ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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親子の別れ そして帰還

ここは天国の擬似闘技場。半径1kmはある超超超巨大な闘技場である。だがその闘技場が、今現在 半壊と言うより完全に崩壊状態となっていた。その原因は…

 

「いつつ〜…もう少し手加減してくださいよ〜…」

「これでも結構手加減した方なんだがな〜♪」

舞台のど真ん中で身体中ボロボロでヘトヘトの悟飯とボロボロになりながらも子供のように無邪気に笑っているゼノの姿が見えた。

 

「それにしてもこの武舞台は脆いな〜。たった30分でこの有様か〜」

「そりゃあんなに戦えばそうなりますって〜!!」

何故こうなったのかというと、数十分前 謎の変化を見せたゼノは悟飯と戦闘を開始したのだ。だが、その戦闘があまりにも激しすぎ両者のエネルギーのぶつかり合いが辺り一帯を巻き込んでしまったからである。しかもたった一分で舞台が半壊になるほどの戦いを30分も続けていたので二人の周りは板が吹き飛ばされたり抉れていたりと下にある土がほぼ丸出しとなっていた。

 

「さて、久々に楽しませてもらった事だし、そろそろ帰るわ」

「もう帰るんですか?」

「あぁ。他にやることがあるからな」

そう言うとゼノは武舞台をそのままにして悟飯と別れた。

 

 

 

「…て ちょっと待ってゼノさん……会場このままぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

 

* 武舞台は界王様が直しました。

ーーーーーー

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ーー

 

母様と再会してから1日が経過した。

母様は縫い物をしており、私はそれを横から見ていた。

 

「ねぇ朱乃」

「はい?」

縫い物をしながら母様は私に聞いてきた。

 

「朱乃をここに連れてきてくれた子…朱乃はあの人の事が好きなの?」

「ッ!?」

いきなりゼノ君の事を聞かれ私は驚きのあまり後ろへ下がった。

 

「成る程…図星ね」

「うぅ…」

すると母様は編む手を止めると私の方へ顔を向けた。

 

「朱乃…あの子…いや、あの方の事を知って言っているの…?」

突然 母様のゼノ君に対する態度が変わった。恐らく母様も知っているのだろう。ゼノ君が宇宙の神である事を…

でも私は好きだ。彼の事が大好きだ。彼ともっといたい…彼と共に歩みたい…

私はその思いを母様にぶつけるべく答えた。

 

 

「はい」

私がそう言うと母様の顔が少し険しくなりしばらくの間 私を見つめた。

すると険しかった母様の顔が元に戻った。

「本気なのね…?なら、好きにしなさい。私は止めないから」

母様の目が変わりいつもと同じ優しい眼に戻った。認めてくれたのだ。私は笑顔で母様に礼を言った。

 

そこからは妻になる為の家庭術を鬼のように仕込まれた。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

それから ゼノは天国をゆったりと観光 そして朱乃は久しぶりに再会した母と日常を過ごした。

 

時が経つのは早くあっという間に2日が経過していった。

別れの2日目の夜 朱乃が荷物を持ち玄関を出るとそこには予告通りゼノの姿があった。

朱乃は母と別れの挨拶 そして暖かい抱擁を受けるとゼノの元へ歩いて行った。すると突然 朱璃は朱乃を呼び止めた。

 

「朱乃…お父さんの事はどう思っているの?」

その言葉に朱乃の表情は暗くなり俯いてしまった。

「許せません……それに…私なんか産まなければこんな事には…それに母様だって私を産んでしまったことを後悔して…「朱乃!」」

朱璃は一喝し朱乃の言葉を遮った、

「そんな事 言わないで… 貴方を産んで後悔した事なんて一度もないわ。子を産んで後悔する親なんていないもの。それにあの人だって朱乃の事をずっと気に掛けていたのよ」

「あの人が…!?」

「そうよ。私が死んでからずっと朱乃の事を探し回っていたの」

「そうだったんですか……」

その言葉に朱乃は黙り込んだ。しばらくすると口を開き答えを出した。

 

「一度…話してみます」

「えぇ」

その言葉に朱璃はニッコリと笑うと頷いた。

 

「朱乃 行けるか?」

「はい」

するとゼノは手をかざし閻魔殿へのゲートを開いた。するとゼノは朱璃に呼び止められた。

「娘を……よろしくお願いします」

その言葉と共に朱璃は頭を下げた。するとゼノはゆっくり頷いた。

「あぁ」

「行ってまいります。母様」

そして朱乃は手を振りながらゼノと共にゲートをくぐり天国から姿を消した。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

閻魔殿に着いたゼノは神社へと瞬間移動した。

時刻は深夜の0時であり辺りは真っ暗である。

 

「じゃあ俺も帰る」

そう言いゼノは帰ろうとすると朱乃は呼び止め、頭を下げた。

「ありがとうございました。貴方のお陰で迷いを振り切ることができそうです」

その言葉にゼノは微小な笑みを浮かべると手を上げながら夜の道へと消えていった。

 

 

 

因みにこの後家についたゼノは帰りが遅すぎた為かサリにめちゃくちゃ説教されたそうな。

 

 

 


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