はぐれ悪魔討伐の件からしばらくして
現在一誠は契約へ向かっていた。そして今回は…
「へ〜自転車けっこう楽ちんだな」
ゼノも一緒である。
なんでも一誠が向かう途中にいきなり出てきて自分から申し出たのである。
「なんでお前まで乗っけなきゃいけねぇんだよー!!!!!」
「良いだろ別に。一誠の依頼主も見てみたいし」
「くっそ〜!!こんな三つ編み野郎より朱乃さんがよかったー!!!」
「うるさいなぁ。脳髄ぶちまけさせるぞ♪」
「笑顔でそんなこと言うなよ!!!!」
そんなやり取りをしながらも目的地であるアパートに着いたのだった。
「ここか」
「あぁ…確か二階だったっけな」
そして二人は階段を上がり目的地である部屋の前に来たのである。
「ここだな」
コンコン
「ちわーすグレモリーの使いで来ました〜」
...........
一誠がいつもの通りノックしても返事は返ってこなかった。
「あれ?留守かな?」
「いないのか?ならいいや。俺 帰るよ」
「っておい!なんでだよ!」
「今日店長が今月分の給料渡すって言ってたの思い出してさ。ほんじゃ」
ヒュンッ
そう言いゼノは姿を消した。
「き…消えた!?」
突然の出来事に一誠は驚いていた。
「と…取り敢えず仕事しないと… すいませ〜ん!!」
一誠は気持ちを入れ替えまたノックしたが返事は返ってこなかった。
「あ〜もう!
お邪魔しますよ!!」
そう言い一誠は扉を開き中へと入っていった。
一方その頃ゼノは
「はい今月のお給料。君のお陰でこっちは結構助けられちゃったからちょいとオマケしといたよ」
「こ…こんなに! ありがとうございます!」
「良いの良いの。これからも頼むよ。ほんじゃお疲れ」
「は〜い」
店長から給料を貰い帰っていた。
そんな感じであった。
場所は戻り
一誠は部屋へと入り目にしたのは暗闇の中で数本のロウソクを立てている光景だった。
「おうおう雰囲気なんか作っちゃって♪」
一誠はノリノリで部屋の奥へと足を踏み入れた時
ピチャ
何かを踏んだ。
「ん?なんだ…!……こ………れ………」
よく見るとそれは人間の血液であった。
そして近くには全身をズタズタに斬られた身体が転がっていた。
「う……!!!おぇ……!!!!な…なんだよこれ……」
一誠が余りにも異様な光景で嘔吐しようとした時ソファーに誰かが座っていた。
「悪い人はお仕置きよって聖なるお方の言葉を借りて…みました!」
それは白髪の少年であった。
「ん〜これはこれは悪魔くんじゃあ〜りませんか〜」
その少年はソファーから降り一誠に近づいた。
「俺の名前はフリード.セルゼン…とある悪魔祓いに所属してる少年神父でござんっす♪」
フリードと名乗った少年は神父と言いながら陽気な自己紹介をした。
「し…神父!?
これ、お前がやったのか!!」
「悪魔に頼るのは人として終わってる証拠…ENDですよ!END!!だから殺してあげたんです!!
クソ悪魔とクソに魅入られた人間を殺すことが〜…俺のお仕事なので〜す!」
シュイン!!!
そう言いながらフリードは懐から一丁の銃と光の刃をもつ剣を出した。
「今からお前のハートに光の剣を突き立ててこのイカスイ銃でフォーリンラブ!しちゃいます!!!!!」
「!」
その瞬間フリードは一誠に向かって光の剣を振り回したが一誠はこれを避けた。
「おっと!」
が
「バキュン!!!」
ピュンッ!!
距離を取った瞬間フリードは銃で一誠の脚へと発砲した
「ぐあ!!!」
結果は見事に命中し一誠は体制を崩してしまった。
「エクソシスト謹製祓魔弾…お味はいかがっすか〜」
「くっ!!このぉー!!!!」
一誠は頭にきたのか神器を展開した。
「お!!まさに悪魔!!その方がこっちの悪魔祓いの気分が出ますな〜!!」
フリードは一誠の神器をみて興奮した。
「でやぁー!!!!」
一誠はフリードに向かって拳をたたき込もうとしたが…
「あ〜らよっ」
「ぐぁ!!」
ヒラリと躱されその時に背中を斬られた。
「おやおや見掛け倒しっすか〜?そういうのが一番ムカつくっすね〜!!!」
フリードが剣を振ろうとした瞬間
「きゃぁあー!!!!」
部屋中に誰かの叫び声がこだました。
「おんや〜?助手のアーシアちゃん、結界は貼り終わったのかな?」
「こ…これは……」
アーシアはバラバラにされた死体をみて叫んだのだろう
「あ、そうかそうか君はビギナーでしたなー。これが俺らの仕事…悪魔に魅入られたダメ人間をこうして始末するんす」
「そ…そんな…!!!はっ!!!イッセーさん…!!」
そしてアーシアは一誠がいることに気づいた。
「ア…アーシア…」
そして一誠も気づいたらしく驚いた。
「何々〜?君達お知り合い〜?」
アーシアと一誠が知り合いのことにさすがのフリードも驚いたようだ。
「ど…どうして貴方が…」
「く……ゴメン……俺…悪魔なんだ…」
「い…一誠さんが……」
一誠が悪魔だということを打ち明けた途端アーシアは動揺した。
「騙してたんじゃない!!だから……君と……もう二度と会わない方が良いって…決めてたのに……」
「そ……そんな………」
アーシアは突然の事実で混乱していた。
「残念だけどアーシアちゃん!悪魔と人間は愛し合えませ〜ん。ましてや堕天使のご加護無しじゃ生きていけぬ半端者ですからな〜」
(堕天使!?)
堕天使という言葉に一誠は不思議に思った。
「さて〜ちょちょいと仕事完了させちゃいましょうかね〜」
そう言いフリードは一誠の首筋に剣を突き立てた。
「覚悟はOK?なくても行きます!」
剣を振り下ろそうとした瞬間
「待ってください!」
アーシアが一誠の前に出た。
「フリード神父さま…お願いです!!この方をお許し下さい!!どうかお見逃しを!!」
アーシアは涙を流しながら一誠を逃すよう頼み込んだ。
「君…自分が何をしてるか分かってるかな…」
「たとえ悪魔だとしても!一誠さんは良い人です!!それにこんなこと!主がお許しになるはずがありません!」
「はぁ〜!!!馬鹿こいてんじゃねぇ!!!」
そう言いフリードはアーシアを突き飛ばした。
「やめろー!!!」
「は?俺と戦うの?苦しんで死んじゃうよー!!!」
「うおおおおおー!!!!」
(勝ち目はねぇけど…俺を庇ってくれたこの子の前で逃げる訳にはいかねぇんだよ!!)
「いたい!!」
一誠は突進しフリードにパンチをめりこました。
「く……面白いね…どこまで肉を細切れに出来るか…ためしてやんよー!!!!」
フリードは起き上がり一誠に向かって剣を思いっきり振り下ろそうとした時
キンッ!!!
誰かがフリードの剣を受け止めた。
木場だ
そして見ると魔法陣が浮き出てそこから裕斗が現れた。
「助けに来たよ!兵藤くん!!」
「木場!!」
一誠が驚くと
「あらあらこれは大変ですわね」
「エクソシスト…」
朱乃と小猫も出て来た。
「皆!!」
「ひゃぁっほおー!!悪魔の団体さんのご到着〜」
「悪いけど彼は僕らの仲間だ。君は神父には見えない下品な口だ」
「上品ぶるなクソ悪魔…お前らクソを狩ることが俺の生き甲斐だ!黙って俺に殺されりゃあいいんだよ〜!」
「悪魔だって相手を選びますわ」
「いいよ!その熱視線!!あぁこれは恋?殺意?ムヒヒヒヒ殺意は向けるのも向けられるのもたまらないわ!」
フリードが更に興奮した時。
「なら消しとばしてあげるわ」
ブァァァァァァーーーーーン!!!!
突然フリードに放たれたのは赤黒い波動だった。
そしてそれを放ったのは
「私の下僕を随分とかわいがってくれたわね」
リアスだった。
「部長!」
「ごめんなさいイッセー…はぐれエクソシストが来ていたなんて…さっきまで結界が張られていて気づかなかったの…」
「ッチ!何してんだよこのクソアマ!!!」
「きゃぁ!」
リアスの言葉を聞いた瞬間フリードはアーシアを蹴った。
「結界はお前の仕事だろうが!!!
「アーシア!!」
フリードは何回もアーシアを蹴り続けた。
「私は私の下僕を傷つけられるのは絶対に許さないとしているのに特に貴方は下品極まりない…自分の所有物を傷付けられるのは我慢ならないわ…!!!」
そう言いリアスは全身から赤いオーラを出しフリードを消そうとしたが
「!堕天使複数の気配…」
「ここでは不利ね…そして今はイッセーの回収が先決…朱乃、ジャンプの用意を」
「はい」
そう言われた朱乃は魔法陣を展開した。
そして小猫は一誠を担ぎ木場も魔法陣へと移動した。
「部長!!あの娘も!!」
一誠がなんとかアーシアも逃がそうとしても
「それは無理…この魔法陣は私の眷属しかジャンプできない…」
「そ…そんな…アーシア…」
一誠はもう一度アーシアを見ると
「イッセーさん…またいつか………どこかで………」
アーシアは笑顔で言った。
「アーシアーー!!!!!!」
こうしてオカルト研究部は一誠を救出したのだった。