これは並盛中生徒会長の日常である。   作:ガイドライン

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"S"の始まり。(濃い人達に出会いました)

さて"S"が出てきたという事で説明をしないといけないだろう。

 

これは約五年前に遡る。

まだ自分が転生者だと思い出す前の話。

そしてこれが「リボーン」という世界にどっぷり浸かることになったキッカケとなるお話である。

 

 

そうですね。

まずはどうして"裏の世界"に関わることになったのか話しましょう。

 

 

あれは突然のことだった。

いつも家にいない両親が珍しく家にいたことから始まった。

 

 

 

 

「イタリアに行こう」

 

「えーと……そんなお店はここにはないよ父さん」

 

「何をしてるんだ光明。

ネット調べてもあるわけないだろ」

 

「それなら何処にいくの?」

 

「だからイタリアだよ。イタリア」

 

 

 

ここでやっと言っている意味が分かった。

分かったけどそんなコンビニに行こうみたいな簡単な感じで言われても分かるわけがない。

 

 

 

「どうしてイタリアに??」

 

「お母さんが行きたいというから」

 

「母さん、イタリアに行きたいの?」

 

「そうね~ピザが食べたいの~」

 

「いま食べてるよね」

 

「本格的なものを食べたいのよ~」

 

「外に釜戸作って焼いてのに?

その釜戸僕が作ったのに?」

 

「ゴメンね光明。

お母さん、()()()()()()食べたいの~」

 

 

 

ちょっと。

1日係りで作ったピザ専用の釜戸が無駄になるの?

母さんが食べたいって、久しぶりの休みに言っていた事を思い出して親孝行と思い、頑張って作ったのに?

 

 

 

「確かに光明が作った釜戸で出来るピザはウマイ。

だが、現地でしか味わえない味があると気づいたんだ」

 

「そうなのよ。

光明が釜戸を作ってくれなかったら分からなかったわ~」

 

 

 

分からないままのほうが良かったような……

と思ってしまう僕は悪い子だろうか?

とにかく両親が言い出したらもう梃子でも動かない。

 

 

 

「じゃピザを食べにイタリアに行くんだね。

いつ頃行くの?」

 

「明日」

 

「本当にコンビニに行く感覚だったの!?」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

着いてしまいましたイタリアに。

まぁ、海外旅行はいま始まった訳ではない。

いつも家にいない両親、海外での仕事が主なのだ。

小さいころは両親と一緒に海外を回っていたが去年から一人で日本に滞在することになった。

 

当時小学5年生なのに一人で大丈夫なのか?

答えは"大丈夫"である。

 

さっきも言ったが基本的に両親は家にいない。

確かに寂しいかった。でもそれどころではなかった。

詳しいことはまた今度話さすが両親の仕事がら良く家に人が来る。

その人の対応したり家事をしたり学校に行ったりとなんやかんやとやっていると寂しいという感覚はいつの間にか()()()()()()()

 

 

ということでこうやって家族と団欒はとても楽しい。

しかし楽しいことはすぐ終わる。何故なら、

 

 

 

「それじゃお父さんとお母さんは出掛けてくるよ」

 

「お土産楽しみしててね」

 

「……いってらっしゃい」

 

 

 

 

海外で子供を一人にしないで。

恋人感覚を味わいたいのは分かるけど海外はやめて。

行かないで、と説得をくるが「光明なら大丈夫大丈夫」と信頼してもらえるのは嬉しいけど、親としてどうよ?と思う。いやマジで。

 

 

と考えている内に両親は出掛けていった。

ホテルに一人。うわぁーどうしようー

 

帰ってくるのは一週間後

夏休みをフルに利用しているため伸びる可能性がある。

まぁ、お金も十分にあるからいいけど……

 

 

 

 

「……出掛けようかな……」

 

 

 

必要な分だけお金を持って外に出かける。

最低限の英会話は出来るから大丈夫だろう。

レストランとかは入れないけど露店なら「あそこに親がいて買ってきてと頼まれた」といえば大抵は問題ない。

それに一目の多い観光地に向かえば襲われることも少ない。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

前にも話したが僕はかくれんぼが得意だ。

まだ能力の事をしないがすでにその一端を使っていた。

 

 

僕が鬼になったとき、まるで手に取るように何処に誰が隠れているのかが分かった。

そして隠れるほうに回るとまるで闇に溶け込むかのようにすぐそばを通りすぎても誰も気づかなかった。

 

まるで光のように誰にでも照らしだして、闇のように深くその色に染まり隠れる。

 

 

つまりは闇の炎の副作用的なものを使えばヤバい人達に見つかることはない。

当時はよく分からずに、でも便利だなーと普通に使っていた。

念のためにパーカーのフードを被って出来るだけ顔を見られないようにしている。

 

 

 

そうやって観光を楽しみながら三日目

さて、今日は何処に行こうかなーと思って街の中をキョロキョロと歩いていると人にぶつかってしまった。

 

 

 

「うおおおぉい!!!!

どこ見てんだガキがあああぁ!!」

 

「……すみませんでした。

(あれ?日本語?)」

 

 

 

僕が日本人だと分かって日本語を使ってくれた?

明らかにこの長髪の人は外国人だよねー

ということは、怒っているフリして気を使ってくれる。

 

 

 

「何してんだよスクアーロ」

 

「このガキがぶつかって来やがったんだ」

 

「あら、可愛い子ね~」

 

「ガキは嫌いだよ。

さっさとボスを探さないといけないんだからとっと行くよ」

 

「ボス~!!ボスは何処へ~!!!」

 

 

 

な、なんだこの人達……

 

 

・長髪の目付きの悪い人

・高圧的なティアラを付けた人

・サングラスのオカマの人

・ガキといっているがお前は赤ん坊

・ただキモい人

 

 

こ、こ、個性が強すぎる……

向こうも僕に構っている暇はないようだからさっさと去っていこうとしたら

 

 

 

「ねぇボウヤ。この人知らない~」

 

「ルッスリーア!!

ガキになに聞いてるんだあああぁ!!!」

 

「だって全然見つからないのよ~

こうやって会ったのも何かの縁、聞いてみてもいいじゃない~」

 

「んな暇があったらさっさと探せえええぇ!!!」

 

 

 

文句を言いながらオカマの人に、ルッスリーアさんという人に斬りかかるスクアーロという人

 

……えっ、文句があると斬りかかるの?

当たったら死んじゃうよ。

その攻撃を避けながらルッスリーアさんは僕に写真を見せる

 

 

 

「この人なんだけどね。

完全なオレオレで自分の我が通らないとすぐ切れちゃう人なんだけど見てないかしら」

 

(なにその切れ味がよすぎて、触るものを片っ端から切り裂く刃物みたいな人は!!?)

 

「ついでにいうとA5ランクのフィレ肉を用意したんだけどね、サーロインが食べたいってゴネちゃってね」

 

(ゴネる理由の内容物が高過ぎる!!)

 

「でもサーロインがホテルになかったと言ったら暴れまわってね。

もう荒れちゃって荒れちゃって……」

 

 

 

こんなことを話ながら未だに攻撃を避けている。

そして他の人達はニヤニヤと楽しそうにしている。

この人達、やっぱりおかしいよ。マジで。

 

 

 

「で、いつの間にかいなくなってね~

帰ってくるだろうと思っていたんだけどもう1ヶ月帰ってきてなくて……」

 

「いっ、1ヶ月!!?」

 

 

 

やっぱりおかしいよ。ではなく間違いなくおかしい。


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