ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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冥界への準備

次の日、ゼノは目を覚ますと時の界王神と別れ界王神に地球へと送ってもらった。そしてそのまま通学し部活の時間となった。そしてその部活の中リアスが突然切り出した。

 

「今年の夏休みは冥界で過ごすことにするわ」

それを聞いてイッセーは置いていってしまうのかという表情で泣いていたがリアスは違う違うといい説明した。

 

「毎年のことなの。それに若手悪魔の会合だってあるしね」

「成る程…」

「ゼノ、貴方はどうするの?」

悪魔であるイッセーや堕天使であるアザゼルは会合や顔出しのため参加しなければいけないが、ゼノはどうするべきかリアスは迷っていた。

「どうしよっかな〜…」

すると朱乃はゼノに囁くように言った。

「冥界ならめずらしい料理やスイーツが食べられますよ♪」

「行く」

ゼノのいつも変わらずの癖にリアスは若干引きながらも分かったと言った。

 

「じゃあ皆、数日後に出発するから各自準備をしておいて」

皆は返事をすると解散となった。

 

部室を出て校門まで歩いていると突然朱乃に引き止められた。

「どうした?」

「あの…突然で申し訳ないんですけど…私を…鍛えていただきませんか…?」

「本当に突然だな。なんか目標でもあんのか?」

「はい。レーティングゲームでは勿論……襲撃の際では皆様の何の役にも立てませんでした…だから強くなって…この力を…母様や父様から貰ったこの力を皆のために使いたいのです」

朱乃は誰にも見られない様に手から魔力を出した。その目からは真剣 そして覚悟が見受けられる。そして何よりも自らの苦しい過去を乗り越えた精神の強さも伝わってくる。

「ま、いいぞ。お前もみっちり鍛えてやる」

「も…ということは他にも誰かいるのですか?」

「あぁ。小猫だ。アイツもアイツで力を使いこなし皆の役に立ちたいんだと」

「成る程。ではリアスやイッセー君達はどうするんですか?」

「取り敢えず自ら言いに来ない奴はやらん。小猫は秘められた潜在能力に興味があったから誘った」

「そうなんですか。厳しいんですね」

「これぐらいが普通だ」

ーーーーーーー

ーーーー

帰り道にて

 

いつもならゼノはぼっち下校だが今回は小猫と朱乃が一緒である。周りから男子の野次が飛ぶが全く意に介さない。

「そういえば小猫、朱乃。お前らいつから修行始められる?」

「一日で準備を終わらせる予定なので…明後日ぐらいから…」

「私も同じです。ですが冥界でもできますが…」

朱乃の質問にゼノはいんやと言い否定した。

「まずだけど冥界の重力はどんぐらいだ?」

「人間界とあまり変わりません。少し重いだけです」

「なら駄目だ。この数日間で取り敢えずお前の瞬発力とパワーを倍加したイッセーよりも引き上げる。あと朱乃の魔力は最上級とほぼ同じぐらいは引き上げる」

「「私達…生きて帰ってこれるかな…」」

生命の心配をする小猫を無視しながらゼノは今後の修行を説明した。

 

「まず1日目は重力修行だ。地球よりも倍の重力がある希少な星にいく。そこで重力に慣れてもらって朱乃は魔力 そしてその器を鍛える。小猫はパワーはもちろん魔力や精神力を鍛えてもらう」

「随分ハードですね…」

「そうだ。そんぐらいやりゃ丁度いいだろ。冥界ではそうだな…まず小猫は仙術 朱乃は魔力の実践だ」

「「わ…分かりました…」」

小猫と朱乃は若干恐れながらも承諾した。だが、これで彼女達は数ある『戦車』や『女王』の中で最強の名を冠す事になるかもしれないだろう。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

朱乃と別れたゼノと小猫はアパートへ帰りドアノブへ手をかけた。するとゼノは何かを思い出した。

 

「そうだ…昨日姉に何も言わずに留守にしたんだった…」

「その事何ですが寝る時に帰って来たら次の日の朝までお仕置きするそうです…」

「うわぁ……ティアに言っとくべきだったか……」

ティアとはティアマットの事である。ゼノは覚悟を決めドアを開けた。だがそこには姉の姿はなく代わりにティアマットが出迎えた。

「師匠!お帰りになられましたか!」

「あぁ…ティア…姉貴は…?」

するとティアマットは汗を流しながらも説明した。

「今日は出勤の日らしくて…昨日の事を凄く根に持ってるらしく帰りに飲んでくる…と」

『飲んでくる』その単語にゼノは反応し冷や汗を流した。

実はサリは酒癖が非常に悪く一度酔うと絡みモードと化し手がつけられなくなるのだ。前に一度 ゼノが朱乃と共にあの世へ行き帰還した日に飲んだらしく帰ってきたゼノは何時間も説教されたという。それからゼノは絶対に姉には酒を注がせない事を決めたという。

「取り敢えず帰ってきたら考えるか……うん…それしかない…ない…ない…」

「師匠!?しっかりしてください!」

ーーーーー

ーーー

「取り敢えず私は夕飯でも作りますので師匠は…言い訳でも考えててください…」

ティアマットもゼノを見放していた。

「先輩…全身が白いですよ…?」

「気にすんな…取り敢えずアイツが帰ってこないうちに風呂にでも入るか…」

そう言いゼノは浴室へ入っていった。

「学校ではどうだったのだ?」

「普通でしたよ…」

「そうか」

その時 玄関のドアが開かれた。

 

「ただいま〜」

『ギクッ!』

サリの声を聞いた瞬間 二人は肌を震わせた。だがゼノにはその声は聞こえる事は無かった。

「「お……おかえりなさいませ……」」

「あれ?ゼノは…?」

「「………」」

二人はすぐさま顔を逸らし小猫は筋トレ ティアマットは夕食の支度を再開した。

 

「二人とも〜ゼノは何処かな〜?」

「「あ……あちらです……」」

二人は震えながら浴室を指差した。

「〜♪」

するとサリは鼻歌を歌いながら浴室へと向かっていった。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

浴室ではゼノが頭を洗っていた。

「さて、そろそろ洗い流すか」

そう言いゼノはシャワーを出し頭へとかけた。頭へと付着したシャンプーが次々と流れ落ち排水溝へと流れていった。シャンプーを綺麗に流し終えシャワーを止めた時

 

「お帰り♪」

「ヒィッ…!?」

今 1番会いたくない人が背後から抱きついてきた。

「さて…昨日は何で連絡もしないで帰ってこなかったのかな…?」

その質問と共に抱きつく力が増すとゼノはアタフタしながら答えた。

「あ!いやぁ!昨日はちょっと師匠から呼び出しがあってその後 界王神に今日だけ泊まってくといいて言われたからそれで!」

「それで…?」

「いやぁオーケーして泊まった…」

「そう」

するとサリはゆっくりとゼノから離れた。また地獄の説教だ。そう思った時 頭に手が置かれた。

「大変だったんだね。お疲れ様」

そう言いサリはゼノの頭を撫でた。いつもとは違う反応にゼノは戸惑い頬を赤くした。

「ただ心配させたのは事実だから今日は嫌がらないで一緒に入ろ?」

「ん…」

前の様な展開にはならず姉が理解してくれた事にゼノは安心するとサリの背中を流した。

湯船にはいつもの様にサリがゼノを抱く感じに入っていた。

 

そして無言が続く事 10分。そろそろ上がろうとゼノは湯船から出ようとした。だが、姉のホールドが解けなかった。

いつもなら出る時は必ず解ける。なのに何故か解けない。

「あ…姉貴…そろそろはなし……て!?」

ゼノは突然言葉を断ち口を開けたまま止まってしまった。サリの頬がいつもよりも赤く染まっていたからだ。

「まさか…今頃酔いが…!?」

「ムフフフ〜!!」

「ひやぁ!?」

するとサリはニヤリと笑うとゼノを抱く手の力を強めた。因みにゼノがサリの正面を見ている状態なので結果顔と顔が近づく形となった。

「ゼノったら顔真っ赤っか〜♪」

「お前の所為だろ!早く離せ!」

「い〜や〜♪」

ゼノに言われてもサリは離すことはなかった。するとサリはゼノの頭を両手で抑えた。

 

「え……?」

突然顔を固定されたゼノは訳が分からなくなっていた。

「ゼノ……キス……しよ…?」

「はぁ!?なな!なに言ってんだよ!?するわけねぇだろ!」

突然の爆弾発言 ゼノは顔を真っ赤にさせるとすぐに拒否した。するとサリはゆっくりと体を動かすとゼノを浴槽のお湯に面していない場所へ体で押し付けた。

 

「ゼノに拒否権はないよ♪」

「ひぃ!?」

サラは更に身体を密着させた。豊満な胸がゼノの小さな上半身に押し当てられ柔らかな感触を伝わらせゼノの抗力をどんどん奪っていった。

そのうえ顔は手 で押さえつけられ逃げようがない。

 

「ま…待って…」

「待たない」

そして顔が近づきゆっくりと 二人の唇が重なり合った。

「んんん…!は…な……」

「離さない」

そう言いサリは更に詰め寄りゼノの口の中に自分の舌を入れた。それはゼノの舌に絡み性的な感触を伝せてきた。

 

「んんん……!!」

ゼノは必死に抵抗しようとしたが次々に伝わってくる感触に耐えきれず何も出来なかった。

 

「ん…ん…♡」

「……!!」

サリは何度も自分の舌を絡ませゼノから意識を奪っていった。その絡みは重ねるごとに強くなっていった。

 

 

しばらくして

「ぷはっ…♡あれ?ゼノ?」

唇を離したサリはゼノを見るとゼノは目を回しながら気を失っていた。

 

 

ーーーーーーー

ーーーー

「……」

あれから数十分後にゼノは目覚め 今は夕食を取っていた。サリの酔いが覚めた事で今は空気が軽くなっていた。

 

「サリさん。師匠ずっとあのままですけど何かあったんですか?」

「ふふ〜♪ゼノのファーストキス奪っちゃった〜♡」

「え!?サラッと!?」

ティアマットは浴室での出来事を聞くとサリは顔を赤くしながら上機嫌で話していた。そして小猫は虚ろな目を浮かべながら布団の上に倒れるゼノを心配していた。

 

「先輩…大丈夫ですか…?」

「これが大丈夫に見えるか…?」

「いえ全く」

ちなみに小猫は大好きであるゼノのファーストキスを奪われた事で内心少しムッとしていた。

 

 

ーーーーーーー

 

翌々日

 

ゼノはアパートの近くにある空き地へと来ていた。ティアマットとジャージ姿の小猫も同伴である。3人はとある人物を待っていた。

すると目の前に転移門が現れ巫女服を纏った朱乃が現れた。

 

「よし、これで全員集まったな。俺に掴まれ」

そう言われた彼女達はゼノの肩を掴んだ。

 

「行くぞ」

そして4人は地球とは別の星へと移動した。

初めて来る地球とは別の星。朱乃と小猫は周りの景色を見渡していた。

 

「さて、始めるか」

今、冥界合宿前の強化訓練が始まろうとしていた。

 

 

 


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