ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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何してんの?この人達

ラーメン屋に入店したゼノを迎えたのは何と禍の団の一員でありイッセーの赤龍帝と対の存在である白龍皇を宿すヴァーリであった。

 

「やぁ銀河神殿。久しぶりだな」

 

「俺っちもいるぜ〜♪」

 

ヴァーリの隣の席から今度は頭に金具をつけた青年も現れる。それは何と孫悟空の子孫である『美猴』であった。

 

「何だお前らか」

 

まさかの潰す方法を考えていた組織のチームと出会った事にゼノは驚く。

 

◇◇◇◇◇

 

「へいチャーシュー麺大盛りね」

 

「いただきます」

 

大将から出された大盛りのラーメンに向けてゼノは手を合わせると割り箸を割りその巨大なチャーシューを麺と共に貪り食う。

そんな中、ゼノは再びヴァーリ達へと目を向ける。

 

「…何でお前らがここにいる?」

 

「見れば分かるだろ?腹が減ったからここに来ているのさ。人間の食べ物は実に美味だからな。見たまえ。この濃厚なスープが絡んだ麺。そしてそれを彩るチャーシューに煮卵。最高じゃないか」

 

そう言いヴァーリはまるで評価するかの様に麺を箸で掬い上げる。

 

「はいはい。…というか、まるであの会談の後も来てるような口振りじゃねぇか」

 

「あぁ。案外警備も薄いからな」

 

「あの無能赤髪女が…」

ヴァーリの答えにゼノはリアスの変わらない無能ぶりに額に青筋を浮かべる。まぁリアスとヴァーリでは力量に天地の差があるために仕方がない事だろう。

 

「そういえば先ほど 銀河神殿は何やら悩んでいた様だな」

 

「あ?まぁ話してもいいか。お前らなんていつでも消せるし」

 

ゼノはラーメンを啜ると悩みの種を話す。

 

「簡単に言えばお前らを合法的に潰せる方法だよ。本当に騒ぎは起こすし事件は起こす。人間社会にも影響だそうとしてるしそろそろ鬱陶しくなってきたから本格的に潰そうかと考えてたんだよ」

 

「成る程。まぁ事の首謀者は俺以外の旧魔王派または英雄派だろう。俺たちは別に人間界になんの干渉もしていない」

 

「確かに。人間に対しての被害の中でお前らの名前は出てなかったな」

 

「そもそも何の神器も持たない人間には興味がないからな」

 

そう言いヴァーリはラーメンとチャーシューを同時に口の中に運ぶ。その一方でゼノはヴァーリが人間界に被害を及ぼしていない事を知ると落胆するかの様にラーメンを啜り始めた。

 

「ん〜。やはり人間界のラーメンは最高だ。美猴。隣町にも美味い店があるんだ。行こうじゃないか」

 

「はぁ!?勘弁しろや!今日でもう7日目だぞ!?もぅ俺の胃袋が持たねぇよ!」

 

横から聞こえる二人の会話を他所にゼノはラーメンを啜りながら今後の事について考えていた。

 

「(今のところ暗黒魔界の連中も目立った動きがねぇ…。それにあのディオドラとか言う奴…魔力とは違う何かを持っていたな…どうするか…)」

 

暗黒魔界軍の事は勿論だが、もう一つは部室に現れたディオドラという悪魔である。彼自体の戦闘力は見る限り大した事はないのだが、彼からは魔力以外の別の“何か”を感じたのだ。

 

それが気になって仕方がなかったのだ。

 

◇◇◇◇◇◇

 

それからゼノはラーメンを食べ終え会計を済ませるべく席を立とうとした。

 

 

その時だ。

 

 

「これはちょっとした情報だが、ディオドラが変なボールを持ちながら妙な行動をとっていたぞ」

 

隣からヴァーリの声が聞こえた。更にその話の内容が自身の気になっている事と重なっている為にすぐさまゼノはヴァーリの座る場所へと目を向ける。

 

「その話…本当か?」

 

「あぁ。妙なボールはカテレアが持っていた物と同じ。それを持ちながら『レーティングゲームで〜』とか何か言っていたな。まぁそれ以外の事は知らんが」

 

ゼノはヴァーリの鼓動と心拍数から溢した情報に嘘と偽りが何一つない事を読み取った。それは大変貴重な情報であった。

 

「いいのか?同じ組織の仲間の情報を喋って」

 

「別にいいさ。それに神様に借りを作るのも面白いと思ってね。ではまた」

 

そう言いヴァーリと美猴は席を立っていった。だが、タダで返す程ゼノは腐っていない。

 

「待て」

 

ヴァーリと美猴を呼び止めるとゼノは人差し指を突き出し笑みを浮かべる。

 

「ラーメン10杯の奢りでどうだ?餃子と炒飯と麺大盛り付きで」

 

「流石だな」

 

それに対してヴァーリもうっすらと笑みを浮かべた。この日、初めて悪魔が宇宙の神との取引を成功させたのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

それからヴァーリと別れたゼノは暗くなった道を通ると家に到着した。

 

ガチャ

 

「ただいま」

 

「「「「お帰りなさい」」」」

 

「…ん!?」

 

自身を出迎えたその声が聞こえた瞬間ゼノは違和感を抱いた。普段家にいるのはサリ、ティアマット、小猫の3人に加えて自身の4人。

 

 

一人多い。しかも家に入った途端にとてつもなく強い気を感じた。入るまでまったく気付くことができなかったのだ。

 

いるのは明らかに人でもないし悪魔でもない。

 

咄嗟にゼノは部屋の扉を乱暴に開ける。

 

「誰だッ!!」

 

「あら。相変わらず私の魔術には引っ掛かるのですね」

 

そこには黒いスーツに黒のスカート、黒のストッキングといった黒を基調とした服を着こなしている長身の女性がサリの隣に座っていた。

 

「随分と遅いお帰りですね。子供は門限が18:00と決まっているでしょう」

 

「お…お前は…」

その女性を見たゼノは驚くと共に額に青筋を浮かべた。その一方で女性はゼノを見ると鼻で笑う。

 

「何しにきやがったロベル…!!」

 

「久しぶりですね。銀河神様(笑)」

 


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