ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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黒猫との再会

 

 

「ふぅ〜バイト終わった〜これでアパートの金は何とか稼げたな」

 

堕天使との戦いから次の日の夜ゼノはテントへと向かっていた。

 

「とりあえず…堕天使のこと調べてみるか…この町にまだいそうだからな…」

 

何故ゼノがこうなったのかというと

 

 

 

 

 

 

昨日の夜

 

 

 

神器を抜き取られたアーシアは死んでしまった。その時リアスが僧侶(ビショップ)の駒を埋め込んだ事でアーシアはリアスの眷属となって生き返った。

 

そしてその直後、ゼノはこの町でレイナーレよりも強い気を感じたからである。

 

 

 

「ま、ちょっと疲れたし今日はもう寝よ…」

 

そう言いながらゼノがテントへと向かっていると

 

 

 

 

 

 

 

「ニャ〜」

 

 

 

「ん?何だお前か〜元気にしてた〜?」

 

 

 

塀の上から何週間か前にゼノの所へ来た黒猫がいた。

 

 

「ニャ!」

 

 

「ん?どうしたんだ?そんな慌てて」

 

 

 

いきなり黒猫は何かから逃げるようすぐさまゼノの肩に乗って来た。

 

 

 

すると…

 

 

「おい、そこのお前」

 

 

 

 

ゼノは後ろから声をかけられた。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

見るとそこには一人のローブを着用した男がいた。

 

 

「その黒猫を渡してくれないか」

その男はローブの間から手を出しこちらに渡す様なそぶりを見せてきた。

「何で?」

 

「いや、私のペットでね、逃げ出してしまったんだよ」

 

 

「だってさ、ほら、行きなよ」

 

 

ゼノは訳を聞き黒猫に行くよう行ったが黒猫は毛を逆立てフシャーと威嚇していた。反応からしてみるにどうもおかしい。

「嫌だってさ。しばらく預かりましょうか?」

 

「いや、いい。迷惑はかけたくないんでね」

 

「へ〜」

 

普通に話しているがゼノは最初から気づいていた。コイツらは人間ではない。悪魔だという事に。そしてリアス達よりも一段階上の強さを持っているという事も感じ取っていた。

ゼノは周りを見渡し潜んでいる複数の悪魔の気を感知した。

(コイツ一人じゃない様だな。ま、暇つぶしには丁度いい)

「でも何で悪魔が黒猫なんかペットにしてんの?」

悪魔と気付かれた男は驚いた。

 

「な…何を言ってるんだね…私は悪魔じゃn…「じゃあ何で黒猫がこんなに怯えてんの?そしてあんたもあんたで何でそんな怪しい格好してんの?」

 

「……」

 

 

ゼノにそう言われた男は少し黙るとローブを外した。

 

「あぁそうだ。俺達は悪魔だ。そしてその黒猫は冥界で指名手配されている『ss級はぐれ悪魔、黒歌』だ。子供だと思って舐めていたがここまで感知能力が高いとはな」

 

 

 

 

パチンッ

 

 

 

男が指を鳴らすと左右に二人、後方に一人の計3名の悪魔が出て来た。

 

 

 

「さぁ!黒歌を渡して貰おうか!」

 

 

 

ゼノは完全に挟み撃ちにされていた。だがこんな状況なぞゼノにとってはお遊戯と同じである。

 

「めんどいな。俺 腹減ってるからどいてくれ」

「ふん。退けといわれて退く奴がどこにいる?ここを通すわけなかろう」

「あっそ。じゃあ前じゃなく上にいくか」

そう言うとゼノはその場から垂直に飛び上がった。

 

 

ピュンッ!!

 

 

「なっ!!人間が飛べるだと!?」

 

 

「くっ!我々も追うぞ!!」

 

 

 

そう言い悪魔達も後を追った。

 

 

 

 

 

 

ゼノside

 

 

 

俺は今複数の悪魔から逃げている。俺はこれでも遅く飛んでいるのだが一向に悪魔が追いついてこない。

 

 

 

「悪魔って結構遅いんだね…ってあれ?」

 

 

 

俺は後ろにいる悪魔に挑発しようと振り返った時

 

 

 

 

「黒猫が…いない」

 

 

いつのまにか黒猫がいなくなっていた。

 

 

(まさか!!奴らが一向に追ってこないのは!)

 

 

 

そう俺が思った瞬間

 

 

 

「その通りさ!」

 

 

 

 

俺の目の前には悪魔がいた。

 

 

 

 

「お前が飛ぶ瞬間黒猫はお前の肩から飛び降りそのまま屋根の上に逃げたんだよ。しかも俺達悪魔は夜になると身体能力が格段に上がる…こんな夜の町なんて、朝のように見えるんだよ!!」

 

 

sideout

 

 

 

黒歌side

 

 

私は今屋根の上て走って逃げていた

 

 

 

私ははぐれ悪魔だから同族の悪魔から指名手配されてて毎日が隠れるだの紛れ込むだので大変だった。

 

 

 

そして私は草むらを抜けて塀の上に出るとそこにはあの時傷だらけの私を看病してくれたあの子がいた。

私はお礼をしようとその子の肩に乗った瞬間、私の追っ手が来てあの子を挟み撃ちにした。

 

(くっ!これじゃぁ…あの子も巻き込んでしまう…幸いに奴らは私を捕まえる事が目的…)

 

 

そう思った私はすぐさま彼の肩から降りて屋根の上に登った。

 

 

けど私は長時間走り続けた為かその場で崩れた。

 

 

 

「く…力が…」

 

 

 

私が倒れ込んだ時

 

 

 

ドン!!!

 

 

「ガハッ!!」

 

 

 

私は力いっぱい屋根の瓦に首を抑えられた。

 

 

 

「ハハハハハ!やっと捕まえたぞ!!ss級のはぐれを捕らえた!これで俺の地位もぐんっと上がるな!!」

「く…!!そんなことのために…なんの関係もないあの子も…!」

「たかが人間一匹殺してもどうってことなかろう。さて、覚悟してもらおうか?」

 

そう言いながら男は抑えた手と反対の手にエネルギーをためた。

 

これで…私もお終いだ……

(ごめんね…白音……最後は貴方に…会いたかった…そしてゼノ……巻き込んでゴメンね…)

 

 

私は泣いた。

 

 

「これはまた珍しい。はぐれが涙を流すとはな!後悔しながら死ねぇぇぇ!!」

そしてその悪魔は私に向かって魔力のこもった拳を振り下ろした。

私は目を瞑った。

「ギャァァァァッッ!!!!!!!」

え…?何が…起こったの…?

私を殺そうとした悪魔の断末魔が聞こえた。

 

私は目を開いた。

 

 

 

 

そして見えたのは

 

 

 

「急に何処かに行くんじゃねぇよ。探したじゃねぇか」

あの子の手が私を殺そうとした悪魔の胴体を貫いていた。

 

 

 

そして…私の意識もここで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

現在ゼノは黒猫を殺そうとした悪魔の胴体を貫いていた。

「ガハァッ!な…何故人間の…貴様が……の…残りの奴らはどうしたんだ……」

胴体を貫かれた悪魔は血を吐きながらゼノへ聞いた。するとゼノは三つの腕を放り投げた。

「取り敢えず殴ってぐちゃぐちゃにしてやったよ」

 

「な…バカな……三人とも……上級悪魔の中でも上位に入る実力者なのだぞ!?」

 

 

「へぇ〜あれで強者って、悪魔も結構弱いんだね。ま、どうでもいいけど。そろそろお前にも後を追わせてやるよ 『死ね』」

 

 

 

 

 

 

グシュウッ!

 

 

 

 

 

そう言うとゼノは悪魔の頭をもう一方の手で握りつぶした。

 

 

 

 

 

「ふぅ〜終わった〜。さてと帰りますか〜」

 

 

 

そう言いながらゼノは黒猫を持ち上げてその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてゼノはテントに着き運んでる途中人に戻った黒歌を寝かせ、火を起こした。

 

しばらくして

 

 

 

 

「……ん……う………ここは……?」

 

 

 

黒歌は目を覚まし辺りを見回した。

 

 

 

 

「よう、目が覚めたか?」

 

 

 

「ニャ!き…君は……………」

 

 

ゼノを見た瞬間黒歌は黙りこんで下を向いた。

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「………ごめんね…私を助けてくれた君をあんな目に合わせて…」

 

 

黒歌は自分の為でゼノに悪魔と合わしてしまったことを気に病んでいるようだった。

 

 

「別にそれはいいとして」

 

「いいんだ…」

 

 

 

ゼノはあっさりと返事をしそして黒歌を強く見据えた。

 

 

 

「………」

 

「え?……どうしたの?」

 

 

「お前…何か似てるんだよな〜。あの小柄で…えっと…白い髪の奴……」

 

 

「え!白音のこと知っての!?」

 

 

「へぇ〜小猫って白音っていう名前なの〜なるほど〜」」

 

 

「そうニャ…私はあの娘の姉なの…」

 

 

「ふぅ〜ん、じゃあ何で小猫の姉が悪魔に追われてんだ?」

 

 

「それは………私がはぐれ悪魔になったからなの…」

 

 

「なった?すると昔はそうでなかったってことか?」

 

 

「うん……話していい?」

 

 

「あぁ」

 

 

そういうと黒歌は語り始めた。

 

 

自分の過去を

 

聞くと、黒歌と小猫はとある悪魔の眷属となり、普通に生活していたのだ。だが自分と妹を眷属にした悪魔が、妹に仙術という妖怪に伝わる妖術を無理矢理仕込もうとしたのだ。仙術は身体が未熟な者が扱えば命を落とす危険性があるため、黒歌は何度も止めるように説得したが、悪魔は聞く耳を持たなかった。故に、黒歌は学んだ仙術で主人を殺し妹とともに逃亡したのである。

 

 

そして黒歌は自分がはぐれになったことを知ると妹に危険が及ばぬように、「足手まとい」と、言い放ち妹を置き去りにし去ったのだ。

 

 

 

「これが…私の過去の話…だから今でも私は命を狙われ続けてるの…」

「そうか」

ゼノは頷きながらも内心 少しは疑っていた。これまで殺害した異星人の中にもこのような話をし同情を誘う奴がいた。

だが、今回は違った。ゼノは神の修行によって得た相手の心をある程度読む能力を使い黒歌の心を覗いた。

 

出てきたのは『悲しみ』 『後悔』 そしてその妹に対する『愛』であった。

 

(見る限りコイツは嘘をついていないな…それにしても酷い…)

黒歌はただ妹を守る為に主人を殺したのだ。だがそれが災いとなり今に至ると言うわけだ。

 

すると黒歌は立ち上がりその場を去ろうとした。

「どこ行くんだ?」

 

「これ以上いると君も巻き込んでしまう………だから………これでお別れよ…」

「妹に合わないのか…?」

「こんな姉に会ったって…何も嬉しい事なんてないから…」

そう言い黒歌はその場から去ろうとした時

 

「え?」

 

 

突然、ゼノが黒歌の腕を掴んだ。

 

「お前、そんなに気にかけてるんならすぐ何処かに行こうとすんじゃねぇよ。それじゃあ避けてるようなもんだぞ」

「なら…私はどうすればいいの…!」

黒歌は涙を流した。彼女は己の中で何度も葛藤していたのだ。そして遂には何が何だかんだ分からなくなってしまった。

 

「それが真実なら 悪魔どもがお前のはぐれを取り消すまで匿ってやるよ」

「え……?」

黒歌は涙を止めると振り返った。見ると先程までとは全く違う真剣な眼差しをゼノは浮かべていた。

 

「でも…そんなことしたら君にまで危険に…」

「別にいい。それよりどうなんだ?」

その問いに黒歌はまた涙を流し始めた。涙で顔がぐしゃぐしゃになりながらもゼノに尋ねた。

「ぐす……本当に………一緒に……いて……いいの……?」

「あぁ。でなきゃこんな事は言わん」

「う……あ……ありがとう……」

黒歌は泣いた。今までの悲しみを 辛い思いを全て吐き出すように。

ゼノは涙を流す黒歌の元に寄り肩に手を置いた。

 

 

こうして黒歌はゼノの所で居候することとなったのだ。

 

 

 

その後ゼノは泣いて疲れた黒歌をテントの中で寝かせその夜、ゼノは辺りを見張っていたという。

 

 




今回は番外編という形かもしれないですね

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