後の話で出す予定だったのに!!!

 

影から、闇から、"S"を出そうと思っていたところで助け船が現れた。

 

 

 

 

「何してるんだツナ??」

 

「ディーノさん!!」

 

 

 

 

始めはなんだこの優男はと思っていた不良達だが、その後ろに控えている本場のマフィアの姿を見てどんどんこの場から逃げるように離れていった。

 

助かったことには変わりはないけど、やっぱりマフィアはマフィアなんだなーと痛感してしまう。

 

そして僕もその一人。

()()()()()入ったとはいえやっぱり「裏」というのはそういうものだと実感してしまう。

それでもこうして普通にいられるのは()()()のお陰なのか?

それともこうして今のように笑い合えているツナ達がいるお陰なのか?

 

 

 

 

「なんだったんだアイツらは?」

 

「ディーノさんが来てもらって助かりました」

 

「おぉ、そうなのか!」

 

「はい、だから早くその部下の方達を連れて帰ってください。

フリマに来ているお客様が怖がってますので♪」

 

「めっちゃ良い笑顔で酷いこと言ってるううぅ!!!」

 

 

 

 

はい!もう、終わり終わり!!

こんなところでフリマを続けられるか!!!

この50万円は迷惑代としてフリマにきた人に分配しないといけないなー


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