ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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すいません。受験で投稿できない状態となっていました。
こんな駄作を待っていてくださった方々…大変申し訳ありませんでした…。
何とか次は早く投稿したいと思っております。


暗躍する影

遠く離れた未開の土地 黒い雲が立ち込め、強風が走る 誰も知らない場所に1人の男性がマントを羽織る男性と共に姿を現した。

 

「ふん。随分と汚らわしい場所だな。ここに奴がいるのか?」

「はいはいはい。そうでごぜぇやすぜ神様〜♪」

マントを羽織る男性『リゼヴィム・リヴァン・ルシファー』は猛々しい声とは裏腹にまるで子供のようなニュアンスで喋っていた。

「ここは天才な我輩が見つけた だ〜れも知らない秘密の場所。魔王はおろか、帝釈天でさえも知らない場所でござんす♪」

リゼヴィムはクルクルと回りながらその場所の特徴を伝える。そのふざけた態度で接する中、もう一方の男性は辺りを見回す。

 

「だが、それらしき姿は見当たらないぞ」

「それもその筈!何せコイツはあまりにもデカいし凶暴だから何十もの封印を施されながら地中と同化して眠っているんです!」

そう言いリゼヴィムは自分達が立っている地面を指差す。男性は地面に手を当てる。そこからは、とてつもない生命の波動が感じられ、一介の者が触れればすぐにでも弾き飛ばされる程の激しい胎動だった。

 

「予想外だな。まさか、眠っているだけでここまで生命を感じさせる生き物がいたとは。今すぐに目覚めさせてしまうのもよかろう」

「ハッハッハッ。いいのですかい?いくら貴方が偉大な神様だからといって『黙示録の皇獣』を目覚めさせてしまえば止められない上に消されてしまいますよ?」

そう言いながらリゼヴィムは高笑いをする。

 

だが、気さくに放ったこの言葉が男性を刺激した。

 

 

「……なんだと…?」

 

「!?」

 

その瞬間

その場の空気が一変した。先程の空気や、地中からの波動が一気に消え去り、男の殺気だけが辺りを満たした。

男は鋭い目つきに変わりリゼヴィムを睨み出した。

 

「私を誰だと思っているのだ?絶対なる神だぞ?神である私にしてみればこんな『子犬』その気になれば一瞬で消せる。今の貴様の言葉は私にとって『愚弄』に等しいぞ。以後言葉に気をつけるんだな…!」

その言葉一つ一つに巨大な重力が混ざっており、先程までの調子が無くなったリゼヴィムはゆっくりと頷いた。

 

「も…申し訳…ありませんでした…」

「フン。まぁ、まだ目覚めさせるには早いな。もう少し時期を待とう」

そう言うとその男性は来た道を戻っていった。リゼヴィムは顔から冷汗を流していた。

 

「(おいおいマジかよ…威圧だけで皇獣をビビらせるとか…あの野郎どんだけ強ぇんだよ…)」

リゼヴィムは完全に侮っていた。自分が手を組んでいたあの男は…とてつもない危険人物だと言う事に気づいたのだ。

恐れながらもリゼヴィムはその男性の後を追い、この場を去った。

2人がいなくなると、再び地中から眠れる皇獣の胎動が鳴り出した。

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

会場ではとんでもない空気が流れていた。

それは 小猫の発した技があまりにも破格の破壊力だった為である。

結果として小猫は退場となったが、観客達は動揺していた。

 

「イッセー!小猫が駒を多く削った今がチャンスよ!ここから一気にソーナ達と総力戦に持ち込むわ!」

すぐに調子を取り戻したリアスは呆気に取られているイッセーや、他の場所で戦っていた皆へ向けて呼びかけた。

 

その時だった。

 

「よう。兵藤」

「!?」

 

そこには同じ『兵士』である匙が立っていた。

 

ーーーー

ーー

 

「……分かりました。傷が治り次第すぐに向かいます」

地下の駐車場のエリアにて、木場はリアスからの通達を受け取っていた。

目の前には半壊したエリアが広がっており、天井からの光が差し込んでいた。

 

「大丈夫か?木場」

「うん。何とかね」

木場のすぐそばには木場の腕に自身の衣服をちぎり包帯を巻くゼノヴィアがいた。彼らは先程まで相手チームの女王率いる複数の駒達と戦闘を繰り広げていたが、小猫の放った魔力弾が上から降り注ぎ女王である椿を重傷へ、そして他の騎士をリタイアへと追い込んだのだ。

 

「木場…私は正直悔しいよ…。襲撃の時も…今も…何の役にも立たず、皆に任せっきりだ」

「うん…。僕も同じさ。いくら禁手化できたとしても皆の為にならないなら無意味だ…」

 

2人は今まで貯めていた不満を打ち明ける。そして、木場はある事を決意した。

 

「僕は決めた…。この戦いが終わった後…ゼノ先輩に修行をつけてもらう…!」

その言葉を発した木場には何の迷いもなかった。

ゼノに修行をつけてもらうことは自分をここまで強くしてくれた師匠を捨てる事になる。木場は最初は迷っていた。だが、自分の本来の目的は仲間の為、そして数少ない同部員の男友達であるイッセーやギャスパーの為だ。その為に木場は決死の覚悟でゼノへの弟子入りを決めたのだ。

 

「師匠には大変申し訳ないと思っている。けど、皆の力になるには…こうするしかないんだ」

ゼノヴィアは木場の言葉に何の驚きも見せなかった。その理由は簡単だ。自分も同じ事を考えていたからだ。

 

「奇遇だな。私も同じだ。今の私の脳では…自分の欠点を全て見つける事ができない。せめて知恵だけでも貸していただきたいと思っていてね」

そう言うとゼノヴィアは木場に肩を貸し立ち上がらせた。

 

「なら…このゲームが終わった後に…ダメ元でも頼んでみよう」

「そうだな…!」

二人は決意を胸にリアスの召集に応じ、敵陣本部へと向かった。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

一方でイッセーは突然 現れた匙と対峙していた。

 

「小猫ちゃんに結構持ってかれたが…まだ負けた訳じゃねぇ。逆転の余地はある…!!」

そう言うと匙は手に神器を展開させた。

 

「兵藤!俺と勝負しろ!」

「望むところだっ!!」

匙の勝負の誘いにイッセーは神器を展開する。

 

「へへ…禁手化はしねぇのか?」

「あぁ!お前とはガチの殴り合いで勝負してぇ!!」

「ハッ!後で禁手化しとけば良かったなんて弱音吐くなよッ!!」

 

 

互いにフェアを尊重し合うと、2人は睨み合う。緊迫した空気の中、最初に仕掛けたのはイッセーだった。

 

「いくぜぇぇぇ!!!」

その掛け声と共に拳を振りかぶり匙へと振るった。

 

バンッ!

鈍い音と共に放たれた拳は匙の頬へ深く突き刺さった。

 

「!?やったか!?」

手応えを感じたイッセーは一瞬 勝ったという気持ちになる。だが、それはすぐさま無くなる。

 

見ると匙は身体をのけ反らせているだけであり、吹き飛ぶ程のリアクションを起こしてはいなかった。

「ヴォラァ!!」

「!?」

イッセーが呆気に取られている隙をついた匙は拳を振りイッセーの顔へ拳を打ち込んだ。

 

バンッ!!

 

「ぐはぁ!?」

予想だにもしていなかった拳の威力にイッセーは後ろに下がる。

 

「…へっ。俺だってこの期間ずっと怠けてた訳じゃねぇんだよ」

拳を放った匙は口の中に溜まった血液を吐き出した。

 

「ペッ…。会長の為にも…ここでやられる訳にはいかねぇんだッ!!」

そう言いイッセーに向けて走り出した。

 

「うぉらっ!!!」

「!」

イッセーも殴られているままでは無かった。向かってくる拳を避けるとすぐさま顔に向かって拳を放つ。

 

バンッ!!

 

「がばぁ…!」

鈍い音と共に強く殴られた事によって、匙はよろけた瞬間に吐血する。けれども、地面に手をつける事はない。退く動きさえもない。

 

「何発殴られようと…俺は倒れねぇぜッ…!!」

休む様子も見せない匙はすぐさま拳を構えて再び迫ってくる。

 

「ゔぉおおお!!!!」

「!?」

立ち向かってくるその様子にイッセーは再び拳を放つ。だが、匙はその拳を受け止めると片方の腕で顔面に拳を打ち込んだ。

 

「ゔぉらッ…!!!」

「うぐ!?……」

撃ち込まれた拳は先程よりも威力が上がっていた。イッセーはすぐさまその拳を受け止めると頭突きを喰らわす。

互いの額がぶつかり、両者ともダメージを負うも距離を置いた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

先に疲れを見せてきたのは匙だった。現在の実力差ではイッセーの方が上。数々の強敵との連戦でイッセーの身体能力と魔力が強化されていたのだ。故にこの一騎討ちは間違いなくイッセーが優勢だろう。

 

だが、

 

「何度……だって……やってやるよ…!!お前がリタイアするまでなぁ!!」

「匙…!お前…!」

匙は必死にイッセーへと食らいつく。それに対してもイッセーは応戦する。

 

「ヴァァァァァァッ…!!!」

龍のように低い唸り声を上げながら匙はイッセーと距離を詰める。そして、両手を握りしめるとその双拳をイッセーに向かって連続に叩き込んだ。

 

「うぐ…!?(匙の奴…まだこんな馬鹿力が…!?)」

体力と共に威力は落ちているものの、その威力はとても疲れている者とは思えない程であった。彼の信念は凄まじい。けれども、イッセーも同じ信念を掲げている。

 

「ぐぅぅ!?匙…!俺もお前と同じなんだ!!」

イッセーは目を開き、自身の意思をフルに覚醒させると、匙の片方の腕を掴んだ。

 

「お前が会長を勝たせたいと思ってるんだったら俺も同じだッ…!!部長を勝たせてぇんだ!!!」

「ぐぅぅ!?」

握り締められた握力に匙は苦痛の声を出す。

イッセーは己の信念を語るともう片方の拳を握り締める。

 

「今回の勝負……俺の勝ちだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

放たれたその拳は匙の頬へ深く突き刺さった。

 

「ガハァッ……!!」

匙はその拳によって、身体を大きく吹き飛ばされ、地面へと仰向けに倒れた。

 

 

「は……はは…つえぇな……」

目の前で拳を放つイッセーの姿を見ると匙は自身の敗北を認め、笑みを零しながら意識を完全に手放した。

 

 

「はぁ……はぁ…はぁ…」

 

『ソーナ・シトリー様の兵士1名リタイアです』

その放送と共に匙の身体は展開された魔法陣へと消えていった。

 

 

 

「ッ…お前もな…匙…」

イッセーは匙との激闘で負った打撲を耐えながらもリアスの場所へと走っていった。

 

 

 

ゲームはいよいよ最終局面へと向かっていった。

 

 




原作ってこんな感じでしたっけ…。何かなぁ…。

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