ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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今年最後の投稿となります。


冥界合宿のヘルキャット
部長の土下座(笑) と師弟大喧嘩


その後、小猫は荷物をまとめるとゼノの家へと移ってきた。

 

そして次の日

 

現在 ゼノはリアスを地に伏せる。つまり土下座をさせていた。

理由は簡単。昨日の小猫の件である。見知らぬ悪魔が自分の領地に勝手に侵入する。管轄者ならばそれくらい把握しておく筈だ。なのにリアスはゼノからの連絡で初めて知った。幾ら何でもおかしすぎるのだった。

 

「お前 ここの管轄者なんだろ?何で自分の領地に悪魔が侵入した事 把握出来なかったんだよ」

「い…いやぁ…それはその……すいません私の力不足です……」

リアスはゼノに詰め寄られながらあっさりと自分の不甲斐なさを認めた。その言葉を聞いても未だにゼノは機嫌が治らなかった。

「というかお前…普段なにしてんだ?街の管轄者なら月一か週一に変な奴が入ってないか町民名簿や見回りとか普通するだろ?なのにどうしてやってなかったんだ?まさかとは思うけど…お前 ずっと学校や部活動の事ばっかで管理に目を通してねぇのか?」

「うぅ……」

その質問にリアスは何も返せなかった。完全なる図星である。

 

「別に大変っていうのは分かってるけどさ。管理は管理でちゃんとやれよ。勉強と管理が両立できるからここ任されてんだろ?」

「はい…」

「だったらやれよ。しかも今回 自分の眷属狙われたんだぞ?それについてどう思ってんだよ?」

「わ…悪いと思ってます…小猫…本当にごめんなさい…」

「あ…いえ…」

リアスは小猫に土下座をし謝罪をした。対する小猫はどう反応すればいいのか分からず戸惑っていた。

 

「因みにもしこんな事がもう一回ありでもしたら…俺の権限でここの領地全部お前から剥奪する。いいな…?」

「はいぃぃぃ!!」

「分かればよろしい」

ゼノの一喝にリアスは震え叫びながら返事をした。これには皆も流石にリアスをフォローできない。アザゼルも冷や汗 苦笑を浮かべていた。

リアスへの説教を終えたゼノは先程の雰囲気が一気に消失したように表情を緩めるとソファーに座った。

 

「だ…大丈夫ですか部長…?」

立ち上がりイスに顔を突っ伏したリアスにイッセーは安否を求めた。リアスは顔を見せないまま「大丈夫よ…問題ない…」と繰り返すばかりであった。明らかに問題ありであった。リアスが可哀想に見えるが街の管理者としての業務にミスがあった事に対して変わりはないからしょうがないだろう。アザゼルも冷や汗を流していた。

 

「まぁ無理もねぇさ。離れてた俺達でさえ震え上がるほどの威圧をあんな至近距離でされてたんだからよ。意識保ってられるのがおかしいくらいだ」

「それぐらいまで抑えてやったんだ。寧ろ感謝して欲しいよ」

アザゼルの言葉にゼノは朱乃から出されたお茶をすすりながら答えた。お茶を飲み終えるとゼノはソファーから立ち上がり『もう今日は帰る』とだけ言い部室を出て行った。

 

「よくお前ら神様と同じ空間にいてバテないよな…」

「そりゃいつも一緒にいるからな」

「いや、いくら俺やサーゼクスでもあんなバケモノずっと同じ空間にいたら一週間でぶっ倒れちまうよ。お前らは本当にすげ〜よ」

「そうか…?」

イッセーは疑問に思いながらも先程の場面を思い返した。

すると、右腕が光りドライグの声が聞こえた。

『アザゼルの言う通りだ。お前らは本当にすげぇ奴らだ』

 

「お?コイツが赤龍帝の魂か?俺はアザゼルだ。よろしくな?」

アザゼルの簡単な挨拶にドライグは応えた。

 

「でもよう。どう言うことだ?さっきのは確かに凄かったけどそんなんでもなかったぞ?」

『とうとう感覚までもがイカれたか…まぁいい…お前がそう感じ取れたのはライザーの一件からだ』

「焼鳥野郎の時…?」

『その時 お前は銀河神から何かを分けて貰っただろ?」

「あぁ……もしかして!?」

イッセーはライザーの時を思い出したと同時に今回の出来事の原因を理解した。

『そう。あの時もらった力が突然目を覚ましたのさ。因みにヴァーリに向かっていった時のお前の魔力は軽く奴を超えていたぞ?』

その言葉に皆は驚きの声を上げた。ゼノの与えられた力はただのカケラにすぎない。だが、それだけでもヴァーリの圧倒的な魔力を上回るのだ。

「銀河神殿から力を分け貰った…ならある程度納得できるな…」

アザゼルはゼノの蹂躙劇を思い出しその神から貰った力となるとあの芸当は可能だと納得した。

「じゃ…じゃあ何で木場とゼノヴィアは……」

イッセーは自分と同じくゼノから力を分け貰った木場とゼノヴィアに疑問を抱いた。すると木場とゼノヴィアはフフフフと壊れたように笑い出し背中で泣いていた。

 

「今回……出番が少なすぎてね……」

「私もだよ……特に襲撃の際なんかセリフ一つもなかったしね…」

「「フフフフフフフ……」」

壁に手をつきながら笑っている二人にイッセーは「すまん!」と言い土下座した。

 

「そう言えば肝心のゼノ君はどこに行ったんでしょう…」

 

一方でゼノはというと…

「あ〜!!!もう悪かったって言ってるじゃねぇか師匠!!」

「うるさいぞゼノぉぉー!!!食い物の恨みは恐ろしいんだぁぁぁぁー!!!」

ビルスと大喧嘩していた。

因みに事の原因はまず、部室を出た後からだ。その後ゼノはウイスに迎えを頼みビルス星へと来て修行としてウイスの杖の中に入ったのだがうっかり中に保存してあったビルスのオヤツを食べてしまったからである。そしてビルスの都合によりウイスは修行を一旦中断し杖から出た空箱の山を見てビルスが激怒し今に至る。かれこれ二時間は続いていた。

 

因みに二人共ウイスの杖の中で戦闘しておりウイスの杖の中は別次元で気を放出していないと身体に異常が出ると言われている危険空間だ。それでも二人は物ともせずに未だにド派手に争っていた。

「くらぇぇ!!!コイツが僕のお口に入れなかったスイーツの分だぁぁぁぁー!!!」

そう言いビルスは銀河一帯を一瞬で消しとばす巨大な太陽を作り上げゼノ目掛けて投げた。

 

「あ〜!!!もうめんどくさいなぁッ!!!」

対するゼノも両手を天に掲げると超巨大な青い太陽を作り上げた。

 

「お返しだぁぁ!!」

そう叫びゼノはその気弾を向かってくる巨大な太陽に向かって放った。

そしてその弾と太陽がぶつかった瞬間 ゼノが放った気弾は中に詰め込まれていたエネルギーが一気に放出され太陽と共に大爆発を起こし辺りを巨大な光が包み込んだ。

 

 

ーーーーーーーー

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ーー

 

「おやおや…これはまた派手にやってますね〜」

「あの…止めなくてもいいんですか?」

ウイスの横では偶然いた時の界王神もその戦い振りを見ていた。

 

「まぁ、ゼノさんの力量測りには丁度いいでしょう。少し落ちてますね…今度ネッチョリとしごいてあげましょう♪」

「鬼だ…」

 

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エネルギー同士のぶつかり合いが終わり景色が鮮明になってくると両者はまたぶつかり合いを始めた。

 

「あのスイーツはな!僕が今日のお風呂の後の為にとっておいた奴なんだぞぉぉぉ!!!それをお前はアッサリとぉぉぉ!!」

「はぁ!?あれ届けたの二週間前だぞ!?早く食えよ!ちょっと果物腐ってたからな!?そんな事も分かんねぇのかクソ猫が!」

「クソ猫だとぉぉ!?お前!上司である僕に向かってぇぇぇ!!!」

「俺も同格の神ですよ〜!!残念でした〜!!!」

「マジでぶっ殺す!!」

既に軽く光の速度を超えている撃ち合いの中 ゼノの放った言葉にビルスは頭にきて更に激しさが増した。今の彼らの戦いはウイスでも止められないだろう。打ち合う内にゼノもビルスも汗が流れそろそろ疲れてきたようだった。二人の拳がぶつかったと同時に一旦 気を収めると両者距離を取った。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…マジで許さないぞ〜…!」

これ程までにスイーツに熱くなるビルスにゼノはもう疲れ自分から折れた。

 

「あ〜!もう分かった今度新しいスイーツ持ってくるから!」

「うう……本当だな?」

「本当だって。それでいいだろ?」

 

ーーーーーーー

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「終わったようですね」

二人の闘いが終了したと見たウイスは杖を出現させると二人を中から出した。あれ程の撃ち合いをしたのだから二人共 出た瞬間に地に手をついていた。

「はぁ…はぁ…こんなに力を出したのは久し振りだよ…」

「こっちもだよ……」

「僕はもう疲れたよ…戻って寝るとしよう…約束は絶対だからな?」

「はいよ」

そしてビルスは立ち上がると城へと戻っていった。

「では私も。時の界王神さん。ゼノさんの手当てよろしくお願いしますね?」

「分かりました」

そう言いウイスはビルスの後を追っていった。

 

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ーー

 

あれからゼノは呼び出した界王神の瞬間移動によって時の巣へと移動した。

 

「ではまた。カイカイ」

界王神がいなくなると時の界王神はゼノをベットに座らせ包帯等を取り出した。

 

「全く……ゼノ君もビルス様もメチャクチャなんだから…」

「…意外と楽しかったからまたやろっかな〜?」

ゼノの馬鹿丸出し発言に時の界王神はゲンコツをお見舞いする。

 

「次ふざけた事いったらタバスコより数倍辛いハバネロ塗るから」

「ごめんなさい…」

時の界王神は薬を出すとゼノの所々の傷口に塗った。

「でも凄いわね…ビルス様と互角に渡り合えるなんて…初めて会った頃とは大違いね」

「あぁ。あの時はまだ気の使い方すら知らないお子ちゃまだったからな」

「ほら、手出して」

「ん…」

時の界王神は慣れた手つきでゼノの胴体や手に包帯を巻いていく。

「ま、こんな傷どうって事ないからな」

「ふ〜ん…」

時の界王神はニヤリと笑うと背中に手を広げベチーンと叩いた。するとゼノは悲鳴をあげその場から飛び上がった。

「ほらやっぱり痛いんじゃない!」

「背中はないだろ…」

そして全身に巻き終わるとゼノは戻るため界王神に連絡しようとした。すると時の界王神はゼノを呼び止めた。

 

「あのさぁ…今日だけでいいから…一緒に居てくれない…?」

「え…いやぁ…俺も戻らんと姉貴に…」

「…お願い…」

ゼノは時の界王神の目を見た。少し潤んでいる。悲しいのか?はたまた怖いのか?ゼノは疑問に思いながらも今回だけという事で了承する事にした。

「取り敢えず今日はもう疲れた…寝たい…」

「ベッドはこっちよ」

そう言い時の界王神は近くの巨木にある秘密基地のような造りのベッドへと案内した。

「疲れた…」

ゼノは倒れこむようにベッドへ身体を預けた。すると時の界王神もゼノにくっつくようにベッドに横になった。

「……変なことするなよ…?」

「わかってるから」

ゼノは疑いながらもゆっくりと目を閉じた。すると時の界王神はゼノの背中にすがりつくかのように身を寄せた。彼女の手は少し震えていた。

(怖い…けどねゼノ君…貴方がいるだけでそれが打ち消されるの。不思議な感覚ね…ずっとこのまま一緒にいたい…)

そう思いながら時の界王神もゆっくりと目を閉じた。

二人の頭上では陽に照らされた緑の葉がゆっくりと風に揺れていた。

 

 

 


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