ヤバい、ホテルに帰りたい。
だけどこんな濃い人達からどう逃げたらいいわけ?
知っている人がいたら教えてよマジで!!
「……ごめんなさい。
……三日前にきたばかりなので……」
「あら?そうなの」
「さっさと行くぞ!!!」
意外に簡単に去っていく濃い人達
まだ絡まれるかと思っていたけど良かった~
これ以上何も起きて欲しくないと考えた光明は濃い人達とは反対の方向へ歩くことにした。
すこしでも関わらないようにと離れるように歩くことにしたのだ。
しかしキョロキョロしていたとはいえ人に当たるなんてな~
普段はよそ見しながら歩いても
それがまさかぶつかるなんて……
調子が悪かったのかな?
それとも何かしらの力が働いたのか?
そんなわけないと言い聞かせて高級店が並ぶ通りの近くを歩いていると
「んなもんが食えるかあぁ!!!!!」
「ヒイイィィィィ!!!!」
めちゃくちゃ高級なお店から料理長が泣きながら出てきた。
すでにそのお店は半壊しており、その周りのお店も同じようになっている。
あぁ~…………嫌な感じだな~
………回れ右だね、うん。
すると不味いことに料理長と目があった。
えっ、なにその助けてくれ的な眼差しは。
僕はまだ小学生……
「助けてくれえええぇ~!!!」
「来たあああぁ!!?」
そこ大人のプライドないの!?
一気に四足走行で近づいて足に掴まり助けを乞う。
いやそんな救いの神的な目で見てもどうしよう出来ませんけど‼
「き、君のような子供ならあの方の耳に言葉が届くはずだ!
頼む!!暴れないでくれと言ってくれ~!!!!!」
「そ、そんなこと言っても……」
「頼むよおおおぉ!!
このままだと殺されるうううぅ!!!」
いままさに自分で社会的に殺してますよ、自分を。
本当にどうしようかと考えているとお店から爆音と共に誰かが出来てた。
そしてその人には見覚えがあった。
いや、嘘でしょう。そんな偶然あるわけがない。
でもあのいかにも世の中の全てに噛みつきそうな怖い表情は
「この店はマトモな料理を出せねえのか、あ"ぁ!!?
」
(濃い人達が探しいた人、見つけちゃた~!!!)
マジですか?
こんな奇跡あり得るんですか?
だってこんなに近くにいて見つからないってあるの?
あるとしてもなんで僕が引き当てるかな⁉
そんな事を考えている間にもその人はこっちに近づいてくる。
そして料理長は更に怯える。
痛い!痛い!!握りすぎだから!!!
「ざ、XANXUS様……
……どうかおゆ……」
「喋るなカスが」
「ガフッ!!!」
容赦ねえええぇ~!!!
蹴りを一撃、顔面に入れたよこの人。
……XANXUSさん、か………
濃い人達、この人を探してたの!!?
いや間違いなく纏まりのないメンバーですよね!!!
「……なんだガキが……」
「え、えぇ~と……」
「失せろ!」
えええぇ!!!?
それはすぐにでも立ち去りたいけどそういうわけにはいかないのですよ。
だって……知ったのだから、会ったのだから、言わないといけないよね~……
…………ハァ~
「……長髪の…え~と、スクアーロさんですかね」
「!!?」
「その人が、その人達ですか、あの貴方のことを探してましたけど……」
するといきなり僕の胸ぐらを掴み持ち上げた。
こ、これ!!殴られるのー!!?
ヤバいと目を瞑るが何も起きない。別に
「案内しろガキ」
「えっ!?
いや、いま何処にいるかは分からな……くはないですけど……」
「さっさとしろ!!カッ消すぞ!!!?」
消さないで!!!
貴方がいうとマジになりますから止めて!!!
「…あっち…です」
「チィッ」
何に舌打ちされたの?
というか僕の体勢はこのままなわけ?
人間ダウジングですか僕は!!?
…………………………
何度もいうが僕はかくれんぼが得意だ。
それは最近気づいた
「本当にこっちであってるのかガキ」
「そうですね…大丈夫だと思いますけど……」
またチィッと舌打ちをしてくるXANXUSさん。
いや怒るなら案内させなければいいのに……
とにかく僕は人混みや建物が多い街の中を
きっとこれは僕しか見えないだろうな~
その目印がハッキリと見えたところで、探していた人達が見えた。
「いました。あそこにいますよ」
「……いたか…チィッ…」
あれ、信じてなかったのかな?
これ見つからなかったら消されてたのはマジだったパターンだったのかよ。
でも僕は人を探すのなら自信がある。
何故なら目印は、人固有のオーラが見えるからだ。
例えばこの人、XANXUSさんは赤黒く地獄の炎みたいなオーラ。
今回探したのはスクアーロさんのこれまた黒に近い青いオーラ。
人によってオーラの色・大きさが違う。
一度見て意識すればその人のオーラが見える。
これを利用してスクアーロさん会ったときにオーラを確認していたけどかなりの大きさ。
いえば30階ビルぐらい。
XANXUSさんはさらにヤバい。50階です。
こんなオーラ見たことないよ!!?
とにかく、これで探せます。
ハァー、見つかって良かった~。
「……おいガキ、こっちにいつまでいやがる」
「えっ、……えーと、両親が帰ってくるのが三日後なのでそれから次の日にぐらいには…って!!?」
するといきなりXANXUSさんがまるで野球ボールを投げるかの如く、まったくの遠慮なしでスクアーロさん達に向けて投げ飛ばした。
「ヒイイィィィィエエエェェェ!!!!」
「なっ!?ガキって、うおっ!!?」
見事にキャッチしてくれたお陰で怪我をすることはなかったが……し、死ぬ……
「なにしやが」
「三日だ。今日三日以内に使えるものにしろ」
「使えるって……このガキをか!!?」
「俺は帰る」
何か勝手に話を進めてこの場を去っていくXANXUSさん。
うん??あれこれはどういう流れなのかな?
「うわぁーボスに捕まるなんてツイてねなー」
「なぜボスはこんなガキに!!?」
「少なくとも暑苦しいよりはいいわよ~」
「……僕には関係ないよ……」
あ、あれ~??
なんか嫌な予感がバシバシしているのですが……
ゆっくりと僕を抱えているスクアーロさんに視線を向けると……
「諦めろガキ」
「あ、あははははは……」
逃げたくともどうしようもない。
……父さん、母さん。
生きて帰ってきたら……2度とイタリアに来ないことを誓わせるから覚悟してね。