二度目の召喚はクラスごと~初代勇者の防衛戦~ 作:クラリオン
一週間以上遅れてしまいました。テストとレポート重なったときの忙しさ舐めてました。次からちゃんと書き溜めしておくことにします。
そんなわけで最新話です、どうぞ!
一隊をあっさり殲滅し、その後も全部で五隊をしのいだところで交代である。
二番目は<剣聖>水山と<槍術師>田中の二枚壁に遊撃・偵察で<暗殺者>
一隊目をしのいだ所でわかった。先ほどのチームと異なり、こちらのチームは危うい。今は相手が低級だから後衛と遊撃がカバーできている、といった感じだ。
前衛二人が競って前に出ようとして結果として互いに互いの動きを邪魔している。鳴川と下原が奮戦して削り、それでも危ないところは加藤がカバーしているのでどうにかなっているといったところだろうか。こちらの連携は下原と加藤が声を出し合っている。鳴川は職業が職業なので出すわけにもいかないか。
まあ本来なら前衛二人の動きは正しいのだが、ここは洞窟。先ほどの篠原チームの動きでもわかるが、剣を持つ前衛一人でもどうにか出来る程度の広さ。逆に言えば、そこで槍をぶん回せるわけがない。いやぶん回せる広さはあるが、二人並べば無理だ。
だからここはどちらかが前に……理想を言うなら槍が後ろに下がるのが望ましい。後で聞かれたらそう言おう。
こちら側は三隊ほど凌いだ所で時間の問題で交代。
三番目のチームは<騎士>
取り立てて言うほどのミスも無い。かなり分業されていたのは少し驚いたが。
後衛・遊撃と前衛で担当を完全に分けている。前衛は太刀山が攻撃を引き付け、二人連続で一撃ずつ入れることで確実に屠る。後衛・遊撃も魔法を叩き込んだ相手に皆本が一撃離脱を入れそのまま別の奴にも一撃、直後に魔法でとどめを刺す、という感じ。
問題はないが、今回のコンセプトから考えるならできればもう少し前後でも連携を組んでほしい。いや、まあ即興で合わせろというのがそもそも難題ではあったけれど。
ここも五隊ほど凌いでお仕舞い、一巡したので、<賢者>の思考タイム。
全般的に見てやはり前後、特に楯役と魔法職の連携が不安な気がする。あ、二番目は論外。
一応擁護するなら、二番目のチームはほかのチームと違う点がいくつかあるので少々連携しにくい、とは言っておこう。
まず後衛の負担が大きい。魔法を撃てるのが下原だけなのでその分魔法の援護が途切れがちだ。そして前衛の片方である田中のリーチが少し長いので他に比べ前衛同士で協力しづらい。
なのに二人そろって協調性を見せないせいで互いが互いの邪魔をして、連携とかとてもできない。あの二人をそのままにしたら大惨事を招く。
篠原のチームが一番単純だ。<勇者>が唯一の前衛で攻撃・ヘイトを集め、他の四人はそれを削ればよかった。
三番目のチームも似たような感じだ。役割分担もしっかりできていてそれが機能している。
それに比べ、二番目のチームはかなりばらばらだ。これがもっと広い戦場であればおそらく二番目のチームもより活躍できただろう、というか前衛の数的には一番活躍できたはずだ。采配ミスというよりは戦場が悪い……いや、それも一種の采配ミスか。
難しいな。人数が多いとこんな弊害もあるのか。
一巡したので、先ほど言っていた通り、メンバーを入れ替えた。桑原と水山を入れ替えて、再び篠原チームから。この入れ替えは納得である。桑原は相手に合わせるのがうまいから田中のカバーもしてくれるだろう。一方で太刀山なら得物は剣なので水山も先ほどのように互いに邪魔になるようなことはないはずだ。現状ではベストの選択のはず。
二巡目、篠原チームは先ほどと同じように、そつなく連携をこなしていた。まあ相手がわかっていてちゃんと嵌め殺し出来るなら構わないんだけど。四隊撃破で交代。
二番目、問題のチーム。こちらはやはり桑原を加えた事が功を奏したようだ。田中が槍をぶん回して桑原と鳴川が取りこぼしを確実に仕留め、空いた隙間を通すように<光槍>が後続をまとめて貫きそれでも残った敵は傀儡が始末。ただ時々、槍が桑原を掠っているのはやはり剣との間合いの差のせいか。
だがまあ全体的に見て、さっきよりははるかにマシだ。こちらも四隊撃破で交代。
三番目。二番目がまともになった代わりこちらが少し崩れた。
幸い予想していたのか、太刀山がすぐ補助に回ったので最初の二番目ほど悲惨な事にはならなかった。何かなぁ、水山と田中はやっぱり楯役じゃなくて近接アタッカーなんだよな。でも楯の立ち回りも覚えてもらわないと。
四隊撃破で交代。
現状上手く回ってるのは、二番目三番目で楯役になってる桑原と太刀山が完全に受動で動いているのと相手が弱すぎるからだ。相手が強くなった時の事を考えると、できれば楯がいる事を前提に立ち回れるようになっていただきたい。
全般的に見れば最初よりはマシだったので、編成は変えないまま行くとのこと。
さらに一巡したところで、一番奥に着いた。そういえば敵の強さ大して変わらなかったな。判断ミスった恥ずかしい。
ここは自然の洞窟を利用して、自然にできたように偽装した場所。ゆえに一番奥にあるのは祭壇でも宝箱でもなく、ガラクタの山とボス的存在……と思っていた。
いや正解ではあったのだが。
「何で<
やたら開けたドーム状の場所で待っていたのはゾンビ系中位種特殊型アンデッド<不死の>シリーズの中でも特殊も良いところの少し面倒な奴と、大量のスケルトン。大して気にも留めていなかったがここはもしかして死火山の中か?
大量のアンデッドが生者の気配を察知、襲い掛かってくる。前衛がばらけて即座に迎撃。広い場所に出たので本領発揮とばかりに槍がぶん回されている。後衛が<属性付与>で光属性を付与しているので当たれば骨がばらける。槍の勢いに乗って骨のかけらがこちらまで……あ、まずい。
『<
「<
<不死身の死霊術師>がこちらに指を向け、魔法を発動したのと<神楯>を発動したのはほぼ同時だった。ばらけたはずの骨がひとりでに組みあがり、もう一度その空虚な眼窩に火をともす。手にした剣を振り上げ、振り下ろしたところで魔力弾に吹き飛ばされる。
とりあえず危機を回避し、前衛に目をやる。水山と田中が水を得た魚のように暴れ、骨を散らしながら<不死身の死霊術師>の下へ向かおうとしている。
一見、こちらが有利なようにも思えるだろうが。
「まずいな、キリが無くなるぞ」
この状況、戦場に<不死身の死霊術師>は少々相性が良すぎる。逆に言えばこちら側は少々相性が悪い。
以上です!
感想評価批評など、お待ちしております!
また数日中に続きを投下します!