これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

14 / 27
"S"の始まり。(そう、こうして始まった)

「えぇーと……お世話になりました?」

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

何で疑問系だテメェは!!?」

 

「間違いなくお世話になりましたが、僕は拉致にあってましたので正直に感謝できないんですよね」

 

「言うようになったなクソガキが……」

 

「皆さんにもありがとうございましたといっておいてください」

 

 

 

三日が過ぎて僕は拉致された場所にいる。

スクアーロさんに送ってもらいとりあえず感謝を述べるつもりだったが、拉致は拉致だったので素直に感謝しきれなかった。

 

他の皆さんは仕事や面倒くさいと理由で来ていない。

 

 

 

 

「……もう一度聞くぞ。

ヴァリアーに入るつもりはねえのか?」

 

「すみません。

いつか会えたときにこの恩を……返すものありませんよね?」

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

ぶっ殺すぞテメエエエェェェ!!!!」

 

「嘘ですよ嘘。

まぁ、僕に出来ることで返しますので勘弁してください」

 

「………チィッ。さっさといけ」

 

 

 

 

これ以上引っ張ると本当に殺されかねないと思いそそくさとその場を離れた。

僕的にはもっと迫ってきて強制的にヴァリアーに入れられると思ったけど勘違いだったのかな?

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「…良かったのかよボス。

あのガキ、このまま育てれば間違いなく……」

 

「ウルセェ。

…あの目は、こっち()に染まることはねえ。

下手したら、こっち()を飲み込もうとするかもしれねえ」

 

「厄介な奴を、育てたってわけか……」

 

「だが邪魔するような何であれカッ消す!!!!」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

なんか不吉なものを感じながら僕は両親と一緒に日本へ戻った。

戻ると同時に両親はまた仕事で家を留守にすることになった。

 

 

でも僕にとって都合がよかった。

スクアーロ達から教えてもらったものを復習して、それから自分がやり易いように組み替えていく。

 

それでもマトモに使えるようになったのは3ヶ月後

それから僕はある行動をとるようになった。

いきなり表から裏に入るのは難しい。

 

僕は表の世界、まぁ日常ではなかなかの有名人である。

並盛なら知らない人はいない。

近所でも名前を聞けば誰もが分かる。

全国なら成績優秀者として名が広がっている。

 

 

そんな僕が表から裏にいくのは難しい。

だから僕ではなく「影」を使うことにした。

 

 

といってもただ決まった黒いパーカーを着て深いフードを被って素顔を見せないようにするだけ。

会話は書いたり、携帯で打ったりして喋らないようにすればバレないだろうとやったが見事にバレなかった。

 

 

裏に潜るために僕がやることは粛清だった。

といっても、まずは地元の不良の喧嘩を止めたりして少しずつ規模を大きくして次にヤクザに手を伸ばす。

流石にヤクザは骨が折れたがスクアーロさん達の訓練を思い出せば楽だった。

 

それに僕には人を見つけることも隠れるのも得意である。

 

これをフルに使いヤクザからやっとマフィアに手を伸ばすことになった。

この時点で一年が経過してしまったがやっとたどり着いた。

 

 

ヴァリアーに入れば簡単だったかもしれないが、それでは僕が助ける意味がない。

自己満足、本当に人を助けるためなら、人の手を借りてでも助けるべき。

僕も何度も考えたし迷った。

 

 

だけど僕はアリアさんに約束したから。

二人を幸せにするために。

 

 

それだけを心の支えにしてマフィアに潜り込み、情報を手に入れるために頑張った。

頑張ったといっても殺しはしない。

そんな事をしたら精神的にヤバいし、やる気もない。

だから僕には「壊す」ことにした。

それは肉体的に、精神的に、壊しまくった。

こっちのほうが情報が入りやすい。

 

 

簡単にいうと拷問的なことをしてました。ハイ。

 

 

しかしやり過ぎた。

色んな組織が僕を殺すために一致団結するほどに。

もう殺されるのかと諦めたとき、

 

 

 

 

「大丈夫か若いの」

 

「は、はい……」

 

「ったく、無理したな。

しかし噂には聞いていたがこんな若いやつとはな…

おい、オルガノ。こいつうちの倅と同じぐらいだぜ」

 

 

 

思わず返事してしまったがそれからは無口で通すことにした。

どうやらこの人達は前から僕を探していたようである。

マフィアのなかでも噂になっている「壊し屋」

マフィア界ではどうしても殺さないといけないことがある。

それを殺さずにマフィアを解体した僕の腕がほしくて探していたようだ。

 

 

 

だけど僕にマフィアに入るつもりはない。

 

 

 

「ならよ、名前だけでも入らねえか??

後ろ楯があると何かと便利だぞ」

 

 

 

それは確かに魅力的な話だった。

だから僕はこのマフィアにボンゴレに入ることにした。

そしてボンゴレに入った名は"S"(シャドウ)

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「………う……うん……

………寝ていたのか……」

 

 

 

珍しく睡魔に襲われていつの間にか寝ていたようだ。

リボーンにボンゴレに僕と"S"が繋がっていることが知られてしまい気を張っていたがそれから特に何もなかった。

 

今日は体育祭があり、特に棒倒しが盛り上がった

その中心にいたのが沢田 綱吉

本格的に大変になってきたなーと思いながら見守っていた。

そして後片付けをして終わらせたい書類を終わらせたとき一気に疲れが来たようで寝てしまった。

 

 

周りを見渡せばもう暗くなろうとしている。

そしてここにはいないはずの人物がコーヒーを飲んでいることに気づいた。

 

 

 

 

「……いるなら起こしてくれて良かったんだけどな」

 

「ぐっすり寝てたからな。

こっちはコーヒーを飲みに来ただけだ。

起こす必要はねぇと思っただけだ」

 

 

 

 

相変わらずクールだね。

お陰さまでゆっくり寝れたから文句もなにもないけど。

帰る準備をしようと立ち上がりバックに書類を入れていると

 

 

 

「……光明と"S"はどんな関係なんだ?」

 

「やっぱり用事があったんですね」

 

「いま思い出しただけだ。

答えたくないならそれでもいい」

 

 

 

 

それでも後に聞くんですよね~

それなら誰もいない、二人だけの時に話したほうがいいかー

しかし……

 

 

 

「ならまた今度ということで」

 

「そうか。話す気はあるんだな」

 

「話さないとずっと聞いてくるだろうからね」

 

 

 

まだ話さない方がいいだろう。

ここで話したら後々が面倒くさくなるから。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。