「会長!おはようございます‼」
「おはよう。もうすぐチャイム鳴るから急いで」
「はーい」
ここは並盛中学校。
そしてその門に佇んでいるのはこの並盛中の生徒会長
「や、ヤバい!!遅刻だぁー!!!」
「また君か沢田君。はい、あと十秒」
「えぇ!!ちょっとタンマ!!!」
「待った無しだよー
はい、あと6.5.4.3.2.1…0」
0と数え終わった後に学校の敷地内に入った沢田 綱吉は、はぁはぁと息を切らしながらその場に座り込んだ。
「あとちょっとだったのに……」
「毎度毎度良く遅刻するねー。今度から僕が迎えに来ようか?朝の5時だけど」
「そんな早く起きてなにしてるんですかぁー!!」
「うん?学校内の清掃だよ。
どういうことか清掃をやり初めてから雲雀君が大人しくなった気がするんだけどどう思う??」
「い、いや、雲雀さんとあったことないので……」
「それもそうか!
遅刻はするけど不良じゃない沢田君には雲雀君とは無縁か!!」
アハハ!!と笑う生徒会長に沢田 綱吉も苦笑いをする。
すると何処から飛んできたのか小さなパラグライダーが沢田 綱吉に向かって来た。
そして操縦士はパラグライダーを乗り捨てて思いっきり沢田 綱吉の頬にキックを喰らわせた後に上手く空中回転しながら生徒会長の肩に止まった。
「ちゃおっス」
「久しぶりだね家庭教師君。
あまり沢田君にスパルタはしないようにね」
「それは出来ねぇ相談だな。
ツナにはコレくらいしねぇと分からねえからな」
「そうだとしても体と心に刻み付ける教えはトラウマになるからね、やり過ぎには注意ということだけは聞いてくれないかな?」
「………まぁ、光明には美味しいエスプレッソをご馳走になってるからな。考えてやってもいいぞ」
「あのリボーンが提案を聞いたぁー!?」
地面に転がっていた沢田 綱吉はかなり驚いた表情でリボーンを見ている。そしてその言葉が気に入らなかったのかリボーンはもう一度沢田 綱吉に蹴りをお見舞いした。
「おいおい、言っているそばから……」
「コーヒー一杯に付き考える時間を1秒伸ばしてやる」
「それなら是非生徒会長室においでよ
あそこならコーヒー何杯でも飲んでいいよ」
「光明の入れたコーヒーしか飲まねえし、カウントしねえぞ」
「なるほど、沢田君に対するスパルタ教育を考え直す時間は僕のコーヒーにかかっているのか……」
するとまるで小さな子供が親にオモチャを買ってとお願いするように沢田 綱吉は足にしがみつきながら
「会長!!お願いですからリボーンに何十杯、何百杯のコーヒーを入れてくださいー!!!」
「必死だね沢田君。
まぁ僕にも授業があるし朝一杯、昼一杯、夕方二杯が限度かな」
「良かったじゃねぇかツナ。4秒だけ考えてやるぞ」
「4秒じゃ何も出来ないよ!!!!」
こんな感じの日常を送っている生徒会長
二年生でありながら生徒会長であるが、すでに一年生から生徒会長になった云わば生徒会長の中の生徒会長である。
そんな生徒会長さんは誰にも知らない秘密が
一つは転生者である。
もうどんな死に方をしたのか忘れたがこの「家庭教師ヒットマンREBORN!」という世界に来たことは分かった。
それもつい最近のことであり、その時に特典ももらったということも思い出したのだがそれはまた後で話そう。
とにかく思い出した時にはすでにガッツリとこの世界の関係者に関わったいた。
ここでは多くは語らないが、すでにこの
転生をもっと早く思い出したら関わることはしなかった。僕は本編に登場せずにモブでありその様子を見守る存在で在りたかった。
しかし僕というなのバグはすでに色んな重要人物に接触して確実に本編を盛大に崩しに入ったいた。
どうして一般の生徒会長がそんな重要人物に接触したかだって?
そうこれが僕の誰にも知らない秘密の二つ目である。
さっき言った通り転生であることはつい最近思い出したのだが、特典については
つまりは、転生ということは思い出せないまま特典を使ったいたことになる。
この特典に気づいたのは約5年前
小学校でかくれんぼしていたときに気づいた。
僕が鬼になったとき、まるで手に取るように何処に誰が隠れているのかが分かった。
そして隠れるほうに回るとまるで闇に溶け込むかのようにすぐそばを通りすぎても誰も気づかなかった。
まるで光のように誰にでも照らしだして、闇のように深くその色に染まり隠れる
光と闇
そうコレが僕の特典だった。
恐らく沢田 綱吉、もう面倒くさいから回想はツナと呼ぶが、ツナのような大空の属性を持つように僕には「光と闇」の属性が付いたようだ。
どうして2つかというと
「光」があれば「闇」がある。
「闇」があれば「光」がある。
つまり表裏一体、この光と闇は2つで1つということだ。
こうして特典だと知らずに僕はこの力を有効活用することにした。
それは小学6年生になった頃の話であり、僕は
まずは「光」
「あらゆるものを光で照らす」ということはいわばリーダー的な存在になれるということ。
自慢ではないが、自慢に聞こえるだろうが、自分は優秀な人物だと自負している。
だから色んな分野でそのリーダー格を発揮して回った。
面白い位に誰もが僕を尊敬して敬ったいた。
しかしそれはあくまでも「表」の話である。
そうこの世界は確実に「裏」がある。
その裏側には僕の「光」は届かなかった。
なら染まってしまえばいい、この「闇」で。
闇は「暗闇に溶け込み気づかれることなく事を終わらせる」ことが出来る。
まさしく「闇」であるこの力を使って誰にも気づかれることなく確実に裏社会に影響を与えていった。
流石に暗殺は出来なかったが、暗殺しなくてもその人の心に深い闇を与えることは出来た。
もちろんこんな事をすれば裏社会の人達も黙ってはいなかったため僕はそんな裏社会でも安心出来るだろう組織に手を貸してもらうことにした。
そう、それがボンゴレファミリーだった。
手を貸してもらうといっても「ボンゴレ」という後ろ楯が欲しかっただけであり、「闇」の力でフードを被れば顔は絶対に見られないから姿も見せていない。
こうして姿を見られた訳ではないがガッツリと裏社会に溶け込んだ僕は重要人物に接触しまくり、ついにはこの世界の秘密を知る人物まで出会ってしまった。
まぁ、どうやらこの地球上で三人目だったことの確認に来たと言っていたけど、いま思えば僕は相当スゴい人物だと理解した。
なので、転生者だと思い出したときにはかなりビックリした。
ビックリしすぎて一週間寝込み続けてしまった。
そして持ち直したときにはある考えが浮かんでいた。
ここまで来たら全力で関わって最高のエンディングを迎えてやるよ!!と。
ということでツナの成長の為には必要なこと以外でハッピーエンドにするために色々と走り回った、それはもう世界をぐるぐると回った。
そして今に至る。
色々と省いたがそこは今から訪れる日常の中で明らかになるだろう。
そうなるように僕が仕込んだのだから。
「まぁ、頑張るんだ沢田君」
「見捨てないでください会長!!」
「情けねぇ声を出すんじゃねえダメツナ」
見捨てはしないよ。
だって僕は君を照らす「光」であり、君に襲いかかるものを飲み込む「闇」なんだから。