二度目の召喚はクラスごと~初代勇者の防衛戦~   作:クラリオン

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お久しぶりです、テスト期間をどうにかこうにか乗り越えました
更新を再開します、夏季長期休暇なので頻度を頑張ってあげていきたいと思います。

とりあえず執筆のリハビリ的な意味を込めて前々話の続きからです、どうぞ


閑話  管理者な彼ら②

 

 

「――よう、アカリ。具合はどうだ?」

 

「悪くはないわ。それで、私は何をすればいいの?」

 

「とりあえずはアイツの援軍だが……しばらくは何もない。保険として早めに起こしただけだ」

 

「……エネルギー供給は?」

 

「俺がやる。万一の場合に備えて魔石もある。数年は外部供給無しで耐えるぞ」

 

「なら良いか……状況を詳しく教えてもらえる?」

 

「待て、アリスも起こす」

 

「あの娘も? そう、相当厄介なのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「珍しいですね、お父様」

 

「厄介事だアリス。給料分の仕事はしなきゃいけないだろう?」

 

「<先代勇者>様に何かしらあるのですね。わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ詳しく教えて。ケイに何が起こるのか」

 

「『夢』の中で<正義>含む人魔連合軍相手に単独で、最悪の切り札を切った。経過は不明だ」

 

「最悪の切り札……まさか『人形化』を?」

 

「その通り」

 

「単独で、本当に『強化』ではなく『人形化』を?」

 

「ああ。理由は知らん」

 

「それなら殺される事も有り得る、か」

 

「単独で挑んだ理由は何か?」

 

「不明だ」

 

「ほかに何かわかることはありますか? 相手、相手が使っている武器、こちらの状況、場所とか」

 

「相手についてはさっき言った通り、人魔連合軍に<正義の勇者>だ。あとは……ああ、そうだ。相手は<魔剣>を使っていて、ケイトは<聖剣>を二つ持っていた」

 

「<魔剣>……! よりによってあんなものを……」

 

「仕方ない、あれは魔族側の『希望』だからな、当然ケイトも想定済みのはずだ」

 

「……ということは<正義の勇者>は<正義>を持っていなかったのですね?」

 

「ん? ……ちょっと待て、聞いてみよう。

 

――よお、一つ聞きたいことがあるんだが、お前が見た『夢』の中で、<勇気>は<聖剣>の方を使ってはいなかったのか? 

 

……ああ、了解した。いや、娘が何か思いついたらしくてなぁ。おお悪い悪い。すまんな

 

――使ってなかったらしいぞ」

 

「じゃあ、そこまで悪い事態じゃなさそうね……でも<聖剣>二本も抱えてたってことは私も起きてるはずよね」

 

「……今目指しているのは先代勇者様の助命ですよね?」

 

「ああ」

 

「……とりあえずその時が来るまでは動かない方がいいかもしれません」

 

「そうね。道を外すのはあまり得策ではないもの。直前まではそのままに」

 

「時期が来たらお願いします、<犠牲>と<孤独>が二人で揃えば<正義>と<魔剣>では打ち勝てない。そうでしょう、お父様?」

 

「……どこでそれを知ったのか知らんが……まあ間違ってはない。<犠牲>と<孤独>ならまず拮抗状態には持ち込めるだろう」

 

「失礼、暇でしたので記録には目を通したのですが確証がなかったので確認したのです。お父様がそうおっしゃるなら大丈夫でしょう。そこに私とお父様、先代<聖女>様や<雷帝の巫女>様がいらっしゃるのなら<勇者>の集団など一ひねりで揉み潰せるでしょう」

 

「わが娘ながら台詞がえげつねえ」

 

「とはいえ、それは先代勇者様も望んではいないでしょうから、救出を行うだけでいいでしょう。問題はそのあとですね」

 

「ケイトみたいにできるか?」

 

「人数が多すぎます、説得は現実的とは思えませんね。あれだけいるとなると暴走する人間がいてもおかしくはないでしょう。それに連中は連合軍で来ているとのことです。<勇者>ならともかく、一般にまでこれを知られるのはどう考えてもまずいです」

 

「となると」

 

「一番良いのはこの拠点を放棄したうえで相手に<システム>の停止を確認させるのが一番……ああだから」

 

「! そういう事!」

 

「確かに現状ではこれが最善です。最善ですがこれは」

 

「なるほど、ケイトが一番動きそうな理由だわ……駄目、この方法は絶対にとっちゃいけない」

 

「となれば別の方法ですか」

 

「場所を移して徹底抗戦とか……いえ、駄目ね」

 

「……そもそも今代はどうやって<システム>について知ったのでしょう?」

 

「<巫女>の予知夢か、可能性は低いけど外からの入れ知恵とかかも」

 

「外からだと竜種案件ですから私達の領分じゃないですね」

 

「どちらかといえば予知夢の可能性が高い。確か今代の中には専門の<巫女>がいたはずだ」

 

「となると知る経路については私達でどうにかできることじゃなさそうね」

 

「場当たり的な対処しかできないのは厳しいですね……泥人形使いますか?」

 

「ありったけの<付与魔法>かけた泥人形……いいわねそれ。でも私そこまで<付与魔法>得意じゃないわよ」

 

「ある程度なら力押しでどうにかなるでしょう……お父様?」

 

「ああ、魔力なら好きなだけもってけ」

 

「細かい調整はケイと合流してからにしましょう。とりあえずの対策としてはこんなところ?」

 

「救出後一時撤退から、俺達を模した泥人形での茶番決戦な」

 

「可能であれば最初の戦闘から泥人形でもいいかもしれません。その時になってみないとわかりませんし、あるいは先代勇者様の抑止が間に合わない可能性の方が高いですが」

 

「助けられるから大丈夫でしょ。土壇場で適正得られたとしても両方の固有技能を扱うことはできない。こちらの<聖剣>は二本とも固有技能を使えるけれど相手の<聖剣>は使えない。だからこちらに分がある」

 

「……お前もか」

 

「情報は武器なりってね。まあ薄々怪しいなとは思っていたのよ」

 

「大丈夫です、情報手に入れたところで拡散する相手もいません」

 

「一応機密情報だからな。現地人が知ればそれだけで軽く戦争が起きかねん」

 

「分かってる」

 

「じゃあ、後は時期が来るまで待機だ――任せたぞ」

 

「ええ」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




終盤辺りで主人公が死にかけたときに

「待たせたな!」

ってやるための戦力がウォーミングアップを始めました。


次は一週間くらいで本編の続きを投稿できたらなと思ってます。
それでは、感想質問批評など受け付けております

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