ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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体育館裏のホーリー
現る アスタロト家の者


無事に冥界から帰還したゼノ達。高校は私立かつ自学自習を掲げていた為に受験を控えている高校3年生には宿題というものは存在しなかった為に残りの夏休みをゼノはサリ達と共に有意義?に過ごした。

 

それから日が経ち二学期となった。

 

「ふわぁ…」

 

「寝不足ですか?」

 

「いや…別に。あの吸血鬼について考えていた」

いつものように両隣に朱乃と小猫を控え、辺りの妬まれる視線をくぐり抜けながら登校していた。寝不足なのはある事を考えていたからだ。それはアーシアとは別の僧侶『ギャスパー』の事だ。

 

「ギャー君のこと?」

 

「あぁ。実はアイツの神器には問題があってな」

歩きながらゼノは2人に説明した。ギャスパーの時間を止めるというのは神々の間では重罪となっているのだ。幸いにも現在は過去、未来を改変するには至っていないようで問題視はされていないが、もしも過去、未来にいけるような能力に発達または再び周りに影響を与える程まで暴走してしまったらゼノは彼を殺さなければならない。

故にゼノは考えていたのだ。

 

「そうだったのですね。う〜ん…」

 

それを聞いた朱乃は考え込むと一つの方法を提案する。

 

「少々手荒となりますが…私達と同じく修行を課してみてはいかがでしょうか?」

 

「と言っても俺は神器には知識はねぇからどうする事もできねぇ」

 

「いえいえ。普通に神器ではなく身体を。時に神器は身体を鍛え上げ、それに見合う力をつければ暴走する事が少なくなるかと」

 

「成る程…確かにそれもあるな」

 

朱乃の提案にゼノは納得する。

その後、小猫と別れ、朱乃とも教室で別れると、今日一日が始まった。そして授業がアッサリと終わると、コーヒーまたはお菓子を漁るべくオカルト研究室へと向かう。

 

◇◇◇◇◇◇

 

ガチャ

 

扉を開けるとそこには既に自身以外の皆が集まっていた。既にリアスは勿論のこと、皆もいつものようにソファーに座りお茶を楽しんでいた。アザゼルもだ。

 

「コーヒーと菓子よこせ」

 

「入ってきて早々!?」

 

入室して挨拶もせずすぐ菓子を要求された事にリアスはツッコミながらもコーヒーを淹れる。

 

◇◇◇◇◇

 

「ズズズ…で?何の話をしてたんだ?反省会か?」

 

「そうね。それと…朱乃と小猫についても」

 

リアスは前のレーティングゲームにて極限なまでに強化された朱乃と小猫を間近で見て、不審に思いゼノに尋ねようと思っていたのだ。

 

「貴方、朱乃と小猫にどんな修行をさせたの?」

 

それについてゼノは紅茶を啜りながらジロリと目を向けると答えた。

 

「ここよりも重力の高い星に行っていつものやってる修行をしてもらった。地球とは違う環境下で一日過ごすだけでも変わるからな」

 

「そうなのね…」

 

星を移動する。それについてはもう皆はそれだけの力はあると信じていた為に驚かなかった。そんな中、ゼノは独自の読心術でリアスの心を読むと門前払いする。

 

「修行したいのか?けど嫌だな。お前らはともかく目的がくだらねぇ奴を鍛えてもしょうがねぇ」

 

「ギク!?」

そう言いゼノはイッセーへと目を向ける。イッセー自身も自身の夢については何かと如何わしい自覚があるのか肩を震わせた。

 

「まぁ、ギャスパーは強制的に強くさせるけどな」

 

「ふぇ!?」

その際にゼノは鋭い目をギャスパーに向ける。するとそれに対してギャスパーは恐るように震え始めた。

 

「どういう事かしら?」

 

「一応話しておく」

 

ゼノは朱乃達へと話した同じ内容をリアス達オカルト研究部の皆へと話す。ギャスパーの神器が下手をすれば宇宙の法にあたる事を。それをゼノは事前に防がなければならない。

だが、リアスは大切な仲間を無理やり修行させる事に対して少しながらも怒りを出す。

 

「だからギャスパーを……本人が嫌がってもさせるつもりなのかしら?」

 

「そうだ。お前らがいくら言っても止めないぞ。今朝から悩んでたけど、決めた。おい、神器を抜く研究は進んでるのか?」

 

ゼノは近くにいるアザゼルへと目を向ける。それに対してアザゼルは現段階の状況を洗いざらい話した。

 

「そうだな。今のところ、人工神器を身体に入れて取り出す実験を行なっているが、必ず副作用が出ちまう。人工神器でこれなら、生まれた当初から体内に宿る神器の場合はまず死んじまうだろう」

 

「なら、朱乃達と同じ修行をさせるしかねぇな」

 

アザゼルの報告を聞いたゼノは決定する。

ゼノには宇宙のバランスを保つという役目がある。その為ならば感情など一切捨てる。感情に左右されては仕事にはならない。ギャスパーが危険因子になり得る可能性があるならば、それを徹底的に排除する。

 

「…勝手に…!」

リアスは部員を危険に晒す様な真似に黙っていなかった。だが、途中から即座に冷静になり、ゼノの立場を考える。

 

「……分かったわ」

 

「部長!?」

 

「いいのよ。ギャスパーの力が制御されるなら。それに今回のレーティングゲームでも自身の力不足が十分に実感できたわ…」

リアスの決断に仲間思いであるイッセーは即座に反論の声をあげるが、リアスはそれを制し自身にも責任はあると答えた。

 

「ただし、絶対に傷付けるような真似はさせないで頂戴」

 

「当然だ。神器持ちとは言っても1人の罪もない地球の部族だ。アッサリとは殺さない。それとだ…ん?」

それに対してゼノが頷き、次の話へと移ろうとした時だった。

 

「……何か来るな」

 

ゼノは何かを感じ取り、部室の中央へと目を向けた。それに釣られる様に皆も中央へと目を向けた。見るとそこには一つの紫色の紋章が浮かび上がっていた。

 

「この紋章は…アスタロト家の?」

 

リアスは紋章を見た途端に驚く。すると、紋章の中から1人のローブを纏った糸目の青年が現れた。転移を使ったとなると、まず悪魔だと言ってもいい。

その青年は部室に現れると優雅に胸に手を当てながら皆へ目を向ける。

 

「やぁリアス・グレモリー。そしてその眷属の皆さん」

 

「貴方は…『ディオドラ・アスタロト』…!」

 

リアスが名を口にした瞬間 イッセーは驚く。アスタロト家とは、現魔王『アジュカ』を輩出した名家だ。グレモリー家と同じ72柱の中の一つでもある。

 

現れたディオドラはイッセーの隣に立つアーシアへと目を向けるとゆっくりと近づいた。

すると両手でアーシアの右手を掬い上げると両手で包み込む。

 

「迎えにきたよ。アーシア・アルジェント」

 

 




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